バカとのび太の召喚獣   作:絆と愛に飢えるシリアス

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恐怖は常に身近に

俺は適当に時間をつぶすためにアトラクションを探している。出来ることなら変な雰囲気にならないようなものを選んでおかないとここの計画関係なしに結婚する既成事実を作らされる確率があるから出来ることなら俺が決めたい。

 

「(そうじゃないと、俺の人生が・・・・!!)うん?」 

 

そんなことを考えていると俺たちにヒョコヒョコと着ぐるみが近寄ってきた

 

『お兄さんたち、フィーが面白いアトラクションを紹介してあげるよ?』 

 

着ぐるみから聞こえてくるのは若い女の声。

ボイスチェンジャーなどを搭載していないのか、その声は普通の人間の声だった。・・・というか聞き覚えのある声だな。どこか優等生の声が聞こえるのだが・・・

 

「(カマをかけてみるか)そういえば、さっき明久が女子大生に映画館に誘われていたな」

 

『えぇっ、明久君が!?それはどこで見たんですか!?』 

 

本当にこいつらは、揃いも揃って・・・ 

 

「おい姫路。アルバイトか?」 

 

『あ・・・っ!ち、違います。わたっ!フィーは姫路って人じゃないよ?見ての通りキツネの女の子だよっ♪』 

 

ここで必死に取り繕う姫路は真面目だと思う。さっきのやつらはもはや開き直っていた感じだったからな。しかし、これだったらまだ御しやすいし適当にあしらうか

 

「じゃあ、フィーとやら。お前のオススメを教えてもらえるか?」 

 

『あ。う、うんっ。フィーのオススメはねっ、向こうに見えるお化け屋敷だよっ』 

 

フィーとかいうキツネの手が噴水を挟んだ向こう側に見える建物を示す。廃病院を改造したとかいう例のアレか

 

「そうか、ありがとう」

 

『いえいえっ。楽しんできてねっ』 

 

さてと・・・

              

「よし翔子。お化け屋敷以外のアトラクションに行くぞ」 

 

翔子の背中をおして歩き出す。すると慌てたように俺の腕をつかんできた 

 

『ままま待って下さいっ!どうしてオススメ以外のところに行くんですか!?』 

 

「どうしてもクソもあるか!お前もあの似非外国人の仲間だろう?だったら、お化け屋敷には余計な仕掛けが施されているのは明白だわざわざそんなところに行く気はない!!」

 

『そ、そんなの困りますっ!お願いですからお化け屋敷に行ってください!』 

 

「断るっ!」 

 

そのお願いとやらの為に残りの人生を捧げる気はない!何が何でも自由を謳歌するんだ!!

 

『お願いです~っ!お化け屋敷はきっと楽しいですから~っ!』 

「い・や・だ!!」 

 

ずるずると引きずってついてくる姫路に若干いらいらしながらも離れようとする。いっそのこと振り払ってしまおうかとそう思っていると。

 

『待て!そこまでだ雄二・・・じゃなかった!そこの不細工な男っ!』 

「・・・その頭の悪そうなしぐさ。明久か」

『なっ!この僕―じゃなかった。このノインのどこが頭が悪いって言っているんだ。』 

「黙れ!頭部を前後逆につけたまま歩いている奴をバカと言って何が悪い!!」 

 

本来ならかわいらしいであろう着ぐるみも頭部を逆につけているせいでかなりシュールな光景が映っている

 

「雄二。ノインちゃんはうっかりさんだから」 

「翔子。うっかりで頭部が前後逆になる生物は即座に淘汰されると思うぞ。そもそも頭部が逆になっていたら絶対生きていけないだろう?」

 

そもそも、そんなの自然の摂理に逆らうようなものだ!いたら怖いわ!

 

『あ、明久君。頭が逆です!ああっ!今小さな子供が明久君を見て泣き出しましたよ!?』 

『うわっしまった!道理で前が見えないと思った!』 

『早く直さないと坂本君たちにばれちゃいます!!』 

 

お前ら・・・ばれてないと思っているの?特に明久・・・お前は紛れもないバカだ!

 

「ハイ、すいまセーン。お待タせしまシタ。撮影してたら遅れてしまいました。」 

 

そうこうしていると、さらに面倒なヤツが現れた。さっきの似非野郎だ。もう追いついてきたのか?

  

「坂本雄二サン、お化け屋敷に行って下サイ」 

「だからイヤだと言っているだろうが」 

「断れバ、アナタの実家にプチプチの梱包材を大量に送りマース。」 

「やめろっ!そんなことされたら我が家の家事が全て滞ってしまう!」 

 

あのおふくろは全ての梱包材を潰し終わるまで他のことは何もしないだろう!!なんて地味かつ微妙な嫌がらせをしてくれるんだ・・・・・! 

 

『ところで明久君。さっき女子大生に声を掛けられていたと聞きましたけど?まさかこの大事な作戦の最中にほかの女の人と?』 

『え?何のこと?僕は別に何も――あれ?急に通信開いてどうしたの?誰に送って・・・??』 

『もしもし、美波ちゃんですか。・・・・・はい、分かりました。』 

『え?え?なになに?どういうこと?』 

『美波ちゃんが今すぐ来てくれるみたいです。二人でゆっくり聞かせてくださいね?』 

『こら~アキー!!これは一体どういうことなのよ!!』 

『ダ、ダメだよ!オープン初日で人傷沙汰になったらここの評判に―――』 

 

そして、世にも奇妙な狐の痴話喧嘩を見たとか見なかったとかの都市伝説になったそうだ

 

「こちらにサインして下サーイ」 

 

似非野郎が取り出したのは何かの書類とボールペン。なんだコレは? 

 

「ただの誓約書デース」 

 

誓約書が必要なお化け屋敷ってなんだ。そんなに危険なのか? 

 

「そんだけ危ないのか?それはそれで面白そうではあるな」 

 

誓約書が必要ということはスリルに満ちているということでもあるだろう。少し楽しみになってたので、ボールペンを受け取って書類に手をかける

 

 【誓約書】 

1.私、坂本雄二は霧島翔子を妻として生涯愛し、苦楽を共にすることを誓います 

2.婚礼の式場には如月グランドパークを利用することを誓います

3.どのような事態になろうとも、離縁しないことを誓います

 

「・・・・はい雄二。実印」 

 

「・・・・朱肉はこちら」 

 

っちょっと待て!

 

「俺だけかっ!?俺だけがこの状況をおかしいと思っているのか!?」 

 

こいつらは全員正気じゃない。しかもムッツリーニ。いつの間にここにいる!?さっきまで気配すら感じなかったぞ!

 

「冗談でス。誓約書はいいので中に入って下サイ」 

 

「・・・・・・うん。冗談。」 

 

「カーボン紙を入れて写しまで用意しているくせに冗談と言い張るのか」 

 

色々といってやりたいことはあるが、この連中に常識を求めるのも酷というものだろう

 

「それデハ、邪魔になりそうなノデその大きなカバンをお預かりしマース」 

 

「・・・・お願い。」 

 

翔子が似非野郎にバックを渡す。そういえばヤケに荷物が大きいな

 

「・・・・こぼれちゃうから、横にしないで欲しい」 

 

「このカバンをですカ?わかりまシタ。気をつけマース」 

 

こぼれる?あの鞄に何が入っているんだ? 

 

「デハ、行ってらっシャいマセ。」 

 

「・・・・・雄二、行こう」 

 

ミシィ・・・・ 

 

「があぁぁぁ。普通に行くから腕を極めるなっ!肘がねじ切れる!!」 

 

抵抗空しく、お化け屋敷の扉の前に立たされる。演出なのかその扉は横開きの自動ドアでありながら電気が入っていないようで手動で開けるようになっていた

 

『こちらブラボー1。お化け屋敷にターゲットが入った。吉井さん考案の作戦を実行しろ!』 

 

扉が閉まる寸前、似非野郎のそんなセリフが聞こえた。明久考案の作戦か。いったいどんなものになっているかわからんが策に引っかかってたまるか!

 

 

のび太side

 

「おい?のび太、三上さん!見ろよ!狐のぬいぐるみ同士が喧嘩してるぞ」

 

「あら?本当だわ」

 

何故だろう?あの狐のぬいぐるみの片方が一方的にやられているけど・・・もしかってあれは明久?な訳ないよね?

 

『覚悟しなさい!アキ!』

『ちょっ!いだだだ!』

『明久君?まだお話は終わりませんよ?』

 

「って!明久たちだった!?ジャイアンと三上さん!止めるの手伝って!」

 

「「ええ!?」」

 

僕は慌てて走りながら、喧嘩している狐達の方に止めにいったのだ

 

「っちょっと!何でそんなことしてるのか知らないけど、ここは如月パーク!子供達の夢の場所だよ!」

 

『のび太!?良いタイミングで・・・』

『のび太?悪いけど止めないで!このバカにはお仕置きがあるから』

『そうです!』

 

あーもう!今はそれどころじゃない!子供たちもいるのだから!

 

「お仕置きするのは構わないけど!ここは学校じゃないんだから!子供達の夢を壊すことになるんだよ!?仕事頼まれているならしっかりして!」

 

『あれ?止めてくれないの!?』

『そうね・・・確かに子供達の夢の場所だものね。アキ、のび太に感謝しなさい!後でお仕置きしてあげるから!』

『そうですね。すいません。のび太君』

 

「全く・・・」

 

「のび太君!あら?その声は美波と瑞希?」

 

「おーい。のび太~。三上さん~。そろそろ他のいこうぜーって、この声は聞いたことあるな?」

 

ジャイアンと三上さんも来てくれた。姫路が小さい声で三上さんに何か行ってから島田が明久を連れてどこかに消えた・・・姫路もあとに続いて言ったのだ

 

「・・・なんだったんだ?」

 

「さぁ?」

 

僕とジャイアンがそう会話していると、三上さんが姫路からのおすすめのところを聞くと、廃病院のお化け屋敷に向かったのだ・・・ 

 

お化け屋敷内 

 

薄暗い廊下を翔子と二人で歩く。 カツン、カツンと廊下は足音を必要以上に大きく鳴らしているような気がした

 

「さすがに廃病院を改造しただけのことはあるな。雰囲気満点だ」 

 

「・・・・ちょっと怖い。」 

 

「こういうのにあまりビビらないお前が怖がるなんて、珍しいな。」 

 

「・・・・そうかも。」 

 

時折、壁に貼られている《順路》というポスターに従って進んでいく。 

しかし薄暗いだけでなにも驚かす様子はない。なんだ、暗いだけで何m… 

 

バン! 

 

「・・・(ビクッ!)」 

 

壁に赤い手形が見えた。 

ふむ、ずいぶんと古典的な驚かし方だな。 

しかし翔子はその音に対して驚いたのか握っている手が強くなった。 

 

「翔子。大丈夫か?」 

 

「・・・うん。ちょっとびっくりしただけ」 

 

「そうか」 

 

まぁ確かに翔子はこういうことで怖がることはあまりないからな。幽霊とか信じないだろうし

 

「それじゃあ次行くか。」 

 

「・・・(コク)」 

 

そしてそのまま二階に上がり、 

少し進んだ廊下で何かの演出が顔を出した。 

 

【―――じの方が――――――よりも―――――】 

 

冷たい風に乗って幽かに聞こえる声。ふむ。怨嗟の声の演出か? 

 

「・・・・・この声、雄二・・・・?」 

 

「ん?そうなのか?」 

 

これは俺の声そっくりだな。秀吉に声真似でもさせたのだろうか。確かに自分の声が聞こえてくるなんて怖いといえば怖いが、あいつらにしては普通の演出だと―――――― 

 

【姫路の方が翔子より好みだな。胸も大きいし】 

 

「・・・・雄二。覚悟、できてる?」 

 

「怖ぇっ!翔子が般若のような形相に!確かにこれはスリル満点の演出だ!」 

 

なんて恐ろしいことを考えてるんだあいつら!!まさか俺を生かしてここから出さないつもりか!? 

 

なんてビビっていると、バンッと背中で何かの仕掛けが作動する音が聞こえた。よっしゃ!ナイス演出!助かったぜ! 

 

「翔子!何か出てきたぞ!」 

 

音のしたほうに首を向けるとそこにはさっきまで何もなかったはずなのに、突如あるものが現れていた。

 

それは――――― 

 

「・・・・気がきいてる。」 

 

・・・釘バットにバール?・・・まさか!?

 

「畜生っ!よりにもよって処刑道具まで容姿してくるとは!全く趣旨は違うが最強に恐ろしいお化け屋敷だっ!」 

 

「・・・・雄二。逃がさない」 

 

釘バットとバールの二刀流で迫る幼なじみに追いかけられるという斬新なアトラクションを1時間あまり楽しむ羽目になった。しかし、明久はコレで俺と翔子がくっつくと思っているのか・・・・? 

 

誰か助けてくれぇぇ~!!

 

 

 

追いかけられている雄二とは別でのび太達は・・・

 

「こ・・・怖いな・・・・?なぁ?のび太?」

 

あの怖い物知らずのジャイアンも驚くほどの怖さだ。僕も昔よりは少しだけましになった・・・少しだけ・・・

 

「ね・・・ねぇ?何か聞こえない・・・?」

 

「ほ・・・本当だね?ジャイアンも聞こえる?」

 

「俺はなんも聞こえてないぞ・・・?」

 

僕らは黙って聞いてると・・・

 

『ギャァァァァァァァァァァァァ!!!!』

 

「「「!?」」」

 

な・・・何かとんでもない声聞こえたのですけどーーー?!やたらリアルすぎる声に僕らは震えたのだ・・・・

 

 

僕ら大丈夫かな・・・・・?

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただいてありがとうございます!次回も宜しくお願いします
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