まえがき
突然思いついて書きました。フェネックがいっぱい。それだけです。
砂漠。
フェネック(幼)「わるいアライたんめ」 *1
ヒトの赤ちゃんサイズの、幼いフェネック *2 が、ちいさな手で、くいくいっと、アライグマのけもの耳を引っ張った。
アライグマ 「ぅわっ! くすぐったいのだっ! やめなさいなのだ!」
岩山の崖の下に、日陰ができていた。
そこで、アライグマがあおむけに倒れていて、たくさんのフェネックに囲まれていた。 *3
アライグマの手足に、地面から生えた、キツネのしっぽのような植物が巻きついていた。 *4
フェネック(大)「アライさん、かんたんに逃げられるでしょう?」
大人っぽい、落ちついた感じのフェネック(大)が言った。
フェネック(普)「なんで、されるがままなのかなー?」
アライグマとなかよしな、ふつうのフェネックが言った。
アライグマ 「アライさん、なにも悪いことしてないのだ! だから逃げないのだっ!!」
フェネック(姉)「やば……きゅんってきたよ……」
セクシーなカラダ *5 の、メガネをかけたフェネック(姉)は、明るくて、少しおっとりした雰囲気だった。
彼女は、アライグマに顔を近づけ……
フェネック(姉)「かーっこいいねぇ……」 *6
……アライグマのあごをくすぐった。
アライグマ 「ぁうう……」
アライグマは、頬を赤くしてそっぽを向いた。
フェネック(弟)「悪いことしてるじゃないかー」
ボーイッシュ(?)なフェネック(弟)は、ちょっと不機嫌そうだった。 *7
フェネック(普)「アライさんが、かわいすぎるからいけないんだよ?」
フェネック(理)「『かわいいは罪』って言うからねぇ」 *8
少し冷たい感じのフェネック(理)が言った。
アライグマ 「りふじんなのだーー!!」
フェネック(M)「はうんっ!」
へんたいっぽいフェネック(M)が、ビクっと反応した。
アライグマ 「どうしたのだ?」
フェネック(S)「この子は、なじってあげると
やや暗い、サディスティックなフェネック(S)が、フェネック(M)のけもの耳をつねった。
フェネック(M)「いたたたっ……も、もっとぉ……」
フェネック(M)は、甘い痛みで恍惚とした。
フェネック(S)「アライさんの目の前で、お耳、ちぎられたいのー?」
フェネック(S)は、つねる指に力を込めながら、蔑む目でフェネック(M)を見た。
フェネック(M)「……え、えと、あううぅ……」
フェネック(M)は、赤い顔をして声を震わせ、うれしそうにおびえた。
フェネック(S)「この、へんたいギツネめっ!!」
フェネック(S)は、フェネック(M)の、けもの耳を強く握り、ぎゅーっと引っ張った。 *9
フェネック(M)「ふあああ゛っ!」
フェネック(M)は、ぞくぞくぞくっと、痛みを味わった。
フェネック(妖)「んふふふふ……」
あやしげで色っぽいフェネック(妖)が、(S)と(M)を眺めながら、満足げに笑った。
アライグマ 「へんな子ばっかりなのだ……」
アライグマは若干引いていた。
フェネック(妹)「たらいさん持ってきたよー!」
無邪気で子供っぽいフェネック(妹)が、木のたらいを持ってきた。 *10
アライグマ 「なにする気なのだ!」
フェネック(S)「おててを、じーっくりと洗うのさ……とけて、なくなっちゃうまでねぇ……」
フェネック(S)が、邪悪な笑みを浮かべた。
アライグマ 「洗いすぎにもほどがあるのだぁ!!」
アライグマは戦慄した。 *11
フェネック(普)「まーまー、そんなにあせらなくても」
フェネック(大)「もうちょっと、やさしいやつにしたら?」
フェネック(妹)「ジャパリまんも持ってきたよー!」
フェネック(妹)が、ジャパリまんが数個入ったかごを見せた。
フェネック(幼)「ほい! おいちーよぅ!」
フェネック(幼)が、アライグマの口に無理やりジャパリまんを突っ込んだ。
アライグマ 「りゃめ……」
アライグマは拒否しようとした。
フェネック(幼)「んー?」
フェネック(幼)が、いたいけな声を出し、つぶらな瞳でアライグマを見つめながら、首をかしげた。残酷なほど、純真無垢だった。
アライグマ 「うっ……」
アライグマがひるんだ。心臓を射抜かれたように。
アライグマ 「……むぐむぐぅ……」
そして、ジャパリまんを、もぐもぐ食べ始めた。
フェネック(S)「ジャパリまん責めか……悪くないねぇ……」
フェネック(S)が、腕を組んで、にやりと笑った。
アライグマは、フェネック(幼)に、2個目のジャパリまんを食べさせられた。
アライグマ 「はむはむ……むぐむぐ……」
フェネック(M)「……いーなー……」
フェネック(M)は、指をくわえて見ていた。
…………3個目…………4個目…………5個目…………。
フェネック(妹)「もう1個ほしいー?」
フェネック(妹)は、満面の笑みでジャパリまんを掲げた。
フェネック(幼)「はい! あー」
フェネック(幼)がジャパリまんを受け取り、アライグマの口に突っ込んだ。 *12
アライグマ 「むうむう!」
アライグマは、ぶんぶんと頭を振った。
フェネック(姉)「もういらないみたいだねぇ」
フェネック(理)「でもアライさん、むかし大食いやってたから、このぐらい……」
フェネック(幼)「おーぐい?」
フェネック(幼)が、手をゆるめた。
アライグマ 「ごくん……ぷはっ!」
アライグマが、ジャパリまん責めから解放された。
アライグマ 「『ら○かるさん』じゃないのだぁ!!」 *13
フェネック(M)「ふひひっ!」
フェネック(大)「この子なにに反応してるの?」
フェネック(姉)「ところでみんな、アライさんの毛皮、脱がさないのー?」
フェネック(姉)が、アライグマのスカートを、ぺろんっとつまみ上げた。
アライグマ 「ほぇ?」
アライグマが、目を丸くした。
フェネック(弟)「はわぁ! なーにやってるのさ!」
フェネック(弟)が、赤くなった顔を両手で覆い、恥ずかしそうにそっぽを向いた。
アライグマ 「ここ、おふろじゃないのだ!」
アライグマは、よく分かっていない様子だった。
フェネック(理)「そういうのは禁止なのさ……今回は」 *14
フェネック(妹)が、興味深げにアライグマのスカートの中をのぞき込んだ。
フェネック(妹)「おーぅ!」
フェネック(普)「えっちなことはやっちゃだめー、って……」
フェネック(普)が、フェネック(妹)の後ろに立ち、首の後ろをつかんで……
フェネック(普)「……言われてるからねー」
……ずるずると後ろに引きずって、アライグマから離した。
フェネック(弟)「だれに?」
フェネック(普)「ひみつ」
フェネック(大)「残念だねぇ……」
フェネックたちは、がっくりと落ち込んだ。
フェネック(妖)「ちょっと味見するくらい、いーんじゃなあい?」
フェネック(理)「だめだってば」
フェネック(普)「んー……いっちゃいなよ、きみ」
フェネック(普)が、フェネック(妹)の背中を押した。
フェネック(妹)「ほえ?」
フェネック(普)「しっぽを、きもちよーくしてあげてねー」
フェネック(普)が、アライグマのしっぽを指差した。 *15
フェネック(妹)「りょーかーい! んやっ!」
フェネック(妹)が、アライグマのしっぽの根元あたりを、両手で輪を作るようにして、ぎゅむっとつかんだ。
アライグマ 「はうっ!」
そして、しっぽの先端に向けて、シュルルーっとしごいた。
アライグマ 「ふあああっ!」
フェネック(幼)「ちっぽー!」
フェネック(幼)が、アライグマの顔におしりを向けて……
フェネック(幼)「やっ! えい!」
……しっぽを振って、ふぁさっ、ふぁさっ、と、アライグマの顔をなでた。
アライグマ 「ぷふっ! ふあっ!」
ふわふわに甘い、しっぽ責めだった。
フェネック(妹)は、アライグマのしっぽを、もふもふしたり、なでたり、毛に指を突き立てて芯の部分をマッサージしたり、ぎゅーっとしぼるように揉んだりした。さらに、しっぽの先端を口に含んで、ちゅぱちゅぱとしゃぶった。
アライグマ 「あっ、らめ、りゃめうのら! あぁっ……んあぁっ! ぁうぅ……いっ! いぃっ! あっあっああっ……き、きもちぃー! ……んうぅ……」
アライグマは、フェネック(妹)にしっぽをいじられまくり、フェネック(幼)に顔をしっぽでくすぐられ、とっても気持ちよさそうに、体をよじって、ぴくぴくと反応した。
フェネック(姉)「うわー……顔がやばーいことになってるよ、アライさん……」
フェネック(理)「子供なのに、すごいテクニックだねぇ」
フェネック(S)「さすが……子供は残酷だねぇ……」
フェネック(M)「あれ、わたしもしてほしぃ……もっとはげしーの……」
フェネック(弟)「はわわ……そろそろ止めないと……」
アライグマ 「……っふああ! もっとぉ……んあっ! もっとほしーのらぁ!」
フェネック(妖)「んふふ……たのしそうじゃなーい?」
フェネック(大)「いい感じにハマってるねー」
フェネック(普)「そうだー……いっそのこと……」
フェネック(普)が、人差し指を立てた。
フェネック(普)「みんなで、やっちゃうおうかー」
フェネック(妹)「いーねー!」
フェネック(妹)が、アライグマのしっぽをいじるのをやめて、顔を上げた。
フェネック(幼)「……いーねゃぇ……ぅ……」
フェネック(幼)は、半目で、こくんっと倒れそうになった。彼女は、突如襲来した『眠気』という自分史上最強の敵と戦っていた。
アライグマ 「ぷはっくちゅん!」
アライグマが、フェネック(幼)のしっぽの毛で鼻先をくすぐられて、くしゃみをした。
静寂。
アライグマは、見た。
たくさんの、黄色と茶色のふさふさもふもふが、うねうね動きながら迫ってくる光景を。 *16
アライグマ 「のーだあぁーーーー!!!」
アライグマは、歓喜とも絶望ともつかない叫び声をあげた。
アライグマは、きつねに、つつまれた。
フェネック(老)「こりゃー。だめだぞぅみんなー」
唐突に、年老いたフェネックが現れた。 *17
フェネックたちは、しっぽ責めをやめて、アライグマから少し離れた。
フェネック(老)「こんなにおびえて、かーわいそうにぃ……」
フェネック(老)が、アライグマの頭をやさしくなでた。
アライグマ 「たすかった……ありがとうなのだ……」
フェネック(幼)「……ぅゅ…………」
フェネック(幼)が、ぽてっ、と寝落ちした。 *18
フェネック(普)「アラーイさん、きもちよかったー?」
フェネックは、インタビューするように言った。
アライグマ 「…………」
アライグマは、そっぽを向いたままだった。
フェネック(普)「あー……ごめんねー、ちょっとやりすぎたかなー」
アライグマ 「……アライさんが、だいすきなのは……ぐっ!」
アライグマが、腕に力を込め、手足に巻き付いていたしっぽのような植物を引っ張った。
アライグマ 「むうぅ……」
そして、ぶちぶちっと引きちぎって、起き上がった。
アライグマ 「……このしっぽだけなのだっ!!」
そして、がしっ! っとフェネック(普)のしっぽに抱きつき、ぐりぐりと顔をうずめた。
フェネック(普)「アライさん……」
フェネックは、少し悲しげな目で、愛おしそうに、アライグマを見つめた。
アライグマ 「でも……」
フェネック(普)「でもー?」
アライグマ 「……も……もっと、みんなで……なでなでしてほしいのだぁ!!」
フェネック(幼)「……すー…・……すー…・……すー…・……」 *20
フェネック(幼)が、フェネック(大)に抱かれて、すやすやと、おだやかな顔で眠っていた。
フェネック(幼)「……すゅー………アりゃーイた……んぅ……」
フェネック(幼)は、ぴくぴくっと大きな耳を動かして、ちいさな手をにぎにぎしてから、しあわせな夢を見ているように微笑んだ。
おわり
あとがき
読んでいただきありがとうございます。
〈 なまえ 〉のあとがきで、同種のフレンズが多数登場することについて書きましたが、ある意味、これは、けものフレンズのタブーなのでは? とも思います。でも、今までも好き勝手書いてきたので、気にしない、気にしないです。
えっちな話が多いので、今話はそういうのを抑えました。アライさんがしっぽ責めされているところは、えろくない、えろくないです。
いじめっぽくなりすぎないように気をつけましたが、やっぱりいじめに見えますかね……。アライさんも楽しんでいます。フェネックのしっぽにつつまれるとか、しあわせすぎます。
『狐につままれる』と、『きつねにつつまれる』、両方体験してみたいです。あと、『キツネをつまむ』のもいいですね。
このおはなしの主役は、フェネック(幼)です。でも、この子は、『かわいさが尋常じゃない』『えげつなくめんこい』『悶絶するほど愛くるしい』という程度では足りないくらい、絶望的にかわいいのです。筆者の、語彙力・描写力不足がもどかしいです。絵が描ければいいのですが……。
―― タイトルについて ――
“fennec”の複数形は、“fennecs”なので、『フェネックス』という表記で良いと思います。『フェネックズ』は発音しづらいので違うでしょう。いや、間違っていたらごめんなさい。
フェニックスみたいで良い感じかも。フェデックス?
―― フェネックたちの設定 ――
このフェネックたちは個性を持っていますが、ベースはふつうのフェネックであり、共通点もあります。元のフェネックの心の中に、たくさんのフェネックが住んでいて、それが具現化したようなイメージです。つまり、元のフェネックを分解して生まれたフレンズです。
主な共通点は、語尾と、ややおっとりしていることと、アライさんが大好きなことです。
姉とか妹とかがいますが、家族ではありません。
たぶん、(弟)以外は女性です。
フェネック(普): いわゆるふつうのフェネック。フェネックたちを、まとめない役。
フェネック(大): 落ちついた大人なフェネック。一歩引いて見守るタイプ。体も大きめ。
フェネック(理): クールで知的なフェネック。性格は(普)に近いが、毛色が違う。
フェネック(姉): 豊満なフェネック+メガネ。明るくおっとりで、無自覚にえっちな感じ。
フェネック(弟): 性別不詳なフェネック。ちょっと生意気。純情で恥ずかしがり屋。
フェネック(妹): 子供っぽいフェネック。明るく天真爛漫で好奇心旺盛。やや天然。
フェネック(幼): 小さく幼いフェネック。舌足らず。活発だがすぐ電池切れして寝てしまう。
(妹)と(幼)は、いっしょに遊んでいることが多い。かわいすぎるコンビ。
フェネック(S): サドなフェネック。言葉責めが好きで、相手を怪我させることはしない。
フェネック(M): マゾなフェネック。何を考えているのかわからないが、実は頭が良い。
(S)と(M)はとってもなかよし。
フェネック(妖): 妖艶なフェネック。ダークで魔女っぽい感じ。危険やトラブルを楽しむ。
フェネック(老): 長老的なフェネック。温厚だが口うるさい面もある。
フェネック(太): ふっくらふくよかなフェネック。意外と身軽に動けるが、すぐ疲れる。
フェネック(細): スレンダーで背が高いフェネック。臆病な性格。聴覚が非常に鋭い。
(太)と(細)は、いっしょに行動していることが多い。腐れ縁っぽい。
フェネック(陽): 明るいが、ツンデレ風味なフェネック。実は繊細で傷付きやすい。
フェネック(陰): やたら暗いフェネック。存在感が薄い。
(陽)は、影が薄い(陰)のことを気にかけている。
フェネック(量): 量産型フェネック。ロボットらしいが詳細不明。寡黙でやさしくて従順。
フェネック(裏):
全然関係ないですが、私は、2025年大阪万博のロゴマークがセルリアンに見えます。この手のロゴでは珍しく“キモカワイイ”のが好きです。日の丸にセルリウムが接触したっぽい。それに、コンセプトが、「細胞(セル)をつないだイメージ」「いのちの輝きを表現」って……。
……けもフレに毒されていますね、私。
[ 初投稿日時 2020/09/19 19:19 ]