私を助けたのはとある店長兼ヒーローだった   作:水被り

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この前、熱中症になりかけてしまいました。その次の日は熱を出して大変でした。皆さんも熱中症には気をつけてください。




No16 たたかえ ヒーローの卵!

 

「ただ今到着しました根津校長。これが修理したいものですか......」

 

昼過ぎに修哉は雄英からの仕事の依頼を受けてやってきた。

校門の前に来ると黒い粉末が入った袋があり、その場にいた先生から雄英バリアーの残骸だと知らされた。

 

「あぁ、これを直せそう人は君しかいないからね」

 

「ここまで壊れちゃあ直すのに時間がかかりますよ」

 

「わかっているさ、直す前にこれを見てどう思うかね」

 

「見たまんまですよ。『物を壊す個性』を使って壊したしゃないですか」

 

修哉は粉の残骸を手に取り、サラサラと落としていった。

 

だから(・・・)、俺を呼んだんだろ」

 

修哉の穏やか口調から真剣味が混じった口調になった。

 

「そうさ、何かあったら連絡を入れてくれ」

 

根津校長は校内に戻り、修哉は雄英バリアーの直しにかかった。

 

 

 

その一方でヒーロー科 Aクラスでは

 

「今日のヒーロー基礎学は俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制になった」

 

(なった?)

 

魔理華は先生の言葉に疑問に思うが、話は先に進んでいった。

今回は災害レスキュー訓練、水難や地震、火災などの災害の中で負傷した一般市民を助ける訓練をするみたいだ。修哉はこれを「ヒーローとしての本質」と言っていて、魔理華は修哉さんみたいな誰でも救えるヒーローになるためにこの訓練を頑張っていきたいと思った。

 

今回はコスチュームと体操服のどれかを選ぶことになっていた。環境によりコスチュームの有利と不利が決まってしまうためらしい。訓練場はバスで行くと言われ、魔理華はコスチュームを選んでバスに向かっていった。

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

バスの中では爆豪をいじっていたり、個性で思ったことで話し合っていた。

 

そして、もう一つの話題として修哉についての話が出てきた。

ただし、それはいいものではなかった。

 

「またエコロ・サイクルの噂が出ているな」

 

(ヴィラン)と関わりを持っているっていうあの......」

 

修哉はヒーローとして最悪な評価を受けていた。理由は(ヴィラン)を匿っているという噂があるからだ。その噂は嘘ではない、事実として修哉は魔理華を住まわせている。その噂のせいで支持率最下位(アンダー・ヒーロー)とネットでそう呼ばれている。ネットでは根も葉もない噂があり、それを見た魔理華は自分のせいだと落ち込んだが、修哉はあまり気にしていなかった。

 

『俺はただ人を救いたい、それに支持率なんてもんはいらねえよ」

 

それでも恩人が酷く言われるのはいい気分ではない。何とかして修哉さんがいいヒーローだっていうことを言いたいが、下手に喋ると余計に評価を下げてしまうかもしれないと考え、黙っていることしかできなかった。

 

「そんなことないよ、あの人はいろんな人たちを救ってきてるんだ!里鳴プロート・クリナでの救出だってあの人がいなかったら、被害も大きかったかも知れない!」

 

そんな中、緑谷が修哉の噂に異議を唱えた。

 

里鳴については魔理華も知っていた。

里鳴市でプロート・クリナという豪華なマンションが建てられたが、そのマンションは急いで作ったことで欠陥だらけの手抜きマンションだった。マンションを建てた人はこの事に気づいていて、事件が起こるまで隠し通していた。

 

建ってから1年半が過ぎて、いきなりマンションにヒビが入って、横に倒れ始めた。その時に修哉が居合わせていて、修哉の個性で倒壊を抑えた。その間に他のヒーロー達が住民達を救出して事なきを得た。怪我人はいたが死者は出なかった。

 

その事件を知っていて、修哉さんのことをよく思っている人がいる事に魔理華は嬉しく思いニコリと笑った。

 

目的地に着くと大きなドームがあり、そこで待っていたのは災害救助で有名な『スペースヒーロー 13号』だった。13号についてドームの中に入るとそこには山や湖、ビルの残骸(ざんがい)があり、災害レスキューのためだけに作られたかのような場所だった。それはまるでUSJのアトラクションのように見えていた。

 

「水難事故、土砂災害、火災、暴風、エトセトラ、あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です」

 

「その名も、ウソの災害や事故ルーム」

 

「略してU S J!」

 

(本当にUSJだった......)

 

魔理華は、いや多分みんながそう思いながらも13号から言いたいことが1つあり、話を聞いた。

 

13号の個性は『ブラックホール』、災害で瓦礫(がれき)を塵にして人を助けることができるが、それは簡単に人を殺してしまう力でもあった。この社会では個性が当たり前になり法律で規制をしているが、ヒーローでも個性で人を傷つけて仕舞えば(ヴィラン)に転ずることもある。自分の個性の危険性を知ってこそ、ヒーローとして進めることを実感した。

 

「そんじゃまずは......」

 

相澤が訓練内容を言おうとしたその時、ドームのライトが消え、噴水が途切れ途切れに水を出していたら噴水の前が歪み出し、黒いものが現れ、その中から複数の人が出てきた。

 

一塊(ひとかたまり)になって動くな!13号、生徒を守れ!」

 

「......どうしたんだろね、魔理華...ちゃん?」

 

魔理華はこの事態に気づいた。先生の急な指示、複数の人から感じる昔の自分に似たようなもの、そうあれは

 

「あれは(ヴィラン)だ」

 

先生の言葉で確信を得た魔理華は唾を飲み込んだ。

前のマスコミ侵入は(ヴィラン)が侵入するための撹乱、先生達がマスコミに対処している間に再度(さいど)侵入(しんにゅう)の下準備をしていたのだろう。この学校のセキュリティーセンサーが作動しないのはセンサーを妨害する奴がいることになる。隔離された場所での侵入から見て(ヴィラン)達はよく考えて行動している。

 

問題は目的、何のためにこんな(だい)それたことをしたのか、何をしたいのか?

 

「魔理華ちゃん、早く逃げよう!」

 

「何ボーっとしたんだ!さっさと行くよな!」

 

手和(しゅわ)上流(あがる)の声で我に返った魔理華はみんながいないのに気づいた。前を見ると遠くで相澤が(ヴィラン)と戦っていて、後ろを見ると13号と手和達がドアに向かって避難していた。魔理華も急いでみんなの後を追いかけた。

 

「させませんよ」

 

ドアの前に黒い(もや)が現れ、黒い(もや)からそう声が出てきた。

 

「はじめまして、我々は(ヴィラン)連合(れんごう)。この度僭越(せんえつ)ながらヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたので、平和の象徴オールマイトに息絶えていただきたいと思ってのことでして」

 

平和の象徴、オールマイトを消す?魔理華は(ヴィラン)連合(れんごう)の目的がわかったが、そんなことができるのかと疑問に思った。

 

けど、この場にはオールマイトが来ていない。目的の相手がいないこの状況で(ヴィラン)連合(れんごう)が何をするのかわかったものじゃない。

 

そう考えていると爆豪(ばくごう)上流(あがる)切島(きりしま)が黒い(もや)に攻撃を仕掛けた。

 

「「その前に俺たちにやられることを考えなかったか(な)!」」

 

「危ない危ない」

 

爆豪の爆煙の中から落ち着いた声が聞こえ、黒い(もや)は平然とし、笑ったかのように目をすぼめた。

 

「そう、生徒といえど優秀な金の卵」

 

「ダメだ、どきなさい三人とも!」

 

「私の役目は、貴方達を散らし(なぶ)り殺す!」

 

黒い(もや)が魔理華達を包み込み、辺りが黒く塗りつぶされた。

どこにみんながいるかわからなくなるが魔理華は前に進んでいった。

すると前から一筋の光が見え、急いで光のある方に進んだ。

 

黒い(もや)から出ると、そこはUSJの出入り口前ではなく、倒壊したビルがあるエリアに着いていた。

 

「小娘、動くんじゃねえぞ」

 

後ろから男性の声が聞こえた。口ぶりから(ヴィラン)だとわかった魔理華はボソッと呟いた。

 

「......ピルア、バイガス」

 

そして後ろにいる(ヴィラン)に蹴りを与え、相手から離れた。

5人程いる(ヴィラン)達は一斉に攻撃しようとしたが攻撃をする前に魔理華は(ヴィラン)を次々に倒して行った。

 

(ヴィラン)の応援が来て立ち向かおうとしたが、上流(あがる)(ヴィラン)達に突貫し、蹴散らして行った。

 

「お前、ここにいたんだな」

 

上流(あがる)は魔理華を見つけると手を振って近づいて来た。

 

「こっからどうする?副委員長」

 

そう言っている間に他の(ヴィラン)がやって来ていた。

 

「とにかくこのエリアにいるみんなを探して、ここから出る!」

 

「わかった、突き進むわな!」

 

二人は(ヴィラン)に向かって走り出した。

(ヴィラン)の攻撃を避けつつ、相手を倒しながら進んでいった。

 

この時は自分の力に自信があった。(ゆえ)に天狗になっていた。

 

 

 

彼女たちが本当(ほんとう)(ヴィラン)とヒーローの戦いを見るのはまだ先の話であった。

 

 

 

 

 




次回予告

(ヴィラン)達を倒して行きながら、みんなを探していた私たち」

「そこで最初に見つけたのは、爆豪!?」

次回 油断でうっかり

「更に向こうへ、plus(プルス) ultra(ウルトラ)!」

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