バカとのび太の召喚獣   作:絆と愛に飢えるシリアス

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男を見せろ!!

僕がホームランを打った後にそのままいい勢いがこちらに流れるかと思いきやーー

 

ーーストライク!バッターアウト!!

 

6番のムッツリーニが成す術なく三振となったのだ・・・。先生たちがもうこれ以上やられないと決めたのか先程よりも気合い入った投球している

 

7番は明久・・・今は同点だが、ツーアウトでノーランだ・・・。ここで頑張ってほしいところだが・・・

 

「うぅ・・・あんな球を投げられたら打てる気がしないな・・・」

 

ネガティブモードに明久は入っていた。まぁ、あんな気合い入ったピッチングされたら嫌だよね・・・

 

仕方ないとおもい僕は明久に肩を叩いた

 

「のび太・・・?」

 

「気持ちはわかるよ・・・。あんな球投げられたら怖いよね」

 

「うん・・・よくのび太はホームランを打ったね」

 

「自分でも驚きさ。でも・・・もうあんなホームランは難しいと思う」

 

うん・・・本当によく打ったと思うよ。何せ、あれを打つには素人だけじゃなく野球経験でも厳しいよ・・・

 

「だけどね、ここでびびっていたらダメだよ。僕は明久ならできると信じてるよ」

 

「のび太・・・うん!」

 

「だけど明久が三振する落ちにならないか心配だな」

 

僕の後ろにいた雄二が明久に茶々いれていた

 

「む、失礼だな!この試合途中まで全く役立っていなかったバカな雄二にいわれたくない!」

 

「ほぅ・・・明久。賭けをしないか?」

 

「賭け?いいよ。僕がホームランを打ったら僕が雄二を罰ゲームするね?」

 

「いいぞ。その代わり・・・」

 

雄二は指をパキパキならしながら不敵の顔して明久に言った

 

「お前がホームラン打たなかったらと三振したら命はないと思え」

 

「必ずヒット打ちます!!」

 

雄二の言葉を聞いた明久は全力で打席の方に向かった。うん・・・

 

「たち悪いね。わざと気合い入れさせるために言ったのでしょ?」

 

「当たり前だ。あのバカの頭では延長戦でも良いと考えてるが、今のうちの実技に役立つのは剛田と骨川とお前だ。俺らはいくら身体能力がよくっても限界がある」

 

「だから明久の甘い考えを消すためにあぁ言ったんだね」

 

「そうだーーまぁ、罰ゲームは本気でするかもな」

 

最後の言葉は聞かなかったことにしとこう・・・。じゃないとあとが怖い・・・・

 

 

僕はベンチに戻り、ジャイアン達と一緒に座ってみていたが・・・

 

ーーボール!

 

「大島先生が明久に投じた初球、外角を少し外してきたな。先程のび太にホームラン打たれたこともあるからストライクが入らなかったのか、警戒しているのかどっちなんだ?」

 

「恐らく、甘い球を投げるとホームランは明久でも多分打てるはずと考えたからとりあえず初球はそういう形で言ったのだろうね」

 

明久は軽く足元を均し、バットを構える。サインを頷いてから投げた大島先生のボールは、速球で低めの位置に投じられた

 

ーーストライク!

 

明久はバットを振らずに黙って見送った。三球目は初球と同じコースで投げるも明久はバットを振るうことなくボールとカウントされた

 

「これで2-1・・・バッターとしては有利な状況だね」

 

「普通に考えたら、ここはストライクをとりたいから敢えてストライクゾーンを投げるのが一番だけど・・・」

 

ーーボール!

 

「これでスリーボールだが、明久は一回もバットを打っていないよな?まさかと思うがあいつ・・・びびっているのか?」

 

「いや、もしかったらビビってるのではなくこれは打って良いのか迷ってる可能性があるよね」

 

「時には心理戦だけど、そんなの明久には厳しいと思う・・・」

 

「だな・・・」

 

そう話してると今度はカウントはストライクをとられた。明久・・・何してるのさ!!

 

僕が明久に激をいれようと思って立ち上がろうとしたら

 

「しっかりしろ、明久!」

 

「雄二?」

 

「いいか、明久!クサイところはカットしていけ!」

 

雄二の言葉に明久はヘルメットの鍔を掴んで答え、バットを短く握り直した

 

続く6球目を大島先生が投げるとーー

 

ーーファール!

 

打球は1塁線の脇を転がっていった。ここに来てはじめて明久はバットを振った。そして続く7球目もファールとなり打球はキャッチャーの後ろに飛んでいった。

 

スイングはさっきと同じような当てるだけのスイングだった

 

「明久君・・・」

 

「アキ・・」

 

姫路と島田が祈るように握っていた。頑張れ・・・明久!

 

 

8球目、9球目も同じようなスイングでファールとした10球目ーーー

 

ーーーボール!ファボール!

 

10球目にして大島先生の集中力が切れ、コントロールの乱れたボールは鉄人の手前でワンバウンドした

 

「我慢比べ・・・明久が勝ったんだ・・・」

 

「雄二!!打てよ!」

 

「あぁ・・・」

 

雄二は小さく答えてバッターボックスにたった。何でかな・・・さっきまでの雄二と比べると安心感があるね・・・

 

君が決めろよ、雄二!!

 

 

 

 

雄二side

 

俺はのび太の声に答えてバッターボックスに向かって軽くバットを振った

 

「ふぅ・・・」

 

何でだろうな・・不思議と今の俺はどんな球でも打てる気がする・・・

 

ーープレイッ!

 

俺は大島と鉄人のバッテリーを見て最初は打てるのか!?って不安はあったしそれ以前に急遽の最終回に召喚獣なしの試合になったときはどうしたものか頭が回らなかった・・・

 

ーーストライク!

 

「速いな・・・」

 

俺は今の球を打たないで見ていたが速いし、しっかり打たないと厳しいと感じた

 

だけどな・・・・

 

『あぁ・・何度でもいってやるよ。勝つ気がないなら下がれって言ってるんだよ!そんで謝ってこいと言ってるんだよ!』

 

あのやろうに・・・剛田に喝入れられたときに俺は本当に何してるんだと思った。自分の勘違いであいつを泣かしたのは正直口出すのは恥ずかしいが知らなかったとは言え申し訳なかった・・・

 

大島が続く二球目を投げた瞬間ーー今日一速い球が目掛けて放られた。俺は軸足の方へ体重移動をし、身体全体でバットを振る

 

「(これは芯が当たってる・・・!)っらぁぁ!!!」

 

ここで打たなかったらいつ打つんだよ!坂本雄二!!

 

ーーキィンッ!

 

 

快音がグラウンドに響き、低い軌道を描いたボールはセンター前でバウンドした

 

 

 

 

 

 

 

明久side

 

僕は雄二がきちんと打つのか心配だった。だってさっきまで全く役たっていなかった雄二なんだよ?大丈夫かなーって思ってると・・・

 

大島先生が今日一番の速い球を投げた瞬間、僕は走ったのだ。僕が盗塁するなんて向こうは考えていないはず!!!

 

そう思ってるとーー

 

ーーキィンッ!!

 

「っちょ!?(何で打つのさ!?いや、打っていいけどこれアウトになったら恨むよ!?)」

 

うった打球を見ながら走ると低い軌道を描いたボールはセンター前でバウンドした

 

センターの寺井先生がボールを拾うが僕はすでに三塁に向かってすでに走っていた。

 

「明久、ストップじゃ!」

 

3塁コーチャーの秀吉から何かの合図と声の指示が出た。手を下げているけど・・・走れととらえらたらいいのかな?

 

「明久くん!」

「アキ!!」

 

姫路さんと美波の声が聞こえた。これは・・・・

 

「走れっていうことだね!!」

 

「なっ!?」

 

3塁を蹴り、そこから一気に加速したホームまであともう少し!!

 

ボールはセンターの寺井先生から大島先生へ中継が入り、大島先生は素早くキャッチャーの鉄人に送球した

 

「終わりだ!!吉井!!」

 

送球は鉄人の手前でワンバウンドし、グローブに収まる。このままではアウトになる!!鉄人をクロスプレーで潰す?いや返り討ちにされるに決まってる!!

 

そう考えながらも鉄人がしゃがみながらタッチアウトしょうとしていた

 

「(もうだめだ・・・!)」

 

「根性見せろ!明久ぁぁ」

 

「っ・・・ぁぁぁぁ!!」

 

雄二の言葉が聞こえた僕はーーー

 

「なっ?!」

 

鉄人の体を飛び越えたのだ

 

「ぬ・・・させるかぁぁあ!!!」

 

「あぉぁぁぁ!!!」

 

鉄人は無理やり体を捻り僕をタッチしょうとするのと僕は無理やり手をホームに伸ばした。僕らのぶつかり合いは土煙が舞い判決を待った・・・・

 

ほんの数秒で土煙が上がり、全員が息を呑む。そして、審判はこの結果を大きな声でこう告げた

 

 

 

判決は・・・

 

「セーフッ!!!!」

 

鉄人はブロックの体勢を少し崩し、倒れていた。対する僕もぐったりして倒れていた

 

「「「ぃいよっしゃぁあああーっ!!」」」

 

 

Fクラスベンチから歓喜の声が聞こえてきた

 

 

「あぁ・・・・怖かった」

 

「恐れ入ったぞ・・・まさか俺の頭を飛び越えようとしたとはーーやはりバカはなに考えて仕掛けるのかはわかったものではないな」

 

「その方法しかなかったので・・・」

 

何にしても・・・

 

僕らが勝ったんだ!!!鉄人たちのいる教師に!!!

 

 

 

僕は嬉しくなりFクラスの方へ走った。皆にわちゃめちゃされたのはここだけの話だ・・・

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございす!次回も宜しくお願いします!

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