連休なので連投です。
「…………」
「どうした一夏?元気がないみたいだが大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫だ……」
俺の様子を見て心配になったのか気遣ってくれる箒に笑顔で返した。
入学式の翌日の朝、一年生寮の食堂に俺達はいる。
相変わらず右も左も女子ばかりであり、隣に箒が座って朝食を食べているが俺としては正直気が休まらない………。
あの後、箒から一緒に寝ようと提案して来たのでさすがにヤバいと感じた俺は何とか断わろうとしたが涙目上目遣いで“私と一緒に寝るは嫌なのか?”というお願いに結局俺が折れる形となってしまった………。
―がしかし、ここから俺にとっては拷問タイムが待っていた!
箒と一緒に寝てから数時間が過ぎても………全く眠れないんだよ!!
俺の隣で寝ている箒の寝姿がヤバかった………成長した幼なじみの寝顔が間近に見られ、寝息が俺の耳元を刺激する。
しかも浴衣がはだけて胸元から覗く胸の谷間やら捲れ上がって見える太ももなどが俺の理性をハンマーで壊されていく気がした。
何とか離れようにもがっちりと腕を掴まられて身動き出来ない、動こうなら俺の腕を抱き締めてくるので胸の感触が伝わるのでどうする事も出来ずに悶々としたまま朝を迎えてしまった……。
今日は色々理由をつけて離れて寝てもらう事にしよう。上手くいくかどうかわからないけどな………。
隣で機嫌良く朝食を食べている箒を見ながら、俺は朝食を食べていく………。
今日大丈夫かな…………?
「お、織斑くん、一緒にいいかなっ?」
「えっ?」
見ると、朝食のトレーを持った女子が3人、俺の反応を待ちわびるが如く立っていた。
「ああ、俺は別にいいけど箒もいいか?」
隣に座っている箒に聞いてみた。
せっかく一緒に食べていたのに邪魔になって不機嫌なっては困るのでという配慮だ。
「ああ、私も構わないぞ」
「…だそうだ。どうぞ」
俺がそう言うと3人の内声を掛けてきた女子は安堵のため息を漏らし、後ろの2人は小さくガッツポーズをしていた。
俺に話し掛けるだけでこのリアクションは正直どうしていいか困るな………。
ちなみにだが周りの女子もこの様子にざわざわとしていたのでこっそりとため息をついていたのは内緒だ。
3人組は向かい側に座り、俺と箒の顔を見るような感じだ。
「うわ、織斑くんって朝すっごい食べるんだ―」
「お、男の子だねっ」
「俺は夜少なめに取るタイプだから、朝はしっかりと取らないと色々キツイんだよ」
まあ、これは千冬姉の真似してやってみたがこれが一番体にしっくり来たので続けている。
千冬姉も体型維持の為にやってたかどうかは知らないが国家代表の時はなるべくバランスの良い食事を作っていたからな………。
そのおかげかわからないがモンド・グロッソで優勝した時に千冬姉があれだけの称賛を受ける中で“大事な家族である一夏がいなければ私はこの場所に立てなかった”とコメントした時は正直嬉しかったな………。
小さい頃から両親がいなくて千冬姉と2人だけで生きていたので俺にとっては千冬の支えになる事が出来た一番の誉め言葉かもしれないな。
「ていうか、女子って朝それだけしか食べないで平気なのか?」
3人組は、それぞれトレーの上のメニューこそ違うが、飲み物にパン一枚、おかずが一皿とさびしく感じる。
「わ、私たちは、ねえ?」
「う、うん。平気かなっ?」
「お菓子よく食べるし―」
という女子の言葉にガクッときた、おいおい……間食がメインじゃ太るぞ………。
口には出さないが正直言って体に悪いのは確かだな……。
まあ、そこがジジクサイと言われてしまう部分なんだかな………。
「なあ、みんな。いい事を教えてやろうか?」
「「「いい事?」」」
俺はどうやって食事の大切さを教えようとした時にふいに箒が口を開いた。
「ああ、織斑先生のスタイルの秘密だ」
箒の言葉に食堂全体が静かになり、ガタッと聞き耳を立てている女子達に思わず俺は引いていた。
「篠ノ之さん、その秘密を教えてよ!」
女子達の代表と言わんばかりに3人組のうちの1人が箒に聞いてきた。
「まあ、そう慌てるな。織斑先生のスタイルの秘訣は食生活だ。」
『食生活!?』
おおぅ!?凄いハモりだ………、そこまで知りたいのかよ………まあ、女子達にしたら憧れの存在だからな………。
「織斑先生がブリュンヒルデに上り詰める為に朝食をたくさんとり、夜は少なめにとり体型と健康維持の為に無駄のない食生活をしていたとの事だ……そうだろ一夏?」
「ああ、本当だ。お菓子をとるのは疲れている時にしか食べなかったな……大体甘い物は果物だったな」
箒から話を振られて、俺はそう返した。
「だから私も一夏も織斑先生を真似てそうするようにしたんだ。おかげでバランスのいいスタイルに成長している」
そう言うと箒は胸を張って自慢気に話した。
確かに成長したよな……前に会った時の束さんも今の箒くらいあったしな……。
「だから、まあ……お菓子を食べるなと言わんが食事は大事だと言う事を伝えたかったんだが……わかったか?」
『はい!!』
箒の問いかけに食堂にいた女子達は皆一斉に返事をしたのを見て改めて俺は女子達の統率力の凄さを目の当たりにしたのであった。
――――――――――――
2時間目が終わった時点で俺は復習をしていた。
入学する前からISに関しての知識はすでに頭に入っているがIS学園の教科書に書いてある事には改めて勉強になるところが多いな………。
ちなみに山田先生の授業は分かりやすくて覚えやすいが女子校ならではの会話のやりとりに困っていた。
例えばエネルギーバリアに関しての項目に不安になった女子生徒の質問に山田先生はブラジャーという例えを出してしまい。俺と目があった瞬間に慌てふためいてしまい微妙な雰囲気を作ってしまい。
千冬姉の注意で再び授業に無理矢理戻したり。
ISをパートナーという、例えを彼氏彼女の関係みたいな感じですか?と言う質問に戸惑って返事をしてしまいきゃいきゃいと雑談に入ってしまう。
まあ、女子達からした楽しい会話かもしれないがこの中に1人しかいない男子の俺には正直気まずかった………。
「ところで織斑、お前のISだが準備まで時間がかかる」
次の授業が始まる前に千冬姉から俺にそう伝えられる。
「え?」
「予備機がない。だから、少し待て。学園で専用機を用意するそうだ」
千冬姉の専用機という言葉にクラスの女子がざわつきだす。
まあ、俺が専用機を貰う理由は主にデータ収集と自己防衛が目的なんだろうな……正直貰いたくはないが状況が状況だしな………はあ……。
「あの、先生。篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんでしょうか……?」
女子の1人がおずおずと千冬姉に質問して来たが俺にとってあまりいい質問ではない。箒と束さんは今では仲直りしているがその質問はタブーだ。
「悪いが生徒の個人情報に関しては私は答えない。もし知りたければ直接本人に聞け」
「わ、わかりました……」
千冬姉の答えに質問した女子は引き下がった。
悪いけど俺も千冬姉の言葉には同意する。
いくらなんでも踏み込んでいい話題と悪い話題があるからな………。
チラリと箒の方を見ると千冬姉の返答に安堵したのかホッと息を吐いていた。
「さて、授業をはじめるぞ。山田先生、号令」
「は、はいっ!」
山田先生も箒が気になる様子だったが、そこはやっぱりプロの教師。ちゃんと授業を始めた。
(後で箒と話してみるか……)
俺は箒の事が気になるが今は授業が大事と教科書を開いた。
5話はすんなり書けました。