ジャパリ・フラグメンツ   作:くにむらせいじ

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 まえがき

 暗いおはなしです。けもフレのファンの方々に嫌われそうな要素がいっぱいです。私が書くものは、いつもそんな感じですが。
 〈 ひっつもどるき 〉や、『いのち』(別作品として投稿)とは別のおはなしです。

 


〈 こわれたふたりと。 〉

 

 まだするの? もうやめてよカラカル……。

 

 すこしだけ冷静に考えられるようになった。カラカルが動くたびに、おなかの下に、じわっ、じわっとくる感覚、はじめは、痛いって思ってたけど、痛いのは心で、体はすっごく気持ちいいってわかった。いや、逆なのかな? 痛すぎて、頭がぼーっとして、わからない……。

 痛くて重くて苦しい悲しみの中に、たしかに、よろこびがあった。いやだけど、認めたくないけど、うれしいんだ、ぼく……。こんなひどいことされて、大切なもの、壊れちゃったのに……気持ちよくて、よろこんでるんだ……。涙が止まらない。ひどい顔、カラカルに見られてる。ぼく、こんなときに、はずかしいなんて考えてる。

 カラカルも泣いている。涙を流してよろこんでいる……。おなじなんだ、ぼくと。

 ちがう、カラカルは、心も体も痛いんだ。ほんとうはこんなこと、したくなかったんだ……。

 

 白くてぼんやりしたきもちの中で、思いだした。出会ったころ『ぼくは、けものじゃないよ』って言ったことを。まちがってた。ぼくもカラカルも、けものだった。ちがったのは……。

 

 カラカルはオスで、ぼくはメスだった、ってこと。 *1

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 あの出来事のあと、ぼくとカラカルはお互いを避けるようになった。一応会話はするけど、最低限だけ。お別れにならなかったのは、サーバルが仲をつないでいてくれたからだと思う。

 

 そして、1週間ほどたった日のこと。

 

 なんのきっかけもなかった。ただ、おふとんに入ってぼーっとしていただけ。

 

 いやな感じがした。体がつってしまう直前の、『しまった』、という感じに似ていた。

 次の瞬間、すさまじい恐怖と不安が流れ込んできて、ふくらんでいった。

 

 目を閉じたら赤かった。開けたらまぶしくて気持ち悪い。息がめちゃくちゃ荒く速くなって苦しい。むねが風船みたいで痛い。自分の心臓の音が聞こえた。*2 ヒトの心臓って、こんなに速く動けるんだ……。おなかをかき回されるように気持ち悪くて、吐き気がする。汗が噴き出して、背中がぬれていくのがわかった。暑いときに出る汗じゃない。冷えた気持ち悪い汗だった。起きられない。体がふるえて言うことをきかない。

 とめて!! だれか助けて!! 声も出ない。はげしい息がもれるだけだった。

 死ぬ……死んじゃうんだ……ぼく……。怖い。突き落とされる。黒だか白だかわからないものに飲み込まれていく。

 

カラカル 「キュルル!!」

サーバル 「キュルルちゃん!!」

 ふたりの声が聞こえた。あとは苦しみしかなかった。

 

 ぼくは、かばんさんの研究所に担ぎこまれた。そこはおぼえている。発作が収まりつつあった。

 

 腕時計型のラッキービーストを腕に巻き付けて、検査をしてもらった。そのころにはもう、何事もなかったかのように楽になっていた。

 

 検査結果は……『 すべて正常 』だった。

 

カラカル 「あんた! うそついてこんなことしたの!」

 カラカルが涙目で怒り出したけど、サーバルとかばんさん、はかせと助手がなだめてくれた。

 

 かばんさんは、パニック発作とか、よくわからないことを言っていた。

 こうなった理由はわからないらしい。あの出来事が原因じゃないか、って思うけど、そうとも言い切れないみたい。*3

 かばんさんは、『症状をおさえる方法はある』って言っていた。おくすりを探してくれるって。

 ……遠まわしに、この病気は治らない、って言われた気がした。

 

 そして……。

 

 ぼくのおなかに、赤ちゃんがいることがわかった。

 

 なにも考えたくなかったけど、考えないようにすればするほど、カラカルが浮かんでくる。

 カラカルの笑顔、怒った声、楽しかったこと……あの出来事……いっしょにしたかったこと……切りきざんで、めちゃくちゃにつなぎ合わせたみたいに。

 

 ぼくはカラカルが怖い。

 でも、カラカルのことを考えると、きゅーってなる。お話ししたい、なかよくしたい、くっつきたいっていう気持ちは、おかしなことに、前より強くなった。目も合わせられないのに……。

 

 サーバルが明るいままなのが救いだった。でも、サーバルは、赤ちゃんができたことを“おめでとう”って言いたいのに言えなくて、とても悩んでいたみたい。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 ぼくの発作が起きて、妊娠が判明した数日後の夜、事件が起きた。

 

 夢を見ていた。カラカルといっしょに、絵を切りきざんで遊んでいた。すっごく楽しかった。

 

 

 

 

サーバル 「カラカル!! なにやってるのっ!!」

 

 サーバルの声で目が覚めた。はげしく怒った声。あんなに怒ったサーバルを見たのは初めてだった。普段とのギャップで、怖かった。あれが最初で最後になってほしいと思う。

 

サーバル 「カラカルはお父さんになるんだよ!! ぜったいに死んじゃだめだよっ!!」

 

 カラカルが床にぺたんと座っていて、サーバルがその両肩をつかんで、どなっていた。よく見ると、カラカルは首から血を流していた。爪で自分の首を切ったらしい。カラカルは、死んだ目でぼくを見た。どんな悪夢よりも、見たくない光景だった。

 

 首の傷は、出血はひどかったけど、すぐに手当てしたことと、フレンズの治癒力で短期間で治った。死ぬほど自分を傷つける、というのは簡単じゃない。もう一つよかったのは、首のリボンで傷を隠せたことだった。

 

 

カラカル 「ごめん、キュルル、サーバル……こうなったの、ぜんぶ、あたしのせいだわ……

      これで、死んで逃げようなんて、ほんっと最低! 最低ね、あたし……」

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 体の傷は治ったけれど、心の傷は……。

 

かばん  「長引いてるね……これは……心の病かもしれない」

 

 カラカルはひどく落ち込んでいて、たまに突然明るくなったりして、不安定な状態が続いていた。 落ち込むのは自然なことだけど、普通なら、長くても数週間でもとに戻る。でもカラカルは落ち込んだままだった。

 かばんさんは、治療法はあるけど、完治することはめったにないって言っていた。

 もともとの性格が病気の根っこにあるから、治ったように見えても、ストレスがかかれば再発するかもしれないって。*4 ぼくとおなじだ。たぶん一生付き合わなきゃいけない病気なんだろう。

 カラカルはすごく繊細で、傷つきやすい。ぼくを傷つけたことは、カラカルにとってはあまりにも大きな負荷(ストレス)だった。負荷が限界を超えて、壊れてしまったんだ。*5

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 ぼくの発作は、そのあともときどき起きた。でも予防法や対処法を知ったし、そばにはみんながいてくれる。その時を耐えれば、苦しみはおさまる。

 かばんさんから、不安に対処する方法を教わった。気持ちをおちつけるトレーニングもした。文字通りの気休めだったけれど、しないよりはよかった。

 おくすりは見つかった。同じ病気のフレンズがいて、わけてもらった。*6 でも、このおくすりは、パークではとっても貴重なもので、副作用もあるから飲んじゃだめって言われた。『おまもり』なんだって。言い方は悪いけど、ぼくは、同じ病気で苦しんでいる子がいて、ちょっと楽になった。

 とってもつらかったけど、おなかの赤ちゃんのためにはがんばらなきゃいけない。

 それよりも、もっとつらいであろうカラカルが心配だった。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 あれは、悪いことが重なった事故だったのに……。

 

 急にサンドスターの量や天気が変わったことで、カラカルは、ふつうではありえない強い発情期にあった。子供をつくるために自分の体を変えてしまうほどの。それに、ぼくも大人に近づいたから、気付かないうちに、においが変わっていたんだ……。

 カラカルは必死にがまんしていた。なのにぼくは、たまたまサーバルがいなかったときに、カラカルの様子が変だって、近づいて、さわってしまって……。

 カラカルはぼくを突き飛ばして、『にげて!』って言ってくれたけど、ぼくは呆然として、動けなくて……。走ってももう遅かった。本気のカラカルから逃げられるわけなかった。

 

 “ぼくにも責任がある”なんて言ったら、カラカルはもっと落ち込むだろう。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 カラカルの症状には上がり下がりがあって、普段通りの明るい時もあれば、ひどく落ち込んで、三日くらい寝ている時もあった。でも、寝込んでいるように見えて、ほとんど眠っていないんだ。動けなくなるくらい落ち込んでるのに、眠れないなんて、どれほどつらいんだろう。

 

 幸か不幸か、カラカルは、症状が出ていない時は全くふつうだ。軽い症状が出ていても、まわりのひとは分からない。それどころか、カラカル自身も気付いていないことさえある。

 加えてやっかいなのは、カラカルが強がりなことだった。

 『だいじょうぶよ!』『ほっといて!』『あたしってだめね……』そんな言葉を何度も聞いた。

 パッと見てふつうだから、すぐ近くにいるひと以外には、“だらけている”ように見えてしまう。病気なんだけど、かぜで寝込んでいるのとは違うんだ。

 だれかに、『カラカルって、冬眠するけものだっけ?』と笑顔で言われたときは、どなりつけようと思った。けれど、サーバルに止められた。

 悪意はないってわかってる。でも、そんな言葉はカラカルをさらに傷つける。

 カラカルは、『あたしってだめね……』となり、症状が悪化して寝込んで、自分を責めて、さらに症状が悪化して……というループにはまる。

 これは努力でどうにかなるものじゃない。へたに努力すれば悪化してしまう。努力する気力さえ奪われてしまうんだ。本人も、まわりのひとも。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 やっぱり、救いになってくれたのはサーバルだった。ぼくまでカラカルに引っ張られて落ち込んでいたのに、サーバルは、すっごく明るくて、おなかの赤ちゃんの成長をよろこんでくれた。

 

サーバル 「カラカル、ちょっとでも食べないと。おなかすいたでしょ?」

 

サーバル 「かばんさんがおくすり見つけてくれたよ! これ飲むと眠れるんだって! 

      もうちょっとがんばってね」

 

 サーバルは、落ち込んでいるカラカルのそばにいた。寝ないでお世話をすることもあった。かばんさんは、そっとしておいてあげることも必要だって言ってたけど、サーバルはそんなこと気にしなかった。

 

サーバル 「近くにだれかいると、ちょっと楽になるかな、って」

 

 サーバルは言わなかったけど、またカラカルが自分を傷つけたりしないように、見張っているんだろう。それは本来はぼくの役目なのに、サーバルにまかせっきりにしてしまっている。

 

サーバル 「キュルルちゃんは休んでて。だいじょうぶ。わたしにまかせて!」

 

 サーバルは楽しそうだった。やさしすぎるくらいやさしかった。むりしているようには見えなかった。とんでもなく手のかかる、ふたりのお世話をしているのに。

 

 サーバルの強さは知っていたけど、ここまでだったなんて。ぼくは自分が恥ずかしくなった。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 一度だけ、サーバルが弱さを見せたことがあった。

 サーバルとぼくが、ふたりきりになったときだった。

 

サーバル 「わたしだって、落ち込むことはあるよ」

サーバル 「あのとき、あれは……わたしが生きてきた中で、いちばんの失敗。

      ……ふたりきりにしたらあぶないって、わかってたのに……」

 サーバルが、ほんの少しだけ、暗い顔をした。

キュルル 「サーバル、それは……」

サーバル 「あ! 今のは忘れてね!」

 サーバルは、いつもの明るさに戻った。

 

 忘れられないけど、忘れたことにした。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

サーバル 「わぁ! きのうより大きくなってない!?」

キュルル 「そんなに速く大きくならないと思うよ……」

サーバル 「カラカルもさわってみなよ」

カラカル 「あたしはいい……」

サーバル 「おとうさん、ここにいるよーって」

カラカル 「うう……」

サーバル 「顔が赤いよカラカル!」

 

 サーバルはカラカルに、積極的に赤ちゃんの成長を教えた。でもぼくは心配だった。これは、カラカルに現実をつきつけるようなものだから。傷に触れることだから。

 

キュルル 「……なのに、どうして……カラカルに赤ちゃんのこと話すの?」

サーバル 「カラカルによろこんでほしいからだよ。きっと元気になってくれるよ」

キュルル 「うれしいのかな……カラカル」

サーバル 「うれしいに決まってるよ! だいすきなひととの赤ちゃんが、

      大きくなってるんだから!」

 

 そうだった。サーバルはこういう子だ。ほんとうに、すごいとしか言えない。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

サーバル 「聞こえるよ! 元気な心臓の音!」

 サーバルが、ぽっこりとふくらんだ、ぼくのおなかに大きな耳をあてて、笑顔になった。

サーバル 「カラカルも聞いてみなよ! ほら!」

カラカル 「…………」

 カラカルは浮かない顔だったけど、ゆっくりとぼくのおなかに耳をあてた。

カラカル 「……あ!」

 カラカルは一瞬おどろいて……。

カラカル 「きこえる! きこえるわ!」

 とってもよろこんでくれた。今日は落ち込んでいる日みたいだけど、こういう時、よろこんでくれるようになったのは、素直にうれしい。

 

 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 カラカルの症状は、ぼくのおなかの赤ちゃんの成長とともに落ちついていった。ちょっとだけ前向きに考えて、ある程度症状をコントロールできるようになったみたい。今でもカラカルは落ち込むことがあるし、がまんして耐えているのもわかる。でも、それはぼくも……みんな同じだ。

 

 フレンズのみんなは、ちゃんと病気のことを説明すればわかってくれる。いつも通りに接してくれて、調子が悪いときは気にかけてくれる。やっぱり、フレンズはみんなやさしい。

 

 おなかが重い。だるくて、ちょっと歩くだけですっごく体力がいるけれど、たくさん食べて、がんばらなきゃ。

 

 あ、うごいた……。カラカルにおしえてあげよう。

 

 

 

 おわり

 

 

 

 

 

 

*1
 『カラカルは、オスでもメスでもなく“フレンズ”である』、というのが、このおはなしでの設定です。

*2
 心拍ではなく脈拍だと思います。こういう時に脈拍が聞こえるかはわかりませんが、長距離を走り終えた時などに聞こえる(感じる?)ことがあります。

*3
 心の病は、原因不明の場合も多いです。“たぶんあれが原因じゃないか?”という程度しかわからないこともあります。

*4
 “性格を変えろ”、と言われても無理ですよね。

*5
 『繊細』ではなく『図太い』人でも、突然心の病になる可能性はあります。繊細かどうかはあまり関係ないかもしれません。

*6
パークにヒトがいた頃に、フレンズに対して処方されたものの残りです。




 あとがき

 読んでいただきありがとうございます。

 文字通りの鬱展開。なぜか性別反転してるし……。

 『いのち』(別作品として投稿)のあとがきで、『キュルルは家族を持って、しあわせになってほしい』なんて言っていたのに、どうしてこんなことに……。

 私の中で、カラカルとキュルルをくっつけるという、謎ブームが続いています。
 いい加減2期ネタから離れたいんですが……。




 心の病(精神障害)について

 筆者は医者でも心理士でもなく素人であり、以下は間違いだらけである、と前置きして。

 このおはなしのカラカルはうつ病です。
 私は、知り合いにうつ病の方がいるので、ある程度は知っています。

 同じうつ病でも、症状は非常に個人差が大きいです。それなので、このおはなしのカラカルのような症状が必ず出るわけではありません。ただ、“こういう人もいる”のは間違いないです。
 カラカルの気分の浮き沈みは、双極性障害(躁うつ病)のような躁状態までは行かず、普通の状態に近い所まで上がるものです。あくまでも症状はうつ状態です。
 気分の浮き沈みは、気温、湿度、天気、日照時間などに影響を受けます。天気が悪いと暗い気持ちになるのは、健常者でも同じですよね。あまり理解されないのは“気圧が下がると気分も沈む”ということです。

 『落ち込んでいる』と書いていますが、“気分は沈んでいないのに、やる気が全く起きない”人もいます。この場合は、苦痛は弱い(自覚が無い)のですが、自分でも“なまけている”としか思えないので、がんばりすぎて病気を悪化させてしまうことがあります。

 一回のショックで、このおはなしのカラカルの状態まで行くのは不自然かもしれません。発症までの期間が短すぎる気もします。実際のうつ病では、強いストレスが長期間続き(自分を責め続けて)、壊れてしまうのかもしれません。

 抗うつ剤が無いとカラカルがかわいそうですが、パークでは手に入らないでしょうし、おそらく処方できる医師もいません。精神の薬は非常に種類が多く、その効果は個人差が大きいです。加えて、副作用が強い薬も多いので、素人が下手に扱うと危険です。
 でも、睡眠薬なら、リスク大ですがなんとかなりそうです(作中にチラッと出てきます)。うつ病では、かなりの割合(7割くらい?)で不眠になります。睡眠薬は欠かせません。
 このおはなしでは、“赤ちゃんの存在が抗うつ剤のように作用している”、としています。ですがこれは現実にはまずありえないです。諸刃の剣ですし。

 キュルルはパニック障害です。ですがこっちは付け焼き刃の知識で書いています。
 よく、パニック発作(フラッシュバック)は、トラウマ体験と同じような状況に置かれた時に起きる、と言われますが、そうではないことも多いようです。布団の中でぼんやりしている、とか、お風呂に入っている時って、普段よりも頭が冴えたりするんです。それなので、このおはなしのようなことも起きるのではないかと思います。

 フレンズが心の病(精神障害)になるのか? という疑問もあります。
 フレンズは、ヒトと同じように脳があるはずなので、神経伝達物質の問題などが起きる可能性もあります。そして、ヒトと同じ心を持っているのだから、心の病になる可能性はあると思います。

 〈 うそ 〉のあとがきで、「フレンズが自殺するなんてありえない」と書きましたが、このおはなしでは未遂をやらかしています。これは“フレンズをけもの寄りで描くか、ヒト寄りで描くか”という問題で、けものフレンズのニ次創作で悩む部分です。

 “フレンズはフレンズであって、ヒトでも動物でもない”というのが私の考えです。




 ここに書くようなことではありませんが、余談です。
 以下も素人が書いたもので、間違いだらけです。

 『精神障害』は、3大障害(身体・知的・精神)の一つで、大きな分類です。うつ病やパニック障害も精神障害の中に入ります。『心の病』とは言葉の意味が違いますが、同じようなものです。

 私は、知り合いに精神障害(うつ病)を持った方がいるので、強く言いたいです。

 『精神障害者』は、症状が出ていなければ健常者と見分けがつかないんです。
 外見では分からないし、会話しても、素人では病気なのか分からない。薬が効けば症状が抑えられて、普通に生活できる。それが誤解を生むんです。“この人のどこが病気なの?”、“だらしない人だな”、“変わり者だな”って思われてしまう。
 うつ病はかつて、“なまけ病”と呼ばれていたんです。

 “私のどこが病気なんだ?” “私は努力しないダメ人間だ” “全部自分が悪い”などと思っている精神障害者も多いです。こういった方々が、精神科の治療を受けないのは悲劇です。周囲の理解も得られず、自殺という最悪の結果になりかねません。
 ですから、それらしい症状が出ているな、と感じたら、精神科や心療内科を受診してください。あるいは、受診をすすめてあげてください。症状が明らかに重くて、本人が精神科にかかるのを嫌がっている場合は、多少強引にでも受診させてほしいです。

 ほとんどの精神の症状は、適切な薬を使えば緩和できます。
 ですが残念ながら、薬を飲んでも症状は残ります。副作用で苦しむことも多いです。合う薬に出会えるまでに何年もかかることもあります。

 “うつ病って治るものじゃないの? 薬漬けにされてるんじゃ……”って思われる方も多いと思います。実際、大量の薬を処方されている方がたくさんいます。完治(全治)することもあるようです。“薬を乱用せずに治療すべき”、と言うお医者さんもいます。それは正しいです。
 ですが、心の病を完治(全治)させるのは難しいんです。薬を使うのは対処療法でしかなく、根本的な解決になっていない……それは精神科医がいちばん良く分かっていることです。でも、そうせざるを得ない現実があります。それなので、“薬で症状を抑えながら、病気とうまく付き合っていく”、という考え方が現在の主流のようです。
 症状をうまくコントロールできれば、問題なく日常生活を送れるようになります。この安定した状態になることは、“完治(全治)”ではなく“寛解(かんかい)”と呼ばれます。
 あと、薬を飲むのをやめると、反動で症状が大きく悪化することがあります。
 『うつ病は心の風邪』なんて言われますが、そんな軽いものではありません。場合によっては、一生付き合っていかなければいけない障害なんです。

 最近では『発達障害』も広く知られるようになりました。
 発達障害を持つ人も、健常者と見分けがつかないです。“変わり者”、“不器用な人”などと処理されていたものが、障害として認知されるようになったんだと思います。
 ADHDで仕事などがうまくいかず、うつ病を発症するケースもあります。

 もうひとつ。
 “ヤンデレ”はフィクションだけのものです。現実にいる精神障害者とは違います。
(リアルに描いている作品もありますが)
 『ごーすとたうん』(別作品として投稿)で、イエネコのヤンデレ設定をやめたのは、こういう理由もあったんです。
 ヤンデレが悪いと言っているのではありません。「現実とは違う」と知ってほしいのです。むしろ、ヤンデレはフィクションのネタとして面白いと思うので、どんどん描いてほしいです。



 [ 初投稿日時 2020/01/20 20:20 ]
 
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