ダークブリングマスターの憂鬱  【完結】   作:闘牙王

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第三十五話 「変化」

九月九日 『時の交わる日』

 

混沌の地、ルカ大陸にあるジンの塔と呼ばれる巨大な塔。そこで歴史を変える、世界の命運を賭けた戦いが起こっていた。

 

『エンクレイム』

 

ジンの塔によって行われる大量のDBを造る儀式。時が交わる日であるこの日のみその儀式が可能になる。そして今回の儀式はそれまでのエンクレイムとは意味が違っていた。

 

『エンド・オブ・アース』

 

それが今回のエンクレイムによって完成される究極のDB。十年の歳月を掛けることによってようやく完成された禁じられし力を持つDB。その名の通り世界を終わらせる力、大破壊オーバードライブを引き起こす力を持ったDB。そしてそれを生み出さんとしている一人の男がいた。

 

『キング』 

 

DC最高司令官でありDC最強の男。闇の頂点とまで呼ばれる力を持つ王。

 

だがそれはキングにとっては通過点に過ぎない。キングの真の目的はただ一つ。それはある男を苦しめ殺すこと。DCを作ったのもそれが本当の理由。世界征服でも殺戮でもなくただ一人の男を殺すこと。

 

『ゲイル・グローリー』

 

それがその男の名。ハルの父であり、キングと同じ名を持つ男。その実力はキングと互角とまで言われるほどの剣の使い手。キングのかつての親友でありそれが故にキングを止めんとする男。

 

キングとゲイル。二つの風による争い。それがこのジンの塔で行われている戦いの中心。だがそれだけではない。二人に縁のある者たちもまたこの決戦に臨んでいた。

 

 

レイヴの騎士たち。

 

『レイヴ使いマスターハル・グローリー』 『銀術師シルバークレイマームジカ』 『記憶喪失の少女エリー』 『レイヴの使いプルー』 『マッパーグリフォン加藤』

 

 

結界の都ラーバリア、そして闘争のレイヴを守る結界聖騎士団。

 

『団長ソラシド・シャープナー』 『結界の巫女レミ・シャープナ―』 『騎士団員フーア』

 

 

ゲイル・グローリー同様、キングを倒すこと、そしてエンド・オブ・アースの完成を阻止せんとする者たち。

 

 

だがハル達の足止めのためにキングは自らが持つ五つのDBの内の一つ『ゲート』によって王宮守五神と呼ばれる五人の魔人を差し向ける。

 

 

『角殺のルチアングル』 『竜人ドラゴンレイスレット』 『反撃のラカス』 『影使いリオネット』 『針使いロン・グラッセ』

 

五人全てが魔人千人に匹敵する力の持ち主たち。

 

 

レイヴ側とDC側。二つの陣営によって今、世界の命運を賭けた決戦が行われている。だがそれだけの人数がいながらもやはりその勝負はキングとゲイル、そのどちらが勝つかで全てが決まる。それほどまでに二人の力は拮抗し、そして図抜けている。中途半端な力など二人の前では通用しない。

 

だがその常識を覆すことができるほどの力を持った第三の勢力がそこにはいた。

 

 

「…………」

 

 

そこはかろうじてジンの塔が見えるほどの場所。周りには人気もなく広大な大地だけが永遠と続いているような荒野。そこに一人の少年がいた。彼の名はアキ。アキはローブを被ったまま身動きをせずその場にとどまっている。もしその場に誰かがいてもアキの存在に気づくことはない。今アキは自らのDBの力によって姿と気配を消しているのだから。吹き荒れる風がローブをたなびかせるもアキはそのままじっとジンの塔に向かって視線を向けている。その背中には黒い大剣が背負われている。いつ戦闘が起こっても構わないといわんばかりの状態。

 

それが『ダークブリングマスターアキ』 キングやゲイルに匹敵する力を持つ少年の姿だった。

 

 

(とりあえずは問題なさそうだな……)

 

 

アキはひとまずは安堵のため息を吐く。それはジンの塔で起こっている戦い。原作で言う第一部の最終決戦。今のところそれが問題なく推移していることを確認できたが故の安堵だった。

 

今アキがこの場にいる理由。それはこの戦いに余計な邪魔が入らないようにするため。この戦いはある意味キングとゲイルの決着が全て。そして他の戦力もギリギリのところで拮抗しているまさに綱渡りの戦い。そんな中に一つでもイレギュラーが入り込めば全てが崩壊しかねない。もちろんそれはアキ自身も例外ではない。それが分かっているからこそアキはその場から動くことも決戦に加わることもない。今回の自らの役目は裏方。アキ自身が決めた選択だった。もっとも自分が動くことがないに越したことはないのだがアキはいつでも動けるように臨戦態勢のまま大局を見据える。だがそれが面白くない存在がいた。

 

 

『どうした、もっと近づかんのか? こんなに遠くては観戦もロクにできんではないか』

 

 

どこか退屈そうな、不満そうな女性の声がアキの胸元から響き渡る。言うまでなくそれはマザー。マザーは退屈そうな態度を隠すこともなくアキへと愚痴を漏らす。アキはそんなマザーの様子に頭を抱えるしかない。今この場で一番の不安要素は間違いなく自分の首にかかっている魔石なのだと。

 

 

『うるせえぞマザー……文句があるなら送り返すぞ』

『ちょっとした冗談だ。何をそんなに気を張っておる。今回は参加せんと言っておったではないか』

『……前みたいなこともあったしな……念のためだ』

『前……ああ、あの閃光の主のことか。だが心配することは無かろう。この一帯には塔の中以外にはDBの気配はないぞ』

『まあな……』

 

 

マザーは偽りない事実をアキに告げる。それはシンクレアとしての力。この一帯、ジンの塔の中で戦っている者たち以外のDBの気配は感じられない。この広大な大地に囲まれた場所では例えルナールであったとしても気づかないわけがない。もっともそれはそれでマザーにとっては退屈なことには変わりないのだが。

 

 

『それはともかくもっと近づかねば様子が分からぬではないか。このままここでぼーっとしているだけか?』

 

 

マザーは気を取り直したようにアキに抗議する。外部から侵入者がある可能性は皆無。ならせいぜい楽しめるのはジンの塔内部の戦いを観戦することぐらい。マザーはこのままではそれすらできないと文句をつける。なんだかんだでキングの実力には興味がある。恐らく現時点ではアキ(マザー抜き)すら敵わない程の実力の持ち主。しかもアキの話ではそれに匹敵する力の持ち主もやってきているらしい。マザー個人としても興味がある戦いだった。だが

 

 

『うるせえな……ここからでも十分DBの気配で戦況が分かんだろうが。わざわざ近づく必要もないっつーの……』

 

 

それはアキの言葉によって遮られてしまう。マザーはそのまま黙りこんでしまう。だがそれはアキの言葉に不貞腐れたからではない。アキの言葉、その内容にこそマザーは言葉を失っていた。

 

 

『…………』

『ど、どうしたんだよ……いきなり黙りこんじまって……』

『……お主、ここからでもDBの様子が感じ取れるのか?』

『……? ああ、当たり前だろ。何言ってんだ……?』

 

 

アキはマザーの言葉の意味が分からず呆気にとられるしかない。アキはDBの気配を感じ取っていた。だがそれはマザーのそれとは大きく違っていた。マザーもアキ同様DBの気配を感じ取ることができる。その広さはアキの比ではない。シンクレア足るマザーの特性。だがアキはそれとは別にもう一つの感覚を持っていた。それはDBの状態とでも言うべきもの。これまで長い間DBたちと接することで磨かれてきたダークブリングマスターとしての力。それによってアキは遥か離れた場所、ジンの塔の中の戦況が手に取るように分かる。

 

既に王宮守五神が敗北したであろうこと。DBの一つは破壊され、他の三つのDBも持ち主を失い戦意を失ってしまっている。唯一DBを持っていないレットについては定かではないがタイミング的に考えて既に敗北しているのは間違いない。

 

その証拠にキングの持つデカログスが今まで見せていなかった形態変化を行っている。恐らくはハルがゲイルの元に辿り着いたからこそ。ブラックゼニスの力の発動も感じ取れたことからほぼそれは確実。今、ジンの塔の最上階ではキングとゲイル&ハルの戦いが始まっている。既に戦局は終盤。それを直に感じ取っているからこそアキはどこか緊張した面持ちでそれを見つめている。

 

 

(こやつ……やはりあの蒼髪の魔導士との戦いから壁を超えたようだな……)

 

 

マザーはそんな自らの主の成長を見ながらもどこか笑みを漏らす。もし実体化していれば妖艶な笑みを浮かべたカトレアの姿がそこにはあっただろう。

 

いかなマザーといえどもこんな離れた場所から個々のDBの状態まで感じ取ることなどできない。DBを極めしDBマスターであるアキだからこそできること。そしてそれに比例してDBを操る力も増してきている。今のアキなら六星DBの全てを操ることも不可能ではないはず。だがまだまだ道は遠い。

 

何故なら半年以内にアキには四天魔王を超えてもらわなければならないのだから。それがマザーとジェロとの契約(もちろんアキは知らない)一年以内にアキを大魔王の器にまでに成長させること。そして半年後には四天魔王から迎えが来るはず。同時に儀式が行われる。シンクレアの一つであるバルドルを賭けた四天魔王との戦いという儀式が。バルドルがいる以上アキは自らの力のみで四天魔王に打ち勝たなければならない。マザー個人としてはバルドルは最も嫌いな、苦手なシンクレア(能力的にも性格的にも)なのだがいたしかたない。

 

そしてその戦いのためにもアキには今の力を安定して使えるようにしてもらわなければならない。先日のジークとの戦いは火事場の馬鹿力のような要素が多かった。だがきっかけは掴めたはず。ならばあと一押し。もう一度幻との修行ではない命を賭けた実戦を経験させることができればキングと同等、それ以上に成長することができるはず。本当なら今ジンの塔で戦っているキングとゲイルの戦いに乱入させたいところなのだがどうやら難しそうだとマザーはあきらめる。だがまだそれに近い機会はどこかであるはず。その時こそが自らの主が表舞台に立つ時。

 

 

『くくく……』

 

 

知らずマザーは笑いを漏らす。同時に得もしれない高揚感がマザーを支配する。まるで熱でも出てきたかのよう。それ以上にどこか邪悪な光が石から漏れ始める。今のマザーの心境を現すかのように。

 

 

『……っ!? お、お前、どうかしたのか……? 何か様子が変だぞ?』

『ふふっ……気にするな。それよりもちょっと久しぶりに空間消滅デイストーションを使ってみる気はないか? 今の我ならジンの塔くらい消し飛ばせる気がするぞ』

『な、何言ってやがるっ!? なんでそんなことせにゃならんのだっ!?』

『いいではないか。最近発散できていなくて欲求不満なのだ』

『意味分かんねーよっ!? やるなら一人で勝手にやれ! 他人を巻き込むんじゃねえ!?』

『ふふっ、冗談だ……本気にするでない』

 

 

マザーは興奮してしまっている自分を何とか抑えながらも改めてジンの塔に目を向ける。同時にそこで今まさに完成したであろうDBの力を感じ取る。大破壊オーバードライブの力を持つDB。ある意味自分達DBの使命を形にしたかのような存在。

 

 

『なるほど……大破壊オーバードライブの力を持つDBか……道理でこれだけの力があるわけだ』

『そ、そうだな……』

『ふん……そんなに構えることは無い。あそこにはエリーがおる。前のようなことをする気は無い。契約は契約だ』

『そうかよ……』

『それにその時も言ったはずだが我らの手でそれを為すことが望ましい。それまではせいぜい楽しませてもらうぞ、我が主……』

 

 

マザーは怪しく笑いながらも気づかない。それがDBとしての、エンドレスとしての意志とはかけ離れていることに。それがDBとしてではなく、マザー個人の意志であることに。その意味にマザーはまだ気づかない。気づくことができない。

 

アキはそのままジンの塔に意識を向ける。自分の胸元にある魔石の変化に気づくことなく。間もなくやって来る予想もしない事態に対応することになるなど微塵も思わずに――――

 

 

 

 

ジンの塔の最上階。世界の命運を賭けた戦い。それが今、一つの結末を迎えようとしていた。

 

 

「ハアッ……! ハアッ……!」

 

 

荒い呼吸をしながらもその場に膝を突いている一人の少年がいた。それはハル。ハルはその手にあるTCMを杖代わりにしながら何とか身体を支えるも立ち上がることができない。だがその表情はどこか安堵に満ちた物。何故なら今、ハルは己の役目を果たしたところだったから。

 

ハルはそのまま目の前の光景に視線を向ける。そこには一人の男がいた。それはキング。DC頂点に立つに相応しい力を持った怪物。だが今、その姿は見るも無残なもの。甲冑は砕かれ、爆発によるダメージによって立ち上がることができず地に伏している。あり得ないような王の姿。敗北したキングの姿だった。

 

それはハルとプルー、レイヴの騎士のタッグの力。キングの力は凄まじくゲイルとハルの二人がかりでも倒しきれない程のもの。だがそれを覆す力が、勝機がやって来る。

 

『闘争のレイヴ』

 

蒼天四戦士の一人、クレア・マルチーズからそれを託されたエリーはハル達の元へとやってきた。その力によって千載一遇のチャンスを得たハルは自らの持つ全ての剣と力を以てキングに挑み、そして勝利を掴み取った。本来なら今のハルの実力は六祈将軍オラシオンセイスにも及ばない。だが仲間たちの想い、そしてついに再会を果たした父、ゲイルと共に戦うことによって限界以上の力を引き出すことでキングを倒すことができたのだった。

 

 

「やったねハル! すごかったよ!」

「ああ……でももう限界だ……立てそうにねえや……」

 

 

エリーは喜びを隠しきれないように慌てながら倒れかけているハルに向かって駆けよって行く。そんなエリーに良いところを見せようとするも足は既にガタガタ。ハルはあきらめてそのままエリーにもたれかかるように身体を任せる。文字通り全てを出しつくした代償。だがやはり恥ずかしいのかハルはそのまま顔を赤くしたまま。そんな中

 

 

「よくやったハル……それにしても見せつけてくれるじゃねえか」

 

 

ハル以上に体中に大けがを負ったゲイル・グローリーがどこかからかうような笑みを見せながらハルの頭に手を乗せる。そこには自分が知らない間に大きく成長した息子への喜びがあった。同時にどうやら思ったよりもマセているであろう息子へのからかい。

 

 

「やめろよっ! 恥ずかしいだろ!」

「いいじゃねえか。こんなときくらい」

「ハルったらパパさんに褒められて嬉しいくせに」

「う、うるせえ……! ほっといてくれ!」

 

 

このままではいいおもちゃにされてしまうと感じたハルは二人のからかいを払いのけて気合でその場を離脱する。そんなハルの姿にゲイルとエリーは笑いをこらえることができない。長く激しかった戦いが終わったことによる安堵。それが今のハル達を包み込んでいた。だがそんな中、まだ戦う意志を失っていない者がいた。

 

 

「ハアッ……ハアッ……」

 

 

それはキング。既に身体は満身創痍。床に這いつくばり立つことはできずデカログスを握ることすらできない。まさに敗北したに等しい状態。だがそれでもまだキングにはあきらめはみられない。それどころか今まで以上にその闘志がみなぎってきているかのよう。

 

それは怒り。

 

自分をこんな目に合わせたゲイルとハルへの。レアグローブの王族である自分がまたシンフォニアの王族に負けてしまうという事実。それがキングに負けを認めさせない。

 

だがそれ以上に今のキングを駆り立てるものがあった。

 

それは嫉妬。

 

目の前の光景によるもの。ゲイルとハル。親と子が戯れている光景。互いを想い合い、そして信じあっている光景。それがキングの中の何かを呼び覚ます。

 

自らの家族。妻であるエミリア。息子であるルシア。共に失ってしまった家族。孤独でいるべきだった自分が唯一得られた幸せ。孤独でいることを忘れてしまったがゆえに失ってしまった幸せ。

 

なのにそれをゲイルは、グローリーは持っている。グローリーの妻であるサクラを自分は奪った。自分が奪われたものを、その苦しみを全てグローリーにも味あわせるために。だが奴はまだ持っている。自分が失ってしまったものを。息子を。自分はルシアを失ってしまったのに奴はまだそれを持っている。

 

キングの脳裏に浮かぶ。幼いルシアの姿。そして大きくなればこうなっていたのでは。そう思えるような少年、アキの姿。それがキングの心を支配していく。

 

キングは自らの手にDBを持つ。そこには二つのDBがあった。

 

一つは『モンスタープリズン』

 

裏DBとよばれる禁じられたDB。使えば最後、暴走し取り込まれ自分自身さえ失ってしまう狂気の力。

 

もし怒りだけであったならキングはそれを選んでいただろう。ゲイルとの決着。それこそがキングの望み。だからこそこのジンの塔には自分以外のDCの者は配置していなかった。余計な邪魔が入らないようにするために。それは王としての誇り。そしてキングの意地とでも言うべきもの。だがそれすらも超える憎しみと悲しみがキングを覆い尽くす。そしてキングは手にする。

 

そのDBを。ハル達にとって絶対の絶望を与えるDBを。

 

 

「許さん……許さんぞ……」

 

 

キングはゆっくりとその体を持ち上げながら睨みつける。自らの敵であるグローリー。そしてその息子であるハルを。その瞳には確かな狂気があった。

 

 

「なっ!? ま、まだ動けるのか……!?」

「そ、そんな……」

 

 

ゲイルとハルは倒したと思っていたキングが動き出したことで驚愕しその場からすぐに動くことができない。それほどの執念が、怨念がキングにはあった。同時にその手にある物が晒される。キングが持つ五つのDBの内の一つ。

 

 

「貴様らだけには絶対に負けるわけにはいかん……今から見せてやろう。DCの力……六祈将軍オラシオンセイスの力をな……!」

 

 

瞬間移動のDB『ワープロード』 それがキングが持つDB。そしてモンスタープリズン以上の絶対的絶望を呼ぶもの。

 

 

「六祈将軍オラシオンセイス……!?」

 

 

ハルはその名によって戦慄する。同時に蘇る。それはシュダとレイナの姿。自分が知る六祈将軍オラシオンセイスの二人とその力。既にシュダはいないもののまだ五人が残っている。

 

 

「そうだ……貴様らが戦った王宮守五神など足元にも及ばないような力を持つオレが認めた六祈将軍オラシオンセイス……その五人を今この場に呼び出す! この瞬間移動のDB『ワープロード』でな……!」

 

 

キングは高らかに宣言しながらその手を掲げる。自らが選んだ六人の戦士。その内の残る五人を今まさにこの場に呼び出すために。

 

 

ゲイルはその意味を悟り咄嗟に剣を再び構えながらもキングに向かって行くも間に合わない。

 

 

ハルはその名を知っていること、力を知っていることから身体がすくみ動けない。今の力を使いきってしまっている自分では六祈将軍オラシオンセイスと戦うことなどできないと悟ったからこそ。しかもそれが五人。奇跡が起こってもどうにもならない程の戦力差。

 

 

「これで終わりだ! グローリ――――!!」

 

 

キングは宣告と共にその力を解き放つ。瞬間、ワープロードの力が、光が辺りを包みこんでいく。絶望と破滅を孕んだ光が。

 

 

今ここに六祈将軍オラシオンセイスが召喚された―――――

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