刀剣たちと過ごす日々   作:ペンギン隊長

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満月庭If 道誉一文字√ 絢爛 
初手で手籠めにするタイプ 一種の一目惚れ 
夜伽とかあるタイプの複合ブラック本丸 刀剣結構折れてる 姫鶴は折れてお守りで復活したものの昏睡状態 
メイン本丸の道誉と同個体、神寄り個体 別√のことがはっきりわかるわけではないけど、感じ取ってしまった そちらではこんなことにはならなかったと


僕らの不可知と存在証明1

 

「…ええと。こんにちは?」

引継ぎだと送り出された先の本丸はだいぶ荒れていた。そして人の姿がない。ところどころ血の痕とかあるし、明らかにヤバい場所だった。ワンチャン宛先間違いされたと思いたいが、普通に詐欺られた可能性もある。俺に霊力があるというのも何かの間違いだったのかもしれない。

とりあえず何か情報を探していたら、奥まった部屋の一つで大きな人影を見つけた。天井に頭が届きそうなくらい背が高い、のはわかるんだけど、詳細はよくわからない。なんかもやもやしてる。普通に見つかったようなので、挨拶してみたが反応がない。生物じゃないのかな。それとも人語が通じないタイプの何か?

「僕、審神者になったところなんだけど、引継ぎになりなさいって送り出されて…詳しいことはこんのすけに聞けって言われてるんだけど、知ってる?」

「…この本丸にこんのすけはいない」

「えっ、そうなの?じゃあ…誤配送されたか、詐欺にあってるのかな俺」

「十中八九、騙されて此処にいるのだろうな。うまい話には警戒することだ。まあ、もう手遅れだが」

「別に旨い話って程じゃなかったと思うけど…鍛刀禁止じゃ一から本丸作るのが困難だから、お前はこっちな、って感じだったし。そもそも審神者のこと、軍の特務としか聞いてない。何で試験に受かったかもよくわからんし」

呪術講義はされたし、一応使えるみたいだが。

とかなんとか言ってる間に人影に滅茶苦茶接近されていた。すごいでかい。見上げてると首が痛くなりそうなので一歩離れた。

「警戒するのが遅くないかい、お嬢さん」

「俺お嬢さんなんて言われる年じゃないし。顔?見上げると角度エグいし首痛くなりそうだから」

多分俺の頭のてっぺんが肩どころか胸に届くかどうか…くらい?まあ見上げたところで、もやもやでどんな顔してるのかよくわからないんだけど。

「…確かに君は随分小さいな。これならどうだ?」

ひょいと片手で抱き上げられてしまった。全然揺れないが普通に視点が高すぎる。

「いや高い高い高いこわい」

俺は高所恐怖症なのだ。自分の身長より高いところとか普通に怖い。あと、触った感触が、何?布と何か固いの。こわい。

「突然落としたりはしないとも。今の所、君に危害を加えるつもりはない」

「そもそも話すためだけなら抱える必要ないよね?」

どちらかというと逃亡防止な気がする。

「賢い子は嫌いじゃないが、反応が遅すぎるな」

「どちらにせよ俺運動は苦手だから見つかってる状態からじゃ逃げられない気がするんだよね…」

足は遅いし体力はないし。何処かでずっこけて怪我するのがオチな気もする。そもそもコンパスが違いすぎるんだよな…。大人と子供くらいの体格差はある。

「まあ俺も鈍足というわけではないからな」

「俺に何か用事?」

そもそもこの…ヒト?って刀剣男士って奴なのかな。試験の時のあのお兄さんとだいぶ雰囲気違う気がするけど。

「審神者なら何故刀剣を連れてないんだ?」

「試験の時に来てくれたお兄さんは試験官に還せって言われて還ってもらったし、それから鍛刀禁止って言われて此処だし」

「…つまり初期刀も与えられず丸腰でこんなところに送り込まれてきたのか、君は」

「荒れてるとは思ったけど、そんなに危ない場所なの?此処」

「君より前に来た審神者はほぼ全滅しているからな」

「わあ…」

命の危険がある感じの場所なのか。生きて帰れる自信がないな…。…まあ死ぬなら一息に死にたいな。苦しいのやだし…。

「さて、君はどうやって生き残りを図る?」

「んー…まあ積極的に死にたくはないけど、それが俺の役目なら仕方ないかなぁ。痛いのも苦しいのもやだけど」

「・・・」

「俺、わりと役立たず寄りの人間だし…家族以外に惜しむ人もいないだろうし」

命乞いしたところで、俺にできる事なんてたかが知れてるんだよな。ああ、そういえば。

「あなたが俺を殺すの?だったら、不必要に苦しめないで殺してほしいな」

「…。君は死のうと思ってここに来たわけじゃないんだろう。そう簡単に自分の命を諦めるのはどうか」

「どうしても死んじゃいけない理由があるわけじゃないし。努力してもどうにもならないこともあるし」

「自分が生き残るための努力はしたくない、と?」

「んー…人間って死ぬものじゃん。どうにかできる見通しがあったらまた別だけど、目安もないのに頑張れるほどの執着は、俺にはないかなって」

なんなら今生きてるのも割と予想外?というか。十二支二周くらいで死ぬだろうと思ってたところあるし。意外と死なずにここまで来たけど。

「…いらないのであれば、俺が貰い受けても構わないな?」

「何に使うの?というか、いらないんじゃなくて、俺は詰んだなら無駄な努力はしないタイプってだけだから」

お命頂戴的なニュアンスではなさそうだけど、じゃあどういうことかというのがよくわからない。そもそもこのヒトがどういう存在なのかもよくわからないし。まあ刀剣男士なんだろうけど。

「嫌だ、とは言わないんだな」

「この状況で嫌がったところで、力づくでいかれたら俺にはどうにもできないし。痛い思いはしたくないけど」

怒らせたら余計な怪我をするかもしれないし。

「後悔することにならなければいいが」

「何をしようとしてるの」

気が付くと、いつの間にか別の場所に移動していた。自分で歩き回った範囲の場所じゃない気がする。視点の高さだけじゃなく見覚えがない。薄暗い部屋だ。

「君を、俺の妻にしたい」

「………は?」

ぎしり、ときしむ音がして、多分ベッドの上に押し倒された。腕とか髪?とかで囲われて、暗くて何も見えない。多分見下ろされている。見上げても顔が見えない。

もしかしてこれ、性的に襲われようとしているところか?

「何の為に?」

「甘い言葉を囁いた方がいいか?」

「甘い言葉を囁かれても困るけど…」

遭遇して数分でお互いのこともなんもわからないし。

 

 




つづきはR18
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