摂氏0℃   作:四月朔日澪

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私も麻知ちゃん同様指定校推薦だったのと、うちの高校センター試験受けられないレベルの底辺校だったから経験者皆無なんですよねぇ...描写はもはや想像になりそう

それではどうぞ


初詣

 東京の初詣で溢れる神社は明治神宮、靖国神社、東京大神宮、富岡八幡宮など枚挙にいとまがない。これらの神社は普段人もまばらだったりするのだが、三が日はどの神社も人でごった返しており、専ら挙げた神社は1月の間は列が絶えない。

 その中でも特に受験生が願掛けをするのは天満宮だ。代表的なものをあげれば、福岡の太宰府天満宮や京都の北野天満宮、そして...

 

『湯島ー湯島ーお出口は右側です』

 

「三が日を過ぎてもやっぱり凄いなぁ...」

 

「来るまでに疲れちゃったね」

 

千代田線はそれほど混んではいなかったがやはり明治神宮や神田明神などに利用する客が多く、さすがに座ることはできなかった。麻知は振袖姿で下は草履なのでフラフラとしていて一番辛そうだったが。

 

「湯島天神は....3番出口か。」

 

「ちょっと...待って」

 

改札を抜け、黄色い表示板を見ながら出口に向かおうとした時麻知が後ろから声をかけた。振り向くと麻知はだいぶ後ろにいて、ゆっくりと山城のもとに向かっていた。

 

「そんなに早く歩けない...」

 

「あ、ごめん」

 

「いいよ。こうすれば離れ離れにならなくて済むね」

 

麻知は山城の隣につき、腕を山城の腕に巻き付けてきた。

 

「エスコートお願いね。コウくん♡」

 

「階段だから気を付けろよ...」

 

湯島駅を降りて暫く歩くと湯島天満宮、いわゆる湯島天神の鳥居が見えてくる。そのほど近くには本郷があり、有名な東京大学の赤門がある。そのため東大受験者の合格祈願に全国から親や受験生が湯島天神へ参拝に訪れる。

 

「わぁ絵馬の数が凄いね」

 

「絵馬が重なりすぎて絵馬の掲示板が立体になってるな」

 

本殿の前にはいくつかの絵馬かけがあるがどこも絵馬が大量に掛けられていて、今にも倒れてきそうだ。

 

「神様はこんな数のお願い事全て叶えてくれるのかな?」

 

「神様だからな。みんな等しく願いを叶えてくれるよ...まぁ本人の頑張りも必要だけど」

 

「そうだね」

 

列に並び、お賽銭を準備する。脇を見ると巫女さん忙しそうに御守りを参拝客に納めている。湯島天神の合格祈願の御守りは受験生の必須アイテムのようなものだ。特に受験シーズンはこのように社務所には人だかりができる。

 

「コウくん....どこ見てるの...?」

 

「え?」

 

隣を見ると麻知が意味ありげな笑みを浮かべていた。一見すれば清楚可憐な振袖を着た彼女だろうが、目は笑っていなかった。

 

ジッ..「...巫女さんね。かわいいよね...ふふっ巫女さん..振袖を着た彼女よりも..」

 

「.......」

 

「お化粧だって頑張ったのに....」

 

「あ....」

 

「コウくんのバカっ....」

 

それから二人の会話はなく、早く本殿に着かないかと山城は気まずさに悶々としていた。

 

ジャランジャラン...パンパンッ

 

「(法英大学経済学部に合格しますように...)」

 

「(コウくんが法英大学に合格しますように...)」

 

「.......」「.......」

 

二人は御守りを貰いに社務所に向かった。

 

「合格祈願守ですね。500円お納めください」

 

チャリン

 

「おみくじでも引くか?」

 

「...............コク」

 

おみくじには箱に初穂料を納めて箱から引くものと、社務所においてあるくじを引いて出た番号を巫女さんに伝えるものがあるが、二人は後者を引くことにした。

 

「47番ですね......ようこそいらっしゃいました」

 

「コウくん、どうだった?」

 

「えーと....末吉。幸先が悪いなぁ」

 

「気にすることはないよ。私はね吉だったよ。私が運を分けてあげる!そしたらコウくんには末吉以上の力が入ってくることになるよ!ね?」

 

「それじゃあ麻知の運が減っちゃうじゃないか。ははは」

 

「え?自分のことより、コウくんの幸せの方が大切に決まってるよ。コウくんの不幸は私の不幸だもん...」

 

「もっと自分のことも大事にしろよ...そうだな..じゃあ麻知に大変なことが起きれば俺が助けてやるよ。力になるかどうかは別として」

 

「え......うん..ありがとうっ..!」

 

不意打ちな言葉に動揺を隠し切れない麻知は「ほら...もう行こ...」と顔を赤らめながら神社を後にした。

 

**************

 

「ふーっやっぱり家が一番いいな...」

 

「コウくん、おもちいくつ?」

 

「3つ」「はーい」

 

二人は家に着き、山城はコタツでゆっくりしていた。ご飯を食べ終わったら勉強をしないとな...数週間後にはセンター試験、一刻の猶予も与えられていない。

 

「麻知ーあとで英語を見てくれないか?」

 

「うん。いいよー」

 

昼食を終え、山城は赤本を広げる。センター試験の問題集もあるようで今は苦手科目の英語に専念している。

 

「このうち発音が異なるものを答えよ....うーん。英語の読み取りとかはできるんだが発音記号を問われるのは苦手なんだよなぁ」

 

「そことアクセントの問題は毎年違う単語を出してくるから、電子辞書で発音を聞いて地道に勉強するしかないよ」

 

「やっぱり単語か...」

 

頻出単語は覚えたが、アクセントや発音記号までは網羅していない。そこを突かれるようだから勉強は必要なのかもしれない。

 

「そうだ!私が単語帳作ってあげる。それなら時間のロスとかもないし」

 

「いいのか?わざわざ」

 

「うん。どうせやることないしコウくんの勉強時間を無駄にはさせたくないしね!」

 

「....ありがとう。」

 

麻知は山城のそばで単語帳に単語とアクセント記号を入れていった。




閲覧ありがとうございました。私もアクセント苦手だったなぁ...分かるわけないよあんなの。いやぁ全国の受験生のが俺より頭いいだろ(Fラン大学生)
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