明久の暴動をなんとか押さえて無事に料理も完成したので僕らは次の行動を起こした
「皆、待たせたな。夕飯ができたよ?」
「ありがとうございます。お客様なのにアキくんのお手伝いまでして頂いて」
「いや、気にしないでくれ。料理は嫌いじゃないしな」
複数のテーブルをくっつけ、その上に夕飯を置く。これは美味しそうだ
「あ、ありがとうございます・・・(ポッ)」
「お、美味しそうね・・・・・(ポッ)」
「姫路さん、美波。どうして僕の顔を見て顔を赤らめるの?」
それはきっと、明久の写真を見たからだと思う
「それにしても、アキくん。あなたはどうしてそんなに落ち着きがないのですか。リビングにまであなたの大声が聞こえてきましたよ?」
「それは姉さんの行動が原因なんだからね!?」
「ほら。またそうやって大きな声を出して・・。カルシウムが足りていないのではありませんか?」
そう言いながら玲さんは明久の前のパエリアをよけて、代わりに深皿を一つ置く
「それでは皆さん、貝の殻はこのお皿に入れて下さい」
「何それ!?僕の夕飯は貝の殻だけなの!?これってただの苛めだよね!?」
うぅ・・・あの明久が可哀想すぎて色々な意味で涙が出そう・・・
「姉さん・・・。もしかして、姉さんは僕のことが嫌いなの・・・?」
そんな明久の疑問に、玲さんは「心外です」と前置きしてから答えた
「何を言っているのですかアキくん。姉さんがアキくんを嫌うわけがないでしょう?」
その割には扱いがちょっとアレみたいだけどな
「寧ろ、その逆です」
というと?
「無論、大好きです」
「そ、そうなんだ……」
「はい。姉さんはアキくんのことを愛しています」
なかなか大胆なお姉さんだな。皆の前で弟のことを『愛しています』なんて・・・
「──一人の異性として」
・・・・発言がアウト!!
「最後の一言は冗談だよね!?それなら寧ろ嫌いでいてくれた方が嬉しいんだけど!?」
「日本の諺にはこういうものがありますよね」
「何!?また余計な事を言うの!?」
「バカなほど可愛いっと」
あははは・・・
「諦めろ明久。世界でこの人ほどお前を愛している人はいないぞ」
「この愛は深すぎるぞ?」
「そういう意味ではかなり愛されてるね?」
「そうね・・・」
「待って!それは僕が世界で一番バカだって思われていることなの!?」
「う、ウチだってアキのことを世界で一番バカだと思っているわ!」
「わ、私だって!この世界で明久君以上にバカな子はいないと確信しています!」
二人は気づいてないのかな?明久の心に傷つけているの
「ま、そんなどうでもいいことは置いておくとして」
「ど、どうでもいいんだ・・・。結構僕の人生を左右しそうな内容の会話みたいだったんだけど・・・」
普段の行いが悪いからどうでも良いね。ってか、雄二はそういうの言ったら明久にまた嵌められるよ?
「と、とにかく食べようぜ!?折角作ったのが冷めては美味しくないのは嫌だろ?」
「そうですね・・・皆さん食べましょう?」
ジャイアンと玲さんのいうとおり、折角作ったのが冷めては勿体ない
「「「「「「「頂きます!!」」」」」」」
手を合わせて目の前の料理に取り掛かる
「ぬぅ・・・、これはまた、美味いもんじゃな」
「そうね。すごい美味しいわ」
「そうか。口に合ったようで何よりだ」
「そう言って貰えると作った甲斐があるよ」
「だな」
「うんうん」
「・・・・(コクコク)」
うん。明久と雄二の言う通り作った側にはうれしい言葉だよ
秀吉はニコニコと頬張っている。そして、姫路と島田は秀吉とは逆に砂を噛んだような顔をしている
「あれ?二人ともパエリア嫌いだった?」
「う・・・。いや、嫌いじゃないし、凄く美味しいんだけど・・・」
「だからこそ、落ち込むと言いますか・・・」
心中複雑なんだろうね・・・
「ねぇ、のび太君」
「ん?どうしたの、三上さん」
「この野菜炒めは誰がしたの?」
「あっ、それ僕だよ?」
「え!?のび太君が」
「え?も、もしかって美味しくなかったの?」
「うぅん、美味しいし味付けも良いから文句ないわ。凄いわ!!」
「良かった・・・」
僕らがそう会話していると・・・
「ところで、皆さん」
ここからが本題、と言わんばかりに玲さんが話を切り出す。どうしたんだろ?
「うちの愚弟の学校生活はどんな感じでしょうか?例えば、成績や異性関係など」
なんだか後半がやけに強調されていた気がする。・・・まぁ今は聞かれたことに答えたら良いね
「えっと、明久君はすごく頑張っていると思います。最近は成績も伸びてきたみたいですし」
「そ、そうね。たまにドキッとする時があるわ」
さすがに二人とも本人やその家族を前にして悪いことは言わないか
「そうですか。それで、異性関係は?」
「え、えっと、それは、その、よくわかりません……。異性関係は」
「そ、そうね。ウチもあまり知らないわ・・・。異性関係は」
最後の言葉がやたらと強調されていたが、知らぬが仏ってやつだよ?明久
でも、ここはフォローいれておきたいしね。
「あの、すいません?何で異性関係知りたいのですか?」
「姉だから知る権利あるかとおもいますが?」
「本人の名誉のために言いますが、まず明久の人生ってのもあるので、異性関係になにか問題あったらどうするのですか?」
「その時はそのときです」
「まぁそこは本人と話して聞いてくださいよ?無理矢理は脅迫とおなじなので」
「なるほど・・・あとでポッキリと聞きましょう」
どうやら僕の意図は気づいてくれなかった・・・
僕は思わず突っ込みいれたのだ
「いや!?そのポッキリはなんですか!?」
「冗談だよな?あのポッキリって・・・」
「き、気のせいじゃないかしら」
「?なにか間違えてましたか?」
あぁ、やはり姉弟なんだなーと改めて再確認したよ・・・
「そう言えば、言い忘れていました。明日から姉さんの食事は用意しなくても結構ですよ」
「え?そうなの?」
「はい。こちらで済ませておかないといけない仕事があって、明日から土曜日か日曜日くらいまでは帰りが遅くなりそうなのです」
あれ?明久が凄く嬉しそうなオーラだしてる
「ぅえ!?い、いや、そんなことはないよっ。折角帰ってきた姉さんがいないのは凄く残念だよ!」
「英語でいってください」
「HAPPY」
「・・・・」
「あっ!痛っ!姉さっ・・・・!食事中にビンタは・・・・っ!」
僕は女子の目を隠したのだ。というか姫路とか島田には雄二達が目をそらしてくれたので、僕は三上さんの目を隠した
「?」
「三上さんにはこの光景は見せれません・・・」
この後のデサートの味は全く感じなかったみたいだ・・・・
ここまで読んでいただきありがとうございます!次回もよろしくお願いします!