まえがき
ひさしぶりの投稿……そして第100話です。あと、こどもの日です。
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あとがきの下の方に、このおはなしの設定があります。
雲が多い空に、ラッキービーストの電波が飛んだ。
「Inuyama tower, Beech Eight Three, please respond if you can hear me ………… 」
ここはジャパリパークの外。内陸部の飛行場。
長大な滑走路上を、小型の双発プロペラ機が、ゆっくりと低空飛行していく。脚とフラップが下りていた。 *2
かばん 「管制塔、こちらビーチエイトスリー、聞こえていたら、返事をください」
機長席(進行方向左側)に座っているのは、かばんだった。操縦輪(ヨーク)を軽く左手で握っているだけで、操縦はしていなかった。 *3
無線機からは、ザーッというノイズしか聞こえなかった。
ラッキー(腕時計) 「4つノ周波数全てニ応答ガないヨ。生きてイルノハ電波標識だけダネ」
かばん 「やっぱり、誰もいないみたいですね……」
副操縦士席(進行方向右側)のサーバルが、地上を観察していた。
サーバル 「草がいっぱいだね……おっきい枝とか石はないみたいだよ」
アスファルトの滑走路には、部分的に草が生えていた。
飛行機は、飛行場を抜けて加速し、上昇した。同時に脚を上げる。
左に軽いバンクをかけ、ゆるやかに左へ旋回。Uターンして、直線水平飛行に移った。
低い雲に出入りしつつ、飛行場から少し離れたところを滑走路と平行に進む。
指差しで計器類をチェックするかばん。コンソールは、ディスプレイと丸型計器を組み合わせたものだった。
かばんは、両手で操縦輪をぐっと握った。
かばん 「ラッキーさん、操縦代わってください。着陸します。燃料が少ないので」
ラッキー 「リョウカイ」
かばん 「風向きは……」
ラッキー 「ウィンド トゥーファイフゼロ アット ワンゼロノット」
かばん 「ランウェイつーえいと で……北に流されるから……」
サーバル 「わたしやりたい! どすん! っておりるの!」
かばん 「……また今度にしようね……」
かばんは、困った顔で笑った。
ラッキー 「ガイドを表示するヨ」
フロントウインドウの手前に、白と緑色の十字のホログラムが浮かんだ。機体の傾きと方位角を表すライン。そばに高度と対気速度も表示されている。簡易のヘッドアップディスプレイだった。
サーバル 「かばんちゃ……」
サーバルは、いつものように明るく応援しようとしたが、何かに驚き、口ごもった。
まっすぐ前を見つめる、大人びたかばんの横顔。両手両足を細かく動かし、機体の姿勢を微調整している。
それを、驚いた顔のまま見つめるサーバル。
かばんは、前を向いたまま言った。
かばん 「サーバルちゃん、ぼくにまかせて」
やさしくも、自信に満ちた声だった。
サーバル 「!」
サーバルが、ぽっと頬を赤くして、目を丸くした。そして、自分の胸に手を当てた。
サーバル (なんか今ドキッとした……なんで?)
かばんが、前のパネルから飛び出しているレバーを下げた。
シュー…っと音をたてながら飛行機の脚が再び下りて、ガコン、っとロックされた。
かばんが操縦輪を左に傾け、左のラダーペダルを踏んだ。同時に右手でスロットルレバーを微調整する。
飛行機が左に傾き、再び左旋回を始めた。空をなめらかに滑っていく。
かばん 「…………」
かばんは無言で、息を止めたように緊張していた。
サーバル 「かばんちゃんが、鳥になってる……」
フロントウインドウのガイドの中心線に、滑走路が重なった。
慌ただしくレバーを操作するかばん。
ガイドの脇にある高度表示の目盛りが、下降方向に動き始めた。
わずかに右に流される飛行機。ガイドの十字がズレる。かばんが操縦輪を少し左に傾けると、一瞬遅れて水平線が傾いた。
ラッキー 「ラダーヲ使ッテ」
かばん 「はい」
かばんが、操縦輪を一瞬だけ右へ傾け、左のラダーペダルを軽く踏んだ。水平が戻り、機首が進行方向よりわずかに左を向いた。その角度を保ったまま、高度を下げていく。
滑走路が近づいてくる。
かばんが、じわっと操縦輪を引いた。
機首が上がった。翼で空気を抱くように。
わずかに左に振っていた機首を、滑走路の中心線に戻す。
左の車輪が接地、わずかに遅れて右の車輪が接地。タイヤから一瞬煙が上がる。
機内に、ドン! っと衝撃。
前脚も接地。
プロペラピッチを反転して逆推力をかけ、両足でペダルを踏んでブレーキをかける。
飛行機は、滑走路の半分も使わず、十分に減速した。
かばん 「……ふう……」
息をつくも、気を抜かず飛行機の操作を続けるかばん。
サーバル 「…………」
それを ボーっと見つめるサーバル。
サーバル 「……え、えと……よくがんばったね! かばんちゃん!」
気を取り直したサーバルは、ぐいっと身を乗り出し、かばんに顔を近づけた。
だが、ガクンッとシートベルトに止められた。
サーバルは、その拍子にスロットルレバーに触れ、前へ倒した。
ブオーン…っとプロペラが鳴る。
かばん 「うわああ!! さわっちゃだめぇ!!」
飛行機が大きく左へ曲がって、滑走路を逸脱した。
サーバル 「うみゃー!! ごめん!」
向かう先は下り坂で、背の高い草が茂っていた。
ガタガタ揺れる機内。
ラッキー 「マカセ、マテァカ、テッ……」
かばん 「ラッキーさん!」
ラッキー 「……マッセ、テマァマママママママママママカマァマママママママママママママ…………」
かばんは素早くスロットルを操作し、逆推力に切り替え、両方のペダルを思い切り踏んだ。
かばん 「おねがい、止まって!」
飛行機が草むらを抜け、広場に出た。
大きな格納庫のような建物があり、屋外に中型の飛行機が数機置いてあった。
サーバル 「ぶつかっちゃう!!」
ふたりが乗った飛行機は、置いてあった機体の間をギリギリで通り抜けた。
建物が近づいてくる。
かばん 「…………」
冷静に前を見つめるかばんと、うつむいて頭を抱えるサーバル。
衝突まで残り1メートル……というところで、飛行機がガクンと止まった。
かばん 「……はぁ……はぁ……くはぁ……」
かばんが、くたっと脱力した。
ラッキービーストの画面が点滅すると、ピピッ、ガチャン、と音がした。
汚れたガラスの自動ドアを、無理やり開けるかばん。
かばん 「んー……重い……」
サーバルがドアに手をそえた。
サーバル 「ゔみゃーー!」
ガリガリガリ……っと音をたてながらドアが開いた。
かばん 「だれかいませんかー!」
ふたりは薄暗いエントランスを抜け、真っ暗な展示室へ入った。ラッキービーストを懐中電灯代わりにして、順路に沿って進む。
布のカバーがかけられた大きな展示物。それをめくって、覗き込むサーバル。
サーバル 「これも ひこうきかな?」
布をかぶっていたのは、太古のレシプロ戦闘機だった。
展示物を見てまわるふたり。
サーバル 「これはなあに?」
かばん 「すっごーく昔のエンジン……飛行機の心臓だね」
かばんは、展示物のそばに置かれた案内板の説明文を、真剣な顔で読んでいた。
かばん 「…………」
サーバル 「あっちも見たいよ」
サーバルは時間を持て余し、少し退屈そうだった。
飛行場全体の地形を表す、大きな模型があった。
かばん 「……
かばんは、飛行場の模型を指でなぞっていった。
サーバル 「かばんちゃん、かばんちゃんってば……」
模型の近くの壁に、飛行場の歴史を説明するパネルもあった。
かばん 「あれ? なにか書いてある」
かばんは、その隣に書かれた落書きを見つけた。
『スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした』
サインペンで書かれた言葉。
『何回来ても発見がある、すばらしい博物館でした』
『いつか 再開できることを願っています』
壁の低い場所には、子供が描いたらしい、飛行機やロケットの絵もあった。
順路を抜けると、広い格納庫のような展示室に出た。天井と壁に並んだ汚れた窓から斜めに光が差し込んでおり、今までの展示室よりも明るかった。
展示物の多くはカバーで覆われており、一つ一つに、説明が書かれた案内板が添えてあった。
かばん 「ヒトって、思ってた以上に……」
サーバル 「すごすぎて、よくわからないよ……」
かばんは、休憩用の椅子の近くに落ちていた、小さな紙を拾い上げた。
かばん 「ここも、ジャパリパークと同じで、ヒトが去って行ったんだ……」
それは、シンプルなデザインの入館券だった。茶色く変色しており、遠い昔の日付のスタンプが押されていた。 *8
サーバル 「セルリアンが増えたとか?」
かばん 「 “パークの外” でセルリアンが増えた証拠は、見つかっていないんだよ」
かばん 「それに、ヒトには、大きな災害や疫病、戦争などで、たくさんの命を失っても、
立ち直ってやり直す力……たくましさや打たれ強さがあるんだ」
かばん 「つまり、ヒトがいなくなったのは、そういうショックが原因じゃない…と、思う……」
サーバル 「じゃあ、なにがあったのかな?」
かばん 「わからない。ただ……ゆっくりと減っていったみたい」
サーバル 「どうしてそんな……」
かばんは、ジェットエンジンのカットモデルを眺めた。複雑怪奇な構造。わずかにねじれた曲面を持つ板状のブレードが、円形にずらっと並び、それが回転軸上に何段も連なっている。緻密さを極めた工業製品だった。
かばん 「 “ かしこくなりすぎたから ” ……じゃないかな……」
サーバル 「……余計にわからなくなったよ……。かしこくなったのに減っちゃうなんて……」
かばん 「……ちょっと休憩しようか」
かばんはそう言って、微笑んだ。
博物館に併設されたカフェも、廃墟と化していた。
いにしえのコーヒーマシンをいじるかばん。
かばん 「だめだ……電気が来てない」
かばんにくっついて、うなじのあたりに、おでこをスリスリ擦りつけるサーバル。
サーバル 「……んみゃーんぅ……」 *9
かばんが、コーヒー豆のパックを開けた。
かばん 「これも使えないかなぁ……」
かばんは、甘えるサーバルを気にせず作業に集中し……ほんの少し頬をゆるめた。
かばんが、小さな段ボール箱を開けた。
かばん 「……宇宙食?」
そして、箱から、小さめのアルミパックを取り出した。
宇宙服の写真が載った英字パッケージの上に、『宇宙食』『冷たくない、不思議なアイスクリーム』というラベルが貼ってあった。
窓際のテーブル席に向かい合わせで座ったふたり。少し照れたように笑い合う。付き合いが長いにもかかわらず、初めてのデートのように初々しかった。
かばん 「サーバルちゃん、ヒトの食べ物っておいしいよね?」
サーバル 「めちゃくちゃびっくりするくらい、すっごーーくおいしいよ!」
カフェの壁に貼られたメニューには、コーヒーや軽食が書かれていた。
かばん 「ぼくは思うんだ。そこまでおいしくする必要あるのかな? って」
サーバル 「おいしいのは、いいことだよ!」
かばん 「食べるって、生きるのに必要なことだよね。おいしいと幸せな気持ちになるのは、
食べ物を求めるように進化した結果なんだ」
かばんは、宇宙食のアルミパックの封を切った。
かばん 「ヒトは、おいしいものを自分たちで作り出して、もっともっと幸せになろうとした。
料理を作ることを “ 生きる理由 ” にするヒトまで現れた」
そして、パックの中を見つめた。
サーバル 「生きる理由?」
かばん 「……やっぱり、そこが引っかかる?」
かばんが顔を上げて、微妙な笑顔を見せた。
かばん 「サーバルちゃん……サーバルちゃんの “ 生きる理由 ” って、なに?」
サーバル 「……うーん……あれれ?」
サーバルのココロの中に、出会った頃のかばんの笑顔がよぎった。
サーバル 「みゃぁ!」
ポッと頬を赤くするサーバル。
サーバル (なにこれ……さっきから変だよ、わたし……)
かばん 「?」
サーバル 「そんなむずかしいこと、考えたことなかったよ……」
かばん 「そうだよね」
かばんが、宇宙食の中身をひとつまみ取り出した。白いパステルのような かけらだった。
かばん 「ぼくは…… 生きることに理由なんていらない と思う」
サーバル 「生まれたから、がんばって生きてるだけだよね」 *12
かばん 「でもヒトは、どうしてか、生きる意味……生きがい や 楽しさを求めるんだ」
かばんは、宇宙食のかけらを、サーバルの鼻先に近づけた。
サーバル 「すんすん……」
サーバルは、それに顔を近づけて、首をかしげて、においを嗅いだ。
サーバル 「あまーいにおい……」
かばん 「もちろん、楽しみは、食べることだけじゃないよ……あむっ」
サーバル 「あっ」
かばんが、白いかけらを、ぱくっと食べた。 *13
かばん 「……ん……びみょうな味だね……」
かばんが苦笑いした。
サーバルが、テーブルに視線を移した。
サーバル 「ネコは、本なんて書かないよね」
テーブルには、本が10冊ほど積まれていた。大半が飛行機に関するものだった。
かばん 「小説家のネコもいたみたい……って、そうじゃなくて……」 *15
かばん 「サーバルちゃんは、ヒトって、どんな動物だと思う?」
サーバル 「誰ともおはなしができて、たのしいものを、いっぱい、いーっぱい作れて……」
サーバルはキラキラした目で語った。
サーバル 「チーターより速く走れて、わたり鳥よりも高く飛べて、クジラより長く潜れて!
どんな遠くへも行けるし、どこにだって住めるし、けがも病気も治せるっ!
すっごーーく自由で、しあわせで! すてきなけものっ!! ……はぁ、はぁ……」
熱く語りすぎて、息を切らしていた。
かばん 「たぶん、ヒトは、 “ いのちの さだめ ” からも、自由になろうとしたんだ。
生きて、勝ち残って、子供を残すって、すっごくつらくて苦しいから……」
かばんが、ふっと視線を下げた
かばん 「……自由になったヒトは、生き物としての進化を やめちゃったんだ。
自分と、好きなひとたちと、今を楽しむことが、いちばん大切だから」
サーバル 「でも、だからって、いのちを あきらめることないじゃない!」
かばんは、サーバルの目をまっすぐに見て、言った。
かばん 「ぼくはあきらめない。もうちょっと探してみる」
そして、窓の外を見つめた。
かばん 「世界はすっごく広いって、わかったから……」
雲が流れ、青空になっていた。
サーバル 「…………」
うつむいて、黙り込むサーバル。
かばん 「どうしたのサーバルちゃん? なんか調子悪い?」
サーバル 「……わたし、困る……」
かばん 「え?」
サーバル 「 かばんちゃんが、こんなに……こんなに かっこいいなんてっ!! 」
かばん 「ぅええ!?」
サーバル 「頼りになるし! ちょっと背ものびたし! でも、ずーっとやさしいままだしっ!」
サーバル 「これ以上かばんちゃんを好きになったら、わたしどうすれば!」
サーバルの唇をふさぐ指。
サーバル 「むみゅ!」
かばんが、宇宙食のかけらを、サーバルの口に含ませた。
サーバル 「ちゅ……」
指を離すと、サーバルの唇が、ぷるんと揺れた。
かばん 「サーバルちゃんは、ずーっと元気でいてね」
かばんが、にっこりと笑った。限りなくやさしく。
そして、サーバルの頭に手を置き、なだめるように撫でた。
かばん 「ぼくが望むのは、それだけ」
大きな けもの耳が、ペタンと倒れた。
サーバルは頬を赤くして……
サーバル 「みぁぁ……」
……ため息のような甘い声をもらし、目をそらした。
サーバル 「……困る……」
おわり
『ゆっくり』と言っても、100km/h以上出ています。
なお、かばんちゃんが飛行機の操縦を行うのはこれが初ではなく、訓練で何度も飛んでいる……という設定です。
これは、機体の挙動(流され方)やセンサーからの情報をもとにラッキーさんが推定した風向・風速です。飛行場の管制が沈黙しているので、正確な情報が得られなかったのです。吹き流しも無いようですし……。
⓪ (物語開始前)飛行場上空を数回旋回
① 滑走路上(やや南側)を低空飛行
② 上昇して左旋回、Uターン
③ 直線水平飛行、途中で操縦交代(ラッキー→かばん)
④ 再び左旋回、ランウェイ28へ向かう
⑤ 下降・着陸・減速
⑥ サーバルの誤操作により滑走路逸脱・暴走
⑦ (下り坂)草むらを突っ切り広場へ
⑧ 屋外展示機を避け、建物に衝突寸前で停止
博物館に偶然たどりつくのは出来すぎです。サーバルちゃんが奇跡を起こしたようです。
狩りに成功すると嬉しいのも、性行為が気持ちいいのも、赤ちゃんが可愛く見えるのも、いのちをつなぎ続けるために必要だからでしょう。
ても、ヒトは、生存や繁殖とは無関係に報酬だけ得る方法を、無数に考案したわけで……。
あとがき
読んでいただきありがとうございます。
この挨拶、「読んでいただき」ではなく、「読んでくださり」が正しいような……。
でも、過去のものを全部修正するのは面倒なので、「読んでいただき」で通します。
私は、世界人口は100億人に達する前に減少に転じ、じわじわ減り続け、数千年かけてゼロになるのではないか……と思っています。大災害や核戦争なんて無くても、滅びに向かうと思うのです。もちろん必死に抗うでしょうけど、1万年も持つかどうか……。
文明が発達し、自由を得て贅沢を知り、人々の考え方や意識が変化した結果……
・ 『子孫を残すこと』よりも、『今を楽しんで生きること』が優先になる。
・ 生存や繁殖に直結しない、楽しみや生きがいが無数に生み出される。
・ 『子供は貴重な労働力』という考え方が消える。
・ 『産めや増やせや』から、『少なく産んで大切に育てる』に変わる。
・ 結婚や育児を強制していた、社会的な圧力が弱まる。
・ パートナーを自由に選べるようになる。 → 選ばれない者が増える。
・ 結婚や育児には重責が伴い、完璧以上の結果を求められる。失敗した際のリスクが大きく、
労力も時間も莫大にかかるので、これを避けるようになる。
・ 『結婚しない』『子供は作らない』を、ポジティブに捉えて自ら選ぶ者も増えていく。
・ 問題の核心から目をそらす。タブー視する。あきらめて流れにまかせる。
先進国ほど子供が減り、人口も減る(発展途上国は子供が多く、人口が増える)傾向があるのは、これらが原因ではないかと思います。個人にとってはメリットの方が大きいので、これらの変化は元に戻せないですし、止められないでしょう。
こうなった後で人口を増やすには、子作りを法律(罰則付き)で強制するとか、くじ引きで結婚相手を決めるとか、工場で赤ちゃんを製造するとか、そこまでしないと無理でしょう。
そんなディストピアは嫌です。
自由を得た結果、滅びに向かうのなら、悪くないかな……と、私は思っています。
別の問題として、世界人口(現在80億程)は既に地球資源のキャパを超えており、全員が先進国並みの暮らしをするには、世界人口を現在の6~7割程度まで減らす必要がある……という話もあります。この点だけ見れば、減った方が良い……いや減らさないとヤバいです。それなりに大型で浪費癖が直らない動物を100億匹も養うためには、地球が2個必要です。
逃げ場のない多頭飼育崩壊でエサが無くなったら、どうなるでしょう?
進めば滅亡、戻れば地獄。詰んでますよ人類。
100万年先まで命をつなぎたいなら、ヒトは、もっとコストパフォーマンスが良い生物に進化するしかない、と、思うのですが……。
こういう話をすると、多くのヒトがこう思うでしょう。
私もそう思います。自分が死んだ後のことなんて知りません。だから滅びに向かうんです。
それでも、かばんちゃんは『あきらめない』って言うんですね。
【 設定 】
本作のかばんちゃんは、 “ 立派に成長したが、まだ落ち着いた大人ではない ” “ 自信が付いて少しエッジが効いた感じ ” です。
ここに至る経緯は……
アニメ1期の後、パーク中を旅するが、ヒトには会えず。
一旦キョウシュウに里帰り。
かばんは、飛行機の操縦訓練をする。
かばんとサーバルは、『ひこうじょう』(私が以前書いた作品)でレストアした飛行機を借りて、パークの外へ旅立つ。
それでもヒトは見つからず、今は冒険の途中。(アニメ1期のラストから5年後くらい?)
……という設定です。
原作から外れすぎです。それどころか、私が過去に書いたものとも矛盾しているような……。自分がどんなものを書いていたのか忘れているのです。(私が『ひこうじょう』を書いたのは、2018年頃です。これも5年くらい前ですね) 細かいことは気にせず好き勝手に書きました。
【 舞台について 】
このおはなしの舞台は、岐阜の、長い名前の博物館です。あくまでも「モデル」です。本作に登場するのは架空の博物館です。
架空とはいえ、モデルがあるものを廃墟にしてしまってごめんなさい。
本物の展示内容はすごく濃いです。元々マニアックな展示物が多かったですが、リニューアルされて、さらに濃くなりました。興味がある方はずっと見ていられると思います。館内で解説をされているボランティアの方には、自衛隊のOB(整備員だった方など)もいらっしゃるので、貴重な話が聞けるかもしれません。
【 飛行機の設定 】
本作で、かばんとサーバルが乗っている「キングエアC90GT改 長距離飛行仕様」です。
SS『ひこうじょう』シリーズ登場する、「キングエアC90GT改 ジャパリパーク仕様」を、さらに改造したものです。
キングエアC90GT改 長距離飛行仕様
前回『ひこうじょう』での改修ポイント (キタキツネの趣味による改造が多い)
・ 全体的なレストア・補強
・ 動翼の面積を拡大・作動角の拡大(それに伴い塗装も一部変更)
・ 操縦輪を操縦桿(スティック)に変更
・ エンジンの出力制限を緩和
・ 機内装備の一部(テーブル等)を撤去し、軽量化
・ シートベルトを5点式に変更
・ エンジンへのサンドスター噴射システム・サンドスタータンクを追加
など
〈 こうくうはく 〉での改修ポイント (長旅に向けての改造)
・ 後部座席の一部(主翼に近いあたり)を撤去し、燃料タンク(胴体内増槽)を追加
・ 天測窓(機内に開閉式のサンシェードあり)を追加
※ 天測航法はバックアップなので、通常はサンシェードを閉じています。
・ 脚まわりを強化
・ 操縦桿(スティック)を操縦輪に戻す
・ 電子機器類を更新・修理
(無線機・ATCトランスポンダ・ホログラフィックHUD・人工衛星測位システムなど)
※ 電子機器・ナビゲーション関係の大半は、ラッキービーストの能力に頼っています。
※ 航空管制などが機能していない可能性も大ですが、大切な装備なので直しました。
[ 初投稿日時 2023/05/05 05:05 ]