刀剣たちと過ごす日々   作:ペンギン隊長

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満月庭if 髭切ver
友切の由来は小烏丸斬ったかららしいので カンストどころかレベル限界突破してる バグってる 弟が目の前で折られて鬼神化した


孤独の庭園1

 

 

「もしかして、気付いてなかったの?」

振りかえると金色が小鳥を射抜いていた。それが一応刀剣男士と呼ばれるものなのであろうことは小鳥にもわかった。彼はゆったりとした歩調で彼女に歩み寄る。

「君はこの本丸(はこにわ)から出られない。政府が閉ざしてしまっているからね。狭間という特性上、妖横町には行けるけれど、他に繋がる場所はない。此処には、君と僕の二人きりだ」

「…何故?」

「僕を外に出したくない、という事じゃないかな」

金色は目を細める。

「此処に送られてくる審神者に求められているのはこの本丸を維持することだけだよ。…妙なことをするのでなければ僕は気にしないけれど…死にたくなったら殺してあげるよ。前に来た子はそうだったからね。…君は、どうする?」

小鳥は少し怯えたような様子で口をはくはくさせていたが、覚悟を決めたように、しっかりと金色を見据えた。

「僕は…僕の号は小鳥。あんたは?」

金色はきょとりと目を瞬かせた。そして少し考え、一人で納得したような顔をした。

「僕は源氏の重宝、髭切だよ。…そうか、政府は僕の霊力を封じたいんだね。まあ、それもそうか」

「…?」

髭切は小鳥と目線を合わせて頬に触れる。

「君は、僕と一緒に死んでくれるかい?」

「…それが俺の役目だというなら、仕方ないな」

さして迷いなく返された言葉に、髭切は目を丸くする。

「…現世に未練はないのかい」

「ないとは言わない。天涯孤独というわけではないし、僕が死ねば家族は悲しんでくれると思う。でも、役目なら、果たさず逃げかえる事は出来ない。…僕は、妹弟たちの一番のお姉ちゃんだから」

小鳥は目を細める。

「姉として、妹弟達に情けない姿を見せたくない」

「…妹弟、か」

髭切も目を細める。

「僕にも弟がいるよ。…いや、この場合はいた、というべきなのかな。…兄弟は、大切だよね」

「・・・」

髭切は小鳥の頬から手を離して微笑する。

「…今すぐどうこうはしないよ。僕だって積極的に死にたいわけじゃないし。…でも、そうだな。その時は出来る限り苦しませないようにするから、それまでよろしくね」

「…よろしく」

 

 

 

とはいえ、特に何がどうなるわけでもなかった。二人がお互いをきちんと認識することができたに過ぎない。やるべき事、というものがあるわけでもない。しいて言えば、荒れてしまっている本丸を綺麗にすることくらいだろうか。

「…やるべき事がないのは、張り合いがないな」

「僕は、ただのんびりするのも嫌いじゃないけどね」

「…のんびりする事が嫌いなわけじゃないけど、何もしないのは時間の無駄なんじゃないかって気がする」

「無駄にしても、いいんじゃないかって気がするけど…うん、でもそうだね、人の生は短いものね」

髭切は納得したようにうんうんと頷いた。小鳥はくるりと振り返る。

「源氏っていうと平安鎌倉から存在してるんだろうし、そうするとやっぱり人とは感覚が変わってくるのか?」

「…まあ、長く生きていると、色んなものがどうでもよくなってくるね」

「…例えば?」

「え?んー…そうだなあ。僕は髭切として顕現したけれど、何度か名前を変えているんだ。髭切、鬼切、獅子ノ子、友切ってね。弟もそうなんだけど」

「鬼切は聞いた覚えがある気がするな。…確か、茨木童子の腕を斬り落とした刀だっけ?」

「ああ、よく知っているね」

「刀はよく知らんが、妖怪は興味の範囲内だったからな。…何時頃の伝承なのかは記憶にないが」

「あはは」

小鳥は目を伏せる。

「…だが、そうだな。僕が何もしないのは嫌いなのは、それでなんだ。全てを知ることは物理的に無理でも、出来る限り沢山を知って、世界を知りたいから。その為には、人の生はあまりに短いし、僕は己が長生きすると思えない」

「・・・」

髭切には、小鳥の魂が呪祝に絡め取られているのがわかる。だから、それを言っているのだろうと思った。

「…だから、審神者になったのかい?」

「?…いや、審神者になったのは単に好奇心からだな。元々なれると思って試験を受けたわけじゃないが、何の因果か此処にいる。ああ、自分の選択に後悔はしていないけれど」

「好奇心でなれるものかい」

「実際なっちゃったからなあ」

「…君の神様は嫌がらなかったのかい?」

「僕の神様…?さあ。僕、そもそも零感だったし、神様とか会ったことないし」

あ、刀剣男士は神様の分霊だっけ、と小鳥は少しずれた事を言う。どうも、呪祝に自覚はないらしい。自覚はないなりに何か感じての発言なのだろう。まあ、今にも死んでも不思議ではない状態なのだから、自覚があればもっと悲愴感を背負っているのが普通かもしれない。

 

 

 

 

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