とある少女の救済神話 【完結】   作:カリーシュ

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表ルート:第4話

sideほむら

 

巴マミの生存(?)が確認出来た翌日、放課後。

 

イレギュラーの存在による、大幅な過去のループとズレた部分を確認するため、まどかをストーキング尾行する。

 

美樹さやかが魔法少女になってしまったのは、かなり痛い。

もしまどかが、このまま魔法少女になるようなことになれば……っ!!

 

「……もうこうなったら、近寄るインキュベーターを片っ端から血祭りに上げるしか無いかしら……」

 

ある程度距離を置きながら、慣れた手つきで米軍基地から死ぬまで借りている双眼鏡を覗く。

 

 

 

 

 

………美樹さやかと一緒に、原っぱへ。

ループ通りなら、美樹さやかは上条恭介のいる病院へ、まどかは美樹さやかと私を協力させようとする。

 

……あ、さやかが離れたわね。

それじゃあ、まどかに会いに行きましょう。

 

 

 

 

 

〜少女移動中〜

 

 

 

 

 

―喫茶店

 

 

………ここにまどかと来るのも……何度目なのかしらね。

 

「―それで、話って何?」

 

「あ、あのね―」

 

次の台詞は、『さやかちゃんとね、仲良くしてあげてほしいの』

……考えてみれば、私ってば同じミスをしてる(さやかの魔法少女化を止めない)のよね。

魔女化する事を考慮すれば、いっそのこと――

 

 

 

「――魔法少女と魔女って、どうやって見分ければいいの?」

 

「…………………ほむ?」

 

魔法少女と魔女の見分け方………

一目瞭然だったから、考えたことも無いわね。

 

「………クトのことかしら?」

 

「うん。 昨日、クトちゃん、マミさんと一緒に私の事を助けてくれたの。

その後、クトちゃんが、さやかちゃんとマミさんと戦って……」

 

「……」

 

巴マミが美樹さやかと共闘?

………てっきり、巴マミはもうあっち側だと思っていたけれど………

 

「……さやかちゃんは負けちゃったんだけど、その後、クトちゃんがさやかちゃんのこと褒めて……

……クトちゃんは、魔法少女なのかな。 それともキュゥべえの言う通り―」

 

「………どうでしょうね」

 

私の考えとしては、彼女は魔女だと思う。 ソウルジェムがあそこまで濁りきった状態で自我を保つのは不可能。

 

……だけど、クトのことを魔法少女だと言えば、まどかのインキュベーターに対する不信感を与える事ができるわ。

 

「……確かめてくるわ。

彼女が、魔女か、魔法少女か」

 

「えっ?! で、出来るの?!」

 

「………えぇ」

 

――方法は、あるにはある。

彼女のソウルジェムを肉体から100メートル以上離して、生命活動が停止すれば、彼女の魂は本物。

 

それから溜まった穢れを移して、彼女のソウルジェムを浄化できれば、確実。

 

………ただ問題は、どうやってソウルジェムを肉体から離すか、ね。

 

バックとかにしまっているならいいけど、文字通り肌身離さず持っていたら、実力行使で奪うのは難しい。

 

………だけど、やるしか無いわね。

イザとなったら、頭部を爆散させればいいわ。

 

「……行ってくるわ」

 

そうと決まれば、急ぎましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………街に繰り出したはいいけれど、アテが無いわね」

 

クトは、今回のループで初めて現れた存在。

当然、行動パターンは把握出来ていない。

 

「……………マミのマンションに張り込めば、チャンスがあるかしら?」

 

……いえ。 私がループしている事さえ知っていたクトなら、おそらく、――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―夜

 

 

「――見つけたわよ、クト」

 

「………よく分かったな、暁美ほむら」

 

やっぱり。

 

美樹さやかの住む家(・・・・・・・・・)を張り込んだら、一発ヒットね。

 

「……あなた、昨日、美樹さやかと戦ったそうね」

 

「あぁ、模擬だけどな。 いいスジしてるよ、アイツ」

 

「………単刀直入に言うわ。 ソウルジェムを貸しなさい」

 

「……………断ったら?」

 

「………………奪うまでよ」

 

盾から、バレットM82を引き抜く。

 

「………アンチマテリアルライフル、か」

 

「流石のあなたでも、コレの弾丸を素手で反らすなんて無理よ。

………ソウルジェムを渡しなさい。 私も、あなたが魔法少女である方がいいのよ」

 

「そうだな。

 

 

 

 

 

 

 

だが、断る」

 

「そう」

 

ドッッゴォンッッッ!!!

 

強烈な反動が身体を突き抜け、放たれた弾丸は――

 

 

 

――クトの頭蓋を、吹き飛ばした。

 

「……魔法少女はソウルジェムさえ無事なら、肉体を幾らでも再生出来るわ。 それこそ、脳だってね」

 

頭部の上半分が消し飛んだ身体のソウルジェムに、手を伸ば――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――悪いね。 コレでも私、『原典』だと核攻撃喰らって平然としている種族なんでね」

 

――伸ばした手を、掴まれた?!

 

「くっ――離しなさい!!」

 

ドッッゴォンッッッ!!! ドッッゴォンッッッ!!! ドッッゴォンッッッ!!!

 

一応ソウルジェムのある上半身を避け、下半身に0距離で12.7×99ミリNATO弾が炸裂する。

 

両足は消し飛び、骨盤は木っ端微塵になり、

 

それでも、掴んだ手が、離れない。

 

「このっ、バケモノ!!」

 

「私がバケモノ……?

違う。私は邪神だ!! ふははははははははははっ!!」

 

「チッ!」

 

バレットを手放し、M29で両腕と、ついでに煩い口を吹き飛ばす。

 

「……っ、これで、やっと――

…………………………え???」

 

自分で生み出した惨劇に、一瞬目を逸らし、改めてソウルジェムを取ろうとしたら――

 

 

 

 

 

 

「………身体が、無い???」

 

よく見れば、血も、脳漿も消えていた。

あるのは、弾痕だけ。

 

 

………考えてみれば、彼女は常にインキュベーターを一体連れていた。

それがいなかったということは、もしかして――

 

「さっきのクトは、ニセモノ………っ!?」

 

 

 

……仕方がないわ。 今夜は諦めて、当初の予定通り、美樹さやかと佐倉杏子の殺し合いの妨害をしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

……間に合う、わよね?

 

 

 

 

 

 

〜少女移動中〜

 

 

 

 

 

 

 

「……こっちね」

 

魔法少女が取り逃した魔女を追う時、あらかじめ把握してある魔力は見分ける事が可能。

そして、慣れれば、その対象を魔法少女にすることも可能。

 

美樹さやかの魔力を追って、裏路地を進んでいく――

 

 

 

 

 

「…? 魔女の結界……?」

 

いつもなら、美樹さやかが使い魔を狩ろうとするのを、佐倉杏子が止めていたのに。

 

 

 

結界の内側に侵入して、状況を確認してみれば、さやかとマミでコンビを組んで、魔女と戦っていた。

 

クトは、いない。

 

 

……それにあの魔女、確か、使い魔の数が特徴で本体は弱かったはず。

 

なのに、やけに使い魔の数が少ない。

 

 

 

……先にクト(誰か)が、あらかじめ使い魔を殺して(環境を整えて)から、初心者に戦わせる――

 

 

「………考え過ぎね。 それより、佐倉杏子を探さないと――」

 

「呼んだかい? もう1人のイレギュラーさんよぉ」

 

――!?!?

 

背後を、取られた―?!

 

「魔女の結界があるから入ってみれば、他の奴に先を越されてるわ、コソコソ隠れてる奴がいるわ………

全く、この街はいつの間にこんなに魔法少女が集中する所になったのかねぇ」

 

「………もう1人の、ということは、会ったのね。

あのバケモノに」

 

「あぁ。 自称魔法少女の羽だけ骸骨野郎だろ?

ワルプルギスの夜の件についても聞いてるぞ。 納得のいく説明があるんだろうな?」

 

「…………………」

 

「……黙りか。 ま、私にとってはどうでもいいことだけどな」

 

「……? 何故かしら?」

 

ワルプルギスの夜クラスの魔女が相手なら、戦力は1人でも多い方がいい。

特に、佐倉杏子程のベテランなら。

 

「だってそうだろ? 割に合わないんだよ。 何人もの魔法少女で奴を斃そうが、落とすグリーフシードの数はたかが知れてる。 魔女を斃した後は奪い合いってか?

それに、ここはアタシの縄張りじゃない。 アレと戦う理由もないんだよ」

 

「…………確かに、正論ね。

なら、私の取り分のグリーフシードを全てあなたに渡すとしたら?」

 

「……なんでそこまでアレに拘る?」

 

「…………………」

 

「……はぁー、また黙りか」

 

―佐倉杏子が、離れていく。

何とかして引き止めないと――でも、どうやって、――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――グリーフシード無しでのソウルジェムの浄化方法、なんてどうだ?」

 

「「っ!?!?」」

 

く――クト?!

 

「……‥…幻影か?」

 

「お、分かるか。 そういや杏子の固有能力は……………改良点だな」

 

「………?」

 

「この身体は、分身ってコト。 ニンニンって奴? 本体はあっち」

 

クト(自称分身)の指差す方を見れば、

ちょうどまどかに寄る使い魔をクト(自称本体)が骨翼で全て叩き潰したところだった。

 

「……なら、さっき私が撃ったのも、」

 

「もちろんニセモノ。 血の匂いがしない時点で気付こうよ」

 

……………そういえばそうね。 うっかりしてたわ。

 

「……おい。 それより、さっき言った事は本当なんだろうな?」

 

「ソウルジェムの話か? 勿論。

情報の公開条件は、『ワルプルギスの夜の撃破』」

 

「……分かったよ。 アタシも参加する」

 

「ドーモ」

 

……………結果として、今回はクトに助けられたわね。

本当に、敵なのか味方なのか、分からない奴n

「じゃ、ほむら! 情報提供ヨロシクゥ!」

 

「………ほむぅ?」

 

「? 私、アレの出現ポイントも攻撃パターンも知らんぞ」

 

……………言いたい事は分かるけど。 言いたい事は分かるけどっ!

私のループについて知ってるくらいなら、そっちの情報についても知ってるでしょう普通?!

 

「『普通』に真っ向から喧嘩売るのが私なんで」

 

「…………顔に出てたかしら?」

 

「そーさねー」

 

 

………あ、結界が消えたわね。

 

 

「作戦会議の場が決まったら知らせてくれよ! んじゃ!」

 

そう言うと、瞬きする間に音もなく消える。

 

「………アイツ、何者だよ?」

 

「………私が聞きたいわよ、そんなの」

 

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