明久side
「「・・・・・」」
お互いの召喚獣にも動きがなく、無言の状態が続く。睨み合いというわけではなく、清水さんは俯いて召喚獣から目を離している。そうしていたのはほんの数秒程度だっただろうか?いや、もっとたってるような気がすると考えていたら不意に、清水さんが震える声で呟いた
「・・・泣いていました・・・・」
震える声で、それでも怒りを込めて静かな口調で清水さんは発言した
「きっかけは、美春の言葉です・・・でも、原因は、原因は・・・っっ!!」
清水さんが俯いていた顔を上げる。僕を睨みつけるその瞳には、烈火の如き怒りが見て取れた
「お前が・・・お前のような男がいるから!お姉さまが泣く羽目になるんです!!」
その言葉を合図に清水さんの召喚獣が突っ込んでくる。正面からの真っ直ぐな攻撃に、僕は力を受け流すように動いた
「ぐっ!(なんて威力だ!)」
それなのに、僕の僕の身体に鈍い痛みが訪れる。正面から受けたわけじゃないのにこの威力は余程点数の差があるんだろうか?
化学
Dクラス
清水美春 112点
VS
Fクラス
吉井明久 22点
横目で確認した点数の差は約五倍。こちらが圧倒的に不利だ・・・!!
「お前がいるから!お姉さまは泣いていた!お兄様は美子お姉さまと仲違いしてしまった!どうしてオマエのような下郎がお姉さまの傍にいるのです!どうして気持ちを弄ぶ下衆がお姉さまと言葉を交わしているのです!」
駄々っ子のように振り回される相手の剣。その一撃一撃全てが、僕の腕を痺れさせるほどに重かった・・・心に重くのし掛かった
美波が泣く羽目になったのは事実・・・
僕らが美波を利用していたのも事実・・・
「どうして、お姉さまを利用する為に平然と嘘をつく外道が友人面をして近くにいられるのです!お前のせいで、お兄様も辛い思いをしてる!!お前のせいで・・お兄様達のあんな辛い関係になったのに何故平然としてる!!」
確かに・・・元を辿れば僕がしっかりしていたら、のび太も三上さんもギクシャクはなかったかも知れない・・・
それでも・・・
これだけははっきりと言える・・・!!
「嘘は・・・言ってない・・・・!!」
ガッ
相手の剣を木刀で受け止める音が響く。でも、それでも僕は・・・!そのまま力任せに相手の剣を押し返す
「な、にを、言って・・・!」
色々あって酷いことをした。傷つけたし、泣かせてしまった
けど、それでも──
「僕が言った事は、嘘じゃないよ!」
鈍い音をたてながらも、僕の召喚獣は木刀で相手の剣を弾いた
「な・・・!?」
そう。嘘じゃない
付き合っているという話が演技でも、キスをしたということの原因が誤解でも、僕が清水さんに言ったことに嘘はない!
そもそも僕は、あんな場面で嘘をつけるほど器用じゃない!
「僕みたいなバカにだって、言っていい嘘と悪い嘘くらいわかる!昨日のあれは、紛れもない僕の本心だ!」
剣を正面から受け止めたせいで木刀が折れかかっているのは五倍という力の差がある相手と押し合ったせいで消耗している。こんな状態で勝ち目なんてあるわけがないけど!
「逃げるわけにはいかない!!」
元はと言えば全ての原因は僕が作ってしまったこの騒ぎ。迷惑をかけてしまったひとの為にも、僕が責任を取らないでどうする!
これはある意味ありがたい機会だ。この一騎打ちを姫路さんや雄二に任せていたら、僕は騒ぎを起こすだけ起こして逃げ出したロクデナシだ。こうして責任を取る機会をもらえたことを、雄二に感謝──
「試獣召喚(サモン)」
「「えっ!?」」
ここにいないはずの声が聞こえて振り向くと、そこにいたのは雄二とジャイアンだった。何故ここに?いつの間にジャイアンがここにいるの!?
「伏兵ですか・・・!卑怯な真似を・・・!!」
清水さんが僕を憎々しげに睨みつけている。伏兵ってことは、まさか──!
「雄二!ジャイアン!いくら大事な勝負だからってそんなやり方は間違えてるよ!」
まさか、一騎打ちに来たはずの清水さんを大勢で騙し討ちにするつもりなのか!?この勝負がいかに大事なものかはわかるけど、それはあまりに卑怯すぎる・・・!
ジャイアンside
「わるいな、明久・・これは勝負じゃなく戦争だ・・・俺にはクラスを守る義務がある!」
「そういうことだ。悪く思うなよ、明久!特殊能力発動!」
俺と雄二は冷たく言い放ち、召喚獣の特殊能力を発動させる
「やめーー」
「歌え!叫べ!」
(ボエ~!!)
俺は自身の召喚獣を指示だしたのだ。その攻撃は・・・
明久の召喚獣へと攻撃したのだ
「・・・・え?」
明久は想像もしていなかった事態に頭が一瞬思考を放棄している。そして、段々と状況を理解し始めたのか、明久の全身に何かが迸った
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!何これ!?苦しいのだけど!?いやぁぁぁぁあ!」
そういえば、坂本から説明もらっていたな・・・まぁ俺様の歌で酔いしれてくれ!明久!
「清水、今回は元言えばこのバカが起こしたからこの通り粛清した。今更かもしれないが今回はこれで水を流してくれ」
「あががが・・・」
嬉しいのかピクピクとしていたのを見て密かに満足していたのは内緒だ。そんな明久とは他所に坂本は清水に今回はこれで手を打ってくれと頼んでいた
「そうですね。この豚野郎に対する美春の怒りは収まりませんが・・・」
ザクッと良い音が教室に響いた
「し、清水さん!?もう決着はついたよね!?どうしてさらに追い討ちを──痛だだだっ!刃物の痛みが!刃物の痛みがふくらはぎから段々頭に向かって上がって」
「切り刻んだあと、この豚野郎を放課後まで補習室に軟禁すると言うのなら休戦を受け入れてもいいです」
「神に誓って約束しよう。明久はこれで戦死したから補習室行きだ。あとは放課後になるまでそれぞれの教室で点数補充でもやって時間を過ごせばいい。その間ずっとコイツは鉄人の餌食だ」
俺かそういうと、明久は睨んできた
「ふん!なにを恨めしそうにしてるのですか!元と言えば、お姉さまをタブらかしたりしてたのですから少しは反省してください」
ザクザクザク、と何度も明久の召喚獣に剣が押し込まれてる。
「は、は、反省してますっ!美波を傷つけたことを、心から反省して痛だだだっ!」
その痛みは全て明久に降り掛かってる。
明久じゃなかったらショック死するぞ?
「まぁ、あの言葉が嘘だったとしたら、この程度では許しませんでしたが・・・ね!」
とどめに男の大事なところをフルキックで蹴るのを見て俺は一瞬震えた。坂本も若干引いていた
「今回はこれぐらいで許してあげましょう」
よかった・・・交渉成立だ
「この豚野郎はほっといて・・・お兄様は今どの状態ですか?」
清水の質問に俺は最低限教えると、清水は難しい顔になって落ち込んでいた
「お兄様がそんな状態に・・・美春!何とかお姉さまに説得してみます!」
「頼むな・・・」
清水とそう話すと俺と雄二は空き教室を出た
入れ違いに鉄人が入っていき、『ウェルカム』という声が小さく聞こえた
あわれ明久・・・
俺はふっと思ったのは、やはり久しぶりにのび太とスネ夫に俺の歌聞かせようかな?次いでに明久も聞かせようか!うん!それがいい!・・・と言いたいが、まだあくまで考えの段階だ。いつかはしょうとー
ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!