高嶋叶吾は勇者である   作:宇津田

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臨地実習が忙しい!
小説書く時間が無いので投稿遅くてすみません。
そういえば私、大学生です。


第14話

あれから少し時間が経ち、僕達は中学2年になった。

去年の文化祭のあとから勇者部を通して僕への依頼が急増して、毎日を忙しく過ごしていた。

しかも依頼のほとんどが女装で来て欲しいとか、この学校の人は変態が多いのかな?

でも、頼られて嬉しい僕は、出来る限り依頼をこなしていった。

そしてそのために女装することに慣れていってしまった。

今では恥ずかしがらずに服を着こなすことが出来る。

慣れって怖いね。

今年はなんと勇者部に新入部員がいる。

そう、文化祭で会った犬吠埼樹さんだ。

部長に連れてこられて入部することとなった。

部長は犬吠埼さんが勇者部に馴染めるか心配していたけど、友奈ちゃんや東郷さんが上手く犬吠埼さんが話せるように話題を出していたので問題はなかった。

新入部員も入り、順調な勇者部と僕達。

でもそんな楽しい日々は、この時から少しずつおかしくなっていった。

 

 

友奈ちゃんは勇者部の文化祭での出し物を昨日から考えているらしく、今日の授業中ずっと考えているらしい。

それを東郷さんに気付かれたらしい。

「あっ、なんでもない!」

友奈ちゃんが授業中なのに大きな声で東郷さんに返事をしている。

「結城さん」

「は、はい!」

先生に呼ばれてそのまま叱られていた。

何を考えていたんだろ?

そう思っていると誰かの携帯が鳴り始める。

聞いたことがない音だな・・・。

「え!私の?」

その音は友奈ちゃんと東郷さんの携帯からだった。

そして友奈ちゃんは携帯のことでまた注意を受ける羽目になっている。

でも友奈ちゃんと東郷さんの着信音とかこんな音だっけ?

そう思っていたら、なんと友奈ちゃんと東郷さんがいきなり教室から消えた。

え・・・・・・・・・・・?

目の前で起きた出来事に頭がついていかない。

「ゆ、結城さん?東郷さん?」

先生もいきなり起きた出来事に驚いている。

クラスメイトのみんなもそうだった。

驚いているためか誰も何も言葉を発さない。

そして先生は友奈ちゃん達を探しに教室を出た。

教室にいる僕達は教室で待っていろと言われた。

少し落ち着いてきたのかみんな話し始めた。

「結城と東郷さ、いきなり消えたよな?」

「あれなんだろ?」

そんなことを話していた。

僕自身も少し落ち着いてきた。

友奈ちゃんと東郷さんがいきなり目の前から消えた。

こんなことを出来るのは誰?

考えるんだ。

友達がよく分からないことに巻き込まれてるんだ。

どうにかしようとしないと。

こんな摩訶不思議なことを出来るのは、この世界では神樹様しかいない。

牛さんのような不思議なことがあるんだ。

神樹様に呼び出された?

ということはもしかして大赦の人がこの事態の説明に学校に来ていたりする?

大赦なら何か知っているだろう。

教室の窓から門を眺めてみる。

僕の予想が当たったらしく、大赦の印がついている車が門の前に止まっている。

なら説明しに来た人にこの事態を聞くのがいいだろう。

自分の机の横のバックから大赦の仮面とローブを出して身に纏う。

「た、高嶋君、どうしたの?」

僕の隣の席のクラスメイトが声をかけてくる。

その声が聞こえたのか他のクラスメイトとこちらを見てくる。

話している時間も惜しい。

口があるあたりに指をもってきて、しーってやる。

クラスメイトがいきなり変な服装しているからみんな静かになる。

そのまま僕は教室を出る。

とりあえず、先生たちがいる教室に向かおう。

他の教室の人に気づかれないように静かに向かう。

職員室のドアの窓から中を覗くと、先生方と教頭先生が何か話している。

ここに大赦の人がいないなら用はない。

次に居そうな所は校長室かな?

目標を定めて移動する。

校長室の前まで移動してドアに耳をぴったりとつけて中の音が聞こえるようにする。

すると校長の声だと思われる声と聞き覚えのある声が中から聞こえてくる。

校長と三好さんが話してる?

何を話しているのか聞こうとすると、話がちょうど終わったところらしく、足音がドアに方に向かってくる。

気づいた時には遅く、ドアにくっついていた僕は開いたドアにぶつかってしまった。

「げふぅ!」

「誰だ!」

ドアが仮面をしている顔面にぶつかったのでとっても痛くて悶絶してしまう。

「い、痛い・・・」

「もしかして高嶋君か?」

「この格好しているのによく分かりますね。顔が痛い・・・」

「この学校でその恰好をしているのは君しかいないだろ」

「言われてみればそうですね」

よく考えてみると確かにこの学校でこの服装が出来るのは僕しかいない。

「それで、三好さんに僕は用があるんです」

「大体の用件の察しはつく。場所を変えよう」

三好さんが大赦権限で僕を学校から連れ出して病院に向かう。

「病院に来る必要はあるんですか?」

「ある。というか君が求めている答えの一つがある」

「・・・。もしかして友奈ちゃんと東郷さんがいるんですか?」

「その二人と別にもう二人いるがね」

「誰が他にあの現象に巻き込まれたんですか?」

「君の知っている犬吠埼姉妹だ」

「部長と犬吠埼さんが?」

「そうだ」

「どうして僕以外の勇者部のメンバーがいきなり消えたりしたんですか?」

「それについては答えられない」

「どうしてですか?」

「今回のことは国家存亡に関わる一大事なのだ。関係者でもない君に話せるわけがない」

「でも・・・」

「これでも君にはまだ譲歩して話しているんだ。君たちの学校には、大赦のお役目ということまでしか説明していない。これは君の今までの大赦への貢献から考えてのことだ」

「説明できるところまで説明してくれそうってことは僕に何かやらせたいことがあるんですか?」

「君も察しがつくようになってきたのか。君にはお役目につく結城友奈、東郷美森、犬吠埼風、犬吠埼樹の精神的支援をしてもらいたい」

「精神的支援って、僕カウンセラーとかみたいなことは出来ませんよ」

「そんな大層なこと私も期待していない。彼女達と時間を共にすることで日常での安らぎを彼女達に与えてほしい」

「カウンセリングよりも難しい気がしますよ・・・。とりあえず今までのように一緒にいればいいんですね?」

「そうだ。彼女達が戦いによって精神的に不安定になっているときも一緒にいて支えてほしい」

「勇者部のみんながどんなに変わっても僕はずっと一緒にいるつもりなので大丈夫ですよ」

仮面をつけているけど、笑顔で答える。

そうだ。

こんな変な僕と最初から仲良くしてくれてたのは勇者部のメンバーだけだ。

だから僕から離れることはない。

みんなが辛い時は僕が支える番だ。

「そう決めているのならいい。さあ、病院に着くぞ」

病院に着き、三好さんについていく。

 

 

三好さんについていくと大きな窓がある部屋に着く。

その窓からは隣の部屋を見ることが出来る。

隣の部屋に友奈ちゃん達がいた。

みんなで何か興奮しながら話している。

「よかった・・・」

みんな無事だったんだね。

友奈ちゃん達は一切こちらを見たりしない。

隣の部屋からはこちらの部屋が見えないらしい。

友奈ちゃんを眺めていると、右手に包帯が巻かれていることに気づいた。

「三好さん。みんなは本当に無事だったんですよね?」

「命に別状はない。怪我はしているだろうが」

「怪我をするようなことをさせているんですか?」

「そうだ」

「中学生に危ないことをさせているんですか大赦は!なんの為に⁉︎」

「国難の為だ」

「どうして大人がやらないんですか!」

「純粋無垢な女の子でなければならないんだ。出来るなら我々大赦の人間がやっている」

「でも・・・」

そこで僕の視線が三好さんの握りしめて震えている拳を見つけた。

「三好さんも僕と同じ考えなんですか?」

「何故子どもにこの国を背負わせる戦いを強いなければならないのか、とは思っている。だが私に弱音を吐く権利は無い。彼女達を戦わせているのは大赦だから。しかも当事者に彼女達やその友人の君の方が私より何倍も辛いはずだからね。私は君達のことを影から支えることしか出来ない」

「三好さん・・・」

三好さんや大赦の人は感情を隠すことが上手い。

だから何を考えているのか分からなかったけど、僕と同じ考えをしている人が大人にもいて僕は安心した。

「だから、君には彼女達のことを支えて欲しいのだ。彼女達だけではいつか心が折れてしまうかもしれないからね」

「分かりました。出来る限りのことはお手伝いします。それと、さっきは八つ当たりのようなことをしてしまってごめんなさい」

「いや、いいんだ。君や彼女達は怒る権利がある。いきなりこのような事に巻き込んでしまったのだからな。さあ彼女達に会うぞ」

「分かりました」

「あと君はここでは話すのは禁止だ」

「了解です」

何か理由があるのだろう。

でもそんなことより友奈ちゃん達と会うのが大事だ。

あとこの仮面とローブをつけた状態で話すのは驚かせる事になるから嫌だしね。

二人揃って部屋の中に入る。

「勇者様。御自宅までの送迎車が準備できました」

「あ、はい。分かりました。ほらあんた達行くわよ」

「犬吠埼様方は私が御自宅までお送りさせて頂きます。結城様と東郷様にはこちらの者に送らせます」

話すことを禁止されているので首を縦に振って了承する。

「私達はこのまま歩いて帰れるんで大丈夫ですよ」

友奈ちゃんが送迎を断ろうとする。

「いや、あんたは手を痛めてるんだから東郷の車椅子押すのも一苦労でしょ。だからこのまま送ってもらえばいいじゃない」

「左様でございます。今日は戦われたのですから無理をなさらないで下さい。学校への説明はしてありますので、今日は皆様御自宅でゆっくりとお休み下さい」

「分かりました。よろしくお願いします」

断り続けるのも失礼だと感じた友奈ちゃんが了承をした。

怪我をしている友奈ちゃんに東郷さんの車椅子を押させる訳にはいかないので僕が代わりに押して、車の所まで行き乗り込んだ。

車の中では友奈ちゃんが東郷さんに話しかけていたが東郷さんからはあまり返事をしていなかった。

友奈ちゃんからの話にあまり答えないなんて東郷さんらしくない。

今回の件と関係があるのだろう。

友奈ちゃん達の家に着いたら話しかけよう。

「送ってくれてありがとうございます!」

友奈ちゃんが運転手の人にお辞儀をする。

僕もそれに合わせてお辞儀をする。

僕達三人を下ろして車はすぐに出発していった。

「あの、私達の家ここなんでもう大丈夫ですよ?」

友奈ちゃんに言われて思い出す。

まだ僕だってことを伝えていない。

「友奈ちゃん、東郷さん、ごめんね。実は僕なんだ」

そう言って仮面を外す。

「え、ええー!きょう君だ!どうして⁈」

「高嶋君・・・。一体どうして?」

「病院だと話すのを禁止されてたから僕だよって言えなかったんだ。本当にごめんね」

「全然大丈夫だよ!でもどうしてきょう君がその服とか着てるの?」

「僕も大赦のお手伝いをしていてね、その時に着たりしてるんだ」

「私達とは別のお役目なの?」

「うん。でも僕のは人と毎週話をしに行ってるだけだから。友奈ちゃん達のお役目とは全然違うと思う」

「そう・・・」

「それでね、これからは友奈ちゃん達のお手伝いもするようにって言われてるんだ。だからね、何かして欲しいこととかあったら言ってね」

「きょう君が色々手伝ってくれるなんて心強いよ!」

「そうね・・・。私今日は帰るわ」

「あっ・・・。東郷さん・・・」

そう言って東郷さんは家に帰ってしまった。

友奈ちゃんは追いかけるのを躊躇っていた、ら

「その、東郷さんが元気ないのはお役目をしてからだよね?」

「うん。多分東郷さんだけさっきの戦いで戦うことが出来なかったことを気にしてるんじゃないかな」

「そうなんだ・・・」

敵がいて、友奈ちゃん達がそいつらと戦っているらしい。

なんでそんな危ないことを友奈ちゃん達がしなければいけないんだろうか?

「でもきょう君が理由を知ってるみたいでよかった!」

「ある程度しか知らされてないけどね。でも僕が知っててなんでよかったの?」

「だって何か困ったことがあったらきょう君にも相談できるし、考えるなら一人でも多い方が良い案も出るかもしれないし。何よりきょう君が理由を知って近くに一緒に居てくれるだけで力が出るんだ」

友奈ちゃんらしい理由だ。

でも力になれているのなら僕も嬉しい。

「友奈ちゃんの力になれて嬉しいよ、僕は」

「きょう君はいつも私やみんなの力になってるよ」

友奈ちゃんが笑顔で手を握ってくる。

恥ずかしくて顔が赤くなるが、聞きたいことがあるので、友奈ちゃんの顔を見る。

「そうだ、友奈ちゃん右手は大丈夫?包帯が巻いてあるけど・・・」

「あ、これはね、敵を殴った時にちょっと痛めただけで今はそんな痛くないよ」

「本当に?無理したりしてない?他に怪我してない?」

「本当に大丈夫だよ。そうだ!一緒にお風呂入ってる時にきょう君が私の身体見ればいいんだよ!背中とかは私も分かんないし」

ゆ、友奈ちゃんから身体を見ていいと許可が⁈

でも流石に不味い気が・・・。

「じゃ、じゃあ後ろは僕が見るから前は友奈ちゃんが確認してね」

「はーい。じゃあ帰ろっか」

「うん」

 

 

その後は一緒にご飯を食べたり、お風呂に入ったり、のんびりと過ごした。

でも僕の中ではやっぱり心配だったので、今日は友奈ちゃんの家に泊まることにした。

「今日は本当に疲れたよ〜」

「お疲れ様、友奈ちゃん。本当に」

「ありがとう、きょう君」

今僕と友奈ちゃんは一つの布団で一緒に寝ている。

ちょっと狭いし恥ずかしいけど、お互いを近くで感じられるので僕は好きだ。

因みに提案したのは勿論友奈ちゃんだ。

「でも本当にきょう君が理由を知ってくれてて助かるよー」

「ざっくりとしか知らされてないけどね」

「理由を知ってるか知らないかでその人に何をしてあげられるかって大きく変わると思うよ」

「そうかな?」

「そうだよ」

「じゃあ、僕にしか出来ないことを探して、みんなを手伝うね」

「うん!よろしくね」

そこから沈黙が続く。

「あの、友奈ちゃん。まだ起きてる?」

「どうしたの?」

言う決心が今まで決まらなかったけど、どうしても言っておきたいことが僕にはあった。

「あのね、友奈ちゃん達がやってるお役目がもし辛かったら逃げてもいいと僕は思うんだ。だからね・・・、無事に帰ってきて・・・」

友奈ちゃんの顔を見て言う。

僕はただ友奈ちゃん達の無事を祈る事しか出来ない。

そんな自分が嫌になって途中から泣きながら話してしまっていた。

「大丈夫だよ。私達は絶対に戻ってくるから」

友奈ちゃんが、優しい笑顔で僕を抱きしめてくれる。

「絶対だよ・・・。無理しないでね・・・」

「うん。絶対」

そのまま頭を友奈ちゃんが優しく撫でてくれる。

その気持ち良さに僕はそのまま眠ってしまった。

 

 

次の日の放課後、僕は部活の依頼を受けて部室にいなかったから分からなかったけど、友奈ちゃんから敵が来たと聞いた。

東郷さんも帰る時にはいつも通りになっていたし、東郷さんの悩みは解決したんだろう。

今回は誰も怪我することなく終わってよかった。

みんな無事に帰って来れるように。

神樹様、みんなをお願いします。

 

 




次回はまた主人公と友奈ちゃんだけの回にしよっかなぁと思います。
なので物語は進みません。
作者の投稿スピードが遅いので、もし物語を早く進めて欲しいとかありましたら、感想のほうに書いて頂けたらそうしようと思います。
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