IS―ヒロイン達は一夏のお嫁さん!?   作:夜光華

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皆さんお久しぶりです。

ここのところリアルが多忙の為なかなか更新出来なかったですね。

それからお気に入り200件越えありがとうございます。

では第9話目です、どうぞ


第9話

「やったな一夏!」

 

試合終了後、ピットから戻った俺を真っ先に出迎えて来た箒から熱い抱擁を受けた。

 

「訓練機で専用機持ちの代表候補生と善戦の上に勝利するとはよくやったぞ一夏」

 

箒に続いて千冬姉が笑顔で誉めてくれた。

 

「正直危なかったところがあったがまだまだだよ」

 

「そうか?私にはそんな感じはしなかったぞ」

 

「相手は切り札を使ってまで勝ちにきたんだ仕方ないな」

 

「とりあえず勝ててほっとしてるよ」

 

「ああ、一夏格好良かったぞ」

 

「そうか?」

 

「ふふ、謙遜する必要はない。お前は私の自慢の弟だ」

 

等々俺に対して誉めまくっているが正直、恥ずかしいな。

 

「え、えっと、今回は訓練機で起動しましたがいずれ専用機を持った時に規則がありますのでちゃんと読んでおいてくださいね。はい、これ」

 

「「ああん!?」」

 

俺達の会話の間に入り込んでIS起動におけるルールブックを渡そうとしていた山田先生に対してギロリと睨み付ける箒と千冬姉。

 

まるで邪魔するなこの野郎!と言わんばかりに怒ってるな…………。

 

「ひいいっ!?な、何で怒るんですかぁ――――!!」

 

2人の睨みに恐怖を感じ涙目でわたわたと後ずさりする山田先生。

 

すいません。山田先生少しは空気を読んでください。

 

そしてフォロー出来ません………。

 

今にも襲撃しそうな2人を抑えつつ、山田先生をなぐさめるハメになった。

 

――――――――――――

 

サァァァァ……。

 

シャワーノズルから熱めのお湯が噴き出す。水滴は肌に当たっては弾け、またボディラインをなぞるように流れていく。白人にしては珍しく均整の取れた体と、そこから生まれる流線美はちょっとしたセシリアの自慢だ。

胸は同い年の白人女子と比べると幾分慎しまやかではあるが、それが全身のシルエットラインを整えている要因でもあるので本人としては複雑な心境らしい。

その胸にシャワーを浴びながら、セシリアは物思いに耽っていた。

 

(今日の試合――)

 

訓練機相手にお互いに健闘し敗れた。

最初は専用機が来るだろうと思っていたが訓練機を纏った一夏の姿に一瞬の戸惑いを感じたが油断をする事はなかった。

 

自分の持っている力を出しての負けたが清々しさを覚え充実している。

 

(――織斑、一夏――)

 

あの男子を思い出す。あの強い意志の宿った瞳を。

他者に媚びることのない眼差し。それは、不意にセシリアの父親を逆連想させた。

 

(父は、母の顔色ばかりうかがう人だった……)

 

名家に婿入りした父。母には多くの引け目を感じていたのだろう。

幼少の頃からそんな父親を見て、セシリアは『将来は情けない男とは結婚しない』という思いを幼いながらに抱かずにはいられなかった。

そして、ISが発表されてから父の態度はますます弱いものになった。

母は、どこかそれが鬱陶しそうで、父との会話自体を拒んでいるきらいがあった。

 

母は強い人だった。女でありながらいくつもの会社を経営し、成功を収めた人だった。厳しい人だった。けれど、憧れの人だった。

 

そう。『だった』。両親はもういない。三年前に事故で他界した。

 

いつも別々に過ごしていた両親が、どうしてその日に限って一緒にいたのか、それは未だにわからない。

 

越境鉄道の横転事故。死傷者は百人を越える大規模な事故だった。

とてもあっさりと、両親は帰らぬ人になった。

 

それからはあっという間に時間が過ぎた。

 

手元には莫大な遺産が残った。それを金の亡者から守るためにあらゆる勉強をした。

その一環で受けたIS適性テストでA+が出た。政府から国籍保持のために様々な好条件を出された。両親の遺産を守るために即断した。

 

第三世代装備ブルー・ティアーズの第一次運用試験者に選抜された。

 

その功績が評価されたかわからないが篠ノ之束博士から直接政府を通して自分にある事を告げられた。

 

「唯一無二の男性操縦者の婚約者に選ばれた」と

 

最初はどうして自分が?と思ったがこの話を受け入れれば両親の遺産は確実に守る事が出来、金の亡者からは迂闊に手を出す事が出来なくなるという魅力的な条件だった。

 

自分が犠牲になればオルコット家は安泰、半ば諦めに近い形でこの話を即断した。

 

その後、婚約者達のつながりで箒と仲良くなり婚約者である織斑一夏について聞いていたが自分のこの目で確めるまでは信じられなかった。

 

しかし、日本に来て織斑一夏に出会い変わった。理想の強い瞳をした男を。

 

「織斑一夏……」

 

その名を口にしてみる。不思議と胸が熱くなるのが自分でもわかった。

 

どうしようもなくドキドキして、熱いのに甘く、切ないのに嬉しい。

 

少し前まで自分を犠牲にしてオルコット家を守るという決意がこの瞬間崩れていった。

 

「ふふっ、私にもようやく幸せが巡ってきましたわね……」

 

セシリアは笑みがこぼれ織斑一夏と共に歩く姿を想像し、これからの日々に胸を踊らせていた。

 

――――――――――――

「おーっ」

 

夕方、部屋に戻ってきた俺の目の前のテーブルには料理が並べられており、見た目もよくて思わず声が出た。

 

「お疲れ一夏、今日の夕食は私が作ったんだ食べてくれ」

 

制服の上にエプロン姿の箒が俺を出迎えた。

 

普段こういう姿は見たことないので、少しの間見惚れていたのは内緒だ。

 

「ああ、いただきます」

 

箒のエプロン姿が似合っていた事を言おうと思ったがとりあえず椅子に座り、一口食べてみた。

 

「うん。上手いよ箒」

 

「そうか、一生懸命練習したかいがあったな」

 

「そうなのか?」

 

「ああ、婚約者となったから私も頑張らないといくら一夏が家事が得意だとしても愛想つかされそうだからな」

 

と微笑みながら箒はそう言うが俺の為にここまでしてくれるのは正直初めてだ。

 

いつもは千冬姉に対して俺が家の事を支えていってる形だし、俺が支える時があっても支えられる時はあまりないな……。

 

「さっ、料理が冷めない内に食べてくれ」

 

「じゃ、遠慮なくいただくよ」

 

俺は箒の手料理の美味さに箸が止まらずあっという間に平らげてしまった。

 

誰かに作って食べるのは久しぶりかもな、箒の料理を満喫していると

 

「デザートはいるか?」

 

「ああもらうよ」

 

箒はさくらんぼを持ってきた。

 

「いいのが手に入ったんだ。ほら、あーん」

 

箒はさくらんぼを持って俺に食べさせようと迫ってくる

 

「えと……」

 

「あーん」

 

「あ、あーん」

 

最初は戸惑ったが箒がしてくれるので俺が折れる形で食べさせてもらう事にした。

 

「そうだご褒美がまだだったな」

 

そう言うと箒はさくらんぼを口の中に入れた。

 

俺はピンとこなかったが次の瞬間―

 

「へっ?……んっ!?」

 

箒の両手が俺の頬に添えそのまま唇が俺の唇に重ね合わせると口の中にさくらんぼが入って来た。

 

「これがご褒美だ。どうだ美味いか?」

 

くすくすと笑みを浮かべて唇を指先に当てて言った。

 

そう箒は口移しで俺にさくらんぼを食べさせたのだ。

 

これがご褒美とは………良すぎるよ!!

 

と内心テンション上がりまくりの俺は箒と結婚生活するのはいいかもしれないなと真剣に考えるようになった。

――――――――――――

 

「では、一年一組の代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいいですね」

 

翌日、朝のSHRにて山田先生から嬉々として喋っていた。そしてクラスの女子も盛り上がっていた。

 

まあ、俺に決まっただけでこれだけ盛り上がってくれるならやりがいはあるか。

「みんな、至らない点はあるかもしれないがよろしく頼む」

 

俺がそう言うとクラスの皆に言うと更に歓喜にわいていた。

 

キャッキャッと盛り上がっているクラスをよそに1人席を立つの女子がいた。

 

「クラス代表おめでとうございます織斑さん」

 

 

セシリアが俺の近くにやって祝福の言葉を述べた。

 

「ああ、ありがとうオルコット」

 

「代表候補生とはいえ私を打ち負かすのはお見事ですわ」

 

「そんな事はない。あの時は俺が勝ったがお互いにどちらが勝ってもおかしくないさ」

 

「ふふっ、そう言っていただければ幸いですわ」

 

そう言いセシリアは微笑んだが俺はその表情に少しドキリとした。

 

「織斑さん…いえ、一夏さん大事な話があります」

 

「な、なんでしょうか?」

 

真剣な眼差しで俺の手を取るとそれからすぐ頬を紅く染めとろんとした瞳セシリアが見詰めてくるので艶めかしかった。

 

俺がドキドキとしていると―

 

「えっ………」

 

セシリアはそのままつま先立ちで俺にキスをしてきた。

 

「へっ?えっ?」

 

「私、セシリア・オルコットは織斑一夏さんの婚約者として貴方のそばにお慕いいたしますわ」

 

と満面の笑みでそう宣言した。

 

『ええぇぇ――――――っ!!?』

 

セシリアの婚約者発言にクラスメイト全員声をあげた。

 

というか俺もええ―――っ!?だよ!!

 

「よろしくお願いいたしますわ一夏さん」

 

頬を紅く染めたままペコリと頭を下げるセシリアを他所に俺は何が何だかわからない状態になってしまった。

 

っていうか婚約者は箒だけじゃないのかよ!?

 

「は、はは……」

 

セシリアの突然の宣言に混乱する俺だった………その時俺の視界に入ったのは箒はセシリアに対して拍手をし、千冬姉は腕を組みながらうんうんと頷きながら笑みを浮かべていたのだった。

 

これどういう事?誰か教えて―――!!

 




箒のご褒美はどうするかなと考えついたのが口移しになりました。

甘い感じを出せれば良かったんですがね………。

今年中に一巻の内容終わるかな?

次はセカンド幼なじみが登場する予定です。
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