《はぁ、姫路さんだと思ったら雄二だったなんて不幸だ・・・》
《それは俺に対して喧嘩売ってるんだな?後、いつまで手を握ってやがる?気色悪いわ》
《あぁ、ごめんごめん・・》
雄二に言われて明久は慌てて手を引っ込めた。全く・・・何してるんだか・・・
《雄二は姫路さん見なかった?》
《いや見ていないな》
雄二はシラを切るが、恐らく三年生の作戦は気づいてるはず
「でも、どうやって入れ替わったのかしら?」
「多分、今から雄二が説明してくれるよ」
正確には、何も解っていないであろう、明久に説明してあげるはずだ
《じゃあ雄二、そういうことで。僕は先を急ぐから》
《待て明久》
《なに?僕急いでいるんだけど》
《姫路を捜すのなら、無駄だと思うぞ》
《え?なんで?》
やっぱり気づいてなかったみたい・・・。雄二が仕方なくな感じで説明していた
《やれやれ・・・よーくきけよ?簡単に言えばあいつらに嵌められらたということだ》
《???》
残念。明久は理解できてないみたい・・・
《今頃、姫路は翔子と合流しているはずだ。そろそろ悲鳴が聞こえてくるかもしれないな》
《姫路さんが霧島さんと合流して悲鳴?どういうことさ》
《向こうの翔子対策だな。滅多なことじゃびびらない。テストの点数もかなり高い。そんなアイツを失格にさせたかったから本人じゃなくてパートナーを狙う。但し、そのパートナーも俺だから悲鳴をあげない。そこで、組み合わせを入れ替えたってワケだ》
《え?じゃあ向こうは霧島さんと姫路さんを組み合わせるのを狙っていたってこと?》
《いや、別に姫路狙いってわけじゃないだろ。悲鳴をあげてくれそうなやつなら誰でも良かったんじゃないか?》
《俺たちが来る前にも何組かは迷路をぐるぐる回っていただろ?あれは恐らく、失格にできなかったんじゃなくて、しなかったんだろうな》
《それって、霧島さんとペアにさせる為に?》
《ああ。向こうはこっちの数も人員もある程度把握しているからな。俺と翔子が最後に来ると予想して、敢えて入れ替え用のペアを何組か残しておいたんだろ》
モニターでジャイアンとスネ夫も自身の考えができたのか意見を出していた
「なるほど。途中で雄二と霧島が突入するのなら、迷路で迷わせている間に後から入ってきた方と入れ替えればいい」
「しかし、最後に来るとなったらそうはいかない。だから、敢えて何組かを生き残らせておいた、ということだな?」
そう言うこと・・・
《でもそれだと、不確定な要素多いのでは?組み合わせを替えさせるためにはまず相手を分断しないといけないでしょ?そんなタイミングが都合良く来るかな?》
《その為の迷路だ。突然壁を作って道を造り替えることといい、通路を壊すなっていうルールブックといい、向こうにとって都合の良い状況が成立するまではゴールに至る道が隠されている、なんてことは充分に考えられる》
《うわ、卑怯・・》
しかしこれでみんなも理解してくれたみたいだ。
「自分たちに都合の良い状況になるまでずっと迷わせておくつもりじゃった、ということかの?」
「吉井君と瑞希が離れているときに照明が消えたのも偶然ではなく、向こうは分断できる時を狙っていたと・・・」
「まぁ、雄二は常に霧島と距離をとっていたから三年側もやりやすかっただろうね」
《でも何でのび太達の時はそれをしなかったんだろう?》
《まぁ恐らく情報収集のためだろうが・・・自分達が強いと見せたかったんだろうな》
モニターで見ていた皆はその三年の作戦に呆れながら評価していた
「本当に意地が汚いな」
「そうね。学園祭の決勝であの二人の先輩が負けた理由も分かったわ」
「宏美もみていたんだ」
「でも・・・」
スネ夫が続きを言う前に明久が軽くここにいない先輩達に対してぼやいていた
《予想よりものび太達に削られて》
《先輩たちは予定を狂わされて、情けもかけられたらそれはかなりの屈辱だろうな。まぁ常夏の小物は仕方ないがな》
明久たちの話を聞いて、葵さんまでクスクス笑ってる
《まぁ、そんなわけで俺たちはヤツらの思惑に見事はめられたってわけだ》
《そっか・・・って雄二。なんだからしくないね?》
《ん?そうか?》
《うん。だって、いつもの雄二なら相手の作戦にはまったらすぐに何か対策を練るじゃないか》
《ああ、そういやそうだな》
いつもなら、こうやって相手の作戦にはまったことをただ説明しているのはおかしいが、今は状況が違う
《いつもなら対策できていたのにどうしたの?どうして悔しがったり対策を練ったりしないのさ》
《もう目的は果たしたからな》
《目的?》
《ああ。そもそもこの勝負を始めた理由は鉄人の補習から逃れるためだ。勝敗に関わらずこのイベントが成立した時点で俺にしてみりゃ充分だったってことだ》
《あ、そういうことね》
《まぁ、あの連中に負けるのは癪に障るし、片付けなんて面倒なものは出来る限りやりたくなかったからそれなりに頑張ってはみたけどな》
「以下にも雄二らしい考えだな」
「西村先生の嫌がらせからは逃れられたし、バツゲームもたかが体育祭の準備だ。あのFクラスでの真夏の鉄拳補習に比べれば天国だろうな」
「でも、西村先生の事だからどこかに補習を入れそうね」
「・・・勝っても負けても同じ」
「しいて差を挙げるとすれば、明久らの言葉を借りるなら常夏コンビに負けるのが癪に障るくらいってことだね」
《そもそも、これは元々肝試しっていう遊びのイベントだ。ムキになってやるもんでもないだろう》
ルール決めとか結構本気で考えてるように見えたのは気のせいかな?
《それ負け惜しみじゃない?》
《ぐっ・・・明久の癖に・・一応、俺とお前でこの状況を打破できる作戦もあるにはあるが・・・》
《え?そうなの?》
《その作戦は重要な部分を全部お前に任せないとならない上に、俺が常夏にいいように言われるから気に入らないんだよな》
《なるほど。僕一人が活躍することが妬ましいわけだね》
《お前がきっちり仕事をこなせるかが不安なんだよ》
雄二がつまらなそうに吐き捨てる
「ねぇ・・・もしかって坂本くんはわざと引っ掛かったのかしら?」
「ま、まさかそんなことはありえぬはずじゃ・・・」
「多分三上さんの考えがあってるよ」
じゃなかったらこんな状況になってない
「しかし距離をとる理由は・・・」
「あるよ?恐らく霧島さん関係」
普段の雄二と霧島さんを見ていたら、雄二がワザと引っ掛かったのも仕方がない気がしたのだろう。モニターでは明久が同じことを雄二に問い詰めていた
《キサマ・・・霧島さんから逃れるためにわざと向こうの手に引っ掛かったな?》
《何を言うんだ明久。流石は三年生。見事な作戦じゃないか。こんな頭脳プレイをされたら、Fクラスの俺たちじゃ太刀打ちできなくても仕方がないだろう?》
《・・・本音を言おうか?》
《・・・・あいつと二人でお化け屋敷にいるとなぜか釘バットで襲われる恐怖が蘇るんだ》
え・・・・?いったい何があったの?
《雄二は実は幽霊が怖いの??》
《バカいえ、幽霊や妖怪なんざ、ちっとも怖くねぇ》
《あ。向こうの角に霧島さんが》
《く?!!間に合え明久バリアー・・・!》
なるほど。大体は分かった
《細かいことを気にするなシール――明久》
《キサマ!今僕のことをシールドって言いそうになっただろう・・・!》
にしてもおかしいな・・・雄二も気づいたのか考える素振りをしていた
《可笑しいって雄二の頭と性格?》
《どつくぞ?俺が言っているのは、未だに姫路の悲鳴が聞こえてこないのがおかしいってことだ》
《あ。そういえばそうだね》
「言われてみれば、瑞希も霧島さんも・・・」
「瑞希は怖がりだから心配だけど」
三上さんの言葉に島田が同意していた。・・なんか島田久しぶりに発言したような気が・・・
「どちらにしても霧島さんと瑞希を信じましょう?」
そう・・・僕らは二人を信じるのみ・・・
だけどこの二人は喧嘩してアウトならないか心配だよ・・・
ここまで読んでくださいましてありがとうございます!次回も宜しくお願いします!