キバって運命をブッ壊す!   作:ふくつのこころ

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せんとくんが持ち直したと思ったら、今週末はみーたんがまたなにかある模様。
みーたんの出自に関係あることなんだろうなあ、と予想。
ところで、夏映画ってさ、また二人でひとりの仮面ライダーになっちゃうの?


最初はアザゼルと正音の会話、アザゼルサイドから。


当代のキバ

 会談中、アザゼルが気がかりなことがあった。

 それは、当代のキバの継承者・登正音(のぼりまさね)のことであった。新たに加わったリアスの兵士(ポーン)が赤龍帝であることを聞きつけ、興味を持った彼は接触を図った。

 そのとき、リアスの兵士のイッセーやリアスと朱乃に僅かに残している、()()()()()()を感じ取り、会話の中に出てきたのが登正音であった。

 飄々としているものの、魔王の妹や堕天使のハーフ、それに赤龍帝と良好な関係を築けているのはどんな男かと「オカルト研究部の外部顧問」という立場で駒王学園の中を散策していると、お目当ての青年は見つかった。

 

「男と二人きりはありえない」

 

 そんな露骨に嫌そうな様子を隠そうとしないあたりが聞いていた話とそっくりだ。

 なんとなく、アザゼルと似たような嗜好であることが会話の中で分かり、個人的に好意を持てそうだ。

 そうして会話を続けていくうち、アザゼルは話の主題に入る。正音から直接確認したかったことがあったからだ。

 

「お前、蝙蝠男を知っているか?」

 

 アザゼルが正音に見せたのは、駒王町で確認されている都市伝説となっている噂、蝙蝠男。

 軽薄そうな口調とベルトについた蝙蝠との掛け合いをしているとされ、蝙蝠男が現れるときは決まって怪物と戦っているときだと言う。

 本人が積極的に襲われている被害者を助けることはないが、それが女性であれば、決まって蝙蝠男は“キバ”と名乗ってナンパしていくのだと言う。

 

「……」

 

 正音は写真を見せられて絶句していた。

 おそらく、自分の正体を突き止められたことに驚いているのだろうとアザゼルは推測するが、正音を知る者ならば、正音がこういう反応をとるときは一体どんなときなのかとは口を揃えてこういうだろう。

 

 その程度で登正音は驚かない。

 

 なぜなら、常日頃から妙なテンションと自信家なこともあり、驚いた振りをすることはあっても、心から吃驚する様子を見せないからだ。

 そして、正体を知られたところでも嘆いたり脅したりだとかすることはないとも言うだろう。

 自分の実力であれば、決して負けることはないと本人が本気でそう思っているからだ。

 これは、キバの力を持っていると知らない同級生二人も肯定するだろうし、振り回されている後輩も肯定するだろう。

 良くも悪くも、登正音は自分の力を信じているのだ。

 

「お前の正体は分かっている、とでも言いたいのか?」

 

「どうしてそう思う?」

 

「でなきゃお偉いさんがこの俺にわざわざ声をかけることなんてしないはずだ。ひっそり暮らしているファンガイアの末裔になんの用だ?」

 

 喫茶店の個室、アイスコーヒーをストローでかき混ぜ、氷がぶつかり合う音を響かせながら、正音は笑う。

 

「認めるのか。キバであることを」

 

 正音は正体を隠そうとしなかった。

 そして、アザゼルのことを“お偉いさん”と呼んだことから正体にも感づいている。

 目撃証言にもあった蝙蝠が傍にいないが、自分がキバにすぐに変身できない状況であっても態度を崩すつもりはないらしい。

 ファンガイアの末裔、と自身を呼んだことから以前に文献で読んだキバの力を扱えるのはファンガイア、あるいはファンガイアの王族でなくてはならないと言う表記は正しかったようだ。

 

「何が望みなんだ?俺から出せるものは何もない。お目当てはキバなんだろうが、キバの力を渡すわけには行かない。これは、大事な形見なんだとさ」

 

 ちゅるるる、と残り僅かのアイスコーヒーの液体をすする正音。

 カランカラン、と氷をストローでつついて遊びはじめた。

 

「目的がキバなのは合っているな。だけど、キバの鎧を欲しいわけじゃない。魅力はあるが、扱うには注意しなくちゃならねえ」

 

「それは、どういう意味だ?」

 

 アザゼルの言葉に正音は眉を顰める。

 

「オレの目的は、()()()()()()()()()()()()()を聞くことだ。近々行なわれる会談、そこでお前がどこに所属するのかを明らかにしてもらいたい」

 

「……ふざけているのか?」

 

 どこかの勢力に就かなければならない、という言い方に脳内で変換されたのか、正音は不機嫌になった。

 その反応になるのを過去の旧魔王による所業の事実を鑑みた上、アザゼルは言葉を続ける。

 

「ファンガイアが悪魔の手によって滅ぼされた事実はある」

 

「滅んじゃいない、現に俺がいる」

 

「その通りだ。お前がファンガイアの王族と見て、お前には代表として出席してもらいたい。もちろん、さっきの答えをそのまま言ってくれていい。ファンガイアの王族が生きているとなれば、いつまた旧魔王派がキバの鎧を狙いに来るのかわからない」

 

「今は新しい魔王がいるんじゃないのか?抑えられないのか、その魔王には」

 

 おそらく、悪魔の中でも争いが行われたのだろう。

 そうして、現在の体制が勝ったが、それでもかつて破った派閥を抑えられないのかと正音は目を細める。

 

「どこも一枚岩じゃないんだよ。いろいろあるのさ。……話を戻すぞ。ファンガイアの王族の末裔がお前であるとして話を進めるが、お前の姿勢を教えてくれたらそれでいい」

 

 アザゼルは正音に紙切れを渡した。

 記されている場所は登の家の屋敷の不思議な扉を使えば、すぐにいけることだろう。

 

「時間になったら、お前んちの扉を使って来い。遅刻するなよ?」

 

 話がそろそろ終わりそうだ、と学生鞄を正音がつかんだとき、アザゼルの言葉に目を丸くする。

 どうして、その事実を知っているのかと。

 

「どうしてそれを?」

 

「一度、行ったことがあるからだ。かなり前だがな。キバの姿、また見せてくれないか?」

 

「聞きたいことは山ほどあるが……、蝙蝠男って言葉は取り消してもらうぞ。キバって名を知っておきながら、蝙蝠男と呼ばれるのは不愉快だ」

 

 嫌そうに眉を吊り上げる様子、やはりアザゼルの記憶の中にある()()()にそっくりだ。

 

「わかったわかった。10代ってのは、それくらい生意気でなくちゃな。心火をなんだったか。あのフレーズ、気に入ったから、面倒見てやるよ」

 

「心火を燃やして、だ。チャラいオジサンに言われたかないね。んじゃまた」

 

「黙ってろ、クソガキ。お前もいずれはこうなるんだよ。……約束守れよ?」

 

 手をひらひらとさせながら立ち去っていく正音の背中を見ながら、若干跳ねている茶髪が揺れるたび、大丈夫なのかと不安になる。

 そして、その姿が見えなくなった頃、領収書を確認し、なんとなく正音の席を見てみるが、紙切れが一枚置いてある。

 

『アイスコーヒー、ご馳走様』

 

「なら、せめて代金置いてけ」

 

 ご丁寧にキバの紋章を添え(そこそこ複雑な模様のはずだが、いつ描いたのだろうか)、毒づきながら、アザゼルは残っている自分のコーヒーを飲み干した。

 

====

 

 正直なところ、戦争がどんなものなのかは俺にはわからない。

 

 この間までは人間、だけど、いろんなことを乗り越えてきて、人間だった頃がまるで昨日のことのように思えてくる。

 部長、朱乃さん、アーシア、木場、小猫ちゃん、ゼノヴィアと大事な人とか仲間に出会って、よくしてもらっている。

 学校では俺のことをまだ悪魔だとは知らないけど、登先輩がいて、会うたびに振り回される。

 だから、戦争には部長とエロいコトができなくなるから反対だけど、もう一つは平穏な日常を大切にしていきたい。

 

 だから、俺は―――。

 

『相棒。感じるか?この気がなんなのかを』

 

 妙に胸がざわつく、語りかけてくるのはドライグ、共に色んな戦いを乗り越えてきた、俺を導いてくれる師匠のようで相棒のような存在。

 他の神話勢とこれから楽しいことがしたい、と言っていたオーディンの顔も強張る。みんなの反応もそうだ。

 そして、肌を貫くような殺気を飛ばしながらも、その姿を露にしたのは、神、だった。

 

「当代の赤龍帝!キバを知っているか!?」

 

 みんなが戦闘態勢に入り、俺も指示を受けて禁手化を使い、神――ロキの放つオーラに対し、魔力を纏って突き出した拳で打ち消すと、ロキは驚きの表情の後に喜びを顔いっぱいに浮かべた。

 

「キ、キバ……?」

 

「そうだ、キバだ!旧魔王派によって、そのほとんどが滅ぼされてしまった哀れな種族!

強大な力を持っていたばかりに。二天龍にも匹敵しうる世界を滅ぼす力を秘めていた為に奴らは虐殺された!」

 

 ロキの言葉にアザゼル先生がなぜか時計を見つめ、脂汗を浮かべている。

 俺はそれが気がかりになるも、次の攻撃に備え、ロキに蹴りを叩きつける。顔まで覆っている赤いヒーローのような仮面からでも周囲の様子が窺え、グレモリー眷属のみんなやオーディン様の付き人のロスヴァイセさんも、なんとか魔法で立ち向かっているけど、苦戦している様子が見て取れる。

 それに、問題なのは、10メートル以上はありそうな巨大な狼のフェンリルだ。あんまり神話に詳しくないほうだけど、フェンリルがなにかはさすがにゲームをしていたから知っている。

 

 フェンリルは、ロキの息子で神殺しを成し遂げた獣である。そんな、オーディン様にとっての天敵もいる中、他に妙に大きな体表面がステンドグラスのようになっており、複数のレリーフのような顔が浮かび、それぞれに複数の腕を備えた巨大な怪物がいる。

 それからアーシアを守るようにしつつ、朱乃さんと部長が戦っているが、二人の雷と滅びの魔法を受けても尚、あまり効いている様子を見せない。

 それに別固体なのか、木場、小猫ちゃんも相手にしているのを見ると、フェンリル以外にも厄介な奴ら。

 

「ロキ!その話をなぜイッセーにする!」

 

「今の悪魔の社会じゃあ、このことを教えないそうじゃないか。だから、特別に教えてやってるんだよ。そこの魔王の妹も、年齢から知らないだろうしな?」

 

 アザゼル先生がロキに対して吠える。

 いつになく真剣だ、それほどにキバと悪魔のことは関係が深いのだろうか?俺の横を掠めた一突きを受けてしまいながらも、倍加をする!

 

 

Booooost!

 

 カウンター!さっき、アスカロンをもらったけど、やっぱり剣より拳のほうが俺には合ってる!

 

「それと何の関係があるんだよ!?今、この状況と!」

 

「あるさ」

 

 怒鳴り返すと、ロキがニタリと笑う。

 そのとき、どこからともなく、扉が開いた。

 

「約束の時間だからって来てみたんだけど、どうなってるんだ?これは。俺を放っておいて楽しそうなことをしてんじゃねえか。特にあのデカイの、蹴り飛ばし甲斐がある」

 

「……おいおい、ずいぶん、懐かしいのまでいるじゃねえか。まあ、祭の会場にしては、ちょっと山車(ダシ)が派手すぎるか?」

 

「何が懐かしいんだよ?あの巨人?それとも、わんわん?あるいは、……ああっ!いつぞやのお姉さんっ!」

 

 聞き覚えのない声と、よく聞いた声。

 それが戦場に聞こえたことで、三つの声が重なる。

 ロスヴァイセさんを見たときの反応があまりにもいつもの先輩らしすぎて、思わず、吹きそうになってしまう。

 ロスヴァイセさんのほうは困惑してて、申し訳なくなってくるんだけど、ごめんなさい、その人はそういう人なんです。

 

「「「登くん(先輩)!!!???」」」

 

「おう、美しい女性には心火を燃やしてバーニンラヴ、登正音とは俺のこと。……その声はイッセーか!?なんだ、その鎧!?リアスと姫島も手から何出してるんだ!?」

 

 部長と朱乃さん、俺の声が重なると、今度は先輩のほうも吃驚して俺のほうを向いた。    

 反応があまりにも新鮮すぎる……、いろいろ聞きたいことがあるのは俺たちのほうなんだけど、今はそれどころじゃない。

 

「まあ、俺のやることはかわらねえ。ここでカッコいいところを見せて、俺にバーニンラヴって行こうじゃないか」

 

「おい、向こう、たぶん、お前だって分かってないぞ?」

 

 そんなやり取りを蝙蝠としている先輩、先輩が蝙蝠をつかむと、「ガブッ!」と言う声とともに噛み付かれ、先輩の顔にも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「変身、以下略!」

 

 

 そして、腰を巻きつけるように現れたなにかをおさめる窪みのあるベルトに蝙蝠をはめ込むと、その姿が蝙蝠男と呼ぶに相応しい姿へとかえる。

 目が大きいけど。

 

「さあて、今日も、」

 

「「キバって行くぜ!」」

 

 飛び上がった蝙蝠男、蝙蝠男、もとい先輩は特撮ヒーローっぽい決め台詞を吐いて、ステンドグラスの巨人?に回し蹴りで一発ずつ、そして、落下する勢いを使って、フェンリルを蹴り飛ばしてしまう。

 

「来てくれたか!……まあ、こんな状況になっちまったが、やってくれるか?()()()()()!」

 

「やるしかないだろう。まだ名前も聞いてない、素敵なお姉さんがいるんだ。あと俺に正体を隠してた同級生二人と後輩、水臭いぞ!」

 

 髪をなびかせるように仮面に当たるであろう部分を撫でると、キバは倒れ伏せている怪物を背後に俺たちに指を指す。

 

 

 先輩、それはこっちの台詞です。

 




ガルルフォームみたいにびゅんびゅん動いていますが、経験を積んでるだけなので、キバフォームのまんまです。
なんでロキが正音の正体を知ってたのか、はまた次回で。

おかしいな、想像以上に正音の喜怒哀楽が激しくなったぞう
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