父さんの手紙が見つかってから、一か月後。普通の私立高校の竜高に合格した。高校で過ごしながら音楽活動を続け、高校一年の2月にメジャーデビューが決定した。ただし、顔を隠しながらだ。まだ高校生だから顔ばれは避けたい。という理由だ。学校でこのことを知っているのは先生達だけだ。今日はある理由で学校を早退する。その理由は...
「ハルヒトさんは、テレビに出るの緊張しますか?」
朝の番組z〇pのインタビューがあるからだ。ハルヒトというのは、俺の芸名だ。
「いやー、メッチャ緊張しますね。」
「ハルヒトさんが音楽を始めたきっかけは?」
「昔からピアノやってて、とあるバンドのライブに行って衝撃を受けたんですよねー。それでギターとか買って始めました。」
そのあともいろいろ質問に答えた。そしてその帰り道
「こんな所に、ライブハウスあったんだ。」
そこには『SPACE』と書いてある看板のライブハウスがあった。ガールズバンド限定らしい。興味がわいたので入ることにした。入場料を払って中に入る。
(へー、なかなかレベル高いな。)
予想以上にレベルが高かった。なんでもオーナーさんが認めた人しかライブできないらしい。今はAfterglowというバンドが演奏している。ライブが終わると15時だった。次は病院に向かった。
「よぉ愛華、元気にしてたか?」
俺が声を掛けたのは、小学二年生の黒髪の女の子。
「うん、パパ!!」
愛華は交通事故で両親を亡くし、精神が不安定だったのでこの病院に入院しているがもうすぐ退院できる。たまたま病院で会って話したころからずっとパパと呼ばれている。だが間違ってはいない。俺が20歳になると愛華と養子縁組を取るからだ。それに退院したらうちで暮らすことになっている。相手の身元受取人から頼まれた。
「あのねぇ~今日ね~」
それから愛華と一時間ほど話して家に帰った。俺の家は、病院から近い父さんと住んでいた高層マンションの14階だ。もともと父さんの部屋だったところを俺の部屋にした。家に帰ってから風呂に入って飯食って寝た。
そして次の日、学校帰り、病院に行ってから『SPACE』に向かった。そして
「あんた昨日も来てたねぇ。楽器とかやるのかい?」
オーナーに話しかけられた。
「えぇ、まぁ。ギター、ドラム、ベース、キーボードなら。」
「そうかい。じゃあちょっと弾いていくかい?」
見たところここは、楽器とかも一通り置いてあるらしい。
「じゃあ、ちょっとくらいなら。」
少しだけ弾かせてもらう事にした。受け取ったのはEpiphone Les Paul Standardだ。自分の曲のギターソロとかを弾いているとめっちゃ注目された。
(え、俺なんかした?)
ちょっと視線が恥ずかしかったのでここら辺にしておいた。そしてオーナーにギターを返した。
「これ、ありがとうございました。」
「あんた、なかなかやるようだねぇ。」
「そんなことないですよ。」
とか言って今日は遅いので帰ることにした。そしてその帰り道
(なんでオーナーに話しかけられたんだ?)
「・・・っと!」
(なんかしたかなー)
「ちょ・と!
(ん?なんか声が?)
「ちょっと!!」
肩をたたかれた。
「おわっ!!」
黒髪ショートの子がいた。あれ?この子どっかで・・・
「なんで、無視したの?」
(なんかジト目で睨まれた。・・そうだ!確かこの子)
「ごめん、考え事してて。それより君、Afterglowの子だよね?何か用かな?」
「えっ!?さ、さっきギター弾いてたでしょ?」
「あぁ、弾いてたけど。それがどうかしたのか?」
「べ、別に。うまいなぁって思って。その制服、竜高でしょ?何年?」
(この子は羽女かな?)
「二年生だ。」
「上なんだ。ちょっと意外。」
(あ、敬語とかにしないんだ。)
「そうか?じゃあそっちは一年生か?」
「そう。Afterglowのギターとヴォーカルやってる、美竹蘭。あんたは?」
「バンドはやってないけど、DTMとかしてる篝春人だ。」
「そう。じゃあ春人でいい?私も蘭でいい。」
「わかった。じゃあな、蘭。」
そう言って蘭と別れた。
(なんかクールぽいけど、かわいい子だったな。)
蘭 side
(まさか覚えられてたなんて。てゆうか先輩だったとは。生意気な奴と思われたかな?)
「あ、蘭どこ行ってたの?急にいなくなるからびっくりした~。」
モカがいた。
「ごめん。ちょっと知り合い見つけて。」
モカが小指を突き立て
「これ?」
「ち、違う。」
(いやそんな関係じゃないし)
「顔赤くなってるよ~。」
「モーカー!!」