刀剣たちと過ごす日々   作:ペンギン隊長

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数日後 小鳥視点 若干縮んでる いつもの 
実装から年単位で経ってる軸なんよな


それでも空は何処までも高く2

 

雲生はちょっと病的と言っていいんじゃないかな、というレベルで心配性だ。いや、たぶん、実際病んでるんだと思う。ほんの数時間前に会ったばかりの相手を心配して片時も傍を離れないのは普通に異常だと思う。目の前で主を亡くしたことが酷いトラウマになっているらしい。俺にべったりなのは恐らく、代償行為に近いやつ。守れなかったものの代わりに、俺を守ることで傷を埋めようとしているのだろう。

でも完全に幼女扱いされているらしくて、変なことをされるわけでもないので何か…慣れた。心配性してない時はほわほわしているし。彼に対して嫌悪感とかはない。事態が動いた時にどうなるだろうなー、とは思うけど。なんやかんや、抱っこされるのは嫌いじゃない。

何もしないでぼーっとしているのは好きじゃないから、もうちょっと落ち着いてほしいとは思う。抱っこされてる状態だとできることが限られちゃうからな。

 

「…食材を手に入れる必要がありますね」

「何も食べないでいるわけにはいかないからね…」

食料庫が空に近い。しかし、本丸の外には出られない、んだよね?野菜を育てる、とかならもっと早くから取り組むべきだっただろう。そもそも種とか苗とかが本丸内にあるのかわからないけど。

「妖横町に向かいます。逸れると拙い場所ですから、絶対に私から離れないでください」

「妖、横町?」

「狭間にある妖たちの商店街です。人だけで行くと匂引される危険があります。刀剣男士に喧嘩を売ってくることは余程ないと思いますが…」

本当はあまり連れていきたくないけど、本丸に一人で残していくのも心配、ってやつかなぁ。そもそも目を離すこと自体恐れている節があるし。

「買い物に行くの?」

「はい。私にお任せください」

 

雲生のジャージの上着を羽織らされた。だいぶ、ぶかぶかなのだが別に防寒具とかではなく、マーキング的な物っぽい。

「雲生」

「…やはり、手を繋ぐだけでは心配ですから、何か…紐を結ぶなどしませんか」

「それは流石に不便なんじゃないかな」

しかし雲生は何処からか手錠を見つけてきてお互いの手首を繋いだ。いや、何であるんだよそんなもん…。満足そうに微笑んでいるので本当に病んでるっぽいなあって思う。執着対象俺でいいのかな。まあ此処に今他の人間はいないんだけど…。

「妖は人に危害を加えることもありますから、慎重な対応をしてくださいね、小鳥」

「ん、気を付ける」

 

どうなってるのかよくわからないけど、転移門を起動させずに本丸の敷地外に出て暫く歩くといつの間にか古めかしい町の中にいた。色んな人(?)で賑わっている。露店とかも時々あって、色んなものが売られている。

「物珍しいのですか?小鳥」

「うん、こういうとこ、初めてきたと思う」

ぎゅ、と手を握られる。

「では、やはりこれで正解でしたね。あなたは時々好奇心で周囲が見えなくなることがあるようですから」

「そ、そうだっけ…?」

いや、まあ…注意力散漫気味なところはあるかもしれないけど…。外出先で同行者と逸れて迷子になった経験とかはそんなにない。自分の意思で単独行動したことはあるけど。

「はい。…さて、ではまずは魚屋でも探してみましょうか」

 

両手が塞がっているのは拙いということで買ったものは全て多次元収納にしまっている。大体一週間から十日分くらいの食料と、雑貨類。

「小鳥は甘味は好きですか?」

「んー、好きか嫌いかで言ったら好きかな。こしあん派」

「ではそこの茶屋で少し休憩をしていきましょう。頭を使うと糖分が必要になりますしね」

ところで雲生が右手で刀を持つからか、手錠で繋いでいる手は雲生は左手、俺は右手になる。彼は多分両利きだが、僕はそこまで器用ではない。…いや、まあ、箸は持てないけど、フォーク程度ならなんとかなるか…?

「団子は何味が良いですか?あんこと、みたらしと、よもぎがあるようですが」

「僕はみたらしがいい」

「では私はあんこを頼みますね」

手錠があるので当然そのまま横に並んで座ることになる。

「他に何か買っておきたいものはありましたか?」

「ん-…特には思いつかない。しいていえば、面白そうな本とかあったらほしいかな、ってくらい?」

「本、ですか」

「僕、知らないことが多いみたいだし、知識増やした方がいいかなって」

抱っこされてても本は読めるしな。

「…妖横町にあるのは古本屋か貸本屋の類になりますからね…正確な知識が得られるかどうかは、ジャンルにもよるでしょうが…」

糞真面目なんだよなあ…やっぱ何かバグってるのでは?でも変につついて悪化した場合、逃げ場がないからな…何かあった時どうにかできる手段ができるまでそっとしておきたい。

お金と引き換えにお茶と団子を受け取った。串に刺さっていない。素手で触るのはちょっと…なので長めの爪楊枝を生成した。うーん、異文化。

「お口にあいましたか?」

「思ってたのと違ったけど、嫌いじゃないよ」

「それは良かった」

 

「あ、雲生くん、余所の本丸の雲生くんだよ」

「………おや」

「・・・」

「後家兼光、勢いで行動するなって前にも姫鶴殿に言われていなかったか?」

同じ名前で呼ばれている刀剣男士、なのだろう。でも、なんていうか…全然別の存在であるように感じた。うまく言葉にできないけど間違えることはないだろう、と思う。後、なんかすごい空気が悪い。

「雲生…?」

「…ええ、大丈夫ですよ、小鳥。なんでもありませんから」

俺に対しては微笑するのが何か逆に怖いんだよな。あとそれ絶対なんでもなくないやつ。

「不躾ですが、少しよろしいですか」

「何もよろしくないので遠慮してもらっていいでしょうか。まだ用事もありますので」

「同位体として、見過ごせない状態ではないかと思うのですが」

「…今は、放っておいていただけますか」

「放っておいて解決するものでもないでしょう、そもそも、自分の状態を自覚できていますか?表面上は繕えているのかもしれませんが…」

「・・・」

「それと、未成年者淫行はよろしくありません」

「えっ」

「淫行はしていません」

「…いや、僕は成人してるから」

立派な社会人とはいえないかもしれないが、未成年扱いされるのは流石にもにょる。

「えっ」

「そう、ですか?」

「義務教育はとっくに卒業してるし、大学も出たよ」

「そうですか。それは御失礼を…しかし、そこまで執拗にマーキングするのはどうかと思うのですが」

「万一にでも見失ったら困ります」

執拗って言われるほどマーキングされてるの、俺。そんな言われるほどのことされてるの…?まあ常に距離が近くはあるけど…。

「うーん、僕も正直、雲生くんは恋人ができたら束縛するタイプだろうなあ、とは思ってた」

「余計なことをお言いでないよ」

「…恋人じゃないけど。…だよね?」

俺は雲生に好きだのなんだの言われた覚えはない。

「…そうですね。小鳥と私は恋愛関係にはありません」

「えっ…」

「恋人でもない相手にそのようなことをしているのですか…?」

「主が心配で仕方ない感じ?」

「ううん。雲生の主さんは別の人。死んだらしいからどんな人か知らないけど」

「不可ッ…!!」

「えっ。契約をしていない、恋愛関係にもない方にそのようなことを…?」

「えっそれどういう状況?」

俺そんなヤバいことされてるの?雲生を見上げたら抱き寄せられた。

「雲生?」

「私は、今度こそ守らなければならないのです。私以外に小鳥を守れるものがいないのですから。この子だけは守らなくては」

取り乱しているようで呼吸が浅い。これは拙いのでは。

「雲生、どうしたの?雲生?」

「小鳥…」

「…この気配、祟りか?」

「僕はそういう案件に当たった経験ないし、わからないんだけど」

「おそらく、一度枠を外れているとは思います。現状どうなのかは怪しくはありましたが…」

「雲生。ね、雲生さん、落ち着いて…?」

何に対してそんな取り乱しているのかもよくわからない。まあ、和気あいあいとはいかない感じではあったけど…刀剣男士同士なら広い意味では仲間のはず、では?

彼らの方を見ると何やら硬い表情をしていた。もしかしてだいぶ拙い状況になってる?

「今度は、奪わせません。絶対に」

「雲生」

「安心してください、あなたは私が守りますから」

「なにをそんなに警戒しているの?」

そんな危ない状態であるように僕には認識できない。

「…一応言っておくと、俺は帰ってから監査部に通報するけど、この場で君たちをどうこうするつもりはないよ。妖横町(ここ)から直接現世には出られないし、他本丸に行くこともできないからね。…物のやり取りくらいはできるけど」

「僕も荒事にするつもりはないかな。雲生くんは?」

「私としても、同位体が"やらかしている"のを放置することはできませんが、かといって危害を加えたいわけではありません。違法行為は見逃せませんが」

拙い状況らしい。…それはそう。

「刀剣男士として、審神者を守るのは当然のことです」

「やり方の問題です。そもそも何故契約していない相手にそこまでの執着をしているのですか?…いえ、そこまで執着しているのに何故契約は結んでいないのか、と問うべきかもしれませんが…」

「何故?それは…」

ぎゅっと抱きしめられる。

「…小鳥は迷子です。本来なら私の本丸にいるのはおかしい。将来有望なのですから、もっと相応しい場所があるはずなのです。門が上位権限で閉じられているので、ゆくべき場所に連れていって差し上げられないですが…だから、私が契約す(しば)るわけにはいきません」

「…別に有望じゃないと思うけど」

どちらかというと落ちこぼれの可能性が高い。まあ他の審神者がどんな感じなのか知らないんだけど…。あとIDは合ってたんだからそもそも辞令がおかしいんなら別だが、迷子ではないと思う。

「他の本丸の審神者ってこと?」

「ううん。引継ぎって言われていった先が雲生のとこだったから、他の本丸には行ったことない」

「黒派閥の被害者の可能性が濃厚すぎるんだが…本丸のIDか城名を教えてくれるかい」

「んと…ショートメールでいい?」

銀髪の刀剣に端末を出してもらってショートメールを送る。メモリに保存はしてあるが諳んじるのはちょっと自信がない。

「ついでに記念写真撮っておかない?これも何かの縁だし」

何かの縁#とは

赤髪の刀剣は何か軽い調子で端末を出して一緒に写真を撮った。良いと言ってないが…。

W雲生は何か頭の上で喋っている。

「あなたの言動には矛盾が見られます。別れる前提であるなら、別れた後に相手が困ることのないよう振舞うべきでしょう。小鳥さんが他の本丸に配属されたとして、距離感を間違えた対応をすればトラブルになる可能性もあるのですよ」

「小鳥が、他の刀剣と」

「あるべき本丸(ばしょ)が違うとはそういう事でしょう」

「…そう、ですね」

抱きしめる力が強くなる。余所にやりたくないと言われているようにしか思えない。俺としては別に。本丸がちゃんと出入りできる状態なら此処でも他でも構わない。疎まれるわけでないのなら。

「小鳥ちゃんは、どう思ってるの?」

「どう、と言われても…僕は役目を果たすよ。よくわからないけど」

正直なところ、自分が何を望まれているのか、よくわかっていない。何か騙されてたっぽいのは薄々。俺は別に高尚な志とかあって審神者になったわけではないので、生活に困らないなら別に。いや、騙されていいわけではないけど。

「そうやって思考停止してるんだ」

「動けないのに考えてもストレスになるだけじゃない?検討する情報もないし」

「省エネ派なんだね」

「そうかも」

「人の子は長期間狭い空間に閉じ込められるのは強いストレスになるともいうからな。自分を守るために感覚を鈍麻させてるところがあるのかもしれない」

否定はできない。ま僕は出不精の引きこもりではあるんだけど、自分から閉じこもるのと他者に閉じ込められるのは別だからな。あとネット環境。

「IDがはっきりしていれば監査もすぐ動けると思うから、自分がどうしたいのかはきちんと考えておくんだよ」

そんなこと言われてもなぁ…。

 

 

本丸に戻って買ってきたものを整理してから言う。

「雲生」

「…何ですか?小鳥」

「手錠は不便だから、次はリードとかにしない?子供の飛び出し防止でリュックに着けるやつとか」

「…確かに、これだと抱き上げられませんでしたしね…」

逆に言うと手錠で繋がってなかったら抱き上げられてたということになるのだろうか。自分で言っといてなんだが、私のことどう思ってるんだろう、こいつ。子供扱いされてて、主の代替として執着されているもんなんだと解釈してたんだけど。…いや、何か主に対する振舞いだったとしても過剰臭くはあるけど。

「確かこんな感じで…」

自分が使った覚えはないが、うちにも古いのがあった。まあ誰かの代で使ってたってことだろう。それをサイズとかデザインとか少しアレンジしつつ生成した。山吹色のリュックに白い羽飾りがついていて、リュックと同じ色の丈夫なリード(つけ外しできる)が1mくらいでリュックの下側に付けられるようになっている。リュックの容量はそんなに大きくないがメロン一玉くらいは入る。

「ほら、これで安心でしょ?」

「…そうですね」

背負って見せたら雲生は微笑んでくれた。これで次は手錠は持ち出さんだろ多分。

 

流石にトイレは見守り拒否しているものの、風呂と睡眠は一緒にしていた。よく考えるとこれも異常ではあった。まあお風呂は大きいから一緒に入っても狭くないし、布団も並べて寝てるだけだ。まあ手を繋いで寝てるけど、変なことはされてない、はず。なんというか、性欲向けられてるって思ったことないし。

「…?雲生、どうかしたの?」

「…いえ。どうもしていません」

「?」

昨日と何か変わったわけでもないはずだ。それとも。雲生にとっては、そうではない?

いや、俺としては風呂はできれば一人でゆっくり入りたいのだが。添い寝は別に構わない。ゆっくりを度外視したら多分一人で入れる。雲生は五分以上俺から目を離したくないようなので。いや、五分で入って出てくるのは烏の行水ですらない気もするが…。目視できなくても声(というか会話?)があれば30分くらいまではなんとか…ではあるけど、それはそれで色々しんどい。僕も雲生のお風呂を待たないといかんしな…。

「風邪を引いたらいけませんから」

「ん」

 

「じゃあ、おやすみなさい」

「小鳥」

「何?」

布団の中で抱き寄せられた。いつもより顔が近いなって思っていたら、キスされた。

「???」

「好きです、小鳥。あなたを喪うことが怖いのは、あなたから目を離したくないのは、あなたを守るのは私でありたいのは…あなたが好きだからだと思うのです」

「…主さんの代わりにしてるんじゃなくて?」

「最後に主の近侍をしていたのは私ですが、主と恋愛関係だったことはありません。そのような目で見ていませんでしたから」

「僕もそういう目で見てないけど…」

そもそも俺は無性愛者なので他者に恋愛感情を持ったこと自体ない。

「…嫌ですか?」

「…わからない。…経験がないから、反応に困る…?」

「…では、嫌でしたらそう言ってください」

抱き寄せられてまたキスをされた。嫌悪感は無くて戸惑いだけがある。そもそも自分が魅力的だと思わない。幼児体型だし、特に美人でもないし。雲生ならいくらでも可愛い女の子を恋人にできそうなもんだけど。

「なんで、僕?」

「…わかりません。でも、私はあなたを愛しく…可愛らしいと思っています」

そう言って唇を食まれた。返事をする前に、舌が口に入ってくる。初めてのことに背筋がゾクゾクした。あれ、もしかしてこれ、拒否しないとガチで貞操の危機になるやつ?

「ん、ぁ…う、んしょ」

「小鳥。嫌ですか?」

「いや…じゃあ、ない、けど…」

距離の詰め方がエグ…いや。お風呂一緒に入ってて添い寝もしてるわけだから距離感自体は既にめっちゃ詰められてたか…。

「こういうの、したいと思ったことないし…突然言われても困るというか」

「私は、小鳥が他の者のものになるのは、嫌です」

「俺は俺のものだが…」

その執着は、俺という個に対するものなのだろうか。いやマジで何で僕。

めっちゃキスされている。なんか頭がふわふわしてきた。雲生のことは好きか嫌いかでいえば好き、なんじゃないかな?嫌いではない。度の過ぎた心配性はどうにかしてほしいけど。恋愛とかはよくわからない。このまま雲生と契約する(?)のでも別にいいと思う。

「小鳥、可愛いですよ」

「雲生、なんか…こわい」

「何が怖いのですか?」

「なんか…なんか、へんな、かんじする…」

「…いいえ。いつも通りですよ。何も、怖いことは起こりません。私が傍にいますから」

なんだか躯がぽかぽかする。衣の上から背を撫でられている。単衣だから簡単に着崩れちゃう、のは彼も同じなんだけど。胸筋がめっちゃ見えてる。裸とか、お風呂でお互い見てるんだよな。いや、局部は見ないようにしてたけど。

微笑む雲生の目がいつもと違う気がする。これが、性欲って…やつ?

「…雲生」

「…駄目ですか?」

胸元に口付けられて、このままだと抱かれるんだろうなって思う。でも、拒否…できなくない?本丸からは出られないし、助けを求める相手も逃げる場所もない。仮に拒否しても、このまま朝まで抱きかかえられて眠、れなくない?

「…こわい」

「痛くしませんよ」

「……処女、なんだけど」

「…途中までになるかもしれませんが、痛くならないようにします」

「ん…いたく、しないで…」

「ロジャー。とびきり優しくします」

初めてする時は痛いものだって聞くけど、本当に痛くないのかな。

雲生に抱きしめられるのなんてもういつものことなのに、手が大きいなって、全体的に僕より体が大きくて力も強いんだなって思う。大人の、男の人だ。

 

 

 

 

 




お互い自覚のない状態で被せちゃったので解決してない
理由の自覚はともかく、これまでも寝てる間にキスはしてたし全方向に向けてこの子は私のものだが?という威嚇するようなマーキングをしてた 淫行はしてないけど神気は注いでた 祟りなので思い込みで暴走する 手籠めパート入るか 雲生も小鳥に守るべきものってフィルターを被せてた
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