この作品は、「結城友奈は勇者である」を基にしたオリジナル主人公が出てきます。注意してお読み下さい。
納得頂けた方はどうぞ楽しんでいってください。
プロローグ・第1話
プロローグ
僕を助けてくれたあの子。
あの子が今、苦しみ、もがき続けている。
あの子が入院している部屋に入ると、出迎えてくれる表情はいつも固く、視線は常に目の前の病室の壁に向かっている。
あの子がいつも向けてくれた笑顔をもう一度みたい。
あの子が咲かせていた周りの笑顔をもう一度みたい。
そのために
僕は
勇者になった。
第1話
僕は小学生のときに髪の色が周りのみんなとは違うことでいじめを受けていた。
クラス全員に無視されたり、暴力を振るわれたり、学校によって様々なものを体験した。
僕は人見知り、根暗な性格だったのでいじめをしてくる連中に言い返したり、やり返したりすることは怖くてできなかった。
僕の髪は、生え際から先端に向かって半分の所までは黒色なのだが、半分を過ぎた所から先端までが少し黒色が混ざった赤色(赤暗色から黒色を半分ほど抜いた感じ)の色をしている。
自分でみても不気味に感じてしまう色なので、周りからみれば気味悪がられるのも仕方ないことであると感じた。
両親は、髪の色関係なく僕を愛していると話してくれたが、それでも学校でのいじめは僕の心を蝕んでいき、元々の性格に拍車をかけていき、同世代の子とはうまく話せなくなっていた。
いじめを受けるたびに小学校を転校し、何度目かの転校で訪れた小学校で、僕のことを助けてくれたあの子に出会ったんだ。
転校したさきで、いつも僕は周りの子たちと話すのが怖くなってしまい、話しかけに行くことができなくなっていた。
当然クラスの子たちも、僕の髪の色を気味悪がり話しかけに来てくれる子なんていなかった。
いつもと同じように気味悪がれ、いじめを受けるのだろうなと僕は考えていた。
しかし、あの子は違った。
「こんにちは!」
話しかけてきたその子は、とてもきれいな赤い髪の毛で、髪を頭の後ろで結んでいる。春なのに半袖半ズボンで元気いっぱいに動き回るイメージが強い子だった。
僕とは違い毛が全て真っ赤に染まっており、とてもきれいでみとれてしまうほどだった。
「こ、ここ、こんにちは・・・」
親以外の人と会話をするのは慣れていないのでへんな話し方になってしまい、僕は顔を赤くしてうつむいてしまった。
「私は結城友奈、よかったら学校の中を案内させてほしいな。任せて、私案内には自信あるから」(ガッツポーズ)
「でも、あまり僕と話したりしていると君もクラスの友達とかに嫌がらせされちゃうかもしれないよ・・・」
「大丈夫!みんなとお友達になればいいんだよ!もし高嶋君をいじめるようなやつがいたら私が退治するから!」
結城さんは笑顔で宣言した。
それが僕とあの子、結城友奈との出会いだった。
学校の案内をしてもらった後、結城さんのおススメスポットの桜の木が咲き誇っている場所に案内してもらったり、久しぶりに楽しい時間を親以外と過ごした。
「ね、ここすごいでしょ。地元の人だと有名な場所なんだけど高嶋君は引っ越してきたって言ってたから知らないと思ってここに来たんだ。桜きれいだよねー」
「うん、すごくきれいだよ。こんなにたくさん咲いてる桜見たのははじめてだよ。来てよかったと思う」
「喜んでもらえて嬉しいよー!私桜好きだから毎年絶対見に来るようにしてるんだ。夜にはライトアップされて昼間とは違う景色が見れるんだよ」
「いいなー、夜の桜も見てみたいけどお父さんやお母さんが、夜に出歩いてはダメだって言われてるからな・・・」
「もしよかったら今日の夜お父さんとお母さんとここで花見する予定なんだけど高嶋君もどうかな?」
「えっ・・・僕もいいの?邪魔になっちゃうと思うよ・・・髪の色みんなと違って変だし」
「私も家族も髪の色なんて気にしないから大丈夫だよ!高嶋君の髪の色カッコいいし!」
「僕の髪がカッコいいの・・・?」
「そうだよ!目的に向かって燃えている感じがして、私は好きだよ」
そんなことを言われたのは初めてだったので、僕は泣き出してしまう。
「た、高嶋君どうしたの!何かあった?どこか痛いの?」
「う、ううん。髪のことで褒められたのが初めてだったからうれしくて・・・」
「私は高嶋君の髪、好きだよ。絶対嫌いにならないから。だから泣かないで」
僕は自分の髪を呪いだと考えていた。
親にも褒められたことのなかった髪を、他人に褒められるとは思ってもいなかった。
まるで自分が初めてこの世界にいてもいいのだと感じられた瞬間だった。
それから、結城さんと話していると家がほぼご近所さんだったことが分かったので一緒に帰ることになった。
(一緒に帰ったりするのは友達がすることだよね?もしかして結城さん、僕のこと友達だと思ってくれてるのかな。でも僕みたいなのと友達でいいのかな・・・)
僕は今までいじめられてきたので友達がひとりもいない。
なので友達とはどうなるのかも分からない。
だから勇気を出して結城さんに言った。
「ゆ、結城さん!あの・・・」
「ん?どうしたの?」
「よかったら僕と、その・・・友達になってくれませんか!!」
このようなこと言ったのは初めてなので僕は顔を真っ赤にして俯いてしまう。
だめだったらどうしよう・・・、僕は性格暗いし友達になってくれないかも・・・
頭の中が暗い考えでいっぱいになる。
けれど、結城さんは笑顔で元気な声で
「うん!私たちは友達だよ、よろしくね!」
と答えてくれた。
小学5年生の春、僕の人生の1つ目の運命の出会いだった。
つづく
読んでいただきありがとうございます。
不定期で投稿していくと思います。
よろしくお願いします。