姫路瑞希の日誌
『電車が停まり駅に降り立つと、不意に目眩のような感覚が訪れました。風景や香り、空気までもがいつも暮らしている街とは違う場所で、何か素敵なことが起きるような、そんな予感がしました』
教師のコメント
環境が変わることで良い刺激が得られたようですね。姫路さんに高校二年生という今この時にしか作ることのできない思い出が沢山できることを願っています。
土屋康太の日誌
『電車が停まり駅に降り立つと、不意に目眩のような感覚が訪れた。あの感覚はなんだったのだろうか?』
教師のコメント
乗り物酔いです。
坂本雄二の日誌
『駅のホームで大きく息を吸い込むと、少し甘いような、仄かに酸っぱいような、不思議な何かの香りがした。これがこの街の持つ匂いなんだな、と感慨深く思った』
教師のコメント
隣で土屋君が吐いていなければもっと違った香りがしたかもしれませんね。
野比のび太の日記
『良い環境での中で勉強にしっかり励むとより良い刺激になる』
教師のコメント
君はもっとやれば伸びると思いますので頑張ってください
電車に乗ってから大体2時間くらいで見慣れない景色になってきた。
「あと2時間くらいこのままですね」
姫路が携帯電話を閉じてあとどれくらいで目的地につくかを教えてもらった
僕達は学校からの案内がないため、今電車に揺られ目的地に向かっている。2時間も揺られると自然と景色も様変わりしてきた
「2時間か。眠くもないし、何してようかな~。」
「ん?のび太は何しているの?」
「漫画を読んでる」
持って来たのがばれれば確実に西村先生に没収されるだろうけどね。まあとられてもいいようにトランプやUNOも持ってきている
「・・・まあみんながいるのに読むのも無粋だね」
「ある意味のび太も怖いもの知らずだね。鉄人の恐怖は思い知らされたと思ったけど…」
「いや、もっと前から知ってるよ」
普段の明久との絡みを見て恐怖を感じないわけがないでしょ?あの人が無駄なくらい真面目なのはよく知っている。念のために今電車の席を図示すると
────── ―─────
のび太 明久 通 雄二 康太
路
姫路 美波 ジャアイン 秀吉
─────― ─────―
という風になっている。そして康太ことムッツリーニは乗り物酔いのせいで隅でそっとしている
「あれ美波?何読んでいるの?」
島田が何かの本を読んでいることに気が付いた明久が声をかける
「ん、これ?これは心理テストの本。100円均一で売ってたから買ってみたんだけど、意外と面白いの」
「へぇ~面白そうだね。美波、僕にその問題出してよ。」
僕は一応気にせず聞いている。
「うん。いいわよ」
美波はそう答え、適当にページを捲る
「それじゃいくわよ。『次の色でイメージする異性を挙げて下さい。緑 オレンジ 青』それぞれ似合うと思う人の名前を言ってもらえる?」
「えっとって美波。そんな怖い顔で睨み付けられてると答えにくいんだけど」
明久の言うとおり島田は質問をしながら明久に詰め寄っている。心理テストなんだしそこまで真剣にすることもないような気がするけど・・・?
「べ、別にそんなわけじゃ……! いいから早く答えなさい!」
島田に迫られながらも明久は少し考え、次のように答えた
「……順番に『緑→美波 オレンジ→秀吉 青→姫路さん 』って感じかな」
ちなみに僕は『緑→島田 オレンジ→姫路 青→三上さん』だった
ビリィッ!
島田の手元から凄い音がしました
「み、美波……?どうして本を真ん中から引き裂いているのですか?」
「どうしてウチが緑で瑞希が青なのか、説明してもらえる?」
「ど、どうしてと仰られましても……」
島田はなんか知らないけど怒りが周りににじみ出ている。何を聞いているかわからんから意図を読み取れない
ちなみに僕がそう思ったのは、島田は目の色かなー。姫路は何となく皆の元気の源だと思ってオレンジ。三上さんは・・・自然と青だと思ったのだ
「怒らないから正直に言ってみて?」
「前に下着がライトグリーンだったから」
「のび太、窓開けて」
「捨てる気!?僕を窓から捨てる気!?」
「島田。窓からゴミを捨てるもんじゃないよ」
「ジャイアン、美波を止めてくれてありがとう。でも、今サラッと僕をゴミ扱いしたよね?」
「いいのよ。ゴミじゃなくてクズだから」
「どうしよう。僕、ここまで酷い扱いを受けるのは久しぶりだよ」
「ここまでにしてあげなよ。このままだと明久がミジンコ以下になるよ」
「のび太も最近人としてどうかと思うことがあるよ……」
パンツの色で人を判断するお前もどうかと思うよ。そして突然、雄二が島田から本を奪いとる
「どれどれ?緑は『友達』、オレンジは『元気の源』、青はーなるほどなぁ」
「か、返しなさいよ!」
島田が雄二から本を奪い返す。はて、青は何だろう?
「せっかくだしもう一つ問題出してくれよ。俺たちも参加できるような」
「それもそうですが青はなんなのですか?」
ジャイアンの言葉に姫路も同意していたが、やはり気になるのか質問していた
「絶対に教えない・・・・・・第2問目行くわよ。『一から十の数字で、今あなたが思い浮かべた数字順番に二つ挙げて下さい』だって。どう?」
「俺は5・6だな」
「僕は6・1」
「ワシは2・7じゃな」
「僕は1・4かな」
「俺は1・8かな?」
「私は3・9です」
上から雄二、僕、秀吉、明久、ジャイアン、姫路と答えたのだ
「『最初に思い浮かべた数字はいつもまわりに見せているあなたの顔を表します』だって。それぞれ――」
島田が順番に指を差しながら
雄二→「クールでシニカル」
のび太→「公平で優しい人」
秀吉→「落ち着いた常識人」
明久→「死になさい」
ジャイアン→「好奇心旺盛」
姫路→「温厚で慎重」
「ふむ。なるほどな」
「常識人とは嬉しいのう」
「僕って優しいかな?」
「俺って好奇心あるのかー」
「温厚で慎重ですか~」
「何で僕だけ罵倒されてるのさ!?」
とそれぞれ感想いっていたのだ
「それで、『次に思い浮かべた数字はあなたがあまり見せない本当の顔』だって。それぞれ――」
さっきと同じように島田が順番に指を差して
雄二→「公平で優しい人」
のび太→「好奇心旺盛」
秀吉→「色香の強い人」
明久→「惨たらしく死になさい」
ジャイアン→「努力家」
姫路→「意志の強い人」
「秀吉は色っぽいのか?」
「雄二は公平なの?結構理不尽だよ」
「・・・どういう意味だ?」
雄二が秀吉にそういうと僕も雄二の評価に疑問を言うと少し凄んで言ったのだ。だって・・・ねぇ?
「ねぇ、僕の罵倒エスカレートしてなかった?」
「のび太は好奇心があるのじゃな」
「そうみたいだな」
「剛田君は努力家ですか」
そんな感じでその後も何問か心理テストをやっていると、
「・・・・・(トントン)」
「あ、ムッツリーニ。おはよう」
「目が覚めたようじゃな」
「・・・・・・空腹で起きた」
「ん?もうそんな時間か?」
ムッツリーニに言われて携帯電話で時間を確認する。時刻は1時40分。いつの間にか昼は過ぎてしまってたようだ
「確かに良い頃合じゃの。そろそろ昼にせんか?」
「そうですね。あまり遅くなると夕飯が入らなくなりますしね」
「そんじゃあ適当に食うか」
「あ、それなら―――」
そういいながら姫路が傍らに置いてある鞄から何かを取り出そうとする。何だろう?この嫌な予感・・・
「―――実は、お弁当を作ってきたんです。良かったら...」
「姫路。悪いが自分で作ってきたんだ」
「すまぬ。ワシも自分で用意してしまっての。」
「・・・・・調達済み」
「すまない。俺様も持ってる」
「ごめんね?僕も持ってきたんだ」
みんな被害にあいたくないから必死になってアピールする。
明久は多分食費がないからなんm…
「実は僕もこうして惣菜パンを......」
「「「!!」」」
(ジッ!)
(・・・・コク)
僕と雄二とムッリーニは無言のアイコンタクト取ったのだ
「あぁっと手が滑った。(ばしっ)」
「さらに滑った!(ばしっ)」
「・・・・アタック!!(バシン!!)」
「あぁ!!僕のパンが!!」
明久のパンは3人の連携により、車窓から飛び出し、消えていった。
「・・・・というわけで明久の飯がないから姫路、明久に全部あげてくれ」
「そうですね」
「だったら皆で弁当をわけない?私のも食べてもらいたいんだけどなぁ」
島田の一言で僕らは震える。『あれ』の被害はできれば避けたいのだが…
「そうだよ!せっかくみんなあるんだしちょっとずつ摘まもうよ」
明久の追い打ちでさらに加速する。このままじゃ...
「すまぬがわしは隣じゃから遠慮させてもらうのじゃ」
「悪いが俺も遠慮する。席で回してあげてやれよ?」
「・・・・そういうわけで」
そういうとみんなはそそくさと席に戻っていった。このままだと僕と明久が被害にあってしまう。ジャイアンはトラウマらしいの見当たらないみたいだが・・・・?
「それじゃあ俺m…」
「雄二も一緒に食べなよ。」
「じゃあ僕は彼らのところにいk…」
「のび太の席はここじゃないか?一緒に食べようじゃないか。ね。姫路さん」
僕と雄二も秀吉たちにあやかり逃げようとしたが明久に制止される
「え?そ、そうですね。それじゃあ」
そういいながら姫路さんはみんなに分ける前提かやや大きめの弁当箱を開ける。この前で結構トラウマなんだよ!?本当に軽く死を体験したあれをも一回やれというのは体以前に精神的に無理だよ!
「あ、アキ。まず私のを…」
「え?うん。それじゃあいただくよ。」
明久はとりあえず姫路から逃れるため適当にシューマイをほおばった
「あのね、その・・・・勇気を出して言うけどね・・・・・そのシューマイなんだけど、実はアキに食べてもらおうと思ってね」
明久に食べてもらいたかったってことは相当気合い入れたんだなぁ。見た感じ手作りっぽいし
「ん?なに?(もぐもぐ)」
「・・・・二つに一つはからしだけを入れてみたの」
「君はバカかいっ!?」
すると、明久が苦しんでいた!これはチャンス!
「のび太、これはチャンスだ」
「オッケー」
僕が弁当を持って明久に向かって構えだした
「二人とも、足元に虫がいるぞ」
「「きゃあ!!」」
二人は悲鳴を上げて足元に集中する。これでは僕らの様子には気づかない。
「くたばれ!!」
「ごはぁ!!」
とっさに姫路の弁当を奪い、明久にねじ込んだ
「!?!?!!」
明久は何度も抵抗するが時間がたち、どんどん入れることで抵抗が弱まり最後はピクリとも動かなくなった
「よくやった・・・のび太」
「はぁはぁ・・・」
「あれ?アキはどうしたの?なんか顔色悪いみたいだけど」
「・・・・一気に食べて疲れたんだろう。そっとしておいてあげなよ」
「そうですか。あれ?全部食べたのですか?」
「うん。明久が美味しく食べていたよ。ねっ?雄二?」
「あぁ、ものすごい勢いだったぞ」
「そうですかー、良かったですー」
うん・・・反省はするけど後悔はしない!明久よ。君の犠牲は無駄にしないよ。その後は持ってきたトランプで遊びながら目的地まで座っていた
今回投稿時間が間違えてしまったので待っていただいた方申し訳ございません!次回も宜しくお願いします