「ここが雄英高校...」
試験当日 8時35分 魔理華は修哉の母校である雄英高校に着いた。
合格できるかの緊張感と昔敵(ヴィラン)として活動していることがヒーローにバレないかの不安感を持ちながら魔理華は中へ入ろうとした。
「あの...すいません」
「ヒャ、ひゃい!」
突然後ろから声をかけられた魔理華は変な声で返事をしてしまった。
「これ、落ちていました」
後ろを見るとオレンジ色のチクチクしてそうな髪の女の子が自分が持っていたはずのハンカチを持っていた。
「あ、拾ってくれたんですか。ありがとうございます」
「いえ、ハンカチ落としたら縁起が悪いと思って...」
「受験に落ちるとかけて、ね。お互い頑張りましょう」
「うん」
魔理華は落ちたハンカチを受け取り、その子にお礼を言って中へ入っていった。
待機する場所に座って試験の説明を待っていた。
試験の説明が始まり、試験の内容がわかってきた。
各演習会場に4種類の仮想ヴィランがいて、各ポイントがついた3種類の仮想ヴィランを個性を使って倒していくゲームみたいなやり方だった。そして4種類目の仮想ヴィランは倒しても得点にならないことになっている。
「最後にリスナー達に我が高校校訓をプレゼントしよう。かの英雄、ナポレオン・ボナパルトは言った。真の英雄とは人生の不幸を乗り越えて行くものと」
「更に向こうへ、plus ultra(プルスウルトラ)!」
説明が終わり、私は受験証に書かれた演習会場に向かうバスに乗って行き、会場に着いた。受験者のほとんどが自分の個性に自信があり、緊張してなかった。魔理華は違った、自分の個性に自信がある云々以前に昔ヴィランとして活動したことがバレるかバレないか心配で仕方なかった。魔理華は修哉に言われたことを思い出した。
『お前、ヴィランの頃に火炎弾を使っていたか?』
『はい、使っていましたけど』
『試験では火炎弾は禁止だ。ヴィランとして認識されていたなら使っていた個性をわかっている筈だ。最小限にバレたくなかったら、火炎弾を使うなよ』
フレイさえ使わなかったらバレない、と自分に言い聞かせてゆっくり深呼吸をした。落ち着いてきたところを気合いを入れるために両頬を叩いた。
「はいスタート!実戦にはカウントダウンはないわよ!走りなさい!」
スタートの合図の声がかかり、受験者は一斉に走り出した。魔理華は合図に出遅れてしまい急いで走っていった。
「バイガス!ピルア!」
走りながら呪文を唱え、その効果でスピードが上がり他の受験者に追いついた。
近くから仮想ヴィランが三体現れて、魔理華に向かってきた。
今までの特訓で鍛えられた魔理華は仮想ヴィランの攻撃を避けて、仮想ヴィランを全部殴り倒していった。
仮想ヴィランを探しに走り回りながらも他の受験者の様子を見ていていると、個性を使って次々と倒して行く人や少し苦戦している人もいた。
「おンらああぁ!そりゃああぁ!」
一番目に入ったのは仮想ヴィランを持ち上げたり、それをぶん回したりと強化系の個性を使っているであろう灰色の髪の男の子だった。
「!」
その男の子の後ろに倒しきれていなかった仮想ヴィランが男の子を攻撃しようとしていた。魔理華はそれに気づいたが男の子の方は全く気づいていなかった。
「コール!」
咄嗟(とっさ)にその仮想ヴィランに攻撃をして、男の子がやられる前に倒した。男の子は今の攻撃と後ろにあった仮想ヴィランを見てどういう状況だったか理解した。
「あんたに助けられたな、ありがとな!」
「気をつけてくださいね!」
男の子はお礼を言うとどっかに行ってしまった。
魔理華はどんどんと倒していき、消費ゲージがなくなりそうになってきた。
ズドーーーーンッ!!!
すると急に地響きが鳴り、空を見上げると大きな砂煙が舞い上がっていた。その中から魔理華達を見下ろす巨人のようにデカい仮想ヴィランが現れた。
「デカすぎでしょ...!」
そうとしか言えなかった。他のみんなは巨大な仮想ヴィランに怯え逃げていった。魔理華も自分の力じゃ無理だと悟り、逃げようとした。仮想ヴィランがどれぐらいの速さで来るのか後ろに振り返り、動く速さは遅く個性を使って走れば大丈夫と思った。
「いたっ......!」
砂煙の中から声が聞こえ、走るのを止めた。目を凝らして見てみると。
ハンカチを拾ってくれた女の子が倒れていた。
「!!」
魔理華は女の子に向かって走り出していった。
どういう理由でこんなことをしたのか魔理華はわかっていた。
あの子を助けたかったからだ。
「あ、あなたはハンカチの...!」
「腕を貸して!早く!」
魔理華は足を怪我して動けなくなって彼女の腕を肩にかけて運ぼうとした。だが仮想ヴィランがすぐ目の前までやってきていた。
「手を貸してもいいかな?」
横を見ると仮想ヴィランに襲われそうになった男の子が魔理華とは違う方の腕を肩にかけていた。
「さっきの借り、返させてもらうな!」
「ありがとね!」
二人一緒に女の子を運んで走り、巨大仮想ヴィランとの距離が離れていった。
「タイムアップよーーっ!」
そして制限時間が終わり、彼女を安全な場所に座らせた。
「助けてくれてありがとうございます」
「いえいえ、困ったときはお互い様です」
「しかしあんた、あの巨大ヴィランロボの意味がわかっていたんだな。あんたがこの子を助ける見てなかったら気がつかなかったな」
「へ、意味?」
「へ?」
魔理華と男の子の間に長い沈黙ができた。
「あんた、気づいてなかったんだな...」
「意味ってどういうことなの?」
「オレの口からじゃ言えん、たぶん合否通知が来たらわかると思うな」
そういうと男の子はまたどっかへ行ってしまった。
女の子の怪我はリカバリーガールというヒーローが治してくれました。
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「魔理華お姉ちゃん、元気ないよ」
「姉ちゃだったら絶対に合格できるって!」
あれから1週間経つが合否通知は来ることはなく、魔理華は不合格になったと考え、魔理華が灰色に見えるほど落ち込んでいた。
「そういえば、試験のこと聞いてなかったな。試験で何があったか?」
「それは斯く斯く然々で...」
「なるほど、巨大仮想ヴィランの時に怪我してた子を運んで行ったのか」
「......どうしてそれでわかるの?」
「なら大丈夫だろ、お前は合格できるさ」
修哉は魔理華の頭をポンポン叩いて、それに魔理華は恥ずかしながらもされるがままになった。
「そうだ!兄ちゃ、手紙が来たんだけど漢字が多くて読めないだよ。これなんて書いてあるの?」
真斗が出した手紙は封蝋してあり、漢字で『雄英高等学校』と書かれていた。
「いつ届いたんだ?」
「ついさっき」
「一旦電気を消すぞ、豆電はつけとくから」
豆電球だけをつけて、手紙の封を開けてみると小さな機械が出てきた。
『ハァーイ!』
「あ、試験の合図の!」
「お、ミッドナイトか!いやぁ綺麗だナバカッ!」
「なんかすんごいなぁ」
「......すごい格好」
その機械から光が出て、画面が投影された。現れたのはミッドナイトと言うヒーローだった。ミッドナイトが出てきたのを喜びデレデレしてる修哉に魔理華は怒りの顔面グーパンを食らわした。ミッドナイトを見た子供二人はそれだけしか言えなかった。
『七咲魔理華、筆記の方は合格ラインに入っていたけども実技ではあまり点は取れていなかったわ。この場合貴方は不合格よ』
魔理華は既にわかっていた。ヴィランだった自分がヒーローなんかになれるはずはない。せっかく修哉さんに鍛えてくれたのに、これでは修哉さんに申し訳ない。そんなことを考えていたら。
『この場合は、ね』
「えっ?」
『実技にはヴィランポイントの他にもう一つポイントがあったのよ。その名もレスキューポイント!しかも審査制!』
『仮想ヴィランに襲われそうになった男の子と怪我していた女の子を助けたことをポイントにすると...』
『七咲魔理華、貴方は合格よ』
「姉ちゃ、ごーかくおめでとう!」
「......魔理華お姉ちゃん、おめでとう!」
「ほら、合格できたじゃん」
「しゅ、修哉さん、じゅゔやざーん!!」
魔理華は嬉しさのあまり修哉に抱きつき、涙ぐんでいた。修哉は魔理華の頭を撫で、にっこりと笑った。
『ちなみに貴方が助けた人、矢那雲上流(やなぐも あがる)、五舞手和(いまい しゅわ)、この二人も合格よ』
「お前が助けた子も合格したみたいだぞ」
「ゔん、ゔん!」
『七咲魔理華、ようこそ、ここが貴方のヒーローアカデミアよ!」
ここから魔理華のヒーロー人生が始まった。
次回予告
「今日から雄英に行くことになって、ここが私のクラスなんだけど...」
「女はスレンダーが一番なんだよな!」
「いいや、胸がデカい方がいいんだよ!」
「わあ!私がもう一人いる!」
「こ、これは私の個性で作った...」
「おんなじクラスでよかったね!」
「う、うん麗日さん」
「あぁ!テメーどこ中だよ」
「ガラ悪いなあ、あいつ」
「いろいろ騒がしいです...」
次回 いきなり大変!
「おーい、席につけー」
「この人誰!」
「更に向こうへ」
「「「
「この人が言っちゃった!?」