「「いらっしゃいませ~。中華喫茶『ヨーロピアン』へようこそ」」
かくして清涼祭がスタートした。我らFクラスの出し物の喫茶店は男子の何人かに遊ばせるという条件でPRのための広告をさせるよう命じた結果、旧校舎の隅の教室の割にはそれなりに客は入ってきた
「序盤でこれなら順調かな?」
「すまないが、3番テーブルにエビシューマイと烏龍茶の追加じゃ」
「了解。」
「1番テーブルのお客さんに胡麻団子とプーアル茶お願い」
「・・・・了解」
厨房もホールもそれなりに忙しく動いている。因みに僕は今、厨房の手伝いに入っている、
「・・・胡麻団子とプーアル茶」
「あ・・・わかった」
僕はムッツリーニが作った飲茶をもってホールに運んだ時、ある声が聞こえた
「おいおい、まさかFクラスのくせして随分小奇麗にしてんじゃないか?」
「そうだな。仮にも最低クラスで設備最悪のFクラスがここまでやるとはな」
声のほうを見るとそこにはうちの制服を着た二人組が周りに聞こえるような大きな声を出しながら入ってきた。
「なんだ?あの人達は」
見た感じ顔を知ってる連中じゃない。なのに随分と敵対心を持ったような行動だね。何が目的なのかは興味ないけど、少し苛つくな
「見たところ3年生じゃな?しかしなんでこんなところに」
「というより明らか営業妨害目的で入ってきているよな。たかが清涼祭でなにやってんだか」
こうは言ったがそれは一般的な考え方で俺らからすれば大事な仲間一人の命運がかかっているから内心は穏やかではない
「とりあえずオーダーを取ってくるのじゃ」
そういって秀吉はすぐさまそのチンピラみたいな上級生に駆け寄った
そして数分経って戻ってきた
「ウーロン茶と胡麻団子2つずつだそうじゃ」
「わかった。ムッツリーニに報告してくれ。僕はあの先輩たちがなんかしでかさないか見ておく」
「了解じゃ」
そういって秀吉は厨房に入っていった
さて…例の先輩たちの様子としては周りをとりあえず見回しているって状態かな
「しっかしここFクラスはカビが入るぐらい汚い教室なのに飲食店をやっているなんて何考えてんだか」
「そうだな。後・・・おいおいこんなぼろい箱をテーブルにしてんのかよ。衛生面最悪なんじゃないか?」
まずい、今最も見られたくないところを見てしまった。それだけならまだいいが、それを周りのお客さんにもわかるように大きな声で話している
「本当だ・・・大丈夫かよ。」
「いくら学園祭でも衛生面ぐらいはね・・」
この声を聞き流石に危機感しかないな・・・
「迷惑な連中だな」
「どうするのじゃ?このままだと客足が遠のくぞ?」
「う~ん・・・そうだね・・・」
いきなりきついな。原因があのぼろい箱ならそれを変えるしかない。だがそれをどこから?食堂?いや、あそこも確か使われている。もっと個人として使われているところと言えば・・
「秀吉。確か演劇部には劇に使うテーブルとかおいているよな」
「あるにはあるが形も大きさもバラバラなのが2つか3つぐらいしかないぞ」
「この際何でもいい。厨房の連中以外の男子総出で運ばせてくれ。こっちは先輩たちの対処をしてくる」
「わかった。それじゃわしは明久たちを呼び戻してくるのじゃ」
秀吉は駆け足でそれぞれの持ち場に移っていった
「・・・さて」
平静な顔で例の先輩たちの所に駆け寄った
「お?誰だあんた?」
「私はここのクラスの代理で代表しています野比というものです。いかがなさいましたか?」
「どうしたって?こんなテーブルで食事できるかよって言いたいんだよ。」
「すいません。テーブルはこちら側の手違いで到着が遅れておりまして・・・ こちらで代用しました。不快な思いをさせて申し訳ございません」
そういって僕は頭を下げた
「代用しただ?それでもし食中毒起こしたらどうするんだ?」
「そうだぞ。どうするんだ?謝って済む問題じゃないぞ」
ここで怒っては信頼を失う。ムカつく言動についてここは我慢だ・・・うん我慢だ
「申し訳ございません。テーブルが届き次第すぐに入れ替えますので少々お待ちを」
「おいおい、そんな悠長に待ってられないっての。時間は限られてんだしさ。まぁFクラスにしちゃ上出来だろうがな」
「お客様?御発言にはお気を付けてくださいませ?他のお客様もいらしゃいますので?」
「いいからFクラスは早く行動しろよ?」
・・・そろそろ見下してきた発言に怒っていいかな?
「お客様はここの学生ですよね?ここのFクラスは今日までどれだけの努力をしてきましたかご存じですか?申し訳ありませんが、当店はあなた方をお客様と認めることができません。あなた方はここへ食事をしに来たのではないんですか?」
さらに追い打ちを掛けよう。言葉と言う武器でね
「勝手にテーブルのクロスを剥がして、挙句には理不尽なクレームをつける。当然の事ですが、当店で使用している全ての備品はきちんと消毒してありますので衛生面の問題はございませんよ?」
「だから?」
「お分かりでないのですか?このお客様の先ほどの発言ですが、ここの机にはEクラスにDクラスの方々に協力していただいて、借りているのですが?あなた方は他のクラスも侮辱したのですよ?」
「さっきから言いたいこと言いやがって・・・!」
一人の男が苛立って胸ぐらを掴んできた。さて、言いたいこといったけどあと、どうしょうかなー?
「ゴペッ!!」
すると先輩の一人が思いっきり吹っ飛ばされた
「私が代表の坂本雄二と言います。何かご不満な点でもございますでしょうか」
後ろのほうを振り向くと雄二が右手をハンカチで拭きながら笑顔で駆け寄ってきた
心の中であえて言おう・・・ナイス!雄二!
「不満も何も今連れが殴り飛ばされたんだが・・・」
「それは私のモットーの『パンチから始まる交渉術』に対する冒涜ですか?」
そんな交渉は(物理)だね?納得
「ふざけんなよこの野郎!何が交渉術ふぎゃぁっ!」
「そして『キックでつなぐ交渉術』です。最後に『プロレス技で締める交渉術』が控えておりますが?」
「わ、わかった。こちらの夏川を出そう!おれは何もしないから交渉は不要だぞ」
「ちょ!ちょっと待てや常村!お前、俺を売ろうとしているのか!?」
とりあえず先輩1のモヒカンを常村。坊主頭の夏川の二人だな。また妨害が入りそうだし覚えておこう
出禁できるならしたいけどね・・・
「それで常夏コンビとやら。まだ交渉を続けるか?」
今雄二の仮面がはがれたな。やっぱりこういうことは苦手そうだな。
それと山田くん!常夏コンビとは上手い事言ったので、座布団一枚出してあげなさい!
それか一本としてとって上げてください!
「いや。もう十分だ・・退散させてもらうよ!」
そういって常村は退散するが・・・
「そうか。それなら・・・」
大きくうなずいた後、雄二は夏川の腰を抱え込む。
「のび太。お前はモヒカン野郎を頼む」
「わかった。さて、当店の特別サービスとしてお客様をご丁寧に可愛がってあげます。っは!」
僕は逃げようとした常村っていう男の首に手をまわし、高々と待ちあげて逆さ吊りにした
「おい!おれもう何もしていないよな!?どうしてそんな大技をげぶるぁっ!」
「俺はもういいって言っているだろう。だからそんな技はぐぼぅぁ!!」
「これにて交渉は終了だ」
雄二がバックドロップ、僕はブレーンバスターを決めて雄二直伝の交渉術を行使した。できればこの交渉術は門外不出にすべきだが・・・
因みにこの技ができるのは昔、友人に技試された時期があった・・・あれ?思い出したら体が痛くなった・・・
「痛っ・・・お、覚えてろよ!!」
技を受けてすぐに立ち上がり常村を抱えて先輩たちは出ていった
「皆様、お騒がせしてしまい大変失礼いたしました。深くお詫び申し上げます」
「代表として私も謝罪致します。できることなら、ご利用中のお客様はこの後もごゆっくりとおくつろぎ下さい」
僕と雄二、2人してお客様に謝罪します
行かれても困るがひとまず先に食事の場を荒らしたので謝らないと
「気にしなくていい。君達は何も悪くなかったぞ」
「そうよ。このままゆっくりさせてもらうわ」
「そのかわり、美味いもんを出してくれよ?」
「流石にあのクレームは酷すぎだもんな!美味しいの食べさせてくれ!」
お客様が心広くって本当にありがたかった・・・
「はい!それと、手違いでこのようなものを使いましたが、たった今本物のテーブルが届きましたのでご安心ください。御不憫かけまして申し訳ございません」
すると後ろからテーブルが届いてきた。どうやら持ち込めたみたいだね。これなら衛生面に問題ないだろう
「あれ?テーブルを入れ替えているの?」
すると後ろから島田の声が聞こえた。どうやら終わったみたいだな
「あ、お帰り。美波に姫路さん。一回戦はどうだった」
「はいっ。何とか勝てました」
姫路は笑顔でVサインを出した。本来勝負にこだわらない姫路も今回の状況ともなればこだわるのも当然だね
「そんなことより、テーブル入れ替えてもいいの?演劇部になんてそこまで多くはないはずでしょ」
確かに秀吉の話で2つから3つぐらいしかない。少なくともあと2つか3つは欲しい
「残りのテーブルも届き次第順次入れ替えますのでご利用のお客様はこちらのテーブルでおくつろぎください」
一通り説明した後雄二が一息ついて戻ってきた
「ふぅ・・・のび太。いったい何があった?」
「ごめん。雄二、あの二人が教室に入るなり営業妨害まがいのことをしてそれで対処していたんだけど・・流石に酷かったからきつい対応してしまった」
「そうか・・・」
一通り説明すると雄二は考え込んでしまった。何か心当たりでもあるのか?
「それより、喫茶店は大丈夫なの?」
「あぁ、このまま何も妨害がなければ問題ないな」
まるでこれからの何かあるみたいなものいいだな。でも、あの先輩たちが何もしてこないってことのほうが不思議と考えるべきか
「あの、持ってくるテーブルは足りるんですか?」
「あぁそうか。明久。次の試合まであとどれくらいある?」
「・・・あと小一時間ってところかな?」
明久が腕時計で確認したのを聞いた後、少し考え込んで明久に向かって指をクイクイと動かして一緒に行くように促した
「うちらは手伝わなくてもいいの?」
「お前らは喫茶店でウェイトレスをやっていてくれ。落ちた評判を取り戻すために、笑顔で愛想よく、な。のび太は引き続き代表として臨機応変に頼むぞ!」
「はいっ!頑張ります」
「わかった。名誉挽回してみせる」
「頼んだぞ。おい明久、行くぞ。」
「お客様の呼び出しだね?任せて!」
そういいながら二人は教室を出ていった。 雄二がそんなの考えてると思えないけど、とりあえず!
「よしっ!女子2人と秀吉はホールを頼むね!」
「「「はいっ!」」」
問題は暫くはなしにします!思い付いたらかきますので!