バカとのび太の召喚獣   作:絆と愛に飢えるシリアス

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マウンドの最強の狩人

苦しんでいる須川と変態先輩一号が搬送されるのを横目でみて、僕はとりあえず御愁傷様としか思って仕方がなかった。3-Aは代走の先輩を1人だし、2-Fは負傷退場した須川に代わりジャイアンがはいることになった

 

審判にはタイムの許可を貰って姫路に駆け寄った

 

「うぅ・・・・失敗しちゃいました・・・・」

 

あの断末魔とのたうち回り具合から見て失敗とかそういう単語で済むそうな出来事ではないだろうけど・・・それに1撃で2人も葬るなって本人も僕らも想像していなかったのだからね

 

「(とりあえずフォローしとこう)今のは気にしなくって良いよ」

 

「でも・・・・」

 

「初めてなんだから失敗して当然さ。だから、今の失敗を修正してもう1度挑戦しよう」

 

「でもこのままだと骨川君にも迷惑が・・・」

 

「僕はキャッチャー経験してるから大丈夫さ。別に迷惑なんてかけて良いんだよ。姫路が何をしようが、僕がフォローするよ。それでも信用してない?」

 

「いえ、そんなことはないですっ!」

 

「じゃあ、できるね?」

 

「はいっ!」

 

良い返事が返ってきたところで自分の持ち場に戻る・・・気合いいれて取ろう!!

 

 

 

僕が戻ると試合は再開した

 

「行きます、骨川君!」

 

「さぁ来い!」

 

先ほどと同じように腕を思いっきり振り上げ―――

 

「え、えいーっ!」

 

―――可愛らしい掛け声でボールを力一杯放った

 

「・・・・え?」

 

ボールの行方を目線を動かして追った

 

 

可愛らしい掛け声から放たれた全く可愛らしくないボールは目にも止まらぬ速さでミットに収まることはなく、ネクストサークルで待機していた3-Aの4番打者に直撃した

 

「イギャァァァァァァァ!?!!」

 

苦しむ断末の叫びを僕らは聞いた。その先輩の初期の点数も不明なまま、4番打者は葬られてしまった

 

「し、審判っ!あれは危険球なんじゃないのかっ!?退場モノだろっ!?」

 

バッターボックスにいる変態先輩二号が血相を変えて主審に抗議をする

 

「変態先輩二号さん。スポーツに事故やアクシデントは付き物ですよ。でも、瑞希のあの姿を見てわざとだと言えますか?」

 

「ほ、本当にごめんなさいっ!私、ピッチャーとか初めてで緊張しちゃって・・・・」

 

「き、きにするな・・・・がぶっ」

 

瑞希は3-Aのベンチまで駆け寄り、深々と頭を下げている。普通にあれを見てわざとだと思うのはよっぽどのひねくれ者だと思う

 

「ふざけるな!?故意じゃないとしても許されないことってもんがあるだろうがっ!」

 

「許されないこと・・・ね・・・」

 

僕は胸ぐら掴んでにらんでくる先輩に対して

 

「っいてぇ・・・!?」

 

「許されないことはそちらが先にしていたではないですか?」

 

「こいつ・・・!」

 

「そもそも、のび太が怒っていて僕らが怒ってないとでも・・・?変態先輩Wは明久達にひどいことをいったことも聞いてるし・・・人様の知り合いに痴漢していたことも知ってる」

 

「ぐぐ・・・」

 

「何より・・・僕の親友にデッドボール当てたときのヘラヘラした二人がそんな言葉をいっても説得力はないんですよ・・・?」

 

それだけを言ってからパッと手を離す

 

「で、先生。苦手でも努力して一生懸命クラス行事に参加する女子生徒と、このどうしようもない禿げた男子生徒。先生ならどっちを応援しますか?」

 

「プレイッ!」

 

「審判っ!?」

 

審判を任されている先生は、即決で試合続行の合図を出した

 

「うぅ・・・・難しいです。もっと力を込めたら上手くいくんでしょうか・・・・?」

 

マウンドから姫路の落ち込んだ声が聞こえた。制球力はないのは仕方がない

 

「今度こそ骨川君のところへっ!」

 

「ひぃぃーっ!」

 

バットを放り投げて頭を抱えてうずくまるハゲ先輩に対して、こちら動じずにキャッチャーミットを構える

 

「よっと」

 

ーーボール!

 

その剛速球は変態先輩二号の頭上を通過。そのボールに飛びついてキャッチャーミットに収めた

 

「おい!?あんなピッチャー交代させろ!?」

 

「いやいや、なにいってるのですか?きちんとキャッチャーミットに収まっているでしょう?」

 

「そういう問題じゃねぇだろっ!坂本っ!」

 

僕では話にならないと判断したのか、クラス代表の坂本に交渉相手を変更したが・・・坂本はあくどい顔で笑っていた

 

「何を言うんだ先輩。徐々に狙いがシャープになってきてるだろ。その証拠がキャッチャーミットに収まっているボールだろ」

 

「確かにキャッチャーミットに収まっているけれど、狙いがキャッチャーミットだとは思えないだろっ!」

 

そんなやり取りを無視して姫路にボールを返す

 

「ボール事態は良いよ?でも、ちゃんとミットを狙おうね。こっちの獲物を狙ってもいいけど、本命の狙いはミットだからね」

 

「おい!?獲物ってなんだ?!今、何の躊躇いもなく人のことを獲物って言っただろっ!?」

 

「言っていないですよ。獲物は大人しくそこで突っ立ててください」

 

「今まさに言ってるからなっ!明らかに俺だよな!?」

 

「獲物はおとなしく立ってください。そしてうるさいです。変態獲物先輩二号」

 

「お前さらりと毒吐くなよ!?最初から狙っていたな!?」

 

僕が狙っていたわけではないけどね・・・

 

「そんなことよりきますよ?」

 

「!?」

 

「行きます!」

 

「思いきり投げなよ!」

 

大きく腕を振りかぶり、目線をミットから離さない。根拠はないのだけれど、どこかいけそうな予感はする

 

そのまま腕を思いっきり振り切ろうとした・・・・時だった

 

「へくち」

 

「・・・え?」

 

姫路の可愛らしいくしゃみが聞こえたと共に召喚獣はさっきまでまともだったフォームを急に崩した

 

そこから放たれたボールは、全力で、大威力のありそうな剛速球は・・・

 

ゴォォン!!

 

そんな剛速球が変態先輩二号の頭部に直撃した

 

「あががが・・・」

 

化学

Aクラス

夏川俊平 DEAD

 VS

Fクラス

姫路瑞希 437点

 

まぁそうなるよね・・・・

 

 

さて今回の召喚獣野球大会のルールに“登録メンバー以外の介入は一切認めない”というのがあった。つまり現在の3-Aには交代要員がいない

 

審判は、交代要員がいないのなら補充試験を受けてから試合に加わることを許可したけれど、それはただ単に瑞希のデットボールを喰らうためだけに試験を受けて来いと言っているようなものだ

 

 

つまり・・・・

 

「「「3-A、ギブアップします!!!!」」」

 

こうなるのよね・・・まぁ、因果応報だから変態先輩Wは同情しないけどね

 

まぁ姫路の今回はきっと“マウンドの天然狩人”として伝説になるだろうね・・・・

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!次回も宜しくお願いします!
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