初代の号のまま城名になってる 自閉は完全には改善してない 何ならアマノは神格下げて顕現してるしな 担当官も何回か代替わりしてる 引継ぎが顕現した刀も多少いる 初代の顕現したのは七星剣くらいまで(全刀はいない) 上古刀は神器レベルの神格 新々刀でも普通の平安組くらいの神格がある 性欲も恋情もなく花鶏のことも保健所から引き取ってきた捨て犬(子イヌ)くらいの扱い ホワイト本丸引継ぎ ただ、ほぼ全刀実質転神なので常人にはキツい 何人も引継ぎが根を上げてる 余所に移って頑張ってる人もいるし審神者を辞めた人もいる
古刀は油断すると発言が文字化け(人間が理解できない言語)になる 気を付ければちゃんと喋れる 定型文しか喋れないのもいる テレパシーするのもいる 新刀も神霊ムーブする まあ江戸生まれは文字化けしない
「花鶏ちゃんに本丸引継ぎの打診が来ているんだけど、どうかな?」
「…何故?」
「先日、演習場の補助に行ってもらった時に先方の刀に見初められたらしくてね。ああ、勿論、例の黒本丸ではなくって、ちゃんとした…ホワイトな運営を行っていた本丸だよ。まあ、全く問題がないわけではないのだけど」
「問題」
「先方は善良な審神者であれば厭わないんだけど、引継ぎの審神者が居着かなくてね。原因もはっきりしている。通常よりかなり神格の高い刀剣が多いから、耐性がないと難しくてね、移籍になってしまうんだよ」
「…無いと思うけど」
「耐性がありそうだから打診が来ているんだと思うよ?何をもってそう判断したのかは知らないが」
「神格の高い刀剣だったら僕が覚えているよ。主は特に認識していなかっただろうけど」
「ああ…それで、逆に?」
「…?」
花鶏はよくわかっていない顔をしているが、神格の高い刀剣相手に平常を保てるのであれば、それは耐性があるということでまあ間違いなかろう。
「花鶏ちゃんが嫌なら断ることも可能ではある。互いの同意のない引継ぎはトラブルの元だからね。でも本丸引継ぎが嫌でないなら、悪くない選択肢だと思うよ。政府で働くより安全だろうしね。当然、二振りも付いていくか契約解除するか選ぶことになるわけだけど」
「許可されるのであれば僕はついていくよ?」
「先方に問題がないのであれば、俺もあえて契約を切るつもりはねぇよ」
「先方の本丸に君たちは所属していないからあちらからの拒否はないと思うよ」
「…引継ぎが嫌ということはないけど」
「ないけど?」
「…長義と会えなくなる?」
「ん~~~~~盲愛のも移籍できるか、先方と盲愛のに打診してみようか☆」
「甘やかしすぎだろ」
「任意で本丸の出入りが可能で、政府なり万屋街なりでの待ち合わせなりができれば十分だと思うよ?」
現在でも盲愛は花鶏を気にかけていてちょくちょく様子を見に来るが、毎日顔を合わせているわけではない。お互い仕事があるので。
「そこはそりゃあ、セキュリティの都合があるからいつでも出入りフリーとはいかないだろうけど、本丸缶詰ってことはないはずだよ。それこそ護衛刀連れてれば常識的な時間の外出はできるだろうし」
なお現世の渡航は申請して許可を得る必要がある。
「…なら、受けてみる」
手続きやら引継ぎ、引っ越し作業なんかで実際の着任まで一週間ほどかかった。引継ぎ先の本丸の担当管狐と担当官の案内で本丸へ向かう、はずだったのだが。
「少々トラブルがございまして…安全のために護衛刀のどちらかが花鶏様を抱えていただけますか?」
「では僕が主を抱えていこう」
「ん」
朝尊が花鶏を抱える。
「トラブルってのは、何事だ?」
「別派閥の者から横入りがありまして…花鶏様を別の本丸の引継ぎに回して、我らが詠月城本丸を引き継がせるのは別の方にせよ、と。勿論、花鶏様の引継ぎを望む皆さまは断固拒否されましたが」
「…きな臭えな。その別本丸、ブラック本丸じゃねぇよな?それこそ…美濃24番本丸…黒檀城とか」
「ご存知でしたか」
「いや。こいつが保護される前にいた本丸だ」
ぎゅっと花鶏が彼の服を握りこむのを見て、朝尊は目を細めた。
「主は当然、かの本丸への再就任は望んでいないのだが」
「我らもそのつもりはありません。皆さま花鶏様が来るのを楽しみにしていますので」
「ならどうするんだよ」
「引継ぎ先を交換して、交換します」
「???」
「方法はともかく、そのねじ込もうとされている審神者を黒檀城の方に向かわせるということかね?」
「ええ。私も神格はありませんが詠月様の代から本丸でサポートを行っているベテラン管狐。式神風情と侮られては困ります」
「黎明期に立ち上げられ、神格の高い刀剣の多い本丸だとは聞いていたけれど、管狐もそうなのだね」
「…で、具体的にはどうするつもりなんだ。おれたちはどうすればいい」
「綿密な打ち合わせをしている時間はないので簡潔に申し上げますと、転移門をくぐった時に転移をいたしますので、抵抗はなさらないでください。あと、できれば肥前忠広は顕現を解いて花鶏様に差していただいていてください。その方が安全なので」
「…仕方ねえな。主、落とすなよ」
「うん」
花鶏は顕現を解いた肥前を腰に差す。
「では、本丸に辿り着くまで、話を合わせてくださいませ」
本丸へ移動するための転移門ポータルには手続きの時に顔を合わせていた担当官以外にも数人の人間と刀剣男士がいた。
「花鶏様と南海太郎朝尊をお連れしました」
「何やら待たせてしまったようだね、月草くん」
朝尊は担当官の号を呼ぶ。担当官は青い顔をしている。
「朝尊様…その…」
「ん?主は昨夜緊張して眠りが浅くなってしまったようでね。眠そうだったから僕が抱えていくことになっただけだよ。体調を崩したりはしていない」
「そうですか…」
「さて、話は済んだか?それじゃあ、それぞれ相応しい本丸へ向かってもらうことにしよう」
「うん?面識はなかったと思うのだが、僕たちに何か用かね。忙しいのでまた時間のある時にしてほしいのだが」
「今でなければ意味のないことだ。大人しく従ってもらおう」
「ふむ…何やら穏やかでない気配がしていると思ったけれど。我が主に危害を加えようということかね」
「危害?俺たちが主を傷つけるはずがないだろう。当然、大事に大事に守ってやるつもりだとも」
「・・・」
二振りの対照的な三日月宗近。その声と言葉に花鶏はびくりと肩を震わせた。そしてまたぎゅっと手を握りこむ。
「見解の相違があるようだね。主はただ安全な場所で守られるだけを良しとする人間ではないよ」
「話し合いは本丸でしてもらおうか。こちらも暇ではないのでね」
「それはこちらの台詞なのだがね…」
朝尊と目が合って、詠月の三日月は微笑んだ。
『また後でな』
「特別な本丸を引き継ぐのは、アンタみたいな出来損ないの一般人より私の方が相応しいに決まっているでしょう。アンタは今度こそ自分の役目を全うするのね」
審神者であるらしい女の発言に花鶏は反応しない。引き離されるのを恐れるように朝尊にしがみついている。女はそれにムッとした様子を見せたが、すぐに詠月の三日月の腕に抱き着く。
「さあ、早く本丸に行きましょう」
「・・・」
詠月の三日月は微笑んだまま静かに腕から女を引き剥がした。固い顔の長谷部が女の後を追う。
二人の担当官が二つの門を本丸に繋げる。三日月の先導で審神者とその刀剣男士が門をくぐる。それと同時に黒檀城本丸の出入りが再びロックされた。
データ上そのままで中身を入れ替える予定だったので手続きは問題ない 懲罰人事