私を助けたのはとある店長兼ヒーローだった   作:水被り

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No21 頑張る奴と敵な奴

「雄英体育祭が迫ってる」

 

「「「クソ学校っぽいのキターーーーーッ!!!」」」

 

雄英でのUSJ襲撃(しゅうげき)事件(じけん)から何日も経ったある日、ミイラ状態(じょうたい)相澤(あいざわ)の一言でクラス中のみんなが歓喜の叫びを上げた。

 

だが中には疑問に思う人がおり、襲撃に遭ってばかりなのに何で体育祭を始めようとするのかと耳郎や尾白がそんなことを聞くと相澤は逆に開催する事で雄英が大丈夫だということをアピールするためにと言った。

 

「それにこの(もよお)しは(ヴィラン)程度(ていど)で止められるものじゃねえ」

 

その昔、世界には様々な競技(きょうぎ)で各国の人たちと(きそ)()うオリンピックがあり、それに誰もが熱狂していた。しかし超常現象(ちょうじょうげんしょう)が起きると共に人口や規模が縮小し、今ではオリンピックは無くなってしまった。それに変わって現れたのが雄英体育祭、雄英体育祭は全国にとってのビッグイベント、しかもそれを見に来るのは一般人だけではなくスカウト目的のプロヒーローもだ。雄英の生徒たちにとっても有名なプロヒーローに認知されてもらうための雄英での3回のチャンスでもあるこの催しは(のが)せないのである。

 

「体育祭に(そな)えてしっかり特訓するように、以上だ」

 

相澤のホームルームが終わるとみんなは体育祭の話をして盛り上がっていた。

 

「体育祭......、どんなことが起きるか楽しみだな!」

 

「オイラも、体育祭対策の為に個性の調整をしないとな」

 

「魔理華ちゃんも楽しみだよね」

 

上流(あがる)永鬼(えいき)手和(しゅわ)は魔理華の机の前で話をして魔理華に話を振ってきた。

 

「私は......あまり目立ちたくないから気がのらないの」

 

魔理華にとって体育祭は仮病(けびょう)をしてでも出たくないのである。全国中継されプロヒーローがたくさん見ている中、元(ヴィラン)の魔理華が出てくれば(ヴィラン)の頃の自分を知っているヒーローに目をつけられてしまう、そんなのは絶対に()けたいと魔理華は思っていた。

 

「せっかくの体育祭だぞ、もっと盛り上がれよな。ほら今のお茶子みたいに」

 

『私頑張るーーーっ!』

 

「あれは盛り上がってるよりも燃えているでしょ」

 

魔理華は上流が指差す方を見るとテンションがいつもと違うお茶子がみんなに頑張る意思を言い回っていた。みんなも体育祭で頑張りたいところをみんなと話し合っている中で魔理華は一人ついていけなかった。

 

 

 

 

 

気がつけばお昼休みのチャイムが鳴り、みんなは食堂に行き魔理華は永鬼と手和の3人で話をしながら向かっていた。上流は席の確保に先に行っている。魔理華は上流のいない間に聞きたかったことを永鬼に話した。

 

「ねえ永鬼、1つ聞きたいことがあるけどいい?」

 

「何だよ聞きたいことって」

 

「上流はどうして他の人に頼りたくないの?」

 

USJの時、上流は爆豪の言葉で暴走した。でもどうして他の人に頼りたくないだけで暴走するのかよくわからない。その事を言うと永鬼はため息を吐いて魔理華の目を見て話した。

 

()(つま)んで言うと上流は昔の自分が大っ嫌いだからだな」

 

「どういうこと?」

 

「そんなに聞きたいなら直接上流に言えば、オイラからはそれが限界だ」

 

それだけ言うとそのまま食堂に行き魔理華も手和と一緒に行った。魔理華は永鬼に話す前に上流に聞いたが鋭い目で知るかとそれだけしか言わなかった。それのどうやって聞けばいいんだと魔理華は心の中で叫んでいた。

 

 

 

___________________________

 

 

 

 

「な、何事(なにごと)だーーーっ!」

 

最後の授業を終えて家に帰ろうとするとたくさんの生徒たちが出入り口の前で教室を(のぞ)()んでいた。これでは邪魔で帰れない、けどどうしてこんなに集まっているのか魔理華は考えていると爆豪がその答えを言った。

 

「敵情視察だろ、(てき)の強襲に耐え抜いた連中だから今のうちに確かめに来たんだろ。そんなことしても意味ねえからな、どけモブ共」

 

(どうしていちいち失礼な事を言うのかしら?)

 

魔理華は爆豪の言ったことよりもときどき出てくる人をバカにするようなフレーズを気にしていると人混みの中から誰が出てきた。

 

(ヴィラン)の攻撃を耐え抜いたって聞いたが偉そうなやつだな、ヒーロー科の奴らはみんなこうなのか?」

 

出てきた男の子の言葉にその場にAクラス全員が首を振って否定した。男の子はそのまま話を続けた。

 

「幻滅しちゃうな、お前ら知ってるか、普通科のほとんどがヒーロー試験に落ちて入っていった奴なんだ。そんな俺らでもチャンスがあるんだ、体育祭でいい成績を取った普通科の奴はヒーロー科に編入できるんだ。そしてその逆もある。敵情視察?そんなもんじゃねえ、(ヴィラン)を何とかできたと調子づいているお前らへの宣戦布告だ」

 

宣戦布告をしにきた男は相手(ばくごう)に対して堂々と前に立って爆豪と男は目を逸らさずに見続けているとまた人混みの中から誰かがやってきた。

 

「おうおう、Bクラスのもんだがよてめえ(ヴィラン)を倒したからって調子に乗ってんじゃねえぞオラァ!体育祭で恥かいても知らねえかんなって聞けーーーっ!!」

 

性格的に切島に似たBクラスの男子は爆豪に行っているようだが爆豪はそれを無視して帰ろうとしていた。

 

「おい爆豪、お前のせいでヘイト集まりまくってんじゃねえか」

 

「関係ねえ、上に上がれば関係ねえ」

 

切島の言葉に爆豪はそれだけを言うと帰っていった。Bクラスの人は爆豪の言葉に怒って普通科の人はそうなるとわかっているみたいに気にすることなく帰っていった。

 

 

 

人使(ひとし)ー、Aクラスの宣戦布告(せんせんふこく)は上手くいった?」

 

「爆豪と呼ばれてた奴が上に上がれば関係ねえって言ってきた」

 

「..............................(サッサッササッ)」

 

「上に上がればねえ、俺たちも体育祭までに特訓するかって皆無(かいむ)くんが言ってるよ」

 

「あぁそのつもりだ」

 

「いよいよ私たち、普通科三銃士の実力が出せるわ」

 

「何だよ、その三銃士は?」

 

「..............................(ササッササッサッサッ)」

 

「お前もいい加減喋れ」

 

「ごめん」

 

 

 

__________________________

 

 

 

 

(何で男の子たちは爆豪の言葉に乗っちゃうの?男っていつもこんな感じなの?修哉さんは絶対にそんなんじゃないけどね)

 

爆豪の言葉に男子のほとんどが賛同したのを魔理華は呆れていた。爆豪の言ったことは間違いではないかもしれないが返って全クラスを敵に回しただけだ。緑谷(みどりや)も爆豪に奮い立たせられたのかやる気に満ちた顔になって、魔理華はみんなの頑張る意味も分からず着いていくことができなかった。

 

自分の家であるリサイクルショップのサイクル・ボーンに着くと真斗(まさと)千代(ちよ)が窓から覗いて手を振っていた。家に入ると二人はドタドタと降りてきて魔理華の前に止まった。

 

(ねえ)ちゃ(ねえ)ちゃ、ゆーびんばこに姉ちゃあてのお手紙が来てた」

 

真斗が持っているものを魔理華は受け取った。それは大きな紙を入れるような封筒で中身を見ると中には何もプリントしてないDVDに『体育祭前に見ろ!』とマジックで書かれていた。もう一度封筒を確認すると住所などは書いてなく真斗が言ってた通りに七咲(ななさき)魔理華(まりか)へと書いてあるだけだった。

 

「これの中身見たの?」

 

魔理華は二人に聞くと二人は首を横に振った。どう見ても怪しい、でも中身が気になる、それを繰り返すと二人の純粋な好奇心が(とも)る瞳に負けて結局見ることになった。DVDをレコーダーにセットするともし変なのだったら(そく)消せるようにリモコンを構えた。

 

『さぁ今回の雄英体育祭最後の種目はバトルロワイヤルだ!』

 

テレビに映り出されたのは昔の雄英体育祭だった。それがいつのものか分からなかったがあの人がテレビに映った。

 

「修哉さん!?」

 

テレビに映っていた修哉は今より若々しく雄英指定のジャージを来ていることからこれは修哉の学生時代の映像だと分かった。種目のルールは囲まれた線の中で四人での戦いを始め、線からはみ出したり戦闘不能や降参をすると負けとなり線の囲いの中で最後まで残った人が次の試合に進めるという内容だった。魔理華はそのまま修哉の昔の姿を見続けた。

 

気がつけば魔理華はDVDをすべて見終えていた。種目の結果、修哉は惜しくも3位になっていたが魔理華の心に火がともり始めていた。

 

(そうか、みんなこんな風に感じていたんだ。何に私はビクビクしてるの、私は憧れに近づくんじゃなかったの?そうよ、私は強くなる、強くなるのよ!)

 

Aクラス(みんな)の体育祭への気持ちを理解し、無欲で人の目を気にして(おび)える自分を怒り、魔理華は体育祭で3位かそれ以上を目指すことを決意した。

 

「ただいま〜、今からご飯作るから待ってっておわぁ!?」

 

そうと決まれば魔理華は急いで階段を降り帰ってきたばかりの修哉に目もくれないで地下にある練習場に入っていった。

 

「真斗、魔理華のやついつになくやる気だけどなんかあった?」

 

「たぶん姉ちゃがこれ見たからかな」

 

真斗はリモコンを操作してまた映像を再生した。映像を見ている修哉はため息を吐いて顔に手を当てた。

 

「あいつ、何がしたいんだ?」

 

修哉は入っていた封筒の字を読んでDVD(これ)を出してきた人を知って呆れていた。

 

 




次回予告

「いよいよ始まった体育祭」

「魔理華の前に立つ壁、見知ったライバル」

「魔理華の力が今試される」

次回 個性爆発

「更に向こうへ、plus(プルス)ultra(ウルトラ)

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