え?私?....ヤンデレの美少女に監禁されて執筆できる状況ではなかった...などということもなくただのサボり癖です。本当にごめんなさい。
番外の文字がない....そうです。お久しぶりの新作です。
大学の友人である創のカップルと俺とひよりでカップルデートをしようということで駅前に集合することになった。あれだけ麻知に対して敵愾心を向けていたひよりもカップルデートには「面白そうじゃん」と乗り気だった。
創の彼氏に会うのは初めてだった。あの節操なしの彼女に「愛の終着点」とまで言わせた男だ。ただ者ではないのだろう。創の話だと大企業の御曹司でイケメンだという。どんな男か興味があった....のだが。
駅前で創が連れてきた男を見たとき、既に滉一の身体は動いていた。気がつけば創の隣に居た金髪の日焼け顔の面に一発入れていた。創の彼氏、という麻知の許嫁であった男は倒れその上に滉一が馬乗りになり男の顔を殴り続けた。
「ちょっと、滉一何してんのさ!急に!私の彼氏なんだけど!!」
創が滉一を止めようとするが、ひよりは滉一が殴るのを止めることなく黙って見ていた。俺とひよりは初対面ではなかった。アパートでひよりに告白を受ける前、俺はこの男に思い切り殴られた。
いや、実際そんなことはどうでもよかった。これは単なる仕返しなんかじゃない、俺は麻知を捨てて創と付き合っていることに怒りを覚えた。
創は滉一の振り上げた腕を取り後ろから抱きつく。荒れていた息を整え、俺の下にいる奴を睨むと男の顔は大きく腫れていた。
「答えろ。麻知はどうした。許嫁のお前がなんで創と付き合ってるんだ」
滉一は後ろ襟を創に引っ張られ、男から離れた。男はゆっくりと起き上がり、滉一を睨み付けた。
「親父に別れさせられたんだよ...あれだけ大きく取り上げられたんだ。親父の会社だってただじゃ済まないからな。それで許嫁は解消したんだよ」
男は滉一に殴りかかろうとしたが、ひよりが腕を掴んで後ろへと捻った。男は苦悶の表情を浮かべる。滉一も創に後ろからホールドされ身動きがとれないでいた。
「どういうことだよ..」
「お前知らないのか?麻知ちゃんの父親が談合の指示役をしていたって、週刊誌にすっぱ抜かれたんだぜ。今や建設関係者は誰も近づこうとはしないだろうな。次の許嫁だって決まってないんじゃないか?」
おじさんが談合...?ニュースや新聞などもうここずっと見ていなかったから知らなかった。
麻知はおじさんのことをとても尊敬している。国会議員でなかなか家に帰ることがなく、顔を会わせることも少ないらしいがそれでも麻知は自分の父親を誇りに思っている。
麻知のことがとても心配になってきた。おじさんが事実か分からないが、不正を働いていたと聞いてショックを受けていないだろうか...
「ごめん。創、ひより、今日のデートは延期にしてくれないか?俺、どうしても行かないといけない所がある..」
「デートも何もうちの彼氏こんなボコボコにしてくれちゃってもうデートどころじゃないけど..」
「それは本当にごめん。また今度説明するから、俺行かないと」
俺は駅の改札へと向かった。ひよりも追いかけようとするが、創が制止する。
「邪魔すんなよ!コウが行っちまう!」
「1人で行かせてあげようよ」
「ダメだ!あいつ絶対にあの女のところに向かおうとしてるんだ!」
「滉一のこと信じてあげようよ。それに、
滉一だけにしないと私が麻知ちゃんに怒られちゃうッスから...(ボソッ」
*********
大学の校門で麻知は誰かを待つように1人佇んでいた。すると、ある女学生が声を掛けた。
「あら、麻知さんご機嫌よう」「秋津さん、ご機嫌よう」
麻知が今一番会いたくない相手だった。きっと帆花は内心ほくそ笑んでいるに違いなかっただろう...その予想は残念ながら当たっていた。
「この度のこと、本当に大変でしたわね。麻知さんも報道の方々に追いかけられて大変だったのではありません?」
「いえ、私は大丈夫です。それよりも父が心配です」
「まぁ、でも麻知さんの前でこんなことをいうのもなんですけど、自業自得ですわよね..疑われるようなことをしていたのは確かなのですから」
麻知の外面という仮面も流石に剥がれ、何かを堪えるような笑みを浮かべた。
「ですけど、私と麻知さんはこれからも友人ですからね」
帆花は麻知の手を握る。よくもそんな歯の浮いたことを言うと麻知は思った。
「ええ。勿論、でも....」
「どうしたんですの?」
「私のことは幾ら言っていただいても別に構いませんけど、お父様のことを悪く言うのは秋津さんでも許しませんよ?」
麻知は光のない目で帆花を見つめた。帆花は一歩後ろに下がる。2人の手は繋がれたままで、麻知は微笑んだまま離すまいと帆花の手を強く握った。
「なんだ。こんなところにいたんだ」
ふと、声のある方に振り向くとそこにはアメカジ風のカーディガンに右耳にピアスを付けた黒髪パーマの男が立っていた。中性的な顔立ちで声を聞かなければ女性と間違えるかもしれないほどの美貌だった。
「光司!」
帆花は麻知の手を離し、男の下へと駆け寄る
「お知り合いですか?」
麻知は目線を向けた
「ええ。この方
光司は彼女の方を見る。
「なんだ2人は知り合いだったんだ」
「知り合いといいますか、親同士の付き合いで知ってるといいますか」
先程まで友人と言っていた帆花だったが、ボロが出る。
麻知は口に手を添えてくすくす笑いながら口を開いた。
「まさか
「もう前の話だよ。ほら、行こうか
麻知は光司の隣に立ち、腕を組む。
その姿に帆花は困惑の表情を浮かべた。
「どういうことですの...なんで麻知さんと光司が」
「ごめんなさいね、秋津さん。私光司の今の彼女なの」
「そんな...嘘よ。私別れるなんて一言も..」
麻知は「言ってなかったの?」と聞くと
「ああ。そういえば言ってなかったかも。帆花、別れよう。僕今麻知がいるし」と別れを促した。
「どうして、ですの....私、光司のことが好きですのに...好きで好きで今まで尽くしてきましたのに、私のはじめても光司に捧げましたのに..!どうして!」
帆花は抗議の声を上げる。光司ははぁ、と溜息をつき面倒くさそうに髪をかき上げた
「秋津副大臣の娘だと聞いて近づいたら、三女だったなんてな。まぁそれでもネームバリューがあるから遊んであげてたけど、まぁ楽しかったよ。何も知らないお嬢様が僕の言うことをホイホイ聞いてくれるんだからさ。まぁでも、麻知がいる今帆花、君はもう用済みなんだけどね」
帆花は膝から崩れ落ち、顔を覆って声をあげて泣き叫んだ。
麻知は帆花の横に屈んで耳元で
「これからもいいお友達でいましょうね。秋津さん」
と囁き、光司のもとへと戻りそのまま大学をあとにした。
光司の腕を組み、麻知は呟いた。
「きっと秋津さん、初めてした恋愛だったのにこんな悪い男に引っかかっちゃって本当にかわいそう...そうやって今まで色んな女の子を泣かせてきたんだね...本当最低」
「よく言うよ。麻知だって帆花が泣き崩れた時に笑ってたくせにさ。あれ見てゾッとしたよ容赦ないんだなぁって」
麻知は光司の方を見つめ、こう言った
「じゃあ、同じ最低同士お似合いだね!わたしたち」
その時の麻知の目は笑っていなかった。
*************
-コウくんが悪いんだからね...
コウくんは一生私だけを愛せないようにしてあげようと思ったのに.,.
コウくんも酷いよね、私の前であの女に告白するなんて...
私あの後沢山泣いたんだよ...もう涙が枯れるんじゃないかってくらい
それで思ったんだ。そんな悪いコウくんに私と同じ苦しみを味わってもらおうって、
だから覚悟しておいてね?コウくん
あれから実家まで走り続けた
ちょうど家が見えるところまで行くと、そこには麻知と背の高い男が立っていた。麻知がこちらに気がつき、声を掛けた
「あ、コウくん」
すると隣の男は不思議そうに「友達?」と聞いた。
「うん。コウくん。
「そうなんだ。それじゃ、また明日」
男は麻知の肩を抱いて、そのまま唇を合わせた
これは俺が望んだことだ。麻知が俺のことなんて忘れて許嫁と結婚して幸せになって欲しいと願った。
ひよりと付き合っている今、麻知が他の男と付き合ったとしても俺には全くの無関係だ。それに親の都合で許嫁が解消されて麻知が違う男と付き合っていることだって麻知の自由だということだって頭では分かっているのに.....
なんだろうこの感情は、
初めて抱く感情だった。自分でも制御ができない。
麻知の隣にいる男に対してよくない感情が湧いてくる...
滉一の右手は強く握りしめられていた。
***********
洗面所にはブラシの音と水の流れる音が響いていた。
少女は歯茎を念入りにブラシで磨き、うがいをして口に含んだ水を吐き出すとボウルは血と水が混じり合った液体で広がった
「気持ち悪い...」
閲覧ありがとうございました。
挿入投稿で分かりづらかったと思いますが、新章で結婚編にするのも区切りがおかしいので大学編続行にしました。
編集後記はまた別で活動報告にでもあげようと思います(秋津さんの話とか塩坂越(しゃくし)くん(読めねえよ)の話など)。
ちなみに今考えたら光司くんも「コウくん」になるけど、偶然です。狙ったわけではないです
次は早めにあげます(と言って早く上がったことないのですが)