「魔理華、真斗、千代、朝ご飯出来たから顔洗って服着替えてこい」
「はーい、今行きます」
「兄(にい)ちゃ、今日のご飯は何だ〜?」
「ご飯と焼き魚とバナナと牛乳だ。しっかり食えよ」
「......お兄ちゃん、待って」
真斗と千代が来て数ヶ月、4月になり二人は幼稚園に通うことになった。
修哉さんに徹底的に教育してうまく喋れるようになるまでに成長した二人は元気に洗面所へ向かって行った。
この数ヶ月で二人は表情豊かになり、私と修哉さんのことを本当のお兄ちゃんお姉ちゃんにように慕ってくれた。
真斗は元気いっぱいでお気に入りの飛行機のおもちゃでよく遊ぶことがあり、興味を持ったものに取り組んだりする、『やりたいことはとことんやるタイプ』の男の子。
千代は無口でおとなしく少し人見知りだけど、綺麗好きで自分の部屋を掃除したり、片付けもしっかりする面もある。初めて見る人は警戒して真斗の後ろに隠れるところが可愛らしい女の子。
二人は最初会ったときとは思えないほど元気になってくれた。
食べるものにあまり好き嫌いがなくいつも美味しそうに食べてくれているが、唯一二人が嫌いな食べ物が一つあった。
それはハンバーガーでした。母親と暮らしていた部屋にはハンバーガーの紙袋があったらしく、昔の私のように、ただ生きるためにそれを二人で食べていたんだろう。
そしてもう一つ、今後の生活に関わる問題があった。
それは千代ちゃんの心の傷、トラウマであった。私が強い光でなにも見れなかったあの時、あの子の母親は千代を殺そうとした。千代はその時の記憶が脳裏に焼き付き、悪夢として出てくるようになった。あの夜の日、千代の泣く声が聞こえ、私たちは飛び起きて千代に何があったのか聞いたら
『...お兄ちゃんたちが、いなくなって、お母さんに......』
そう言うと千代は真斗に泣きついてきた。それから
どんなにひどいことをされても、あの子はあの女性を自分の母親だと信じて生きてきた。そして、その母親に殺されそうになったことで出来た心の傷の深さは私たちではわからない。あの時、私が助けていれば千代ちゃんが傷づくことはなかった。
『おい、魔理華。早くしないと学校に遅れるぞ!』
「は、はい、すぐに仕度しますから待ってください!」
『え、姉ちゃ学校に行ってたの!?』
『そうだよ、ちゃんと学校に通わせないと社会に出た後が大変だからな』
『でも、この小説にそんなこと書いてなかったじゃん!』
『......お兄ちゃん、それ以上はダメ』
そんな声が聞こえながらも私は制服に着替えて、食堂へ向かった。
「ちゃんとご飯はよく噛んで食べな。こら真斗、フォークを落とすんじゃない。新しいの取ってくるから待ってろ」
「ごめん兄ちゃ」
修哉さんがだんだんお母さんみたいになってるのに少し笑いそうになった。
「ごちそうさま、いってきます」
「「「いってらっしゃーい」」」
私は急いで学校に行った。修哉さんも二人を連れて幼稚園に行くだろう。
そして今日も直崎家は平和であった。
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「どうしよう、これ」
「どうしたんだMtレディ?」
「あ、カムイさん。敵(ヴィラン)を倒した時の被害の弁償か修理しろって言われまして、どうすればいいんでしょうか?」
「あれはもともと我が倒すはずだったのを貴様が横取りしたんだぞ」
「あれなんてどうだろう」
「バックドラフトさん、あれって?」
「サイクル・ボーンっていう店があって、どんなものも直すことができるんだ」
「どんなものも直すね...」
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「ふいー、さて仕事しますか」
真斗と千代を幼稚園に連れていって帰ってきた修哉は仕事をして疲れたと思うところで時計を見た。時刻は正午近くになっていた。そろそろお昼を食べようしたが...
ジリリリリーン...ジリリリリーン...
店の電話が鳴り、修哉は電話に出た。
「もしもし、こちらなんでも直しますサイクル・ボーンです。ご用件は?」
『あの~、実は建物を少し壊してしまってその修理をお願いしたくて』
「あー、ヒーローの方ですね。ではヒーロー名と場所を聞きたいのですが」
『ヒーロー名はMt.レディで場所は田等院駅前です」
「わかりました。では着くのに40分は掛かりますのでそこで待っていてください」
電話を切って仕事着に着替え念ため【もう一つの仕事着】を持ってガレージに入っていった。
電気をつけると白いワゴン車があり、その車こそが修哉の愛車であった。
遠出の仕事とか魔理華たちと一緒に行くときにこの愛車に乗って出かけている。
修哉はガレージを開け、エンジンをつけて田等院駅に向かった。
修哉の仕事は主にリサイクル品の販売・買取と壊れたものの修理の二つであった。
修哉の個性は食器・家具・衣服・自動車、さらには精密な機械や大きな建築物さえも直すことができる。
その個性は他のヒーローたちもとても重宝されていて、毎日ヒーローから敵(ヴィラン)との戦いで壊れたものを修理している。
修哉は田等院駅前近くに車を止め、依頼者のMt.レディを探した。目についたのはエロ...もといきわどいヒーローコスチュームをした女性がいた。あれがMt.レディだとわかった修哉は向かっていった。
「あのー、あなたがMt.レディさんですね。俺はサイクル・ボーン店長の直崎修哉と言います。あとこれ、名刺です」
「ふーん...あら、あなたヒーローなんですね」
「はい、一応エコロ・サイクルで通していますので。それより壊れた建物を見たいのですが」
「これなのよ、本当に修理できるのでしょうか?」
Mt.レディが指差す方を見ると塀と電線を支える柱が壊れていた。
「これ両方ともMt.レディが壊したんですか?」
「いえ、あの柱を壊したのは敵(ヴィラン)です。それなのに全部弁償しろって言われたのよ」
「ハハハ、そりゃ災難ですね。では、直しますんで少し下がってください」
修哉は壊れた塀の近くの柱に触れた。
すると壊れて落ちた塀の破片や柱が宙に浮いていった。
塀の破片はパズルを解くように、柱は磁石のようにくっついて直っていった。
それを見た通行人は凄そうに眺め棒立ちしていた。
「よし、修理完了。Mt.レディさん修理終わりました」
「エコロさんは念力の類の個性何ですか?」
「いえ、俺は簡単に言うと『物を直す個性』なんです。個性を自由に使うためにヒーロー資格を取りましたからね」
「それで修理の代金は5万4000円です」
それを聞いたMtレディはこう言った。
「あの〜、今お金がなくて負けてくれない?」
Mt.レディが上目遣いで頼んで来たのに対して修哉は
「5万4000円です」
一瞬場の空気が止まった。
「負けてくれない」
「5万4000円です」
「負けてくれない」
「5万4000円です」
「負けてくれない」
「5万4000円です」
「負けてくれない!」
「5万4000円です。1円たりとも負けませんからね」
「どうして負けてくれないのー!?」
「俺年下は興味ないから、年上なら負けてたかもな。例えばミッドナイトとか」
「あの人はいい年してあの格好してるのよ!」
「大人の色気が出てるのがいいんだよ。うちポイントカード制で建物の修理で3ポイント、25ポイント貯まると修理代を無料になるからな」
「ポイントカードに負けちゃったの!?」
修哉は3ポイントつけたポイントカードを渡し、それをMt.レディは自分の色気がポイントカードに負けたことを悔しく思いながら渋々カードを受け取った。
「おい、大変だ!」
するとシンリンカムイが大きな声で叫んだ。
「田等院商店街で敵(ヴィラン)が人質を取って暴れていると連絡がきた!急いで行くぞ!」
「なに、ヴィランが暴れてる!こうしちゃいられん!」
「ねぇ、ちょっと!お金はどうするの!?」
「お金は後でもらう!今は目先の金より遠くの命だ!」
「でもそっち商店街の方とは逆よ!」
「車の中に『もうひとつの仕事着』があって、それに着替えてから行く!」
「わかったわ。早くしてくださいよ!」
「わかってらぁ!」
次回予告
「今回はこの真斗が予告するぞー!」
「......よろしくお願いいたします」
「兄ちゃはヴィランを倒しに行くみたいだぞ」
「......でも、相性が不利だけど」
「兄ちゃだったら何とかなる!」
「......ヴィランがいる場所、地雷元みたいだよ」
「それは...、何とかなる!」
「..................」
次回 久々のヒーロー
「僕たちは応援するから頑張って」
「......がんばって」
「という訳で、さらに向こうへ!」
「......ぷるすうるとら」
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キャラ設定
名前 真斗(まさと)
年齢 5才
好物 ソースカツ丼
外見 栗色のボブショートのぱっちりした瞳
性格 天真爛漫
個性 光玉(ひかりだま)
小さな光の玉を作り、ぶつけたり照らしたりすることができる母親の個性が混ざってできた個性である。今は小さいから弱いが成長するとどうなるのか楽しみである。
名前 千代(ちよ)
年齢 4才
好物 カレーライス
外見 栗色の長髪の垂れ目
性格 おとなしいかつ人見知り
個性 不明
母親に殺されそうになったところを魔理華と修哉に助けてもらい、家族として迎え入れられた。二人は将来、修哉みたいなヒーローになりたいと言っている。