「どうだった?」
蘭が演奏を終えて感想を聞いてくる。
「小さなミスはいくつかあったけど、正直こんなにレベルが高いと思ってなかった。」
そういうと蘭とひまりは当然という顔をしてつぐみは、ほっとした顔をする。
「それで...」
その後もいろいろ感想やらを言い終えると、つぐみが思い出したように話しかけてきた。
「そういえば篝くんって、この動画の人だよね?」
そう言ってつぐみが例の動画を見せてくる。全員が興味ありげに動画を見ている。動画を見終えるとモカが
「はるくんってすごい人?」
と言ってきた。おそらく俺のあだ名らしきもので呼ばれた。
「いや違う、ただの趣味だ。てゆうかはるくんって俺のこと?」
ごまかしながら、疑問をぶつけてみる。
「そーだよー。春人だから、はるくん。」
「それいい!!わたしもそう呼ぶ!!」
ひまりも乗ってくる。そして巴が笑いながら
「はるくんか~。あたしはそういうキャラじゃないから春人でいいや。」
そして俺が少し落ち込んでいると
「いいと思うよ!!はるくんってあだ名。」
つぐみが励ましてくれる。
「なんか、かわいいし!!」
(うぐっ..男に可愛いはちょっと)
蘭 side
目の前で春人が、モカたちと楽しそうに話してる。
(なんかムカつく。モカ近づき過ぎ。ていうか結構女慣れしてるっぽい。)
私が不機嫌そうな顔してると春人が
「蘭、大丈夫?なんか体調悪そうだけど。」
心配した顔で私のほうに歩いてくる。
「..大丈夫。」
「ホントか?体調悪くなったら言えよ。」
(心配してるけど原因はあんただよ。)
「はぁ。」
思わずため息を吐いてしまう。するとモカが
「違うよ~はるくん。蘭は機嫌が悪いんだよ~。」
「え、そうなの?蘭、俺なんかしたか?」
春人が理由を聞いてくるが言えるわけがない。「春人がほかの女と話しているのを見ているとムカついた。」なんてこれじゃあ
私が春人のことが好きみた...
(私は春人のことが好きなのかな?)
そう考えると顔が熱くなってきた。
「...なんでもない!!」
つい強く言ってしまう。
「おっ、おう。」
春人も驚いている。
「そ、それじゃあ練習再開するか。なんかあったら言ってくれ。」
春人がそう言うとみんな練習に戻る。
春人 side
さっきの会話からしばらくして、みんなもうすっかり集中している。
(蘭なんで機嫌悪そうにしてたんだろ。なんかやったかな~?)
蘭に何かしたか色々思い出していると
「はるくん、ここどうやるの~?」
モカが詰まったようだ。
「ここか~、ここはこうだ。」
モカのギターを借りてお手本を見せる。
「こう~?」
モカがもう一回やるが
「ん~、微妙に違う。」
「えぇ~、どうやるの~。」
「だからー
俺は椅子に座ってるモカに後ろから抱き着くようにして、モカの手を持ってやってみる。すると周りから
「か、篝くん」
つぐみが顔を赤くして
「はるくん、大胆~。」
ひまりが興奮して
「春人、おまえなぁ。」
巴が呆れて
「二人とも何してんの?」
蘭の機嫌が悪くなる。
「え、俺はモカにギター教えてただけだけど。」
「そうだよ~。」
俺たちがそう言うと静寂が訪れる。そして
『ピコーン』
俺の携帯が鳴った。画面を確認すると冬華だった。内容は『駅前に来て』だった。
「ごめんみんな。友達との待ち合わせの時間だ。」
みんなが呆れた顔をする。そして蘭が
「男?」
「いや女だ。」
そう言うと蘭の機嫌が悪くなり、みんなが気まずそうになる。
「彼女?」
モカが聞いてくる。
「いや違う。」
みんながほっとする。
(え、なんで?まぁいいか)
「じゃあ行くから。じゃあな。」
そして『SPACE』を出て、駅に向かう。