僕フェチの彼女達   作:シマユウ

4 / 4
四話

 今日も鬼塚玲奈の為の献血を終え守山鈴と手を繋いで登校し、柏倉あやが抱きつき、一度風紀委員会の教室に向かい大谷沙織が仰向けになって踏むように命じられそれを実行し、教室に行く最中に電話で西園寺紫苑に口から砂糖が出るような台詞を言ってから僕は自分の席に着席した。もはや僕のライフは残りわずかである。

 

「ふぅーーっ」

 

 僕は大きなため息をついて周りを見た。なにやらざわざわしている。僕のことならいつものことだが今回は違うみたいだ。少し気になっていたら親友の前川文哉がやってきた。

 

「よう、悠希シネ。今日も彼女さん達とと熱いな本当にシネ」

「あ、あぁ、おはよう、文哉」

「おはようシネ」

 

 この頃親友の語尾に『シネ』がつくようになりました。愛の暴力よりましです。

 

「ところでみんなどうしたの」

「んあ、あぁ、そのことか。どうやらこのクラスに教育実習生がくるらしいぞ。ちなみに男らしいぞ」

「へえ、それでみんな話しているんだ。特に女子が」

 

 そんなたわいのない話をしていると先生がやってきた。朝の挨拶などを終えると先生は教育実習生を呼んだ。

 

「今日から1ヶ月このクラスで実習させてもらう大野アキラだよ。みんなよろしくね」

 

 見た目はイケメンといった感じだ。女子達はキャーキャーと騒いでいる。まぁ、僕には関係ないかと思い外を眺めていた。なぜなら

 

『はーい、悠希くん。いつも通り生徒会室に来てくださーい』

 

 そうです。僕はいつものように生徒会室で勉強をする事になっているので大野先生の授業には出なかった。後ろから男子達の視線が痛かった。後で聞いた話ではとても分かりやすく生徒一人一人の質問に丁寧に答えていたみたいだ。

 そんな授業があった間僕は紫苑の勉強を受けながら五人の要求をこなしていた。

 お昼休みになり今日は学食を食べたくなったので食堂に行った。あやと鈴と玲奈が同行していた。僕はAセットにした。あやは僕の制服の上着を着て食べていたり、鈴は僕に食べさせて貰うまで待っていたり玲奈は血を含んだクッキーを食べていた。すると僕の前に座る人物があった大野先生だった。

 

「えっ!?」

「やぁ、神山悠希くん」

「お、大野先生……」

「あぁ、アキラ先生で良いよ。みんなにもそう言っているからさ」

「そ、そうですか……」 

 

 気まずい。アキラ先生の授業を受けていない分本当に気まずいです。視線が厳しい。前を見てみるとニコニコしていて良く分からない。

 

「えっと、なんでしょう」

「いや、なんで授業にいなかったのかなって思ってさ」

「いやぁ、なんと言いますかねぇ」

「なんならボクが生徒会長に言っておこうか?」

「いえ、僕自身で言ってみます!! 今度は出れるようにします!!」

 

 僕は強くそう言った。流石に迷惑はかけられないです。とりあえず僕は乾いた返事で答えた。するとアキラ先生が僕の顔に手を近づけてきた。もしかして殴られる!? すると僕のほっぺについていた米粒をとってくれた。

 

「ほら、お米付いているよ」

「あ、ありがとうございます」

 

 アキラ先生はその米粒を食べた。女子生徒達からの舌打ちが聞こえてきた。僕は本当に関係ないし悪くないよ。

 

「ふふっ、じゃあ授業で会おうね」

「は、はい」

 

 アキラ先生は僕と握手をしその場を後にした。僕はポカーンとしていると隣に座っていた鈴が僕の手を握りしめてきた。

 

「ど、どうしたの?」

「……あの先生は危ない」

「えっ、どういうこと?」

「……なんとなくだけど危ないわ」

 

 なんとなくだけで先生を怪しまないといけないのだろう。するとウンウンとあやと玲奈は

 

「確かにヤバいヤツだよう」

「うむ、確かに危険なやつじゃな」

 

 二人は鈴の発言に同意していた。僕は恐る恐る聞いてみた。

 

「なんていうか、変なニオイがしたんだよね」

「あやつの視線がどことなく奇妙だったぞ」

 

 などと恐ろしい事を言ってきた。僕はそんな馬鹿なと思いその場は聞き流した。多分だけども気のせいでしょう。普通の良い先生だろう。

 それからというものアキラ先生との遭遇率がハンパではなかった。廊下ではよく会ったり、食堂では目の前の席にいたり、図書室で読もうとした本を借りようとすると後ろからその本を渡されたり、トイレが一緒だったりとそれが一日に何度もである。流石に怖くなり生徒会室に逃げ込むようになった。まさかここが憩いの場になるとは思わなかった。

 一応彼女達に相談してみた。最初はあやに聞いてみた。

 

「そうだね、もしもの時は私達に電話してよ、助けてあげるから」

「あははっ、頼もしいな」

 

 あやは腕を回して言った。頼もしいが流石に女の子に助けを求めるのは恥ずかしいし、少しみっともないかな。今度は鈴に聞いてみた。

 

「……手相をみてあげる。もしかするとそれで回避できるかも」

「えっ、本当に。見てみてよ」

「……悠希くん、あなたに女難の相が出ているから気をつけて」

「アッ、ハイ」

 

 それは元々知っていた気がします。手相と聞いて沙織先輩が名乗り出た。

 

「私は手相ではなく足相というので占えるぞ」

「足相? 聞いたことないですね。どうやってやるんですか?」

「まず、悠希がズボンを脱ぎパンツ一丁になるとこから始めるぞ」

「あっ、結構です」 

 

 なんだよただの欲望が出ているだけではないか。沙織先輩は頬を膨らましていた。次は玲奈に聞いてみた。

 

「そうじゃのぉ……。そうじゃ、毎回貧血で倒れて保健室に行くのはどうじゃ、それならばそやつに会うことはあるまい」

「貧血って、玲奈みたいに太陽ぐらいで倒れたりしないよ」

「簡単なことじゃ、いつもの献血にさらに多めにやることじゃ。それはもはや立っているのもやっとの状態にすれ……」

「そんなの死んじゃうから却下で」

 

 最後の頼みの綱の紫苑の方をむけると

 

「あらあら、仕方ないわねぇ。それならこれを付けましょう」

 

 取り出したのは一見するとなんのへんてつのない普通のチョーカーである。

 

「あのぉ、これは?」

「発信機兼ボイスレコーダーなのぉ。これでいつでも悠希くんの居場所がわかるし、声も録音出来るのよぉ」

 

 わぁい。僕のプライバシーが筒抜けだぁ。やったぞぉ。……でも位置が分かりもしもの時の周りの音を録音も出来るしまぁ、背に腹は代えられぬ。情けないがみんなの力を頼ることにしよう。そのチョーカーを受け取った。

 

「ははっ、これだとなんかカッコ悪いな」

 

 するとみんなが僕に近寄ってきて

 

「「「「「そんなことないよ/わ/ぞ/じや/わぁ」」」」」

 

 そうか、みんな僕の事を……。すると背後にあや、右手を鈴、左腕を玲奈、足を沙織先輩、正面に紫苑が配置していた。

 

「悠希君のニオイは私のものだもの」

「……悠希くんの手は誰にも渡さない」

「悠希の足は私のものだぁあああ」

「悠希の血液は我のじゃぞ」

「悠希くんの声は私だけのものだもの。誰にも渡さないわぁ」

 

 みんなそれぞれの思いがあったらしい。なんというか、僕個人を心配して欲しいな。本当にさ。

 それからは誰かと二人で行動するようになった。他の人達はアキラ先生の注意を引きつけてくれるようにもなった。しかし二人っきりで行動するとどうしても見せつけている感が出てしまい妬みが出ている。親友の文哉も

 

「ユウキシネ オレラヘノシネ アテツケカシネ シネシネ」

 

 片言で暴言を言ってくるようになってしまった。これはとても悲しい事です。それでも精一杯生きていきます。

*****

 ある日の放課後。僕は教室にいる。さっきまで鈴と行動していたが忘れ物をしてしまい鈴には先に行っててもらい僕は取りに行った。忘れてたのは今読んでいた本だ。机の中を見るとあったのでさっさと戻ろうとしたとき教壇に立っていたのはアキラ先生だった。

 

「うっ、あ、アキラ先生……」

「やぁ、神山悠希くん」

 

 ねっとりとした声で僕に喋りかけるアキラ先生。そさくさ逃げようにも入り口付近に居るので難しい。僕が後ずさりすると先生はこちらに向かってきた。

 

「いや、な、なんですか」

「ふふっ、ようやく二人っきりだね」

「な、なんですか!! なにかする気ですか!!」

「ナニっか、そうだね、ナニかするよ」

 

 僕は引きつった顔で

 

「な、なにですかね…」

「うん、今から君を抱こうと思ってさ」

「だ、抱きしめるってことですか」

「違う、違うそうじゃないよ」

「……というと?」

「ほらあれだよSEXだよね」

 

 ……この人は何を言っててそして目が腐っているのだろうか。

 

「……僕は男ですよ」

「そう、男の子だね。でもそれが良いんだよ」

「……NAZE」

 

 クエスチョンマークしか出てこない。それは男で良いってどういうことだってばよ。するとアキラ先生は手を広げ話し始めた。

 

「ボクは男の子が大好きなんだ!! 特にキミみたいな子がね。キミを抱きたい。どんな泣き声なんだろう。喘ぎ声はなんだろう。想像しただけでボクのが収まらないよ」

 

 やべえ。やべえヤツだったよ。先生はネクタイをとり上着の上ボタンを開け準備を始めた。ヤバい、誰でも良いから助けてぇえええ。そしたら扉がおもいっきり開いた。現れたのは彼女達だ。

 

「み、みんな」

 

 それにも笑顔を崩さない先生は彼女たちに

 

「おやおや、捕らわれのプリンスでも助けにきたのかな?」

 

 うわぁ、僕ダサいな。それでも助かった。安心していると紫苑が

 

「違うわよぉ、見学に来たのよ」

 

 核爆弾を放り投げた。紫苑は続ける。

 

「こんな時しか聞けないのよねぇ。喘ぎ声とかぁ」

 

 他の人達も頷いていた。

 

「悠希君の出す精液はどんなニオイかな」

  

 ちょっと、あや。女の子がそんなことを言うんじゃありません。

 

「……色んな事で汚れた手も好きよ」

 

 いや、鈴さん。そんな事で安心出来るわけないでしょう。

 

「おぬしの処女の血が舐めたいぞ」

 

 玲奈、僕の貞操の危機をそんな風に見ているのですか。僕は悲しいです。

 

「私は生足が見たい!!」

 

 あんたのすがすがしさにはもはや脱帽でだよ。

 五人は僕のことを助ける気がない。そして今にも襲いかかりそうな先生がいます。もうこれは僕は最後の手段を出すしかない。

 

「みんな、聞いてくれ!!」

 

 その場に居た全員が止まってこちらに注目していた。

 

「あや、助けてくれたら僕が上半身裸になって抱きついてあげる」

 

 あやはピクリと反応した。この調子で他の人達にも問いかけるしかあるまい。背に腹は変えられぬ。

 

「鈴、お前が言っていたアレ、喜んでやるよ。玲奈は僕の血を600ml抜いてそれでケーキ作ろうよ」

 

 鈴と玲奈も僕の言葉に反応している。残り二人だ。

 

「沙織先輩、先輩が望んでいた黒タイツを履きます。それで先輩を踏みますから。紫苑、前に言っていた赤ちゃん言葉で色んな台詞を喋るから」

 

 もう僕は必死であった。

 

「何でもするから助けてぇええええ」

 

 すると沙織先輩が先生に近づきおもいっきり股間を蹴り上げた。先生は思わずうめき声をあげた

 

「うっ!?」

 

 倒れる瞬間、玲奈の強烈なアッパーが炸裂した。その後は反抗する気を与えないよう殴る蹴るなどをしていた。その間に僕の前にあやと鈴と立っていた。頃合いをみて紫苑が先生に近づき

 

「これ以上悠希くんに近づきのであれば社会的にも抹殺しますよぉ」

 

 先生はボロボロになりながら

 

「ふっ、ふふっ。それは困るな。ちゃんと先生になって好みの子を犯せなくなっちゃうな」

 

 僕的にはこの人の野望はここでついえてほしいです。

 

「仕方ない。悠希クンは諦めるよ。今後は襲おうとはしないよ」

「本当ですかぁ?」

「もちろん。なんなら誓約書でも書いても良いよ」

 

 紫苑は誓約書を書かせることにしたみたいだ。と、とりあえずは助かったかな。ホッとしているとニコニコ笑いながら五人が僕に近づいてきた。

 

「あ、ありが……」

「さっきの言葉。約束だからね」

「えっ!?」

「……言ってたじゃない。何でもするって」

「本当に楽しみじゃな」

「すぐに買ってくるからな」

「赤ちゃん言葉。楽しみねぇ」

「……了解です」

 

 僕はうなだれているが、彼女たちは満面の笑みであった。かくして僕はアキラ先生に犯されずにすむことになった。助かったのを引き換えやらなければいけない五つ出来たのだ。

 あやに僕が上半身裸になって抱きつくこと。鈴のアレをアレすること。玲奈の為600mlの血を抜きケーキを作ること。黒タイツを履いて沙織先輩を踏むこと。紫苑と赤ちゃん言葉で話すこと。……へへ、考えただけで辛くて涙が出るぜ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。