ジャパリ・フラグメンツ   作:くにむらせいじ

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 まえがき

 これはSSとは呼べないかもしれません。〈 ボクらの月 〉が暗かったので、次の話との間に、軽いものを挟みたくなり、投稿しました。



〈 こたつサーバル 〉

 サーバルが、こたつに入ってあおむけに寝ていた。サーバルの肩から上だけがこたつの外に出ていた。

かばん 「サーバルちゃん、風邪ひくよ」

かばんはサーバルの肩をゆすったが、サーバルはおきなかった。かばんがこたつに手を突っ込み、サーバルの両わきに下から手を入れて、サーバルをこたつから引っ張り出そうとした。

 

 ここから先は、(1)~(X)の中から好きなものを選んでください。

 

 

(1)結合

 

 かばんがサーバルを引っ張ると、いっしょにこたつも動いた。

かばん 「なにこれくっついてる……」

 眠ったままのサーバルとこたつが一体となって、そのままずるずると引きずられていった。

かばん 「……サーバルちゃん! どうやってはずすの!? おきてよ!」

 サーバルは引きずられながらも眠ったままだった。

 

 

(2)脱皮

 

かばん 「うわあっ!」

 かばんが後ろに転び、眠ったままのサーバルがこたつから勢いよく飛び出した。

 あとには、サーバルのスカートと手袋が、こたつから半分飛び出すように残されていた。

かばん 「……サーバルちゃん! 服が! おきてよ!」

 飛び出したサーバルの、スカート、手袋、靴下が脱げていた。※1 そしてサーバルは眠ったままだった。

 

 

(3)延伸

 

 サーバルの上半身がこたつから出た。さらに引っ張るとサーバルの胴が伸び始めた。

かばん 「なにこれ……」

 引っ張っても引っ張っても胴が伸び続けて、下半身をこたつの外に出すことはできなかった。

かばん 「どこまでのびるの? きもちわるいよ……。というか、おきてよ……」

 サーバルは眠ったままだった。

 

 

(4)消失A

 

 かばんが引っ張ってもサーバルの上半身は出てこなかった。逆にかばんが引っ張られた。

かばん 「サーバルちゃん、出てきてよ!」

 かばんの腕が、サーバルのわきから抜けた。かばんから解放されたサーバルは、こたつ吸い込まれるように入っていった。

 かばんがこたつ布団をめくった。

かばん 「……サーバルちゃん、どこいったの?」

 こたつの中に、サーバルの姿は無かった。

 

 

(5)消失B

 

 サーバルの上半身がこたつから出た。さらに引っ張るとサーバルの胴が伸び始めた。

かばん 「なにこれ……」

 サーバルの胴は、ある程度伸びた所で、それ以上に伸びなくなった。かばんが力いっぱい引っ張ると、少しづつ胴が伸びていったが、限界がきて止まり、かばんの腕がプルプルとふるえた。

 サーバルのわきからかばんの腕が抜けた。かばんから解放されたサーバルの、伸びた胴が、勢いよく戻り、上半身がものすごい勢いでこたつに入った。

 かばんがこたつ布団をめくった。

かばん 「……サーバルちゃん、どこいったの?」

 こたつの中に、サーバルの姿は無かった。

 

 

(6)消失C

 

 サーバルの上半身がこたつから出た。さらに引っ張るとサーバルの胴が伸び始めた。

かばん  「なにこれ……」

 サーバルの胴は、ある程度伸びた所で、それ以上に伸びなくなった。かばんが力いっぱい引っ張ると、少しづつ胴が伸びていったが、限界がきて止まり、かばんの腕がプルプルとふるえた。

 かばんの足が滑った。サーバルの伸びた胴が、勢いよく戻り、上半身がものすごい勢いでこたつに入り、それといっしょに、かばんもこたつの中へ引きずり込まれた。

 そこへフェネックがやってきた。

フェネック「ふたりともー、あそんでちゃだめだってば。……見ていいのかなー」

 フェネックがこたつ布団をめくった。

フェネック「いないねー」

 こたつの中に、サーバルとかばんの姿は無かった。

 

 

(7)融合

 

  サーバルの上半身がこたつから出た。さらに引っ張るとサーバルの胴が伸び始めた。

かばん  「なにこれ……」

 サーバルの胴は、ある程度伸びた所で、それ以上に伸びなくなった。かばんが力いっぱい引っ張ると、少しづつ胴が伸びていったが、限界がきて止まり、かばんの腕がプルプルとふるえた。

 かばんの足が滑った。サーバルの伸びた胴が、勢いよく戻り、上半身がものすごい勢いでこたつに入り、それといっしょに、かばんもこたつの中へ引きずり込まれた。

 そこへアライグマが走ってきた。

アライグマ「いまのはなんなのだ!?」

 アライグマがこたつ布団をめくった。

フェネック「ふゅーじょんなのだ!」

 こたつの中には、サーバルとかばんが混ざった、謎のフレンズが眠っていた。

 

 

(8)回転

 

 サーバルの上半身がこたつから出た。さらに引っ張るとサーバルの胴が伸び始めた。

かばん 「なにこれ……」

 サーバルの胴は、ある程度伸びた所で、それ以上に伸びなくなった。かばんが力いっぱい引っ張ると、少しづつ胴が伸びていったが、限界がきて止まり、かばんの腕がプルプルとふるえた。

 サーバルのわきから、かばんの腕が抜けた。かばんから解放されたサーバルの、伸びた胴が、勢いよく戻り、上半身がものすごい勢いでこたつに入った。

 サーバルが寝ていた位置は、こたつの中心からずれていたため、こたつが、サーバルが入った勢いで、上に乗っていた、みかん入りのかごを中心にして、コマのように回転を始めた。※2

かばん 「うわああ! どうしよう! 止まらないよ!」

 回転するこたつの中にいるサーバルは、おそらく眠ったままだった。

 

 

(9)射出

 

 サーバルの上半身がこたつから出た。さらに引っ張るとサーバルの胴が伸び始めた。

かばん 「なにこれ……」

 サーバルの胴は、ある程度伸びた所で、それ以上に伸びなくなった。かばんが力いっぱい引っ張ると、少しづつ胴が伸びていったが、限界がきて止まり、かばんの腕がプルプルとふるえた。

 サーバルのわきから、かばんの腕が抜けた。かばんから解放されたサーバルの、伸びた胴が、勢いよく戻り、上半身がものすごい勢いでこたつに入り、こたつの反対側からサーバルが飛び出した。※3

かばん 「サーバルちゃーん!」

 サーバルは眠ったままどこかへ吹っ飛んでいった。

 

 

(10)振動 ※4

 

 サーバルの上半身がこたつから出た。さらに引っ張るとサーバルの胴が伸び始めた。

かばん 「なにこれ……」

 サーバルの胴は、ある程度伸びた所で、それ以上に伸びなくなった。かばんが力いっぱい引っ張ると、少しづつ胴が伸びていったが、限界がきて止まり、かばんの腕がプルプルとふるえた。

 サーバルのわきから、かばんの腕が抜けた。かばんから解放されたサーバルの、伸びた胴が、勢いよく戻り、上半身がものすごい勢いでこたつに入り、こたつの反対側から、一瞬サーバルの下半身が飛び出して、またすぐにこたつの中に戻り、元の、かばんのいる方に一瞬サーバルの上半身が飛び出して、またすぐにこたつの中に戻り、またこたつの反対側から一瞬サーバルの下半身が飛び出して、またすぐにこたつの中に戻り、またかばんのいる方に、一瞬サーバルの上半身が飛び出して、またすぐにこたつの中に戻り、またこたつの反対側から一瞬サーバルの下半身が飛び出して、またすぐにこたつの中に戻り、またかばんのいる方に、一瞬サーバルの上半身が飛び出して、 ………………以下、繰り返し………………。

かばん 「サーバルちゃん! 止まってよ! なんで寝てるの!」

 サーバルは眠ったままだった。

 

 

(13)覚醒

 

 サーバルの上半身がこたつから出た。サーバルが目を覚ました。

サーバル「うみゃああ、さむい…………かばん、ちゃん?」

かばん 「サーバルちゃん、お布団しいてあげたから、そっちで寝ようね」

 

 

(Ⅹ)自由

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おわり

 

 

 

 

※1 靴は元々履いていませんでした。サーバルちゃんは最初靴を履いたまま畳に上がろうとしたのですが、かばんちゃんが止めて、脱がせました。

 

※2 床に倒して置いた状態のコンベックスが巻き戻って、その勢いで回る感じです。こたつの中や下がどうなっているのかは謎です。

 

※3 弓を射るとか、パチンコ(スリングショット)を撃つとか、そんな感じです。

 

※4「振り子運動」の方が良かったかもしれませんが、二文字でそろえたかったので「振動」で。

 




 あとがき

 読んでいただきありがとうございます。

 これを書いたのは6月です。季節はずれもいいところです。自分でもなぜなのかわかりません。固くて、いまいちおもしろくないです。かばんちゃんのセリフは、いらなかったかな、とも思います。
 (13)でサーバルちゃんがおきていますが、夢オチではありません。



 [ 初投稿日時 2018/06/22 22:00 ]
 

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