私を助けたのはとある店長兼ヒーローだった   作:水被り

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今回も長く書きました。

後書きにちょっと付け足しました。


No20 秘密の3人

ヒーローの増援が来て自分の手下たちが次々に倒されていく。

 

「あぁあ、来ちゃったよ、ゲームオーバーだな、帰って出直すか」

 

死柄木(しがらき)はそれを見て引いていくと身体の四肢に銃弾(じゅうだん)が撃ち抜かれていき、それを影人(えいと)(かば)って、黒霧(くろぎり)が黒い(もや)で二人を庇った。黒い(もや)がそのまま二人を飲み込んでいるととても強い力で吸い込まれそうになった。いつのまに近くまでに来ていた13号が黒霧を吸っていた、さっきまでの怪我は嘘のようになくなって一人で立てるようになってここに来たのだろう。

 

「今回は失敗だったけど、今度は殺すぞ。平和の象徴、オールマイト!」

 

私怨のこもった声で言うとそのまま黒霧に飲み込まれて黒い(もや)と一緒に消えていった。

 

 

 

 

死柄木たちがついた場所は誰もいないバー、彼らはここをアジトとして使っている。影人は黒い手の指を糸切れみたいな小さな手に変化させて死柄木の身体に残った銃弾を慎重(しんちょう)に取って簡易的な治療をした。

 

「話が違うぞ先生!ガキどもは強かった、オールマイトも健全だった、おかげでせっかくの脳無(のうむ)が吹っ飛ばされたぞ!」

 

死柄木が話しかけたのは壁に固定されたテレビ、画面には何も映らず、そこから声だけが出て死柄木の文句に答えた。

 

『違わないよ、ただ今回は見通しが甘かっただけだ』

 

『しかし脳無を失ったのは痛いな、オールマイト並みに強くした個体なのじゃが、連れ戻すことは出来んかったのか』

 

「場所を特定する時間がありませんでした。なにぶん遠くに飛ばされましたので」

 

影人が血を止める治療を終えると原因と思えることを先生に報告した。

 

「今回はオールマイトみたいなガキがいまして、そいつが何度も邪魔をしていました。彼がいなかったら勝てていたのかもしれません」

 

『ほぉ、それは本当かい?』

 

「あのよろしいでしょうか?もし俺があの場で暴れていたらオールマイトを(ころ)せたと思うのですが」

 

『ダメだよ、君は僕らにとっての「切り札」、そう簡単に出すわけにはいかないよ。それにまだちゃんと入手(・・)出来ていないでしょ』

 

「......はい」

 

『だったら、それまでオールマイトを生かすべきだと僕は思うなぁ。もう少しの辛抱(しんぼう)だ』

 

先生は影人を子供をあやすように言い、影人は報告を続けた。

 

「あと、予想外で謎の緑のレザーマントヒーローが乱入して少々予定が狂ってしまいました」

 

『......そうか、それは本当に予想外だったね、まさか彼が雄英に来るなんてねぇ』

 

「奴を知っているのですか?」

 

『知っているさ、彼はねぇ』

 

 

 

 

 

 

『大切な人も助けられなかった、かわいそうなヒーローだよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

(ヴィラン)連合(れんごう)が去りその手下たちは駆けつけた警察官に連行されている、それを見ていた(もと)(ヴィラン)の魔理華は自分も下手してたらこうなっていただろうなとちょっと複雑な心境だった。周囲に修哉の姿が見えなかったので魔理華は近くの刑事に聞いてみた。

 

「あの、ここにしゅ......エコロ・サイクルっていうヒーローがいませんでした?」

 

「あぁ、彼なら今事情聴取(じじょうちょうしゅ)を受けているところだ」

 

「事情聴取!?」

 

生徒たちを守っていた修哉が何でそうなったのか魔理華は驚いていた。

 

「彼には(わる)(うわさ)()えないからね。一応念のために話を聞いてもらっている」

 

その悪い噂とは(ヴィラン)(かくま)っている話のことであろう、魔理華は自分のせいじゃないのかと自己嫌悪になっている時、永鬼(えいき)が魔理華のところに向かってきた。

 

「魔理華、本当にすまなかった」

 

永鬼がいきなり頭を下げて謝っていることにびっくりして、永鬼が謝るようなことをしたのか思い出そうとしていた。

 

上流(あがる)が迷惑かけてしまって、あいつはなんていうか、他の人に頼りたくない性分(しょうぶん)でたまに暴走(ぼうそう)気味(ぎみ)になってしまうことがあるんだ。」

 

「別に気にしなくてもいいですよ、上流くんの変わりぶりに驚きましたけど、謝ることはないです」

 

「それでも上流(あいつ)の友達として謝らないと気が済まないんだ。許してくれてありがとう」

 

永鬼は礼を言うと上流のところに向かっていった。

 

「13号先生!まだ休んでいてください」

 

「相澤先生も休んでください」

 

「僕たちは大丈夫ですから」

 

「そんなに心配する必要ないから」

 

相澤(あいざわ)先生と13号先生の傷は修哉の個性で完全に癒えたがそれでも生徒たちは先生たちを心配していた。それもそのはずリカバリーガールでも傷を治すのに体力を消費する必要があるのだが、修哉の場合はノーリスクノーリターンで治せる、けどそんな都合のいい個性があるとは考えられない、だからみんなが心配するのである。

 

「とにかく、みんな教室に戻って次の行動について報告するまで待つんだ」

 

相澤がそう言うと生徒たちは指示通りに教室に戻っていった。

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

事情聴取が終わった修哉、彼は脳無の戦いがなかったように痛がることもなく保健室に向かって歩いていた。そこにいる男といろんなことを聞こうとしていた、(ヴィラン)連合のことや教師生活のこと、そして、彼の個性の状況とその個性の後継者について、保健室に着くとドアを()けた。

 

直崎(なおさき)くん、やっと来てくれたんだ」

 

「オ、オールマイト、その姿を隠して」

 

「心配しなくていいよ、彼はこの姿のことは知っているから」

 

オールマイトは修哉が来たことに喜んで、緑谷(みどりや)は二人の関係を知らずにオールマイトの秘密を知られたと(あわ)てた。オールマイトは緑谷を落ち着かせて話を続けた。

 

「君が来るなんて思わなかったよ、どうしてここに?」

 

「校長に(たの)まれて、雄英バリアーの修理をしていたんです。オールマイトさんも教師生活の方はどうですか」

 

大丈夫(だいじょうぶ)大丈夫(だいじょうぶ)、君も副業の方は順調にやっているかい」

 

「いい感じに進んでる、ていうか副業の方が本業になりそうだけどな」

 

そんなたわいのない話をして笑っている二人は緑谷から見て相当(そうとう)仲が良いとわかった。彼らはあの日から一度も会うことはなく、ヘドロ事件の時に久々にあった。修哉は気にしていたことを気にすることなく話した。

 

「修哉さん、ここにいたんですか。その人は誰ですか?」

 

そんなのもつかの間、ノックもなしでいきなり魔理華が保健室に入ってきた。魔理華はオールマイトの痩せ細った姿を見てしまい、オールマイトと緑谷は急なことで驚く暇もなく、窮地(きゅうち)に立たされてしまった。

 

「この人は八木(やぎ)俊典(としのり)さん、この学校で働いている人だ」

 

「そうなんですか?でも見たことがないですけど......」

 

「それはお前が見てないだけじゃないのか?」

 

「それにしてもすごい怪我、階段から落ちたんでしょうか?」

 

「お前もそろそろ帰ったら、俺はこの人と話するから」

 

修哉はバレるかバレないかの瀬戸際(せとぎわ)で、嘘をつかないオールマイトのためか嘘を言わずに保健室から出そうとし、なんとか魔理華を出すことができた。すると緑谷が修哉に質問してきた。

 

「あのエコロさん、あの脳無をどうやって吹っ飛ばすことができたのか教えてください」

 

「(ヒョコ)それは私も知りたいです」

 

「お前、帰ってなかったのかよ」

 

緑谷の質問にまだ帰っていなかった魔理華が現れたことをツッコミを入れつつ、緑谷の質問に答えた。

 

「あれは俺の個性の修復を応用した技術だ。棍に修復の個性を膜みたい張って、打撃の威力を吸収してその威力を溜めながら防御するんだ。そして溜めた威力をここぞという時に威力を一気に使って脳無を打ち返したんだ」

 

「それがエコロさんの防御術、御理破流棍(オリハルコン)の仕組みだったんですね!」

 

「その名前知ってんのか!?すげえなその技名(わざめい)滅多に言わないのに、お前極度のヒーローオタクか?」

 

「はい!」

 

そこからは修哉と緑谷はヒーローの話題で盛り上がっていた。魔理華はその話についていけず話が長くなると思い一人で帰ろうと保健室から出た。

 

夕日の光が差し込む廊下(ろうか)を寂しく思いながら歩いていくと、夕日で赤く染まった13号が向こうからやってきた。13号のコスチュームは(ヴィラン)との戦いの跡はなかった。おそらく替えのコスチュームに着替えたのだろう。

 

「さようなら13号先生」

 

「さようなら、魔理華くん」

 

「あの、すいません。エコロ・サイクルのことを知っているんですか?」

 

13号に挨拶すると修哉のことを知っているんじゃないのかと頭の中によぎり、13号を呼び止めて話してしまった。13号はそのことに聞き返した。

 

何故(なぜ)彼のことを知りたいのですか?」

 

「彼みたいなヒーローになりたいからです」

 

魔理華はそう言うと13号は大きなため息をついて、修哉について話した。

 

「彼は昔からあんな感じでした。あの3人と一緒に騒いでいて、よく先生に怒られていましたね」

 

「昔からですか?」

 

「彼とは同じクラスだったからね。彼はヒーローとしてすごいですが、いろんな噂があって、いい印象を持たれてないのが多いですね。けど、それでも彼は気にしないでしょう。彼みたいなヒーローになるんだったら、人の偏見を気にせずに一つの分野を育てていくほうがいいですよ」

 

「わかりました。ありがとうございます!」

 

魔理華はお礼を言うと修哉の昔のことを知れて喜びながら教室に戻って帰ろうとした。13号は彼女が帰るのを見て小さく言った。

 

「シュウ、まさかあの子にまだ言っていないのかな?」

 

 

 

 

______________

 

 

 

 

 

魔理華が家に帰るとみんなの晩御飯の準備をした。その(あと)に真斗《まさと》と千代(ちよ)と修哉が帰ってきた。いつも通りにご飯を食べて、片付けをして、お風呂に(はい)ったりといつも通りの日常を過ごした。まるで(ヴィラン)連合の出来事がなかったように、その出来事を忘れるように過ごして、今までの疲れかぐっすりと眠っていった。

 

修哉が3人の様子を見て眠ってることを確認すると一人リビングの椅子に座ってスマホを取り出しあの男に電話をかけた。

 

「もしもし、オールマイトさん起きてます?」

 

『なんだい直崎くん、夜中に電話して......」

 

(ヴィラン)連合についてです」

 

電話相手のオールマイトは眠たげな声で電話に出て、修哉はわかる限りの可能性を伝えた。

 

「今回奴らが用意した脳無、あいつはショック吸収と超回復があるのは間違いないですね」

 

「死柄木はショック吸収と超回復があると言っていたから間違いないだろう」

 

「普通に考えるとハイブリッドの個性かも知れませんね、でもこういうこともありえます。複数の個性を持っていたってことに。そして死柄木はもう一つ言っていました、『作った』と......」

 

『それはつまり?』

 

「ショック吸収、超回復、作った、これらをよく考えると、『脳無は複数の個性を持っていたあるいは個性を与えられて作られた怪物』だという可能性ができます」

 

「......!!!直崎くん、まさか」

 

「奴が生きているかも知れません」

 

そのことを言った瞬間、電話からガタッと大きな音が鳴り、オールマイトの息が荒ぶり、怒りに満ちた声が出てきた。

 

「......それは本当か?」

 

「あくまでも可能性です、ですがお互いそれなりの準備をしましょう」

 

「そうか、わかった」

 

オールマイトの息が(ととの)っていき、次の話を進めた。

 

「あの緑髪の少年、あの子に『ワン・フォー・オール』を譲渡したんですね」

 

『やっぱりわかっていたのか......』

 

「あなたのあの姿を知っている時点で確信してました。ヘドロ事件の時に決めたのですか?」

 

『無個性でも友を助けようとした姿、私はそれを見て受け継ぐべき子だと思ったんだ』

 

修哉はそれを聞いてオールマイトらしいと感じ小さく微笑んだ。するとそっちから彼女の話を振ってきた。

 

『直崎くん、七咲少女とはどういう事柄なんだ?』

 

「あいつはうちの家に住んでいる家族、娘みたいなもんだ」

 

『七咲少女の黒髪、まさかと思うが「黒魔女」じゃないのか?」

 

「ああそうだ、本人は気づいていないけどな」

 

黒魔女、それは一時(いっとき)騒がれていた(ヴィラン)の名前。黒魔女の情報は黒髪と女性ということしかないが、事件解決率上位のプロヒーローたちに軽傷を負わせ、そのヒーローから何度も逃げ延びた経歴があった。エンデヴァーと対峙して逃げ延びて以来姿を消していった有名なヒーロー。プロヒーローに傷を負わせることができる隠密性から危険視されていたが、魔理華はそんなことを知らずにいていた。

 

『何故彼女を助けたのだ』

 

「たとえ(ヴィラン)でも助けるのが俺のモットーだ。それになんかシンパシーを感じてな、見過ごせなかったんだ」

 

『君らしいよ、もしかして七咲少女にアレ(・・)を』

 

「オールマイトさん」

 

とある話を出そうした時、修哉は敵に宣戦布告するように、オールマイトに負けず劣らずの怒りに満ちた声で言ってきた。

 

「俺は誰にも渡すつもりはない。あいつに重りを託すつもりもない。俺は親父が死んだ時からアレを死んでも守り続けると決めています。もし奴に奪われるようなことがあれば、アレごと墓場に持っていきます」

 

修哉はポケットからごく普通のアルミケースを取り出し、蓋を開けて中身を見続けていた。ケースの中にはどこにでも売っている裁縫(さいほう)のまち(ばり)綿(わた)の中にしまわれていた。

 

「こんな夜中にすいませんでした。また何かあったらご連絡ください」

 

修哉はオールマイトに別れを言って電話を切ると見続けていたアルミケースの蓋を閉めてポケットの中にしまうと寝る用意を始めた。

 

 

 

影人の秘密、オールマイトの秘密、修哉の秘密、この3つが分かりし時、世界が崩れゆくのは、まだ先の話であった。

 

 

 

 




次回予告

「いよいよ始まるな体育祭が」

「体育祭ではなにをするんですか?」

「借り物競争、玉入れ、後地雷原(じらいげん)走りとか」

「何か危険なこと言いませんでした」

「とにかくとても恐ろしいのは間違いないな」

「何をするんですか!?」

次回 頑張る奴と敵な奴

「更に向こうへ」

plus(プルス)ultra(ウルトラ)!」




______________


やっとヒロアカ一期編を終わらせました。
ここまで見てくれた人や最近見てきた人へ。
今後ともよろしくお願いします。
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