翌日、文月学園の校舎3Fは肝試しの為の改装作業で大いに賑わっていた
『おーい!誰かそこの釘をとってくれー!』
『暗幕足りないぞ!体育館からひっぺがしてこい!』
『ねぇ、ここの装飾って涸れ井戸だけでいいのー?』
「これはまた凄い光景じゃのう・・・」
「坂本が西村先生の補習をサボる為に本気で手を回してやがったからなー」
「本当にこういうときの悪知恵がすごいよ・・」
今いるAクラスの教室も含め、肝試しに使う教室はA~F、二学年全教室だ。折角やるなら、広さがあり涼しさを演出できる教室を、という理由で他クラスも使うことを明久が提案したのだが、まさか本当に教室を使えるとは・・・恐ろしい
「まぁ私たちも同じ歳の高校生だし、勉強ばかりでは息が詰まるわ。それに、期末試験も終わったばかりだし、渡りに船って感じよ!」
「そりゃそっか。遊びより勉強が好きな高校生なんてそうそういないよね」
「まぁ世の中にはいろんなヤツがいるからな。もしかしたらそういうヤツもいるかもしれないぞ」
「確かにそれはあり得そう」
「わ、私はできれば、肝試しよりお勉強の方が・・・」
隣にいる姫路とかそういうパターンだね。すると、ジャイアンが僕に思い出した様に聞いてきた
「しかし、お前も大丈夫なのか?肝試し駄目だっただろ?」
「え?のび太君はそういうの駄目なの?」
「あっ三上さん。否定はしないけど。今は大丈夫なはず」
「そ、そう?(うぅ、私も本当は怖いの苦手だけど、こういうのは楽しまないと!)」
そういえば、僕は様々な冒険していて危ないこともたくさんしていたなー。・・・あれ?よく考えたら宇宙で戦ったりもしてるから、宇宙での怖さの感覚だけ麻痺してる?
「きゃぁあああっ!」
「いやぁあああっ!」
「みぎゃぁああっ!」
突如、明久、島田、姫路の叫び声が。ビックリした。目を向けると、島田が明久に抱きついていた。何があったんだ?
「ご、ごめん美波・・・冗談だから、離れてくれないかな・・・?」
明久がいびつに微笑みながら島田に言う。なんか辛そうだが、島田がまたダメージを与えているんだろう
「う、うそ・・・・!だって、ウチには聞こえてくるもの・・・!『呪います、殺します』って・・・!」
あぁ、それは・・・
「吉井明久・・・!お姉様と抱き合うなんて、どこまでも憎らしい男です・・・!呪います・・!殺します・・・!」
清水さんが影で殺気だしながら睨んでいた。明久が島田に抱き着かれているのが呪い殺したいほど妬ましいのだろうね
「はぁ・・・美春」
「はい!美子お姉様!!」
三上さんに呼ばれて清水さんが此方に駆け寄ってきた。速い・・・
「いくら好きな人取られたからってそういうのは駄目よ?」
「で、ですが・・・」
「やりすぎは嫌われるからきちんと気を付けなさい」
「はいです・・・」
三上さんが優しくお説教していると清水さんは反省をしていた。きちんと人の話は聞いてくれるいい子なんだけどな・・・
「あっ、美春?少しだけ私とのび太君と剛田君は席はずすね?」
「?何故ですか?」
「西村先生にこの紙を渡さないといけないんだ」
「何故でお兄様やお姉様が?」
「ふっ・・・明久や坂本が行ってもあいつら学園でマークされてるからな。それに奴らが何かやらかしたりする危険があるから大事な資料を二人に任せて行ってもらうことになった」
「なるほど・・・。あれ?ですが何故あなたも?」
「ふっ・・俺は反省文の提出だ。はぁ・・・」
「すごく悲哀が出てますね・・・美春も流石に同情します」
そう。この間の脱走たくらんでいたメンバーは全員今週一杯に出すようにと言いつけられている
「美春もやり過ぎないように気を付けてね?」
「作業抜けるけど頼める?」
「勿論です!美春が3人の分までやります!!」
「じゃあ悪いけど抜けるな?」
後の事を清水さん達に任せて僕らは、西村先生に大事な資料とジャイアンの提出も済ましたのだ。尚、ジャイアンは西村先生の軽いお説教プラス拳骨もついでに喰らっていた
「今さらだけど明久達がきちんと提出すると思えない。しても、拳骨食らう未来しか見えない・・・」
「そうね」
「確かに・・・」
「「「はぁ・・・」」」
ため息つきながら大丈夫かなーと思いつつも、僕らは教室に帰った。彼らは本当に大丈夫かな・・・
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!次回も宜しくお願いします!