我流のスキル使いとデスゲーム   作:AJITAMA5

1 / 2
またも新作
反省はしている
だが後悔はしていない。

2018/05/7(月)
誤字修正
昌彦→晶彦


Chapter1 -Welcome to SwordArt·Online-
Prologue


 俺、北山晴斗には兄がいる。…いや、正確には兄のような人、か。

 

 その人は稀代の天才量子物理学者で若輩にして株式会社アーガスにおいて磐石な地位を築いている。そんな天上に居るような人が近所に住んでいたのだ。彼とは小さい頃からの付き合いで、俺の事を弟のように可愛がってくれていたそうだ。…あまり覚えていないのだが。

 

 そして今は六月の初旬、夏に入りたてでまだまだ涼しいこの日。俺の前の椅子にはその人、“茅場晶彦”が座っていた。

 

「新作VRMMO『SwordArt(ソードアート)·Online(オンライン)』、その基盤となる『CardinalSystem(カーディナルシステム)』の作成依頼ねぇ…」

 

 俺は茅場晶彦もとい晶兄に渡された書類を読んでいた。『SwordArt·Online』のコンセプト、大まかな粗筋、時代風景などの情報から制作の期限、報酬額の設定項目までかかれている電話帳サイズのものだ。…でか過ぎるんじゃないか?

 

「…受けてくれるかね、晴斗くん」

 

 晶兄は俺の顔色を伺うような声音で聞いてきた。…俺としては制作依頼は満更でもない。むしろ良い暇潰しが出来て万々歳だ。

 

「受けるのは良いんだが…」

 

「だが?」

 

 ちょっと顔をしかめたか。どうやら自覚はしているらしい。

 

「いや自己メンテナンスに自動クエスト生成システムは分かる。分かるんだがそれ作るのに〆切三ヶ月ってなんだよ!?新手のいじめかなにか!?」

 

 俺の叫びに晶兄は苦虫を団子にして噛み潰したかの様な顔をして答える。

 

「それは私も思ったよ。私だって『ナーヴギア』の製作を一昨日上から伝えられたばかりなんだ。社長に直談判はしたんだが…『三ヶ月後にクローズドβテスト開始しますって広告出しちゃったZE☆めーんご(爆)とりあえず頑張って!会社の存亡全部君に懸かってるから!』だと言っていた。流石にクールでミステリアスをウリにしている私でも首を絞めるところだった」

 

 おお…あの晶兄が猫被りをやめて百面相する程度にはキレていらっしゃる…。

 

「おま…そんな事したら凛子さんに嫌われんぞ…」

 

「大丈夫だ、問題無い。凛子も『いい加減殺っちゃって良いんじゃないかしら』と言っていたしな」

 

 問題無いのかぁーい!もうちょっと躊躇おうよそこは!

 

「で、晴斗くん。受けてくれるかね?」

 

 晶兄が不安そうにこちらに問い掛ける。

 

「ああ、良いぜ。元から受けるつもりだったしな。」

 

 そう言うと晶兄は心底ほっとした様な表情になった。

 

「そうか、ありがとう。もし間に合わなくてもあまり気負わないでくれたまえ。その時は私が責任を取ろう」

 

「絶対に間に合わせっから期待しとけ、晶兄」

 

 さて人工知能部分から取りかかりますかね…。

 

 

 ◇

 

 

 2か月後、カーディナルシステムの製作は思っていた以上の速度で進み、気付けば残すは最終調整のみとなっていた。

 

 そして晶兄が進捗状況の確認をしに来た。

 

「ふむ、ここまでやるとは…。流石だな、晴斗くんは」

 

「あたぼうよ。晶兄の期待には応えなきゃだしな」

 

 お互いにフッと笑みを浮かべる。

 

「ありがとう。晴斗くんのお蔭でこのゲームの完成はあと一歩まで縮まった。」

 

「止せよ、晶兄。俺はただやりたくてやっただけだ。それに『もし礼をするならば形有るものを渡せ』…あんたはいつもそう言うだろう?」

 

「そうか……そうだったな。ならば今度オリジナルのナーヴギアを持ってこよう。それでソードアート・オンラインのクローズドβテストを受けるといい。……それでいいかい?」

 

「ああ、願ったり叶ったりだ。それとそのソードアート・オンラインって名前、ちょっと長くねぇか?いっそ略しSAOってのはどうだ?」

 

「ふむ、SAO……良いじゃないか。このソフトの名前は今日からSAOだな」

 

 晶兄がうっすらと笑みを浮かべる。どうやら気に入ってくれたようだ。

 

「じゃあ私はここら辺でお暇させて貰うよ。βテスト、楽しみにしていてくれ」

 

「おうよ!…だがその前にこれを」

 

 俺は晶兄にある事を書いたメモ用紙を渡す。

 

「これは?」

 

「ちょっと読んでみてくれないか?」

 

「……成る程、これは面白い。早速プログラムに組み込んでみよう」

 

「よしっ!」

 

「では私はこれで。またな、晴斗くん」

 

「ああ、またな!」

 

 

 ◇

 

 

 月日は流れ一ヶ月後。晶兄からの宣言通り俺の手元にはナーヴギアがあった。

 

「これがSAO…β版か……」

 

 銀色に輝くナーヴギアのボディーを頭に被り、SAOのカセットを挿入する。……あとはあの言葉を言うだけだ。

 

 それは俺たちを空想へ、あの鋼鉄の城へと送り出してくれる魔法の言葉。

 

「リンク・スタート!」

 

 俺の…いや、俺たちの冒険はここから始まった。

 

 

 ◇

 

 

 真っ暗な空間に煌々と光るディスプレイ、そこには一人の男がいた。

 

「クックックッ……これであとは正規サービス開始を待つのみだ……このコマンドを押せば茅場のGMアカウントは消え去り、残りの者たちはこの“SAO(監獄)”に幽閉される………そして僕はこの世界の神となる」

 

 その男はディスプレイを見つめお世辞にも綺麗とは言えない笑い声をあげた。

 

「『これはゲームであっても遊びではない』……そうだろう?()()

 

 

 




続く…と良いな(目を逸らしながら)

批評、感想などよろしくお願いします!
豆腐メンタルなのであまり強い言い方は控えて頂けたら幸いです。

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。