高嶋叶吾は勇者である   作:宇津田

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お久しぶりです、宇津田です。
実習が終わったのでまたぼちぼち投稿していきたいと思います。

キャラクターの心情を書くの下手なので読者の皆様の妄想で補ってもらえると助かります。


第16話

私がきょう君のことを好きだと気がついたのは文化祭が終わって少し経ってからだった。

文化祭で人気者になったきょう君は勇者部を通しての依頼がとても増え、毎日依頼をこなしていくことになり、きょう君はとても忙しくなった。

だから学校帰りに遊ぶ時間が減ったり、きょう君と一緒にいる時間が減ってしまった。

その時から私は、何かモヤモヤしたものを感じていた。

この気持ちは何なのか?

私は親友の東郷さんに相談した。

「それはね友奈ちゃん。嫉妬よ」

「嫉妬?」

「ええ。多分友奈ちゃんは、高嶋君の女装姿が私達だけのものではなくなったことに対して感じているのではないかしら?」

「そう、なのかな?」

「きっとそうよ。高嶋君の女装はとても似合っていて独り占めしたくなるもの。私も文化祭の後から高嶋君の女装姿が他の人から人気を得て依頼で引っ張りだこになってる状況にちょっと嫉妬してるのよ」

「東郷さんもなんだ」

「ええ。だから友奈ちゃんも嫉妬しているのだと思うわ」

「確かにそうなのかも」

「でしょ。だからね、その気持ちを少しでも無くすために友奈ちゃんも高嶋君の写真を沢山撮りましょ?写真が増えると落ち着くのよ」

そう言って東郷さんは私にカメラを渡してくる。

「そうなんだ。じゃあ私も写真を撮ろうかな。あ、でも私写真撮るの下手だよ?」

「大丈夫よ。今から私が手取り足取り教えるから」

東郷さんが笑顔で言う。

東郷さんが教えてくれるなら私にも出来そうだ。

「本当?じゃあ私も始めようかな」

「友奈ちゃんならとても良い写真が撮れるわ」

そんなことで私もきょう君の写真を撮り始めたけど、心の中のモヤモヤが薄れたり、消えることはなかった。

「うーん。どうしてこのモヤモヤは消えないんだろ?」

一人お風呂の中で考える。

今日はきょう君と一緒にお風呂に入っていない。

今日も部活の依頼でヘトヘトになっていていたから、家に誘うのが申し訳なくて誘わなかったのだ。

きょう君なら誘うと頑張って来てくれると思うけど、あんなに疲れているのだからゆっくりと休んで欲しい。

最近はきょう君と一緒に居られる時間が少なくなってちょっと寂しいな・・・。

きょう君と居るときはこのモヤモヤも消えるんだけどなあ。

そこまで考えて、あれ?と思う。

もしかして私、東郷さんに言われたことに対して嫉妬していないんじゃないかな?

だってきょう君の女装が他の人に認めてもらえて嬉しいし、学校でも女装したきょう君が見れるし、私にとっては良いことしかない。

それに、私がお願いをすればきょう君はどんな衣装でも着てくれる。

お願いした時の衣装のきょう君は私や東郷さんや身近な人しか見ることがない。

そう考えると女装に対して嫉妬しているとは考えにくいと思う。

それで、きょう君が一緒に居る時にはモヤモヤが消える。

もしかしてきょう君が他の人といる時間が増えて、私と一緒に居られる時間が少なくなったことに嫉妬してる?

そうなのかな?

だってきょう君が他の人ともっと話せるように色々したのは私と東郷さんだ。

その結果を私は喜んだ。

だってきょう君は人のことを思いやれる優しい人だから。

それを皆に知ってもらえて嬉しい。

なのに、きょう君が他の人と仲良くなってそれを良く思っていないかもしれないなんて、友達としてなんて嫌な存在なんだろう。

この日はそのまま考えていても考えが纏まることはなかった。

 

 

「多分それ、嫉妬で合ってるわよ」

「え?本当ですか?」

悩んでいた日から数日後、風先輩と一緒に浜辺のゴミ拾いをしにきていた。

きょう君は演劇部、東郷さんは将棋部からの依頼で一緒じゃないので風先輩に相談することにしたのだ。

また東郷さんに相談すると、この前東郷さんの言っていたことを疑ってしまうのが嫌だったから風先輩を選んだのだ。

「ていうか、私は友奈が高嶋のこと好きだと思っていたわよ。あんなにベタベタして、お風呂まで一緒に入ってる仲なのに」

「きょう君のことは好きですよ?」

「私が言ってるのは愛とか恋愛的な意味でよ」

「ええ!?そうなんですかね・・・」

「友奈は高嶋と一緒にいてドキドキしたり、嬉しかったりしない?」

「手を繋いだり、抱きついたりした時にあります」

「それよ。他に何か感じたりしないの?」

「あと、こう、犬みたいで可愛いなって思ったりします」

「高嶋は友奈に対して犬みたいだしね、分かるわ」

「高嶋はどうか分からないけど、その感じなら友奈は高嶋のことが好きだと思うわよ。あと、男子で抱きつく相手は高嶋だけなんでしょ?」

女子には友達とかに抱きついたりするけど、男子で私が手を繋いだり、抱きついたりするのはきょう君だけだ。

もしかして本当にきょう君のことが好きなのかな?

そう意識すると顔が赤くなっていくのが分かった。

「ほら、自分でよく考えると思い当たる節があったじゃないの」

「は、はい・・・」

「そういう風になるってことは、友奈が高嶋のことが好きなのよ」

「そう、ですね・・・」

考えると私、きょう君に対してとっても恥ずかしいことしてたよね?

あー!私のバカバカバカ!

「あー、友奈。もうここはいいから今日は帰りなさい」

「え?でもまだやる所が・・・」

「あんたのその様子じゃあもう今日は役に立たないわよ。それより早く家に帰って考えを纏めなさい。その状態で高嶋に会ったら大変なことになるでしょ」

確かに今の状態できょう君に会うと恥ずかしさで変なことをしてしまいそう。

風先輩の言葉に甘えて、家に帰った後、じっくりと考えた。

「私は、きょう君のことが好きなんだ。もし付き合ったら何をしたりするんだろ?」

手を繋いだり、デートとかかな?

でもきょう君とはよく手を繋いだり、一緒に出かけてるから何か他に恋人同士でしかしないことはあるかな?

ずっと考えていると1つ思いつく。

「キ、キスとか、かな・・・」

きょう君とキス・・・。

きょう君、キスしようとしたら顔を赤くして、目をつぶって、少し震えて、でもするのが楽しみだからずっと待ってそう。

それで、お互いに手を繋いで、ゆっくりと・・・。

「私本当にきょう君のことが好きだ」

顔が赤いまま、ゆっくりと言葉にして確認する。

その日は、きょう君から貰った私ときょう君の人形を抱きしめながら眠った。

 

 

私の心の中の気持ちに気付いたあの日から、私はきょう君と2人きりになれる時間を増やすことにした。

休みの日にきょう君を家に呼ぶときはお父さんとお母さんには出掛けてもらい、きょう君と2人で過ごしたり、依頼の時にはなるべくきょう君と組めるよう風先輩にお願いしていた。

そして2年生になってからお役目というちょっと大変なことも増えたけど、家族や友達、そしてきょう君のためなら私は頑張れる!

今日は新しいきょう君の服を東郷さんにお願いしていたので、東郷さんの家に取りに来たんだ。

「いらっしゃい、友奈ちゃん。これ、この前に頼まれた衣装よ」

「ありがとう、東郷さん!こういうのどこで売ってるの?」

「企業秘密よ」

東郷さんが口の前に指を持ってきて、しーっの形をする。

そして東郷さんがいつものお願いをしてくる。

「それでね、友奈ちゃん。今回も写真をお願いしていいかしら?」

きょう君は女装しているとき、東郷さんが写真を撮ろうとすると私の後ろに隠れるようになってしまった。

理由を聞くと、きょう君が女装をしているときの東郷さんは、目が怖いらしい。

そうなのかな?

ちょっとテンションが高いだけだと思うんだ。

それからは、きょう君を女装させて写真を撮るときは私1人でやっている。

「んー。今回はダメかな」

「そ、そんな!?」

だって今回の衣装を着ているのを私以外の人に見られたくないから。

でもそれだといつも衣装を頼んでいる東郷さんに申し訳ない。

何かいい案はないかなー・・・。

あっ、そうだ!

「じゃあ、私がこの衣装を東郷さんの前で着るよ!それでどうかな?」

「友奈ちゃんが私1人の前で、ウサ耳を着けて、スク水に黒ストを着てくれる・・・」

「わあ!と、東郷さん、鼻血が出てるよ!」

東郷さんに近くにあるティッシュを持っていく。

東郷さんが自分で鼻にティッシュを詰めながら話しかけてくる。

「ゆ、友奈ちゃん。それを着て、色々ポーズもしてもらえるのかしら?」

鼻が塞がっていて、今は口で呼吸をしているせいか東郷さんは息が荒い。

「それぐらい、お安い御用だよ!任せて」

「ぐふ・・・」

「とと、東郷さーん!」

幸せそうな表情をして東郷さんは気絶してしまった。

なんでか東郷さんはとっても興奮していたけど、どうしてなんだろう?

その後起きた東郷さんが、今回お金はいらないと言ってきた。

「本当に大丈夫?結構お金かかってそうだけど・・・」

「大丈夫よ、元はとったから!いや、これからとるのだけれど」

「?」

「でも、もしお金が必要だったら言ってね。きちんと払うから」

「ええ。ありがとう、友奈ちゃん」

東郷さんの言っていることはたまによく分からないけど、今回はお金を払わなくていいらしい。

東郷さんから衣装ももらったので、あとはきょう君に聞いてみるだけだ。

 

 

「あのね、きょう君。また着て欲しい服があるんだけど、いいかな?」

学校から帰り、私の家で一緒にお風呂に入っているときに聞いてみた。

学校や外だと人に聞かれてしまうから、きょう君が気にしちゃうと思う。

だから絶対2人きりになれる、お風呂のときに聞くことにした。

「ん〜?友奈ちゃんのお願いならなんでもするよー」

湯船に一緒に入ってからきょう君は、体に力があまり入っていない。

今日も部活の依頼で頑張っていたから、疲れて眠いんじゃないかな。

気の抜けた返事になってるし。

顔がお湯につきそうになるので、きょう君のお腹に回してる両手で私の体にきょう君の体を寄せる。

「やったー!じゃあ今度の日曜日に来て欲しいな」

「いいよー」

そう返事するきょう君の顔がまた下がっていき、お湯に顔がつきそうになる。

「きょう君、そろそろお風呂から上がろう?寝てるよ」

「ん~?寝てないよ~・・・」

ウトウトしているきょう君は、中々起きないからちょっと強引に起こすことにしている。

「もー、仕方ないなあ。こちょこちょこちょ〜」

「ひゃっ、あははははは!ゆ、友奈ちゃん、ダメだよ!」

「お風呂でウトウトしてるきょう君がいけないんですよー」

「お、起きた、起きたからやめて!」

「ほんと〜?」

「本当!」

きょう君の目が覚めたのでここでやめる。

これ以上きょう君が寝ないように身体を密着させて耳元で囁く。

「もう、ダメだよ。お風呂でウトウトしたら」

「う、うん。ごめんね」

「ううん。こっちこそごめんね、くすぐっちゃって」

横からきょう君の顔を見ると真っ赤になっていた。

一緒にきょう君の胸元に手を当てると心臓がドキドキしていた。

うん、これだけドキドキしていたらもうウトウトすることはないかな。

「そろそろお風呂上がる?」

「そうしよっか」

 

 

お父さんとお母さんに次の日曜日を空けてもらえるようにお願いして、きょう君と二人きりで過ごせるように準備をしていく。

きょう君がうちで女装してくれる時はなるべく2人で過ごせるようにしている。

だってきょう君の女装を最初に見て独り占めしたいから。

お菓子とかを準備すれば、きょう君を出迎えられる。

そして来たきょう君に今日着てもらう服を渡して着替えてもらう。

水着とストッキング、ウサ耳は絶対似合うと思うんだよねー。

そう考えながら待っているときょう君が着替えて部屋に戻ってきた。

「待ってたよー、きょう君・・・」

振り返りながらきょう君を見る。

顔を赤くして、手足をモジモジさせているきょう君が可愛い。

それだけだったらいつものことだけど、今日は違かった。

頭につけているウサ耳がピコピコ動いている。

か、可愛い!!

なんで耳が動いてるの⁈

いったい何処で東郷さんは手に入れたんだろ?

その二つが合わさって、可愛さが最強になっているきょう君を見て自分の顔が赤くなっていく。

「ゆーうーなーちゃん。大丈夫?」

ずっと返事もせずきょう君を見ていたので、心配になったきょう君がほっぺたを触ってくる。

「ふあ!?だ、大丈夫だよ!きょう君!」

いつの間にかきょう君の顔が目の前にあり、私の目を見るようにしていた。

「本当に?具合が悪いのを隠したりしてない?」

「してないよ。ちょっとその、きょう君が可愛くてぼーっとしちゃってただけだよ」

きょう君は私が具合が悪いんじゃないかと心配しているので慌てて否定する。

というかきょう君顔が近いよ!

きょう君の顔が近いのもあってドキドキしていく。

と、とりあえず他の話にしよう。

そう考えていると、きょう君が顔を赤くしながら聞いてきた。

「その、この格好似合う?」

そんなの当然似合ってるよ!

「すっごい可愛い!すっごい似合ってる!ウサ耳と水着の組み合わせが最高!誰にも見せたくない!」

そう言うと照れながらもきょう君は嬉しそうに笑ってくれる。

「自分でだと似合わないかなって思ってたけど友奈ちゃんがそう言ってくれると嬉しいな」

「本当に似合ってるよ。可愛くて照れてるきょう君のことが大好きだよ」

心から君のことが好きだよ、きょう君。

 

 

因みに私が東郷さんの前できょう君が着た服を着たら何度も鼻血を出し気絶してしまい、とんでもないことになってしまうのだった。

 

 

 

 




いつも感想ありがとうございます!
また評価もありがとうございます!

余談ですが、結城友奈の章で主人公君と友奈ちゃんが結ばれると世界が滅びます。
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