とある少女の救済神話 【完結】   作:カリーシュ

5 / 40
裏ルート:第5話

sideキュゥべえ

 

 

「……もう終わりか、呆気ない」

 

場所は変わって、魔女の結界。

 

グリーフシードの1つが孵化し、その内側に逃げ込んだインキュベーター、おまけに使い魔にまで虐殺の限りを尽くしたクトの、マトモな第一声がそれだった。

 

 

……いやホント、ラリってるじゃないかと思うような奇声発声大爆笑は勿論、

「逃げる淫獣はただの淫獣だ! 逃げない淫獣はよく訓練された淫獣だ!!」とか、

「粉砕☆玉砕☆大・喝・采!!」とか、

「爆殺!! しまーす☆」とか、

「アタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタホワッチャァァァァアアアア!!」とか、

「ヒィヤッッッハァァアァァァァ!! キル!ゼム!!オォォォォォゥル!!!」とか、

「WRYYYYYYYYYYYYYYY!!」とか、

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄、無駄ぁあっ!!」とか、

「野郎オブクラッシャァァァァァア!!」とか。 他にもあるけど割愛。

 

そんなこんなで、追加で孵化した魔女に関しても、結界を張る隙すら与えず撲殺していた。

 

 

 

 

 

………もう全部キミ1人で良いんじゃないかな?

 

「……キミの戦闘能力に文句は無いけど、魔法少女なんだから魔法を使おうよ」

 

「え? 使ってるよ?」

 

「………本当に? 魔法(物理)は無しだよ」

 

「…………」バッ

 

全力で目を逸らされた。 キミの中で魔法ってどんなイメージなのかな?

 

「さ、さーて結界のヌシでもシバきに行くかね!」

 

「あからさまに話題をそらせたね」

 

「気にするな!」

 

「もうそれ何回目だい? いい加減飽きたよ」

 

「(・ω・)」ショボン

 

「無駄に器用だね?! どうやって発音したのさ?!」

 

「ε-( ´▽`)へ」フッ、ヤレヤレ

 

「殴りたいこのドヤ顔!!」

 

尻尾で叩いたらアッサリ吹っ飛んでった。 戦闘力乱高下し過ぎじゃないかな!?

 

 

 

 

 

閑話休題(そんなこんなで)

 

 

 

 

 

それだけ強いから、道中襲ってくる使い魔やら狩り損ねのインキュベーターを問題も躊躇いも無く撲殺しながら、テクテクと結界の最深部まで進んでいく。

 

「そーいやキュゥべえさ、一応同族の連中片っ端からブラッドフィーバーしてんだけど、止めないの?」

 

「ブラッド…ああ、血祭りね。

……正直、気持ち悪さはある。

ボクらインキュベーターは、多様な環境に適応する為にワザと一部の遺伝子配列を変えてあるとはいえ、星にいる本体のクローンなんだよ」

 

「……無双すんの辞めるか?」

 

クトが、ボクの顔を覗き込んで―心配して、聞いてくる。

 

「……いや、いいんだ。 ノルマが達成されれば、ボクらクローンは処分される。 感情エネルギーに依存するボクらは、魔法少女のシステムが無ければ、飢死する。 どちらにせよ、ボクらの命はとても軽い」

 

「………あんまそういうこと言うなって。 一応どうにかする考えはあるからよ」

 

「……ありがとう。 気持ちは受け取っておくよ」

 

そうこうしているうちに、魔女のいる場所まで辿り着く。

 

見上げれば、縫いぐるみのようなソレが、こちらを見下ろしていた。

 

「――さて、さて。

切り替えていきますかぁ!!」

 

ギチィィィッッ!! と、クトの両手に恐ろしい程の力が込められているのを確認して、慌てて飛び降りる。

 

 

 

 

 

直後―

 

 

 

 

 

魔女が、地面に叩きつけられてバウンドした。

 

 

 

「………相変わらず規格外だね」

 

「ファッヒャッヒャヒャッヒェッホォォォォォォォウウウウウウwwwww!!!

クトちゃんオリジナルぅ!! 必殺!! ルナティックリバーススラムゥゥゥゥゥ!!!」

 

跳ね返ってきた魔女を再度殴り飛ばし、今度は壁に叩きつける。

 

跳ね返る。 逆の壁に叩きつける。

 

跳ね返る。 天井に叩きつける。

 

跳ね返る。 別方向の壁に叩きつける。

 

跳ね返る。 漂っていた巨大なお菓子に叩きつける。

 

 

 

……途中無理矢理脱皮させて本体をフルボッコにする等、この一方的かつ徹底的な蹂躙は、魔女の空間に存在するもの全て(ボクとクトを除く)を破壊するまで続いた。 きっとこういうのを、いとも容易く行われるエゲツない行為って言うんだろうな。

 

「ちっがぁぁぁう! 特に理由も無い暇を持て余した神の遊び(暴力)がシャルロッテを襲う!! が正解じゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

「どーでもいいよぉぉぉぉぉぉぉおお!?!」

 

 

―ズドォォォォォォオオォォオォオオオン!!

 

 

トドメに頭頂部(多分) が殴られ、地面に派手に叩きつけられる。

 

 

それと同時に、クトによる暴力の音が止んだからか、魔女の空間の外側から複数の人間の足音が聞こえる。

 

メンバーは……暁美ほむら、巴マミ、鹿目まどか、美樹さやか、インキュベーター。

 

そんな5人組を見たクトの感想は、

 

「―あり? お揃い……って訳でも無いけど、どうした?」

 

―と、想像していたより普通だった。 絶対嬉々として襲いかかると思ってたのに。

 

『オイ待て酷くね?』

 

『アレ? キミ、テレパシー使えたの?』

 

『ノリと勢いで。 それより、ちょっち隠れてな。 ほむほむ除く3名の殺気パネェ。 道中の愉快なオブジェがお気に召さなかったらしい。 オマケに嫌な予感もする』

 

『……あー、ハイハイ』

 

魔女(過去形)に隠れて、様子を伺うことにする。

 

……アレ? この挽肉魔女、ギリギリで生きてるね。 手加減上手だこと。

 

 

「……えっと、そこの貴女? これはどういうことかしら?」

 

頬を引きつらせながら、マミがクトに問う。

……まあ、気持ちは良く分かるけど。

 

「………私にもことの顛末が教えてくれないかしら?」

 

次いで、警戒心MAXの暁美ほむらも話しかける。

 

「お? ほむらちゃん、久しぶり。 ことの顛末っつても、私も成り行きでこうなったんだけど………」

 

訳が分からないと肩を竦めるクト。 確信犯の間違いだろう。

 

「実は―

「マミ! ほむら! そいつの言葉に耳を貸しちゃ駄目だ!!」

……淫獣、まだ生き残っとったんかい」

 

彼女たちと行動を共にしていたインキュベーターが声をはりあげる。

 

……ここまで来れば、クトの感じた『嫌な予感』を、ボクも感じ取れる。

 

「……キュゥべえ? それって、どういう―」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―彼女は魔女(・・・・・)だ! 胸元のグリーフシード(・・・・・・・)を見て!!」

 

 

「「「「なっ!?」」」」

「………ファッ?」

 

思い出してみる。

 

 

彼女のソウルジェムは真っ黒け。

 

 

濁ったソウルジェムは、形状もグリーフシードに似てくる。

 

 

さらに言えば、クトの今の格好は、インキュベーター、使い魔、魔女の返り血で真っ赤っか。

 

 

 

結論。

 

確かに魔女に見えなくもない。 と言うかヒト型の魔女が居たら、間違い無くあんなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―騙したわね!?」

 

「―さっさと斃させて貰うわよ!!」

 

「ゑゑゑ!?」

 

リボルバーの銃口2つに、大量のマスケット銃を向けられ、流石のクトも驚く。

 

ドォンドォンドォンドォンドォンドォン!!

ドッグォォォォォォォン!!

 

「ちょ、お待ち、ノォォォォォォォ?!?」

 

即発砲。 44マグナム弾と魔力弾が雨霰とクトに降り注ぐ。

 

「っおい待てほむらぁ?! マミは兎も角、そっちまでインキュベーターの台詞をさらっと信じんのかよ?!?」

 

「うるさい! 最初から怪しいと思っていたのよ!!」

 

「デスヨネーコンチキショー!!」

 

弾幕の嵐をひたすら避け続ける。

そりゃもう、後ろに目が付いてるんじゃないかっていう程避ける。

 

「っさっさと当たりなさい! 貴女に勝ち目は無いわ!」

 

「だが断る!! そもそもこの程度の密度の弾幕に当たっとったら恥ずくてウチの妹に会えんわぁ!! リアル弾幕ごっこ経験者舐めんなよーギラスっっ!?!?」

 

言ったそばから弾が直撃する。

ヒトは今みたいなのをフラグと言うのか。

 

「えっと、ほむらちゃん? 今の人?話しかけてたけど、良かったの?」

 

「……それは、」

 

「気にすることは無いさ。 おそらくあの魔女は、そうやって油断を誘って不意打ちするのが目的だろう」

 

「いやアンタが言うなよ淫獣」

 

インキュベーターの解説に、ロングコートの少女がツッコ―

 

「「―なっ?!?!」」

 

「へーいお嬢さんs、今ブッ放すと中々に悲惨なことになるぜ痛い痛い?!」

 

「このっ、離れろっ!!」ドコドコ

 

いつの間にか復帰したクトが美樹さやかの隣に立って腕に絡みついていた。 で、当然バットで殴られていた。

 

「さやかさん!? 今助けるわ!」

 

「早めにお願いしますコイツマジで離れない!! 蛸か何かか!?」ゲシゲシ

 

「……え? なしてバレたし??」

 

「……はぇ?? 蛸?」

 

「イエス! アイム、オクトパース!!」

 

「…………ごめんね、ちょっと頭叩き過ぎたみたい」

 

「ちょっと待てその憐れむ様な視線は何?!?! なんか心にクルものがあるんですケド?!?!」

 

 

 

 

 

 

 

「―いい加減にしなさい!!」

 

ドゥンッッ!

 

さやかがツッコミ、クトは絡みつき、マミがリボンで引っ張る、gdgdになった場に、1発の銃声が響く。

 

「今度はなんじゃい? 私は今ピッチピチのJC(女子中学生)の柔肌を堪能するのに忙s

「離れろ変態っ!?」

ありがとうございますっ!?!」

 

今度はバットがアッパー気味にアゴにキマり 、流石のクトも吹っ飛んだ。

すかさずマミがリボンで拘束、口径が完全に大砲のソレと無反動砲の砲門が突きつけられる。

 

「……何か言い残すことは?」

 

「君たちは騙されている。 具体的には私は魔女じゃ無いっ」

 

「処刑することには変わら無いわよ女の敵」

 

「詰んだっっ!?!? 待て、話をしよう! 話せば分k

「『ティロ・フィナーレ』!!」

「死に晒しなさい」

ぃやな感じいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ………―」

 

魔法少女2人による大火力の攻撃で、空の彼方まで吹き飛ばされていくクト。

ご丁寧に、フェードアウトして逝った場所には、1つの星が煌いた。

 

 

……………

 

 

『おーい、無事かい?』

 

『割と』

 

予想通り、アッサリ答えが返ってくる。

マミの最高火力に平然と耐えてることに今更ながら軽く驚きながら、魔女の影から状況を窺う。

 

マミたちは何時までも解除されない結界に警戒して、ほむらは何やら考え込んでいる。

 

「……魔女は斃したのに、どうして―」

 

「さっきの魔女がまだ生きているか――別の魔女に結界を張らせているか、ね」

 

……クトが普通に魔女扱いされているね。 どちらかと言えば、確かに魔女に似ているけども。

 

『――キュゥべえ、聞こえるー?』

 

『今度は何だい?』

 

『丸くなっといてー。 言い直せば対ショック姿勢ー』

 

『?』

 

取り敢えず、言われた通りに丸くなる。

 

 

次の瞬間、

 

 

()()()()()()()()()()()が、

 

「―巴マミっ! 魔女の残骸の注意しなさ―」

 

 

 

 

 

「――え?」

 

グチャァッッ!!

 

 

 

―巴マミを、頭から丸呑みにした。

 

 

同時に、パァンっっと言う音と共に結界が消えたと思うと、手が死角からボクの身体を掬い上げて、急激なGがのしかかってくる。

 

「―キュぶっっ?!?!」

 

Gに押し潰されないようしながら、視線を上げていくと―

 

気絶した巴マミ(・・・)を担いだクトが、骨翼と自在に動くマフラーで、まるでトンボの様に空中を駆けていた。

――って、

 

「巴マミ?! ど、どうして―」

 

「んなもん私が回収したからに決まってんジャン!」

 

「でもさっき魔女に呑まれてたよね?!」

 

「その辺の説明は後でする! 遠視出来そうな淫獣()は潰しておいたとはいえ、ほむほむとガチの追いかけっこは分が悪過ぎる!」

 

翼が2対あることで、スピードを維持したままの方向転換を連発するクト。

 

ふと見上げた空は、いつの間にか暗くなっていて、

 

 

 

あまりの超スピードに、全ての星が流れ星に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オロロロロロロロ」

 

「前フリ無しでキュゥべえが汚い虹作った?!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。