バカとのび太の召喚獣   作:絆と愛に飢えるシリアス

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準決勝Aクラス

午後二時過ぎ、僕と三上さんは中華喫茶の窓際の席で休憩していた

 

「ここから試合が見えるよ」

 

三上さんは窓から双眼鏡で試合会場を眺めている。たしか、次の試合は姫路達とだったね

 

「のび太君も見る?」

 

三上さんが(康太の)双眼鏡を渡してきた

 

「ありがとう!三上さん!」

 

双眼鏡で試合会場を眺めると・・・

 

なんだろう、島田と姫路の後ろに黒く、まがましいオーラが見える。うわっ、雄二が明久ごと姫路を吹き飛ばした。明久はフィードバックがあるのに。あ、島田が一瞬でやられた。まぁ古典だから仕方ないか、6点って表示されて・・やっぱり雄二たちの勝ちだった・・さて、飲み物買いにいくか

 

 

 

 

「卑怯者・・・」

 

「二人とも酷いです・・・」

 

「あ、いや。あれも勝負だったからさ・・・ね?」

 

僕が三上さんと自販機で飲み物を買った帰り、試合を終えた明久達に会った。今、明久は島田と姫路にじっと見られている

 

「二人ともそう言うな。お前らの代わりにしっかりと俺たちが優勝してやるから」

 

「あの、絶対に優勝してくださいね・・・?」

 

姫路が明久の顔を上目遣いで覗きこんでいるけど、あれは凄い威力だろうね・・・明久が顔真っ赤だもの

 

「もちろんだよ。絶対に優勝する。全部うまくやってみせるさ!」

 

「やれやれ。それならこの後の対戦は気合いを入れておけよ?っと。ほぅ。なかなかに盛況じゃないか」

 

「でしょう?三上さんと葉月ちゃんも頑張ってくれたからね。姫路達も頑張ってくれたし、ありがたかった」

 

「良かった。宣伝の効果があったみたいですね」

 

坂本が感嘆すると僕が二人が頑張ってくれたお陰というと姫路が嬉しそうに笑っていたのだ。島田も笑いながら答えた

 

「そうでなきゃ、こんな恥ずかしい格好で大会に出た意味がないものね」

 

Fクラスには更に客が入っていた明久たちの試合前の宣伝が効果を発揮したしね。雄二もよく考えてる

 

「あ!バカなお兄ちゃん!お客さんがいっぱい来てくれたんだよ!」

 

店の中からと葉月ちゃんが駆け寄ってくる

 

「そうだね。葉月ちゃん、お手伝いどうもありがとうね」

 

明久が葉月ちゃんの頭撫でると嬉しそうに猫なで声をだしていたのだ

 

『お、あの子たちだ!』

『近くで見ると一層可愛いな!』

『手伝いの小さな子も教室内にいる子も可愛いし、レベルが高いな!』

 

ふと客の中からそんな声が聞こえた。やはりチャイナドレスの効果は絶大だな。

 

「明久、戻ってきたようじゃな。どちらが勝ったのじゃ?」

 

秀吉がトレイ片手に寄ってきた

 

「雄二、かな?」

「そうね。坂本の一人勝ちね」

「ですね」

 

「?明久は同じチームなのに負けじゃったのか?」

 

秀吉の疑問はもっともだが、ある意味負けたのは明久一人だ。見ていたから分かる

 

「そんなことよりも、ウェイトレスが固まっていたら客が落胆するぞ。今は喫茶店に専念してくれ」

 

客の視線がこちらに集中しているけど、綺麗どころが固まっているのだから無理もない

 

「そうですね。喫茶店のお手伝いをしないといけませんよね!」

 

「そうね。ちょっと視線が気になるけど、売り上げの為にも頑張りますか!」

 

「はいっ。葉月も頑張りますっ!」

 

「ワシは一応男なのじゃが・・」

 

「秀吉君。絶対に性別をバラしちゃダメだからね?」

 

三上さんの言う通り客の夢の為にも売り上げの為にも、秀吉には完璧な女子でいてもらわないと困る

 

「やれやれ、仕方ないのぅ……あ、いらっしゃいませー!中華喫茶ヨーロピアンへようこそー!」

 

客が来た瞬間に秀吉の口調が変わった。本人の気持ちとは裏腹に演劇魂が勝手に反応しているみたいだ

 

 

 

数時間たって・・・

 

「さて、こっちもそろそろ準決勝か。明久。それと秀吉とのび太。そしてムッツリーニ。ちょっと一緒に来てくれ」 

 

「どうしたの?雄二」 

 

「次の相手は俺の予想だとまともにやっても勝ち目なんてほぼない。だからお前らの連携が必要なんだ」 

 

なんだかんだでもう準決勝だ。ここまで来れば正攻法ではまず無理だろう。雄二も何か対策を持っていくだろうが今回は僕らも使うみたいだね

 

「何考えているかわからんが重要な話じゃろうし協力するぞ」 

 

「すまないな。秀吉。お前は特に重要な役割だ。頼んだぞ」 

 

そして僕達は姫路さん達に店を任せて準決勝の会場に向かうことにした。だがこれが後にとんでもないことになるとは僕達は思いもしなかった

 

 

あの後、雄二が手伝って欲しいと言われて僕は今、二人と共に行動していた。店の方を手伝うっていったのだけど、三上さんが「私が手伝うから大丈夫よ。のび太君は休みなさい」って言われたのだ・・・さっき休んだような気がするけど・・・お言葉に甘えよう

 

「お待たせしました!これよりタッグマッチ戦準決勝を開始したいと思います!」 

 

僕らが到着すると、審判を務める地理・世界史担当の先生のアナウンスが流れた  

 

「それでは出場選手の入場です!」 

 

まるで格闘技の入場みたいだと思いながらお客さん達の前に立つ。因みに僕とムッリーニーはセコンドということで明久たちの後方に立っている。明久たちの向かい側からは対戦相手の霧島さんと優子さんがやってきた。Aクラスのエースなら確かに普通に戦って勝てる相手じゃない。そう、普通の相手なら・・・

 

「雄二、作戦は?」 

 

「任せておけ。抜かりはない――頼むぞ秀吉っ!」 

 

雄二が目の前の優子さんに向かって秀吉と呼びかける

 

 

雄二の作戦は同じ兄弟の木下優子に秀吉が入れ替わることで1対3にもつれこます作戦・・・しかも見た目だけでは教員でも同じAクラスの霧島さんでも容易に特定できない!考えたね?雄二! 

 

「ああ、秀吉なら・・・」 

 

と、優子さんがステージ脇の一角を指差す

 

「ひ、秀吉!? どうしてそんな姿に!」 

 

そこには手足を縛られた秀吉がいた。 

 

「バ、バカな!」 

 

「・・・・・・雄二、邪魔しないで」 

 

「そうは行くか。俺はまだやりたい事がたくさんあるんだ!」 

 

雄二のセリフを聞くとどこか死亡フラグのように感じてしまう・・・ 

 

「雄二の考えてる事くらい、私にはお見通し」 

 

「ま、秀吉が私に向かって嵌めようとするのはまだまだ甘いわね」 

 

「くっ・・・すまぬ、雄二。ドジを踏んだ・・・」 

 

「・・・・・・・・・!!(パシャパシャパシャ)」 

 

捕まっている秀吉の様子を見てムッツリーニがお得意の高速連射で写真を撮っている。 しかもチャイナドレスで縛られているため、生足が露出してかなり扇情的というか艶めかしいというかどこか色っぽく見える。何度も言うが彼は男なんだが・・・

 

「撮影なんかしてないで、早く秀吉の縄をほどいてあげてよ!(その秀吉の写真、後で売って欲しい)」 

 

「明久、建前と本音が混ざってるよ?!」 

 

その間にムッツリーニと僕で秀吉の縄を解いた

 

「すまぬ。おぬしら。わしがもう少ししっかりしていれば・・・」 

 

「気に病むことじゃないさ。でもこの状況をどうするかだね・・・」 

 

「・・・・良いブツもそろえられたし文句は言わない」 

 

あえてスルーしよう

 

圧倒的に不利になってしまうことは明白だ。すると明久は雄二のもとにささやき始めた。すると雄二は先生からマイクをもらい、霧島さんに語り掛ける

 

(翔子、俺の話を聞いてくれ) 

「翔子、俺の話を聞いてくれ」 

 

(お前の気持ちは嬉しいが、俺には俺の考えがあるんだ) 

「お前の気持ちは嬉しいが、俺には俺の考えがあるんだ」 

 

「・・・・・・雄二の考え?」 

 

(俺は自分の力でペアチケットを手に入れたい。そして、胸を張って お前と幸せになりたいんだ!) 

「俺は自分の力でペアチケットを手に入れたい。そして、胸を張ってお前と幸せになりたい・・・って、ちょっと待て!」 

 

「・・・・・・雄二」 

 

おそらく霧島さんを雄二に押し付けて勝負を避けて勝利しようっていう算段か

 

だが雄二からしてみればそれは手足を縛られた状態で地獄行きの船に乗せられているのと同じようなことであるため、必死に抵抗する。 だが明久はそうはさせないと強引に雄二の頭を押さえつける。一方、霧島さんは雄二の台詞に、うっとりとした表情を浮かべ始めた。好きな人に言われてんだ。うっとりするのも当然だろう

 

(だから、ここは譲ってくれ。そして、優勝したら結婚しよう!) 

「だっ、誰がそんな事言うかボケぇッ!!」 

 

あ、やっぱり抵抗したか。仕方ない。明久に雄二の首筋(頸動脈)を押さえつけるよう指示した。勝つためなんだ!許せ!雄二!!

 

「くたばれ」 

 

「くぺっ!?」 

 

「・・・・・・雄二?」 

 

続きの台詞を待ち望む霧島さん。すると秀吉からメールが届いた。内容は雄二の声真似を頼むと書かれ、下に内容が記載されていた

 

(それじゃあ秀吉、頼んだよ) 

(うむ、了解じゃ) 

 

僕の指示に従い、秀吉がゆっくりと深呼吸し・・・

 

「だからここは譲ってくれ。そして優勝したら結婚しよう。愛している翔子」 

 

本人と区別がつかない秀吉の声真似で、最後の台詞が紡がれた。しかしすごい能力持っているよな秀吉って。優子さんの物真似は姉弟だからできたと思っていたが、まさか他の声までできるとは思わなんだ。指示していないセリフまで追加されていたが、この際気にしないでおこう

 

「・・・・・・雄二、私も愛している」 

 

「待って代表。これは罠よ。彼に結婚の意思なんてないわ。こんな口約束なんていくらでも無効にできるから所詮ただの言い逃れよ。秀吉、そんな真似しないで観念なさい」 

 

ここで優子さんが止めに入る。流石秀吉の姉。種がばれたか。仕方ない・・・とどめと行くか

 

「秀吉、ちょっと今言う言葉を雄二の声で言ってくれないかな?」 

 

そしてその内容を秀吉に伝えた。 

 

「うむ、分かったぞ。それじゃ頼んだぞ!」 

 

そして僕は明久のもとにかけより、雄二の肩を組んだ

 

「どうしたの?」 

 

「雄二には悪いが言い逃れできない状況を作る。ささやかな犠牲になってもらう・・・!」 

 

そして僕が抱きかかえたと同時に秀吉が雄二の声で話を続けた

 

「翔子。何なら今婚約届けに判を押す。そしてペアチケットで正式に結婚式を挙げ、正式な夫婦になろう。約束する。お前を幸せにする。愛してる。翔子!」 

 

秀吉がそういうと雄二が意識取り戻したのだ!不味い!

 

「ま、待て・・俺は、愛してなど・・・」 

 

ゴキンッ! 

 

「こぺっ!?」 

 

雄二の首をひねりそのまま黙らせる。ここで話すと面倒くさくなるから少し黙ってくれ 

 

「雄二・・・うん。今渡す」 

 

そういうと霧島さんは雄二のもとに駆け寄り、婚約届けを雄二の前に差し出した。もしかして常に常備しているのか?そんなこと考えても仕方ない。確かズボンのポケットに・・・。お、入っていたな。僕は雄二のポケットから実印を取り出し、雄二に持たせ、婚約届けに判を押した

 

これで正式に決まったわけだ。悪く思うなよ。 そしてそのまま霧島さんに雄二を引き渡しそのまま雄二の亡骸に抱きつき戦意喪失だが肝心の雄二の方も力なく項垂れており、とても戦える状態になかった

 

「ふはははは!これで最強の敵は封じ込めた!残るは優子さんだけだよ!」 

 

「ひ、卑怯な・・・!」 

 

なんか悪役みたいだな。まぁ正義の味方ってわけでもないが・・・。でもいざ考えてみれば明久だけで優子さんに勝てない気がする。どうする気だ? 

 

「でも、あなた一人代表がいなくたって戦えるわ。」 

 

「フフフ、確かに今までの僕ならそうだね。でも戦う教科が保健体育であったことを恨むんだね。」 

 

「それじゃ長い茶番から・・・承認」 

 

先生がフィールドを展開する。この清涼祭の時、どの先生がどの教科でも出せるように調節しているらしい。

 

「試験召喚(サモン)!!」 

「荒巻鮭(サーモン)((サモン)!)」 

 

二人の呼び声で呼び出されたのは方や西洋鎧に大きなランスをもった木下優子の召喚獣、一方出てきたのは忍者装束に二本の小太刀をもった明久の召喚獣でなく、土屋康太の召喚獣、明久の隠し玉の最終兵器、「代理召喚」というやつだ。 実際ルール上戦うメンバーは決められているため、反則であるが、明久が言うには 「バレない反則は高等技術」だそうだ・・・

 

「え・・・それって土屋の・・・」 

 

「それでは勝負開始!!」 

 

「先生。これはルールいh・・・きゃあ!!」 

 

【保健体育】 

 

Aクラス   木下優子   321点

VS 

Fクラス 吉井明久(土屋康太) 511点 

 

結果は見るまでもなく、明久(ムッツリーニ)が勝利した。

 

「よし!僕たちの勝利だ。」 

 

「あ~・・・今の勝負は・・・。」 

 

まぁばれてないわけないよな。すると明久が雄二を無理やり立たせ、秀吉に合図を送る

 

「愛してる。翔子~!!」 

 

「霧島さん。僕たちの勝ちでいいよね。」 

 

「・・・私たちの負け。」 

 

「・・・まぁいいか。面倒くさいし。以上の結果から吉井、坂本ペアの勝利~!!」 

 

雄二を使い、無理矢理勝利をもぎ取った。その後、会場がブーイングの声で包まれたが俺達はそうなる前に早々に退散した

 

「明久、なかなかの機転であったな。」 

 

「・・・・・作戦勝ち」 

 

「ありがとう、秀吉とムッツリーニ、それにのび太!みんなの協力があったこそだよ」 

 

「そういえば雄二は?さっきから見てないけど?」 

 

「別にいいじゃない?どうせ霧島さんと一緒にいるよきっと。」 

 

「そうか・・・さっき霧島が雄二に一服盛って持ち帰ろうとしておったのじゃが」 

 

秀吉の指差したほうを見ると雄二が霧島さんに何か薬か何か飲まそうとしている光景が見えた。 

 

「ちょ!?霧島さんストップ!!まだ雄二はこの後も必要だから薬は止めてあげて!!」 

 

僕らは薬で本当に黄泉の国送りにされそうだった雄二を霧島さんから引きはがし、薬を飲ませる事を止めさせた。 霧島さん。まさかと思っていたがヤンデレだったとは・・・恐ろしい




今回はここまで読んでいただいてありがとうございます!次回もよろしくお願いします
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