私、織斑千冬は悩んでいる……。
それは私の弟である一夏の事だ!
これは悩み出したらキリがない……。
そう、その悩みとは一夏の恋人もとい結婚相手だ!!
容姿端麗、品行方正おまけに家事万能そしてイケメンで何処に出しても恥ずかしくない、見ての通りの自慢の弟なのだ!
しかし束のせいで唯一無二の男性IS操縦者になってしまい、そのせいで一夏を欲しいままにしようと世界中からハニートラップがやってくる。
ただでさえ悩んでいるのに更に悩みの種が増えてしまった……。
だがどこぞの馬の骨なんぞに一夏をくれてやるか!!たとえ一夏が彼女を連れて来たとしても私はハニートラップの類いと疑い尋問して吐かせてやるがな。
そこ!一夏よりも自分だろ!!とツッコンだヤツ!いいだろう拳で語り合うか?私は構わないぞ?ん?
っと話がそれてしまったな……。
とにかく私は一夏が悪い道に行かないように見守らないといけないのだ!!
何?なら自分の物にしたらどうだって?
馬鹿者!!そんな事が出来るか!!
私達は姉弟だ!そんな事などするか!!私にも一夏にも選ぶ権利はある。
いつまでも独身でいるのはさびしいので密かに花嫁修行をしている最中だ。
ん?誰だ?そこで笑ったヤツは?似合わないとでも言いたいのか?
……いいだろう話し合うか?何、剣を交えての会話だ、逃がしはしないぞ?
……と、また話がそれてしまったな。とにかく一夏の事を考えるとお姉ちゃんは心配なんです。
一夏が小さい頃から親代わりをつとめてきただけに私はいい相手に笑顔で見送りたい。
ただそれだけの事なのだがな……。
「うーむ……」
何か打開策かないかと思案していると……
「ちー――ちゃん!!」
ピクッ!!
私の神経を逆撫でする声が聴こえた……。
まあ、空耳だな……。いつまでもウサ耳を着けて痛い格好しているヤツは最初からここにいなかったな、うん。
「ひどいよちーちゃん!無視しないでよ!!」
無視しているのに気付いたのか私に向かって非難の声を出すヤツ。
篠ノ之束。ISの産みの親であり、不本意ながら私の親友でもある。
今思えば、私ももう少し交友関係を広げていればこんな痛いヤツとは出会わなかったのかも知れんな……。
「さっきから何してるのさ?」
「お前との縁を切るにはどうしたらいいかを考えていたところだ」
「ガー――ン!!」
私の言った事にショックを受けたのか束はこの世の終わりのような顔をしていた。
「ひどい!ひどいよ!!私とちーちゃんとの仲はそんなだったの!?」
「そんな事どうでもいいから何しに来たんだ束?」
「どうでもよくないよ!これは第一優先事項だよ!!」
「いいから話せ」
「はい………」
束はなおも食い下がろうとするのでアイアンクローで黙らせた。
こういう時に肉体言語は役に立つな。
「ちーちゃんがいっくんの事で悩んでるのを聞いて私がちーちゃんのお悩み解決をしようと来たのだ。えっへん」
「何?」
胸を張ってそう言う束だが大抵良くない事が多い。
何度もこう言っては失敗しては災難な目に合う上にとばっちりで私にまで不運な目にあっているのだ。
出来れば聞きたくはないがほっとくととんでもない事を仕出かすのが束のお得意なのだ………。
仕方ない耳を傾けてやるか………。
私は束に気付かれないようため息を吐いた。
「で解決策とは何だ?」
「要するにいっくんに悪い虫がつかないようにしたいんでしょ。だったらいっくんに婚約者達を作ってしまえばいいんだよ!」
「束……」
「どう?名案でしょ」
「愉快なオブジェにしてもらいたいようだな……」
束の名案?とやらに納得しない私はボキボキと指を鳴らしながら近付く。
「ちょ、ちょっと待った――!何で怒ってるのさ!!」
「ふざけた事を言う兎を狩るだけだ……何の問題もない」
「問題あるから!とりあえず私の話を聞いてよ!」
私の行動に顔を青ざめた束は必死になだめようとしている。
「いいだろう。お前の言い訳を聞いてやる」
「ホッ……とりあえず婚約者達と言う案はね、私達じゃいっくんを守れないよって意味だよ」
「何?どういう意味だ?」
束の意見に思わず反応してしまった。
「だって、私達じゃもういっくんを守るなんて事出来ないじゃんか………色んな意味で」
「まあな………」
束の言う通り一夏は白騎士事件以降、猛勉強と猛特訓のすえに強さと賢さを身に付けた。実力はISの国家代表クラスまで上がり、束の知識を理解し色んな多国語を話せるようになっていたので私達の手ではもう限界が来ていた。
「本当なら箒ちゃんだけをいっくんの婚約者にしたいけど……1人じゃ限界あるし、色んな障害からいっくんを守れないよ」
「だから複数を婚約者にしようという訳か……」
「これならいっくんは1人でどっかに行く事はないし、安心出来るんじゃないかな」
「そうだな」
「だから婚約者の選定はちーちゃんに任せるよ。ある程度の人数は必要だしちーちゃんのお眼鏡にかかる人達にしてね」
「わかった」
束の言葉に私の頭の中にはすでに何人か候補がいる。後はそいつらがこの話を聞いて納得してくれるかどうかだな。
「もちろん束さんも協力するよ。ある程度の資料は持ってきたよ」
そういうと何処からディスプレイを呼び出して人物名とプロフィールが書いてある画像が複数出てきた。
「お前いつの間に集めたんだ……」
「世界中の政府や企業からハッキングして集めてきたよ。証拠は残らないし問題なし」
改めて束の恐ろしさに私は心の中でドン引きしていた。
まったく敵にはしたくはないものだな………。
「よし。いっくんと箒ちゃん達が幸せになるように頑張ろうちーちゃん」
「ああ」
こうして私達は一夏の為に婚約者達を選定する事にした。
これで私達じゃなくても一夏のそばにいて守れる存在が出来る。
がしかし………問題はこの事を一夏が受け入れてくれるかどうかだな………。
その事だけが不安材料だな……まあ、何とかなるか……たぶん………。
束の提案に乗ったまではいいが一抹の不安と今さらながらこんな事をする事に若干の後悔が含まれていたが婚約者達の選定はしっかりせねばな…………。
この一件で一夏に嫌われなければいいがな………。
そんな事を思いつつ私達は一夏の婚約者達な選定にかなりの時間をようし、決定した。
これなら大丈夫だな、待っていろ一夏お前に相応しい相手がやってくるぞ。
一話目で結構時間かかりました。修正と書き直しで難産になりましたね