摂氏0℃   作:四月朔日澪

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投稿が遅れて申し訳ありませんでした。少し高校時代を思い出し嫌な気分になった四月朔日澪です。
それではどうぞ。


密約

純でコーヒーブレイクをした後、麻知を家まで送ろうとしたが、用事があると断ってきた。

「ん?どこか寄るのか?」

 

「うん...ごめんねコウくん。待たせちゃったのに一緒に帰れなくて」

 

「いや、いいよ。お礼もできたし麻知も何か用事があるんだろ?もう暗いんだし早く帰れよ。おじさんが心配するぞ」

 

「バイバイ!コウくん。また明日ね♪.........さて、行くか」

 

山城が見えなくなると、麻知は公衆電話に入り誰かに連絡を取ったあと、先ほど山城と入った喫茶「純」にまた入った。しばらく待っていると、純喫茶には似合わない地に着くくらい長いスカート、オキシドールで脱色したであろう中途半端な長い茶髪、ここ近辺では有名な不良校の制服を着た少女が現れた。

 

「コーヒー、ホットで」

 

「あら、お姉ちゃんパフェ頼まないの?ここの美味しいんだよ」

 

「そんなもん頼むか。ったくなんでこんな店を選ぶんだ...私には似合わねぇだろ」

 

「そんなことないよ...ふふっ...お姉ちゃんがパフェを食べるのは別におかしく..ふふっははははは」

 

「てめぇ、後でぶっ飛ばす...」

 

『お、お待たせしました。ホットコーヒーになります....フレッシュはいりますか?』

 

「いらねぇ」

 

『ひっ、ご、ごゆっくりぃ』

 

「そんな睨んだら駄目だよお姉ちゃん。」

 

「ふんっ.....それで麻知。ただお茶するために私を呼んだわけじゃないんだろ」

不良少女は背もたれに寄りかかり、紫煙をふかした。

 

「...ちょっと相談したいことがあって」

 

「それは聞いた。で、相談って?私に恋の相談はやめてくれよ。こちとらあんたみたいなきれいな恋愛はしてないもんでね。」

 

「実は消してもらいたいゴミムシがいるんだよね」

 

「麻知にしては物騒なお願いだな。もっと可愛いねんねだと思ってたよ」

不良少女はタバコを灰皿に押し付けた。どうやら話を聞く気になったようだ。

 

「コウくんを手に入れるためならなんだってする...たとえ汚い手でも。それに汚い手はお互い様...」

 

「それでこそ私の妹分だ。恋愛ってものを分かって来たじゃねぇか。それで消してもらいたい奴って誰だ?」

 

「こいつ」

 

麻知は一枚の写真を見せる。それは春の遠足の時の写真である。麻知は違うクラスの人間だが、この時代写真は番号で注文する方式で違うクラスの写真や好きな人が移っている写真は簡単に手に入れることができた。麻知は笹島の顔を今すぐにでも切り刻みたかったが、この不良少女に見せるためなんとか踏みとどまっていた。

 

「ふぅん。まぁ醜悪そうな顔をしてるな...顔は整ってても嫌らしさが顔ににじみ出てる。」

 

「こいつが私からコウくんを奪おうとしている...多分私一人ではどうしようもできない」

 

「その口ぶりからするとクラスでは上位にいるってとこか...笹島...気に入らねぇな..........いいよ。可愛い妹のためだ私が一肌脱いでやるよ」

不良少女は袖をまくりジェスチャーをした。

 

「ありがとうお姉ちゃん。でも、すぐにはしないでほしいな」

 

「どういうことだ?」

 

「少しあのゴミムシを好きに動かしてやらせたいようにさせる...そして、しばらく経ったらお姉ちゃんが手を下していいよ...私のコウくんに手を出したことを一生後悔させる...そして二度とその取り巻きもコウくんに近づけないようにする...

 

いい、よね?お姉ちゃん?」

 

「あ、ああ」

 

この不良少女、長良景子(ながらけいこ)と北方麻知の関係性は親の付き合いである。長良家は県議会議員の地盤、北方家は市議会議員の地盤で互助関係にある。それによって小さい頃から姉妹のように仲のいい二人であるが、景子はこの時麻知のことを末恐ろしい女だと初めて感じた。麻知だけは敵に回してはいけないというのと、笹島とかいう女はとんでもない化け物を敵に回したなと同情の念を少し持った。

 

「それじゃあ、そういうことでねっお姉ちゃんよろしくぅ...」

 

「あっ、私が払うから別にいいのに.......すみませんパフェ1つ」

 

景子は麻知が店が出て行ったあとパフェをとても美味しそうに食べたのだった。

 

**************

 

そして...

 

「ホットコーヒーを」

「えー麻知ちゃんパフェ頼まないの?」

「...太っちゃう」

麻知はあまり間食をしなくなった。太るというのもあったが、山城を監視する時間を一秒でも確保するためだ。

 

「大丈夫だよ麻知ちゃんは痩せてるんだから。すいませーん、パフェ2つー

ママとはんぶんこしようね」

 

「うんっ!」

 

「お姉ちゃんはいつも強引なんだから。それにしてもお姉ちゃんがママさんになるなんて...ヤンママ(ボソッ」

 

「おい、聞こえてんぞ」

 

長良景子はろくでなしと結婚するのではないかと誰しもが思ったが、結局は親に進められた形で同じ派閥議員の家に嫁いでいった。今や心優しい一児の母である。子供ができると人は丸くなるものなのだろうか。しかし、時々レディース時代の片鱗を見せるが。

 

『お待たせしましたーこちらコーヒーとパフェ二つになります。それではごゆっくr...』

 

「ちょっと待てや...」

 

『え....っと...』

 

「......子供用のスプーンとかあれば用意していただけませんか?(ニコッ」

『申し訳ありませんっ。ただいまお持ちしますっ!』

 

「大人になったね..お姉ちゃん。えらいえらい。昔なら間違いなくガン飛ばしてた」

麻知は小さく拍手をした。子供も真似するように拍手をした。

 

「そんなことしないよーほんっと麻知ちゃんは冗談が好きなんだからぁ..........次子供の前で昔の話したらぶっ飛ばす..」

 

景子は麻知の耳元で子供に聞こえないように口封じをする。

麻知はこれ以上は言うまいとパフェを口にした。やはりおいしい。山城に初めてごちそうをしてもらった思い出の味である。当時は400円だったのに今や900円というのは時代の流れを感じる。しかし、中身は同じである。まぁこの2人もこのパフェ同様中身は当時と変わりないのかもしれない...




閲覧ありがとうございました。目には目を...麻知ちゃんに歯向かったらやばいですね...
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