USJに敵連合が奇襲して数分後、USJに続く道で一人飛び続ける男がいた。
緑のマントを羽織い、黄緑色のコスチュームを着た修哉だった。
彼が1メートルぐらいの棍棒の上に乗って一直線に飛んで行く中、全速力でこちらに走ってくる飯田が来た。飯田は急に止まり、誰なのか確認すると、雄英の教師でないことが分かると身構えて警戒した。
「あなたは誰ですか!?」
「あぁ、怪しいものじゃない、ただのヒーローだ。それより何かあったんか?」
「そんなこと信じられるか!」
飯田は大声で叫んだ。飯田にとってはどこの馬の骨だかわからない人にそうやすやすとしゃべるわけにはいかないだろう。修哉がそう考えていると修哉の後ろからスーツを着たオールマイトが物凄い勢いでやってきた。
「直崎くん、君も来てたのか!」
オールマイトは修哉に声をかけてきた。そのおかげで飯田はオールマイトの知り合いだとわかり、警戒するのやめ、オールマイトに何が起こったか話した。
「オールマイト先生大変です!今USJに敵が現れて危険な状態なんです!俺は他の教師方を連れてきます。
13号から託された任務を果たそうと飯田は校舎へと走って行った。
「私の背中に乗ってくれないか、その方が早いからな」
修哉は遠慮もなしでオールマイトに乗って、オールマイトは走っていった。修哉がオールマイトの顔を覗き見ると怒りの表情を固めていた。オールマイトは腹が立っていた、それは敵に対してではなくそんな危険な状況でゆっくり休んでいた自分に対してだった。修哉にもそのことはよく理解しているからこそ、何も言わなかった。
USJの入り口前に着いたオールマイトのはドアをぶち壊して開けて乗り込んで行った。
そこで真っ先に目についたのは背中がズタボロにされた13号と13号に必死に声をかける麗日達だった。その奥には腕が折れ曲がって血だらけの相澤が倒れていた。|麗日達は感じたことのない恐怖に怯えていた。それもそうだ、彼らは何をすべきかまだわからない未熟なヒーローの卵だ。
ヒーローが倒れ、絶望しかない状況でみんなを安心させるために、彼はいつもの一言を言った。
「もう大丈夫、私が来た!!」
オールマイトの顔はいつもの笑顔の登場ではなくそのままの怒りの表情にだった。それでもオールマイトの一言で麗日たちは笑顔を浮かべた、オールマイトは相澤を助けに行き、修哉は13号の元に近寄り、治療を開始しようとした。
「俺はエコロ・サイクル、ヒーローだ。とりあえず13号を治すから離れるんだみんな」
「ちょっと、何するの!」
修哉は13号の背中に触れて傷を修復するの見て、芦戸は先生を傷つけていると勘違いして引き剥がそうとする。
それでも修哉は13号の傷を修復し続け、傷が癒えると13号が少しずつ立ち上がった。
「先生!」
よろめく13号を瀬呂と砂藤が支えて、麗日と芦戸は修哉に治療を妨げたことを謝り13号を治してくれたことのお礼をした。
修哉は棍を斜めに傾けて棍の中心を踏みつけた。棍がミシミシと鳴って今にも折れそうであった。修哉が両足を素早く棍の中心に乗せる。
すると麗日達の目の前から修哉が消え、高く飛び出していた。
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「早く相澤先生を連れて行こう!」
緑谷と峰田は相澤を安全な所に移動し、緑谷はオールマイトのことを気にしながらも、今は相澤先生を優先し、傷に触らないように運んでいった。
オールマイトが脳無と戦い、緑谷達が相澤を連れて行く中、それを静かに見ている者がいた。黒髪に黒い服を着て、黒い手を持つ少年。少年はのんびりと緑谷の方を指差した。
「黒霧、残りの奴らを、あいつらに」
「わかりました」
少年が指示した瞬間、緑谷達の前に黒い靄が吹き出し、中から敵が十数人現れ、緑谷達を囲い込んだ。
「緑谷少年!」
「おいおい、脳無から目を離していいのか?」
オールマイトが緑谷を助けようとするが、死柄木の言葉で動きを止めた。もし脳無から目を離せば何をするかわからない。緑谷達が戦ったとしても重傷の相澤を守りきることはできない。
それでもオールマイトは焦ることはなく、死柄木に言った。
「君たちは誤解しているようだが言っておく、誰が一人で助けに来たと言ったのだ」
「おい何か来るぞ!」
峰田が指さして言った。指さす方向を見ると空から何が近づき、蛙吸の目の前に落ちた。
落ちてきたのはさっきまで飛んでいた修哉だった。修哉は傾けた棍から足を下ろし敵に言い放った。
「相澤先輩には手を出させねえからな」
「おいこいつ、支持率最下位じゃねえのか?」
「弱え奴が粋がるな!」
敵らは口々に言うと修哉を倒そうと一斉に襲ってきた。
支持率が多い奴が強い、少数だがオールマイトの影響でかそのようなことが定着している人がいる。
そのため事件解決数や社会貢献度でなんとか補っているがヒーローランキングでは最も低い順位にいる修哉。
だがそれは、決して修哉が弱いわけではない。
襲い掛かってきた敵一人一人に脛や脇腹など狙って叩き、棍棒で薙ぎ払い弾き飛ばした。
次々と倒していく修哉、その背後に大きな腕を持った敵が現れ棍棒を奪い取ってバキリとへし折った。
「へっ、何だこれは、プリッツでも折ったかと思ったわ」
敵は折れた棍棒を捨てて修哉に殴りかかった。修哉は敵の拳を軽々と避け、折れた棍棒を拾った。折れた棍棒に力を入れ、敵に向かって力いっぱい振りかぶった。しかし、棍棒が折れて丈が短くなったせいで敵に当たることはなかった。
蛙吸は驚いていた。それは修哉の攻撃が外れたことではなく、もう片方の折れた棍棒が敵の腹にめり込んでいたことに。
「不意打ち棍棒!」
修哉の言葉に反応してか敵は他の敵を巻き込んで吹き飛び、敵に当たった折れた棍棒が修哉の持つ棍棒とくっつき、元の棍棒に戻った。
修哉のヒーローとしての力は常人を遥かに超えた身体能力と直す個性の応用。
ゴムやギターの弦には元に戻ろうとする『反動』が生じる。それと同じように物を直す時にもその『反動の力』が生まれ、身体の力と一緒に上乗せすることで敵に対抗する力を得ることができる。
ここに来るときもその力を利用している。わざと脆い材木を使用した棍棒の上に乗り、棍棒を弓の弦として使って、自分自身の身体を弓矢として、棍棒の反動で自分を飛ばす移動術を使える。
敵が呆然としている隙を突いて修哉は一人ずつ確実に倒していき、敵をすべて倒しきることができた。
「あ、ありがとうございます!」
「助けてくださってありがとう、おかげで相澤先生を守れたわ」
緑谷と蛙吸が修哉に頭を下げてお礼を言った。修哉は相澤に近づいて相澤の傷を治していった。傷《がなくなり、相澤の目が開いていき、ゆっくりと立ち上がった。
「お久しぶりですね相澤先輩、血液までは修復できませんから無理しないでください」
「エコロ・サイクル、なんでお前がいる」
「根津校長先生に頼まれてまれまして、一体誰に」
修哉の言葉を遮る大きな音と衝撃が急に響いてきた。その音源はオールマイトがいたところからだった。砂煙が舞い何も見えなくなって何がどうなったかわからなかった。
少しずつ砂煙が晴れ、オールマイトが脳無を掴んでバックドロップをきめる姿が見えてきた。砂煙が完全に晴れると、修哉達は驚愕した。地面に叩きのめしたはずの脳無がオールマイトの脇腹を両手で掴んでいた。オールマイトの周りには黒い靄が漂い、オールマイトの傷跡に指がめり込み血が垂れていた。
この後どうなってしまうのかわかった修哉が助けに行こうとする横を緑谷が通り過ぎていった。
気づいた修哉は緑谷を追いかけるといつの間にか上流が黒い手の男に殴りかかっていた。黒い手の男は上流の目の前に現れ首をがっしりと掴んで高く吊り上げた。
オールマイトを助けるか、緑谷を止めるか、上流を助けるか、どちらを先に助けるか、いや、全てを助ける方法を考えていると遠くから複数の誰かがやってくるのを見つけた。修哉はそれに賭けた。
修哉は黒い手の男に向かい、男が魔理華の一撃を避けたところを叩き、上流を奪い返した。
「修哉さん!どうしてここに!」
自分の知っている人がいきなり現れ驚いた魔理華の言葉を返して言った。
「いろいろあってな」