最終日・・・
「ふわぁぁ・・・」
「流石に眠いぞ・・・こらっ」
昨夜この二人は結局鉄人に捕まったようで、三日連続で鉄人に朝まで教育について(拳で)語られていたらしい
「災難だったな。二人とも」
ジャイアンが心底同情した声で言っていた。まぁ、元々は何事もなく寝ていた筈なのに、あぁなるとは思わなかっただろうね・・・
「災難と言えば災難だったかも――ふわぁぁああ~~」
明久の欠伸は止まらない。今日は彼らにとって覗きの最終日だから、自習時間にきっちり点数補充をしなければいけないのに、大丈夫かな?
「弱ったのぅ。お主らがそんな様子では、今夜はとても・・・」
「別にまったく寝てないわけじゃないから、気合さえ入れば目が覚めると思うけど──ふわあ~~」
こりゃダメだ。口を開くたびに欠伸が出ている。かなりの重症だね。どのくらい重症かと言うと、あの明久が目の前にある飯よりも睡眠を優先しようとしているくらいだよ・・・
「俺もダメだ・・。全然気合が入ら──ふおぉぉおっ!?」
「「どうしたんだ雄二!?」」
ダルそうにしていた雄二が、何かを見た瞬間一気に覚醒した。何だ!?一体何を見たんだ!?僕とジャイアンが動揺していると・・・
「・・・・効果は抜群」
「あ、ムッツリーニ。おはよう」
僕達の後ろの出入り口から康太がやってきた。手に何か持っているけど・・・あぁ、そういうことね?
「ムッツリーニ。今しがた雄二に見せたのは何じゃ?えらく興奮しておるように見えるのじゃが?」
「・・・魔法の写真」
ムッツリーニーにしては珍しく、誇らしげに胸を張っている
「どれ、ワシらにもその写真を見せてくれんかの?」
「俺も見してくれ」
「僕も」
手にしている写真を俺たちに手渡してくる。僕の前に写真を置き、明久と秀吉が僕の左右から覗き込んでいる。ジャイアンはその後ろから覗いていた
「魔法の写真だって?何を言ってるんだか僕らはもう高校生なんだし、たかだか写真程度で気合なんか入るわけがふおぉぉおっ!」
「ほう、これは・・・」
「すごいな・・・」
「うん・・・」
見せてくれた写真の一枚目は、昨夜撮影した姫路と秀吉のツーショット写真だった。二人が恥ずかしそうに上目遣いで浴衣姿で色っぽい。少し胸元も開いている。流石、明久が覚醒するわけだ・・・姫路のは流石に焦ったけど・・・
「二枚目はなんだ?」
「えっと・・・・二枚目はーー」
すると今度は浴衣姿で迫る翔子とハーフパンツ姿の島田のツーショットが出てきた
「す、凄いっ!これも凄いよムッツリーニ!今僕はキミを心から尊敬している!」
「確かにすごいのう……うまく明久と雄二が写らんような角度で撮ってあるし、もはやプロの業じゃな」
「康太は神の技術を持っていると言っても過言じゃないな」
「たしかにそうだね・・・」
まるでグラビア写真のようにうまく写してある。全員が浴衣姿じゃないのは残念だが、これはこれで凄い写真だ
「三枚目は何が写っておるのじゃ?」
「三枚目は──」
照れくさそうにしている、浴衣姿の三上さん。姫路と同じく、少し胸元が覗いていて・・・・こ、これはっ!!
「ぐふっ!?!」
「のび太が血を吐いた!?」
「えぇー?!」
「どうしたのじゃ!?のび太!?」
こ、これは・・・後で買おう・・・三上さん可愛すぎる・・他の人に見せたくない・・・
「して、四枚目は・・・?」
「あれ?本当だ」
更に写真を捲る。そこに写っていたのは──セーラー服姿の明久
「・・・・綺麗に撮れたので印刷してみた」
「落ち着くんじゃ!明久」
「離して!このバカに頭かっち割ってやるぅ!!」
明久を羽交い絞めにして止める秀吉。ってかこの写真いつ撮ったんだろ?
「驚いたぞ。まさかここまで凄い写真を撮るとは」
目に輝きを取り戻した雄二がムッツリーニーを労っていた。あまり女子に興味を示さない雄二ですらこの反応だ。普通の男子が見たら興奮は間違いない
「これで増援も期待できるというわけじゃな。」
「・・・・これ、他の皆にも見せないとダメかな?」
明久は一枚目と二枚目の写真を持って手放すのを惜しむような顔を して雄二に聞いた。
「明久。俺たちの目的を忘れるな。大局を見誤る人間に成功はないぞ」
「そうだね。ここはあきらめて作戦を実行しよう」
「ごめん。確かに間違えていた。この写真は目的の為の手段だし、そんな未練は断ち切る。後でムッツリーニに1グロスほど焼き増ししてもらうだけで我慢するよ」
「1グロスは多すぎだろ」
「未練タラタラじゃな」
「ある意味バカだな」
そんなやりとりをしつつ、僕はムッツリーニーに三上さんの写真をパクられないように1000円払ったのだ・・・
「よし、早速だが・・・」
雄二がどこからかペンを取り出し、写真の裏に荒々しく何かを書き殴った
その内容には・・・
『この写真を全男子に回すこと。女子及び教師に見つからないよう注意! 尚、パクったヤツは坂本雄二の名の下に私刑を執行する』
一種の警告文だった。
成程。確かにそうやって警告しておかないと
明久みたいに盗みそうな奴がいるからな。
「おい須川。コレを男子に順番に回してくれ」
近くで食事をしていた須川に写真を渡す。須川は疑問符を浮かべながらも受け取って…
「ふぉおおおおおお──っ!」
明久以上のすごい声を出しながら覚醒していた
「む、ムッツリーニ。お主、他にも写真を持っておったのか?」
秀吉が話題を変えたかったのか、ムッツリーニの手にあるもう一枚の写真に目を留めていた
「どれどれ、何が写っておるのじゃ?」
「あ、僕にも見せてよ」
「俺も見せてくれ。」
僕もというと、秀吉がムッツリーニから受け取った写真を隣から覗き込む。そこに写っていたのは──浴衣が着崩れて上半身裸に近い状態になっている明久だった。おまけにトランクスがチラッと見えている
「・・・・・思わず撮ってしまった」
「放して秀吉!自分で見ても気持ち悪い写真を撮ったコイツの脳髄を引きずり出してやるんだ!」
「見ておらん!ワシは何も見ておらんから落ち着くのじゃ!」
まったく、ちょっと前まで眠いといって気持ち入ってなかったのに 今はすごい元気だな・・・
少し早く食べ終えて、三上さんとジャイアンと3人で会話していたのだ。三上さんがゆっくりと聞こえるように語りかけてきた
「昨日から少し引っ掛かっていたことがあったの」
「?」
「何だ?その引っ掛かっていたのは?」
「実はね、霧島さんと瑞希と美波に聞いてみたのよ?脅迫みたいなことしてない?って」
うわ、ストレートにきいたね・・・
「で、のび太君達の話を聞いていたら辻褄が会わないところが見つかったの」
なるほど・・・僕も今の話で気づいたことがある
「・・・となれば俺らも今夜動いた方がいいな?」
「どういう風に動くか・・・」
そこで僕はひとつ思い付いたのだ・・・
「僕が遠い距離から明久達を援護するよ。ジャイアンと三上さんは・・・西村先生に協力するといって、ギリギリまでお風呂の所を張ってくれない?」
「なんで?」
「ひょっとしたら・・・黒幕が西村先生の倒された場合に出てくるかもしれない」
「でも、援護するって・・・?どうやって教師がいないと召喚獣出来ないだろ??」
「方法はひとつだけあるよ・・・いや、とりあえず援護の件は任せて?」
「・・・また無茶しない?」
三上さんが心配そうに見ていたが・・・
「大丈夫!」
「どうかなー?のび太だしなー」
「酷いよ!?明久よりましなのに!」
「「それはたしかにそうだな/ね」」
今この瞬間に明久がいなくってよかった・・・さて、夜までに仕掛けるか・・・リスクは高いけどこんなのはましだ!
そんな決意と共に僕らは行動を起こしていた
今日早めに投稿させていただきました!いよいよ、話は最終日へとなりました・・・次回もお楽しみにしてください!!