レミエルバレンタイン   作:たがみん

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初投稿です。
注:レミエルスキーによる妄想ストーリーなのでキャラ崩壊してたらごめんなさい。

〇〇のとこには自分の名前を入れて読み進めてネ!


レミエルバレンタイン

2月。

節分を終えた青蘭学園は今日も今日とて騒がしくも平和な日常を学生に提供している。

やたら艶めかしく恵方巻きを口にする美少女がいる傍らで、口に収まりきらずに大変なことになっているこれまた美少女がいたりしたのは今思い出してもなかなかの惨状であった。

「リアル鬼退治…大変だったな…」

一部のプログレス達の暴走で何故か本物の鬼が召喚されてしまい、生徒会長を筆頭に緊急出動する羽目になった…思い出したくない事件である。

そんなことを考えながら登校していると

「…あっ」

「おっ、おはよー」

寒空の下、雪降る中に1人立ち尽くす片翼の天使―――レミエルである。

レミエルは俺を見つけるや否やトコトコと駆け寄ってきた。

「お、おはようございます、〇〇さん」

「どうしたの1人で、誰かと待ち合わせ?」

この寒い中で待たせるとか誰だよ…と続けようとした俺を遮り、

「い、いえ、違います!待ち合わせとかじゃなくて…いえ、待ってたのは合ってるんですけど…」

レミエルはそう告げる。

「待ってた、って誰を?」

「そ、れは…その…」

「いたー!!!」

言い淀むレミエルの言葉を遮るが如く響く声。このよく通る声は…

「おはよー〇〇君!今日も寒いねー」

青蘭学園生徒会長、日向美海その人である。

「おはよう美海、こんなに寒いのに朝から元気だなぁ」

「本当よ…お陰で私は朝からエネルギー切れよ…ぜー…はー…」

「んお、その声はソフィーナ…」

美海の後ろからよろよろと姿を表したのは''理深き黒魔女"ことソフィーナ…

「…だよな?」

「なんで疑問形なのよ…‼はぁ…はぁ…」

いや、確かにソフィーナその人であるのだが…如何せん、髪も服も雪まみれで普段の威厳はどこへやら、である。

「っ…悪かったわね、美海が急に飛び出したせいで足が滑ったのよ…ふぅ」

息を整えつつソフィーナ。

「えへへ、ごめんねソフィーナちゃん…でも、汚れてる理由はそれだけじゃないよね?」

「ほう?美海、その話詳しく」

「ちょっ…‼み、美海‼」

美海が事の顛末を語ろうとするもソフィーナが猛抗議する。その余りの必死さに同情した俺は割って入る。

「ま、まあ別に話されたくないなら…」

「そ、そうよ!コイツもこう言ってるし言っちゃダメ!!」

「えー?そっかー、ざーんねん」

あまり残念そうにもせず、美海はこちらに向き直る。

「そうそう、〇〇君に渡すものがあるんだー!」

「へ?俺に?」

「うん!ほら、ソフィーナちゃんも」

「うぅ…なんだか釈然としないわ…でもまぁ…仕方ないわね…」

ソフィーナも何か諦めに似た決意をしたらしく、美海の横に立ち俺を見る。

「それじゃいくよソフィーナちゃん、せーの…」

 

 

「「ハッピー・バレンタイン!」」

 

二人同時に差し出されたそれは、綺麗な青と黒の包装紙に包まれた箱であった。

もちろん美海が青、ソフィーナが黒である。

「おー、そういやバレンタイン今日だったな、さんきゅ」

学内随一の有名人コンビに渡されたバレンタインのプレゼント、嬉しくないわけがない。

ありがたく受け取ると2人はどこか満足そうにしていた。

「良かったー!やっぱりこういうのは朝一番にした方がいいよね!」

「ふ、ふん、この私からのプレゼント、受け取らないわけないわよね…大事にしなさいよ?」

そう言いながらもにやける口元を隠そうとそっぽを向いているソフィーナを横目に美海がちょいちょい、と『耳を貸せ』のジェスチャーをする。

「…あのね、ソフィーナちゃん、君へのチョコレートを落としそうになった時に倒れちゃって、積もった雪の中に突っ込んじゃって…箱が汚れなくて良かった、って1人で…」

「…って、ちょ、美海!?貴女まさかさっきの事教えてるんじゃ…!」

「あっ…バレちゃった、じゃあね〇〇君!また後でー!」

「こ、こら美海!待ちなさいっ!!」

「感想、待ってるからねー!」

「お、おう!ソフィーナもホントにありがとうな!」

「〜っ!!ば、バカぁああああああああああ!!!」

相変わらず賑やかな2人である。嵐が去った後に俺はその場に立ち尽くすが

「…っと、やべ、そろそろ行かねーと遅刻する…」

そう思い、学園へ向け歩き始めるがしかし。

「そういや…レミエルは…?」

いつの間にか居なくなっていたレミエルの事がどこか引っかかる。彼女は一体誰を待っていたのだろう。

「まぁ、美海達と話してたあいだに待ってた人が来たんだろう」

考えても答えは出ないだろうし、後で聴けばいい。そう自分を納得させ、再び足を進めた。

 

 

 

放課後。

レミエルは1人、とぼとぼと学園内をさまよっていた。

「はぅ…」

否、ただアテもなくさまよっているわけではない。明確な目的はあるのだ。あるのだが…

「あうぅ…」

レミエルは手にした小柄な紙袋、その持ち手を力なく握りしめる。が、何か状況が解決するわけでもないーー単に手持ち無沙汰なだけである。はたまたそれは自分の惨めさへの行き場のない悲しみの表れか。

ともかく、レミエルは1人で「彼」を探しているのである。目的はもちろんバレンタインのプレゼント。

「うぅ…やっぱり美海さんの言う通り、朝一番に渡せなかったからでしょうか…」

無論、レミエルが雪の中待っていたのは「彼」である。しかし渡すタイミングを美海達に横取りされてしまい、動揺したレミエルは物陰で眺めていたのである。

もちろん、彼女達の後に渡そうと思えば渡せただろう。しかし、レミエルには美海とソフィーナという学園の2大美少女の後に渡すような自信は無かった。

いくらお菓子作りが好きとはいえ、他の誰と比べても自信があるとは言えなかったからこそ他の人より早く、朝一番に渡そうとしたのであって、そこで件の2人に先を越されたとあってはレミエルでなくとも気後れするだろうし、手の施しようが無かった。少なくともレミエルはそう感じたから逃げ隠れてしまったのである。

「でも…今日はタイミングが悪過ぎませんか…?」

レミエルも、この日のために準備してきたものを無駄にする気はなかったし、当然その後も機会を伺い渡そうとした…のだが。今日はライバルが多すぎた。

そもそもアルドラとして引く手あまたの「彼」である。受け取るチョコやプレゼントの数も尋常ではない。他の人達もレミエルの邪魔をしようとしている訳では決してないのだが…レミエルの気後れ、ネガティブ思考がこの結果を招いていた。

結局チョコレートを渡せぬまま、放課後を迎えてしまったのである。

「もう…帰っちゃったのかな…」

オレンジ色に染まる校舎。窓から校庭を眺めても人っ子一人居ない。まだ学校にいるという淡い期待だけを頼りに校内を探していたが、「彼」はもう家にいるのだろうか。

「家まで行くのは…迷惑だよね…」

もうじき日が沈む。もう今日は、今年は諦めてしまうか。そんな気持ちになりかけた、その時である。

「レミエル、その袋は何なのです?」

「ひぁああっ!?」

急に背後から声をかけられる。振り向くと、その身体に見合わないほど巨大なハンマーを担いだ天使が立っていた。レミエルが指導を務めた後輩天使、エクスシアである。

聞くと、悪い気を感じたからついてきた、深刻そうな顔をしていた…とかなんとか。

そんなエクスシアを見ていると、レミエルはなんだかチョコ1つでこんなに落ち込んでる自分が途端に情けないと感じてしまった。だから…こんなことを言ってしまったのだろう。

「…良かったら、食べる?」

 

 

「…ったく、エクスのやつどこに行きやがった…?」

放課後、俺はタマちゃん先生に頼まれ、校舎の見回りをしていた。曰く

「バレンタインデーだからって浮かれてる男女が多い!羨ま…じゃない、学内の風紀が乱れるようなことは許されないわ!風紀委員、頼んだわよ!…あとこれ私からのチョコよ」

と。要は賄賂代わりのチョコと引き換えに放課後の風紀取り締まりを強行しているのである。

決して、決してタマちゃん先生の個人的な逆恨みではない。

とまあ、見回りを始めたはいいものの、他の風紀委員は皆別の仕事で忙しく手伝えないようで、代わりにエクスシアに手伝いを頼んだのだが…。

「あいつすぐ勝手にどこか行きやがるからなぁ…」

ちょっと目を離したスキにこれである。なので、見回りをすると共にエクスシアの捜索をしているのが現状である。

「にしても…こんだけ色々貰ってる俺が風紀取り締まりしてるのも変な話だよな」

そう、今年は例年よりやたらチョコレートやらプレゼントやらをくれる人が多かった。風紀委員として色々やってはきたが、ここまで多いとは流石に想像していなかった。朝一番の美海・ソフィーナを皮切りにあれよあれよという間にその数は増えていき、遂にはロッカーに収まりきらずに教員から白い目で見られる始末である。

沢山貰えたのが嬉しくないわけではない。むしろ自分をちゃんと評価してくれている人がこれほど居てくれたことには感謝してもし足りないくらいだ。しかし。

「なんか忘れてる気がするんだよな…」

そんな漠然とした感覚が拭えない。忘れているというか、心の中にモヤがかかったような感覚。ハッキリと意識したのは美海達からチョコを貰った後…

「…ん?」

突然のガサガサと言う音に意識が覚醒する。考え事を中断し耳を傾けると、丁度廊下の曲がり角、その先で話し声が聞こえる。

気付けばもう日も沈みかけている。下校を促した方がいいと判断した俺は声のする方へ足を運んだ。

 

 

「おいしーのです!」

エクスシアは満面の笑みでチョコレートを頬張る。その様子があまりに幸せそうで、レミエルは思わず頬が緩んだ。

「良かった…あんまり自信なかったから…」

「何言ってるですか!とってもおいしーのです!自信持って!です!」

「ふふ、ありがとう…」

エクスシアの迷いのない太鼓判にレミエルは微笑む。その間にも次々とチョコレートは口に放り込まれていく。余程美味しかったのだろうか。そんなに美味しいのなら…

「〇〇さんにも…食べてもらえたら…」

そう、思ってしまった。

その時。

「そろそろ下校の時刻ですよー」

一番聞きたい―――でも今一番聞きたくない声が―――聞こえた。

 

 

「…ってエクス!何やってんだ!」

廊下の曲がり角を曲がった先にいる生徒は、なんと見回り途中で迷子になっていたエクスシアだった。幸せそうな表情で何かを頬張っていた彼女はしかし、俺の姿を見ると目を見開き、喉を鳴らして口の中のモノを飲み込んだ。

「ち、違うのです!エクスはレミエルの様子が気になって…!これはレミエルに貰って…!」

必死に弁明するエクスシア。それを聞きながら一緒にいたもう1人の天使に目を向ける。

「要するにレミエルを心配して後を追ったらお菓子を貰った…と。レミエルは何をして…レミエル?」

しかしレミエルは茫然と、まるでこの世の終わりを見たかのような表情で俺を見ていた。

「あ…あぁ…わ、た…私ぃ……っ!!!」

そして突然、声にならない声を上げ、エクスシアを押し退けて走り去っていった。

「れ、レミエル!?どうしたんだよ!おいエクス、レミエルは…」

「わ、分からないのです!エクスは…あ…」

俺の問いに答えようとしたエクスシアは途中で床を見下ろし、言葉を失う。何事かとエクスシアの視線の先を見ると…

「これ…手紙…?」

可愛い翼の意匠が施された便箋が落ちていた。宛名の部分にしっかりと「〇〇さんへ」とこれまた可愛らしい―――今まで何度も見てきた―――字で書かれた便箋が。

「こ…れは…」

「い、今…このお手紙…この袋から出てきたのです…!このお菓子…!きっと〇〇さんの為の…!」

「……っ!!!」

エクスシアの言葉を聞き終わるより先に身体が動いていた。エクスシアが何故レミエルのお菓子を食べていたのか、そんなことはこの際どうでもよかった。向かう先は1つ。彼女が何処に行ったのかは分からない。ただ、全速力で走らないと頭がどうにかなりそうだった。

彼女はきっと、ずっと待っていたのだろう。

彼女はきっと、ずっと見ていたのだろう。

彼女はきっと、ずっと今日1日。

何度も何度も、渡そうとしてくれていたはずだ。

今朝も。その後も。放課後までずっと。

―――あの表情、あの声。

彼女の後悔。痛いほどの後悔。あんな顔をして、あんな声を出して走り去ってしまうほどの大切すぎる想い。

―――分かってしまった。

彼女がどれだけ勇気を振り絞っていたのか。それがことごとく失敗に終わってしまったその辛さ。想いを届けたくても届けられない辛さ。

―――見つけなきゃ。

彼女が今日、ずっと探していてくれたみたいに。俺も彼女を探し出さないと。

―――伝えなきゃ。

伝えないと。俺の気持ちも。

―――俺は―――

 

いつしか心のモヤはなくなっていた。あるのはシンプルな気持ち。たった一つの想いだけだった。

 

 

 

「ひぐっ…えっぐ…うぅ…」

あれからどれだけ走ったことだろう。既に日は落ち、外は真っ暗になっている。聞き覚えのある泣き声が聞こえてきたのはとある教室―――しかし見覚えのある教室の前だった。

「はぁ…はぁ…っ、ここは…」

そう、そこは奇しくもかつて俺が逃げ出したレミエルを探し出した教室と同じ場所であった。グリューネシルトからやってきた生徒達の学園案内を任されたレミエルがトラブルに巻き込まれてパニックを起こして逃げ出した、あの時と同じ。

「ふぅ…ロマンチックというかなんというか…」

中から微かに聞こえる嗚咽さえなければもしくは運命とでも言えたのかもしれないが、今はそれどころじゃない。

早く。

急がないと。

もうこれ以上、彼女を苦しませないために。

俺は教室のドアに手をかけ、ゆっくりと中に入った。

「……っ!?誰…ですか…?」

蛍光灯の消された暗い教室の中。姿はよく見えないが…分かる。

前と同じだ。教壇の陰に彼女が居る。

既視感を覚えながらも無言で近付いていく。レミエルのことだ、俺だと分かってしまったらすぐ逃げ出そうとするだろう。前回と違い、今回は俺から逃げていたのだから。

「…あ、あの…もしかして…〇〇…さん…?」

「…ああ、俺だよレミエル」

「…っ!!」

「っ!待って!」

俺だと気付いたレミエルは予想通り逃げ出そうとしたが、咄嗟に伸ばした手は運良く彼女の腕を捉えた。

もう離さないと言わんばかりにぎゅっと、しかし痛がらない程度に握りしめ、引き寄せる。

「レミエル、逃げないで…話を聞かせて…?」

「うぅ…でも…わた、し…私…っ!…ひっ、ぐ…うぁあ…っ」

「大丈夫…俺は傍にいるから…落ち着いてからでいいから、さ?」

「…っ!!うあぁあ……っ!!」

俺はレミエルの冷え切った手を握りなおし、彼女が泣き止むのを待った。

 

―――どれだけ経ったろうか。

レミエルは泣きやみ、今日のことをポツポツと話してくれた。

朝のこと。学園に着いてからのこと。放課後のこと。エクスシアにチョコレートを渡してしまったこと。

「そこで…貴方が来て…私、どうしていいか分からなくなってしまいまして…なんでエクスに渡しちゃったんだろう、貴方への特別なプレゼントだったのに…って…それで…頭の中ぐちゃぐちゃになって…うぅ…ごめんなさい…ごめんなさいぃ…」

「そっか…ごめんな、気付いてあげられなくて…」

「〇〇さんは悪くないです!私が…ちゃんと渡せなかったのが…最後に諦めちゃったのが…悪いんです、から…」

「…そっか…まあ確かに、レミエルからのチョコレートはエクスが食べちゃうことになったけどさ…『これ』はちゃんと俺の元に来てくれたから、さ」

そう言って、懐からある紙を取り出す。

「え…あっ、そ、それ…!」

「そう、レミエルから俺宛のお手紙、だよね?」

そう、取り出してみせたのは先程レミエルを探し始めるキッカケになった翼柄の便箋である。

「そりゃあ俺だってレミエルからのチョコレート食べられなかったのは残念だけどさ…一番大事な、レミエルの気持ちはちゃんと受け取ったから…俺はそれだけで十分すぎるほど幸せだよ」

「え…あ、そ、その…もしかして…!…中身…読み…ました…?」

「もちろん。レミエルのこと探してる最中にね」

「〜!!!//////」

暗くてあまりよく分からなかったが、繋いだままの手から、レミエルの体温が一気に上がったのは感じられた。

俺は手紙の内容に『返事』するべく言葉を紡ぐ。

「でも、バレンタインのプレゼントがお手紙だけ、っていうのもなんだか寂しいなー。しょうがない、別のものを貰うかなー」

「ふぇっ?べ、別のものって…ひゃっ!?!?」

俺はレミエルを自分の腕の中に引き寄せた。2月の寒さの中にいたとは思えないほど熱くなっているレミエルの華奢な身体を抱きしめ、密着した状態で向き合う。お互いの瞳の中が覗ける距離、とはこのことを言うのだろうか。

「…嫌だったら突き飛ばしてくれていいから…」

「え…ちょ、あ、あの…その……んぅっ!?」

そのまま俺は、彼女の唇を奪った。冷たくも柔らかい唇。まるでプリンのようにぷるぷるで、微かに漏れる息がどうしようもなく興奮を誘う。

「ん…んぅ…〇〇…ひゃん…んちゅ…」

いつしかレミエルは俺の服をぎゅっと握り、積極的に唇を重ねようとしてくれていた。その事実が俺をさらに昂らせた。さらに強く抱きしめ、より強く唇を押し付ける。最初は触れ合わせるような優しいものだったのが、最後には唇を絡み合わせるようなそんなキスになっていた。

 

「…ぷはぁ!…はぁ…はぁ…」

何分にも何時間にも感じた俺とレミエルのファーストキスは、呼吸が苦しくなった俺が唇を離したことにより終わりを告げた。

「ふぇ…?あ、の…なんで…」

「ごめん…息、苦しくて…」

最後の方はレミエルが主導権を握っていた…というか、レミエルがおねだりするように唇を絡めてきた、という方が正しいか。どちらにせよ積極的だったのはレミエルだったわけで。

「レミエルって…もしかしてキス好き…?」

「ふぇぇ…!?そ、そうなんですか…!?」

「いや、随分積極的だったな、って…」

「そ、そんな…男の子とのキスなんて初めてだから分からないですよぅ…〇〇さんは…その…ご経験とかは…」

「な、ないに決まってるよ…!」

「そ、そうですか…良かった…キス、変だと思われたらどうしようって…でも、その…」

「うん?」

そこでレミエルはちょっと身じろぎし、恥ずかしそうにしながらも

「でも…貴方とのキス、とっても…気持ちよかった…です…頭ほわほわしちゃって…とろんってなっちゃいます…えへへ…」

蕩けるような笑顔でそう言ってくれた。

―――これは…我慢出来ない…かも…。

ドクン、と心臓が跳ねる。身体中が熱い…、これ以上は自制が効かない…。このまま…レミエルと…。

 

そう思ったその時。

 

「くちゅん!」

と、可愛らしいくしゃみが腕の中から聞こえた。

「あ、あぅ…顔は火が出ちゃいそうなくらい熱いですけど…やっぱり寒いですね…?」

そう告げる愛らしい天使。その言葉で俺は我に返った。

―――そうだ、大切なこと、まだ言ってなかったな。

「そろそろ…帰りましょうか、もう遅い時間ですし…ね?」

「あ、あぁ…」

そう言ったレミエルは俺の腕から離れ…否、腕から抜け出したレミエルは俺の手を取ると俺に向き直り。

 

 

「えへへ…〇〇さん、だ、大好き、ですっ!」

「あぁ、俺も大好きだよ、レミエル」

 

その顔には先程までの悲壮さは欠片もなく、ただただ幸せそうな笑顔が浮かんでいた。




以上です。
エクスシアは悪気があった訳ではないんです、ただ純粋にレミエルの言葉を受け止めて貰っただけなのです…エクス好きの方ごめんなさい…。
ちなみに裏設定ですが、残されたエクスはひたすら自分の頭をヘカトンケイルで叩きまくって「エクスは!悪い子!なのです!」って叫んでたらしいですよ()
その後ちゃんとレミエルとも和解していますのでご安心をば。

最後まで読んでいただき誠にありがとうございます、次はこれのアフター…というかアナザーストーリーになる予定(主人公くんが我慢出来なくなっちゃったver.)(R18)です。宜しければそちらもご期待くだせぇ。
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