三上さんも含めて僕らは明久の家へと歩いていたのだが、何気に明久の家へと久しぶりな気がするのはなぜだろう?
「何があるんだろうな?」
「ムッツリーニと違って明久は滅多に隠し事をしないからな。何があるか楽しみだね」
「そうだな!確かに何があるのかは俺も気になる」
僕とジャイアンと雄二がそう話すとムッツリーニがしかめ面で否定していた
「・・・隠し事なんて、何もない」
「女物の下着に興味はあるか、ムッツリーニ」
「・・・あるわけがない」
「流石に隠し事に慣れとるだけあるの。嘘も堂に入ったものじゃ」
「・・・!(ブンブン)」
「いや今さら否定しても皆わかってるぞ?」
「・・・・!(ブンブン)」
ジャイアンの言う通りだと思うよ?今さら否定しても・・・・
明久は自分の家に向かう間、ずっと落ち込んでいた
「でも、なんでしょうね?明久君がそこまで隠すものって」
「何かしらね。強化合宿であんな覗き騒ぎまで起こしておいて、今更いやらしい本なんて隠すとも思えないし」
「そうじゃな・・・。急に手作りの弁当を持ってきたこと、Yシャツにはアイロンがかかっておったことなども合わせて考えると・・・」
「ないと思うけど・・・彼女できたの?吉井くん」
「「「・・・・・・・っ!!」」」
三上さんの言葉に、雄二と僕とジャイアン以外は目を見開いて驚いていた
「あ、アキッ!どういうこと!?説明しなさい!」
「む、むぅ・・・明久に伴侶か・・・。友人としては祝うべきなのじゃが、なんだか釈然とせんというか、妬ましいというか・・・」
「・・・裏切り者・・・!」
「僕、何も言ってないんだけど・・・?」
明久の場合は行動が怪しいからそう思われても仕方ないような気がするけど・・・
「大丈夫ですよ。明久君が私たちに隠れてお付き合いなんて、そんなことをするはずがありません。私は明久君を信じています」
「(あれ?姫路おちついてるね?)」
「(確かに・・・)」
僕とジャイアンは耳打ちしながら姫路が冷静なのを感心していたが・・・
「ね、明久君?私たちに隠れてそんな人がいたりなんて、しませんよね?」
「「(ひぃぃ!?こ、こわい!?)」」
姫路の近くに歩いていたが、あの笑顔とあの言葉になぜか恐怖が覚えてしまった・・・
そうこうしているうちに明久の住むマンションに到着
「と、とりあえず明久。鍵を開けてくれない?」
「嫌だ」
せめてもの抵抗へとするが・・
「明久。裸Yシャツの苦しみ、味わってみるか?」
「え!?待って!途中のステップがたくさん飛んでない!?」
「・・・・涙目で上目遣いだとありがたい」
「ムッツリーニ!ポーズの指定を出して何する気!?売るの!?抱き枕!?リバーシブルで裏面は秀吉!?」
「なぜそこでワシを巻き込むのじゃ!?」
「土屋君。できれば、Yシャツのボタンの上二つは開けておいてもらえると・・」
「姫路さんも美波も最近おかしいからね!?わかったよ!開けるよ!開ければいいんでしょ!」
「・・・ボタンを?」
「家の鍵を!」
あの明久がツッコミいれまくってる・・・僕らもボケるべきなのかな?他の皆がいろいろ言っていた
「とりあえず、明久が何を隠してるのか知らないけど・・・」
「入ったらわかるだろうな」
「そうね。彼があそこまで嫌がるなんて・・気になるわ」
「それじゃ、あがってよ」
明久に招き入れられて入った部屋の先、俺たちの視界に飛び込んできた一つの物
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
それは、室内に干された──ブラジャーという名の女物の下着だった
「いきなりフォローできない証拠がぁーっ!?」
明久の叫び声が響く中、皆は思い思いの感想を言っていた
「・・・もう、これ以上ないくらいの物的証拠ね・・・」
「そ、そうじゃな・・」
「・・・殺したいほど、妬ましい・・・!!」
「これは・・・フォロー出来ないわね」
「う、うん。残念ながら・・・(ブラジャーから目をそらしてる)」
「弁明の余地はない・・・(ブラジャーから目をそらしてる)」
そしてこの状況で、姫路が笑顔で明久に歩み寄ってこう言った
「ダメじゃないですか、明久君」
「え?何が?」
「あのブラ、明久君にはサイズが合っていませんよ?」
「「「姫路(瑞希)認めない気だ!!」」」
ついに現実逃避を始めたの?!
「姫路さん、これは僕のじゃなくて!」
「あら、これは」
姫路は視線をリビングの卓上に向けている。あれは確か化粧用のコットンパフだと──
「ハンペンですね」
「「「「「「「「ハンペェン!?」」」」」」」」
とうとう真っ正面から否定した!
「ん?あの上に置かれているのって・・・」
「弁当だね?」
「それも女性向けのヘルシー弁当ね?」
僕とジャイアンと三上さんがそう言うと姫路が顔に両手を当てて床にへたり込んだ
「・・・・」
「えっと・・・姫路さん?」
「も、もう否定しきれません・・・・」
「ちょっと待って!女物の下着も化粧品もセーフなのにお弁当でアウトになるの!?」
まぁ否定のしょうがないのも事実・・・
そう考えていると・・・
「はぁ・・。もうこうなったら仕方がないよね・・・。正直に言うよ。実は今、姉さんが帰ってきているんだ」
とうとう明久が白状した。皆がそれぞれ撫で下ろしていたが聞かねばならないことがある!!
「まって?姉がいるのはわかったけど何でそこまで嫌がるの?」
「普通に教えるだけならいいだろ?」
「確かに、あそこまでの拒絶は気になるな」
僕やジャイアン、雄二がそう言うと皮切りのように皆も言った
「それもそうね」
「確かにそうです・・・」
「・・・(コクコク)」
「そうじゃのう」
「アキ・・・まだ隠してるの?」
僕の言葉で皆が一気に明久にまだ隠しているというお互いを持ちながらじっと見ていた
「明久、もう話した方が楽だよ?」
僕は明久に肩を叩きながらそういうと
「実は・・・僕の姉さんはかなり、その・・・珍妙な人格をしているというか、常識がないというか・・・だから、一緒にいると大変で、色々と減点とかもされるし、それで家に帰りたくなくて・・・」
・・・・これはかなりの人なんだろう。明久が常識ないと言うぐらいなんだから、よほどすごい性格かもしれない
「あ、アキが非常識って言うなんて、どれだけ・・・?」
「むぅ・・・。恐ろしくはあるが、気になるのう・・・」
「・・・・是非会ってみたい」
「そうですね。会ってみたいです」
「うーん、まぁ気になると言えば気になるが・・・」
「そうね・・・」
この場にいるほとんどが興味を持ち始めた
「まぁあんまり勘繰りしない方がいいと思うよ?」
「まぁ、誰にだって、隠したい姉とか母親とか、そんなもんがいるモンなんだから」
「ゆ、雄二とのび太・・・!!フォローありがとう・・・!!」
へぇ?あの雄二がフォロー入れるなんて・・・まさかと思うけど雄二は身内に苦労してるのかな?あはは、まさかね?
すると・・・
ガチャ
その時、玄関のドアを開く音が聞こえた
『あら・・・?姉さんが買い物に行っている間に帰って来ていたのですね、アキくん』
タイミング見計らったかのように帰ってきたね
「うわわわわっ!か、帰ってきた!皆、早く避難を──」
「明久君のお姉さんですか……?ど、ドキドキします・・・」
「う、ウチ、きちんと挨拶できるかな・・・?」
「駄目だ!会う気満々だ!!!」
明久が慌てふためく中、ついに扉が開かれた
「あら?お客様ですか。ようこそいらっしゃいました。狭い家ですが、ゆっくりしていって下さいね」
「「お、お邪魔してます・・・」」
出てきたのは黒髪の短髪に、あ、あの姫路さんよりもあそこがデカイ女性だった
「失礼しました。自己紹介がまだでしたね。私は吉井玲といいます。こんな出来の悪い弟と仲良くしてくれて、どうもありがとうございます」
あれ?思ったよりも礼儀もしっかりしてるし問題ないような気がするけど・・・?
「ああ、どうも。俺は坂本雄二。明久のクラスメイトです」
我に返った雄二が慌てて頭を下げる
「・・・・土屋康太、です」
「はじめまして。雄二くんに康太くん」
笑顔で返す玲さん。意外と普通じゃない?
「木下秀吉じゃ。よしなに。初対面の者にはよく間違われるのじゃが、ワシは女ではなく・・・」
「ええ。男の子ですよね?秀吉くん、ようこそいらっしゃいました」
「・・・っっ!!」
あの秀吉を男だと一発でわかった!?
「わ、ワシを一目で男だとわかってくれたのは、主様だけじゃ・・・・!」
秀吉が凄く感動している。そんなに間違われてるのか・・・いや、多分間違えられるのは仕方ないかもしれない
「もちろんわかりますよ。だって、うちのバカでブサイクで甲斐性なしの弟に、女の子の友達なんてできるわけがありませんから」
「「「んん?」」」
僕とジャイアンと三上さんが今の言葉に疑問を持ったのだ。あれ?なんかおかしいような気が・・・
「ですから、こちらの六人も男の子ですね?」
と、まだ自己紹介していないメンバー(僕とジャイアンと三上さん含む)を指差して言った
「ちょ、ちょっと姉さん!?出会い頭になんて失礼なことを言うのさ!確かにのび太とジャイアンは男だけど、後の4人はきちんと女の子だからね!?」
「ワシは男であってるぞ!?」
明久は秀吉のツッコミをするしてなにもなかったように振る舞ったのだ
「と、とにかく!失礼だよ!?」
「わかりました。・・・・所で、まさかアキくんは、家に女の子を連れてくるようになっていたのですか・・・?」
ん?そういう家訓でもあるのかな?
「あ、あの、姉さん。これには深い深~い事情があって──」
「そうですか。女の子でしたか。変な事を言ってごめんなさい」
「実は・・・ってあれ?」
何かを説明しようとする明久を無視して、僕たちに頭を下げる玲さん。いや、僕とジャイアンにも下げる必要はないのだけど・・・
「どうかしましたか、アキくん?」
「あ、いや・・。姉さん、怒ってないのかな~、って思って」
「?あなたは何を言っているのです?どうして姉さんが怒る必要があるのですか?」
まったくだよ?明久は何を言ってるんだ?
「ところで、アキくん」
「ん?何?」
「お客様も大勢いらっしゃるようですし、アキくんが楽しみにしていたお医者さんごっこは明日でもいいですよね?」
・・・・本当にナニヲイッテルノカナ?
「ね、姉さん何言ってんの!?まるで僕が日常的に実の姉とお医者さんごっこを嗜んでいるかのような物言いはやめてよ!僕は姉さんとそんなことをする気はサラサラないからね!?」
確かに・・・普通はないのだけど・・
「あ、明久君・・・。お姉さんとお医者さんごっこって・・・」
「アキ・・・。血のつながった、実のお姉さんが相手って、法律違反なのよ・・・?」
「姉さん!お説教は後からいくらでも受けるから、さっきの台詞を訂正してよ!」
「何を慌てているのですかアキくん。それより、昨日アキくんに渡した姉さんのナース服はどこにあるか知りませんか?」
「このタイミングでそんなことを聞くなぁーっ!!」
・・・・あの明久がかなり振り回されてる・・・
「それと、不純異性交遊の現行犯として減点を150ほど追加します」
「150!?多すぎるよ!まだ何もしてないのに!」
「『まだ』?・・・200に変更します」
「ふぎゃぁああっ!姉さんのバカぁーっ!」
・・・・こ、これは・・・
「明久・・・お前苦労してるんだな」
「本当にお疲れだね」
「色々に意味で納得した・・・」
「あ、ありがとう雄二、のび太とジャイアン・・・。僕、生まれて初めて3人に癒された気がするよ・・・・」
本当に苦労しているんだね・・・なんか涙出てくるよ
「ごめんなさい。話が逸れてしまいましたね。貴女方のお名前を伺っても宜しいでしょうか?」
「あ、はい。申し遅れてすいません。私は姫路瑞希といいます。明久君のクラスメイトです」
「ウチは島田美波です。アキとは──友達です」
意味ありげな視線を明久に向ける島田。向こうは真意に気づいてないだろうけど・・・
「瑞希さんに美波さんですね。はじめまして」
次は僕と三上さんとジャイアンだね
「野比のび太です。明久の友人です」
「三上美子です。吉井君とは別のクラスですが、知り合いです」
「剛田武です。明久と同じクラスの友人です」
「あら・・・剛田と野比・・・ですか?」
ん?僕とジャイアンの名前聞いた途端に、顎に手を当てる玲さん
どうしたんだろ?
「もしかって・・・○○小学校に通っていたあの二人でまちがいないですか?」
「「え!?な、何でそれを知ってるのですか!?」」
「やっぱりですか・・・この話はあとで聞きます」
なんで玲さんが僕らの出身知ってるのだろう・・・・?
余りにも衝撃過ぎて固まっていたとだけ言おう・・・・
ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!!