引き続き特殊なプレイ
「湯船に入る前にちゃんと体を洗いましょうね」
お前の中で俺は一体何なの?というか、俺は温まってから体とか洗う派なんだが。
「髪も洗いますから、髪紐を外しますよ」
「…一期一振」
「何ですかな、主」
「自分でやるからいい」
「遠慮せずとも良いのですよ主、私は弟たちの世話で慣れておりますからな」
そういう問題じゃない。
「それに、本日は池に落とされていたでしょう。主は己の手入れが苦手のようですから、私がきちんと綺麗にしてさしあげます」
いや、そりゃ俺は見苦しくなければいい、レベルのスタンスだが。
髪の毛洗ってもらうのは気持ちいい…じゃなくて。これ流されて大丈夫なんだろうか。
「はい、綺麗になりました。肩まで浸かって100数えるのですよ」
あっこれ幼児扱いされてる感じのアレだ。自分で自分のことができないロリとして扱われているんだ。…害がない内は流されておこう。
「…いち、にぃ、さん、しぃ」
微笑ましいものを見る目をするな。
「髪の毛はきちんと乾かさねばなりませんよ、主」
タオルドライ気持ちいい…じゃなくて、何でこいつそんな行動早いの。俺そこまでもたもたしてたわけじゃないはずだと思うんだけど。
「主は生傷が絶えませぬなぁ」
「…怪我したくて怪我してるわけじゃない」
「そうでしょうとも」
…髪の毛切りたい。あんま短くしすぎてもあれだから肩上くらいで。
「これでよし、と」
乾かした髪が上でまとめられたようだ。
「それでは、手入れの続きとまいりましょうか」
ん?
「今日は下からにしましょうか」
えっちょっ、
「手元が狂うと危ないですから、大人しくしていてくださいね」
どっからその剃刀出した?!って、あれ、何か小さいのがいる。色々道具持ってきてる。それで何かいつの間にか道具が揃ってたのか。
「大人しくしていたらすぐ終わりますからね」
…しにたい。
スキンケアと傷の治療までしっかりやられてしまったわけだが。
「夜更かしはダメですよ主。湯冷めしない内にお休みしましょう」
「…まだ九時にもなってないが」
小学生か。いや、扱い的には小学生どころか保育園児だったな。
「眠れないのでしたら、本の読み聞かせでもいたしましょうか」
「…一期一振」
「何ですかな、主」
「寝かしつけようとしてくれなくていいから」
時間を浪費するのは趣味に合わないから、資料読みたい。一週間集中レッスンじゃカバーしきれなかった分の呪術とかの応用知識とかな。
「…仕方ありませんな。しかし、あまり遅くまで起きていてはいけませんよ」
「心配しなくても日付が変わるより前には寝る」
「それでは遅すぎます。これから一刻程でよいでしょう」
…ええと、一刻って確か二時間くらいだったか。…。…あんま逆らって機嫌を損ねた時どうなるかわからないからな。
「…わかった」
…こいつ練度高いっぽんだよなぁ。全体的に、直接的に危害を加えてくるのが30~60レベルくらい、こいつみたいに世話を焼いたりしたがるのがそれ以上のレベルの刀、のような気がする。多分こいつらに実力行使されたら俺一発で気絶判定入るんじゃないかなあ。ていうか、下手すると致命傷?…ある意味、その方が楽な気もするけど。
「はい、時間ですよ、主」
「…後ちょっと」
「ダメです」
「あっ」
実力行使で資料が取られた。
「寝る前に厠と歯磨きを済ませましょうね」
…はあ。
「きちんと歯を磨けましたかな?」
口を開かせようとするんじゃない。仕上げ磨きとかいらんから。ノーセンキュー。
「ほら、口を開けて」
…。
「(あー)」
「…はい、よくできました」
…しにたい。
「…おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい、主」
添い寝とか、いらないと言ってもダメなんだろうなあ…。
「私は此処にいますので、安心してお眠りください」
寧ろそれが安心できねぇよ。…いや、危害を加えてくるやつとかよりはマシだろうが、それを比べるのもどうなんだって話だしなあ。
「おはようございます、主」
「…おはよう、ございます」
まだちゃんと目が覚めていないのか、彼女は目をしぱしぱさせて手で拭っている。
「それでは、身支度をしましょうな」
「んー…」
彼女は特に抵抗もせず、されるがままになっている。
着替えさせて髪を整える。
「ほら、できましたぞ」
「…ん、ありがとう」
と返しつつ、まだ眠そうだ。
「では、顔を洗いましょうか」
「んー…」
手を引いて洗面台まで連れて行く。
「袖をまくらないと濡れてしまいますよ」
袖をまくりあげてやる。ぱしゃぱしゃと水で顔を洗ったのをタオルで拭いてやる。
「少しは目が覚めましたかな」
「…一期一振」
「はい、なんですかな、主」
「………おはよう」
「はい、おはようございます、主」