高嶋叶吾は勇者である   作:宇津田

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お久しぶりです。宇津田です。
投稿遅くてすみません。
毎週連続3日徹夜していたらこんなことに・・・

今回は友奈ちゃん出てきますが、ラブラブしません。
普通にストーリーが進む感じです。
ではどうぞ


第6話

 

慣れない中学の授業を受けつつ、放課後に部活の見学や体験入部をしていたが、しっくりくる部活が無く僕達はまだ入る部活が決まっていなかった。

「友奈ちゃん、チアリーディング部に誘われたんでしょ?」

「そうなの?友奈ちゃん色んな所から誘いがきて凄いねー」

コミュニケーション力、運動神経ともに抜群の能力を持っているから友奈ちゃんは色々な部活から誘いがくるのだ。

さすが友奈ちゃん。

「入らないの?」

「押し花部からの誘いだったらな~」

「そんな部活存在しないでしょ?」

「あまり部活とかで押し花部って聞かないしね」

「そだねー」

3人で部活を探すために校内を歩いていると上級生らしき人に声をかけられた。

「あなたたちにお勧めの部活は、ほかにあるわ!」

「「「?」」」

「あなたたちにお勧めの部活は、ほかにあるわ!」

知らない人に声をかけられたことにドキドキしながらも友奈ちゃん達が話を進めていく。

「何故2回も?」

「どちらの勧誘なんですか?」

「あたしは2年の犬吠埼風。勇者部の部長よ」

「勇者部?」

「そんな部活あったけ?」

初めて聞く部活の名前に首をかしげる僕と東郷さん。

しかし、友奈ちゃんだけは違う反応を返す。

「なんですかそれ。とってもワクワクする響きです!」

「えっ・・・」

「友奈ちゃんはカッコイイのとかが好きだからね」

「分かる~?フィーリング合うねー!」

犬吠埼先輩が説明用のチラシを僕たちに渡してくれた。

「勇者部の活動目的は、世のため人のためになることをやっていくこと」

「各種部活の助っ人とか、ボランティア活動とか」

「世のため人のためになること~」

「うん、神樹様の素敵な教えよねー」

「といってもあたしらの年頃はなんかそういうことしたいけど恥ずかしいって気持ちあるじゃない?」

「そこを恥ずかしがらずに勇んでやっていくから勇者部」

「なるほど、あえて勇者というケレン味のある言葉を使い皆の興味を引くことで存在感を確立しているのね」

「あ、いや、そこまで深く考えてないって」

東郷さんの変なスイッチに反応してしまったらしい。

東郷さんはよく色々なことに対して深読みすることがあり今回もそらが発動してしまったらしい。

気にしないでおこう。

「私、憧れてたんですよね、勇者って言葉の響きに。かっこいいなって」

「その気持ちがあれば、君も勇者だ!」

「おおー!勇者!」

「凄いところに食いつくのね。でもなんだか友奈ちゃんらしい」

「僕も友奈ちゃんらしいと思うな」

友奈ちゃんは人が苦しんでいたり辛いところを見るのが凄く嫌いだから人助けをすると以前話していた。

だから勇者という人助けや困難に立ち向かっていく人を指す言葉に惹かれるのは友奈ちゃんらしいと思った。

「で、どう?3人揃って勇者部に入部しない?楽しい青春が君達を待ってるぞ〜」

先輩の手が、おいで〜、おいで〜と手招いている。

先輩が誘ってきたときに友奈ちゃんが戸惑った表情になった。

1人で盛り上がって話を聞いてしまっていたからだろう。

友奈ちゃんが盛り上がって話を聞いていた部の勧誘を僕は断るはずがない。

「2人はどうかな?楽しそうな部活でいいなって思うんだけど・・・」

「私も楽しそうだと思うからこの部活でいいと思うわ」

「僕は2人がいいと思った部活なら大丈夫だと思うよ」

友奈ちゃんがいる場所が僕の居場所だから。

心の中でそう考えながら笑顔で答えると友奈ちゃんがとびきりの笑顔で宣答える。

「結城友奈、勇者部に入部します!」

それに合わせて僕達も返答する。

「私も勇者部に入部します」

「ぼ、僕も勇者部に入部します」

「よし!一気に3人確保!」

「それじゃあ、立ち話もなんだし、我が部の部室に案内するわ。ついてきて」

案内された場所は家庭科準備室。

ここが勇者部の部室だった。

部屋自体は大きめだが準備室の為、部屋の中は荷物などであまり空いているスペースが無いようだった。

「ちょっと中はごちゃごちゃしてるけど気にしないで。適当な椅子に座ってねー」

「これは片付けのしがいがあるわね」

東郷さんがやる気のある表情で言った。

確かにこれは一度掃除とかしたほうがいいかもしれない。

「掃除はまた今度でいいわ。あとはいこれ、入部届。今週中に担任の先生に提出してね」

「活動は来週の月曜から本格的に始めるわ。今週は部室を掃除したり、どうやって依頼を受けるか考えたりする感じでのんびりやっていきましょ」

「質問なんですけど、もしかしてこの部活は一からのスタートなんですか?」

東郷さんが質問する。

掃除の件や依頼の受付の事などの話を聴くとそう考えても不思議ではない。

「そうよ!よく気づいたわね。この部活は正真正銘、出来立てホヤホヤなのよ!」

「聞き覚えがない部活と思ったら一からのスタートだったとは」

「全部これからなんだよね」

やっぱりそうだったんだ。

でも一から皆で何かを作ったり、行ったりすることはあまり経験したことないから楽しそうでいいかも。

「そうだ、勇者部のホームページを作って、そこに依頼を受け付けられるようにするのはどうでしょうか?」

「いいアイデアだと思うけど、私インターネットとか詳しくないからホームページ作れないわよ」

「その点に関しては大丈夫です。私がインターネットに少し詳しいので私が作成します。ただ学校の許可などが必要になるのではないかと」

「そうね。学校の許可は私が取るから進めて貰ってもいいかしら?」

「了解です」

東郷さんが先輩に敬礼をする。

それを見て苦笑しながら思い出したように先輩が話した。

「そういえば、貴方達の名前を聞いてなかったわね。ここで自己紹介してもらおうかしら」

「さっきも言ったけど、私は、犬吠埼風。2年生よ。よろしくね」

「結城友奈って言います!1年です!よろしくお願いします!」

「東郷美森と申します。よろしくお願いします」

「た、高嶋叶吾です。よよ、よろしくお願いしま、す」

また自己紹介で噛んでしまった・・・

僕が1人でショックを受けている間に先輩は気にせず話を進めてくれた。

助かります・・・

「それじゃあ、他にも色々決めていきましょ」

初めて入部した部活は勇者部。

立ち上げられたばかりの部活での活動は不安があるけど、友奈ちゃん達が一緒だからきっと大丈夫。

 

入部した次の週から勇者部は本格的に活動を開始した。

とはいってもまだ依頼がきていないので今日は川のゴミ拾いを行うことになった。

「3人が入ってくれたお陰で、勇者部の戦力は4倍に膨れ上がったといっても過言ではないわ!ゴミ拾いは人がいるに限るしね」

先輩が空き缶をゴミ袋に入れながら話す。

東郷さんは車椅子なので川の中に入ることができない。

なのでその間に勇者部のホームページの更新などをしてくれていた。

「あ、この間立ち上げたホームページにさっそく依頼がきています」

「ナイス宣伝東郷!」

もう依頼がくるなんて、どんな宣伝をしたらくるのだろうか・・・

「友奈ちゃんは陸上部から、私は将棋部から、高嶋君と風先輩はまだ依頼はきてないですね」

「よし、頑張るぞ~!私は勇者になる!」

「さっそく空いている日を予定で埋めておきますね」

「お願いね、東郷」

「はい。任せて下さい」

「それじゃあ、まだ依頼の指名がきてない私と高嶋は当分市内の清掃活動を行うわよ」

「わ、分かりました」

僕と先輩だけで活動するのか・・・

良い人だとは思うんだけど、2人きりで話せたりするかな・・・

うん、きっと出来ない。

頑張って少しでも話せるようにならないと。

緊張するな・・・

 

 

次の日は早速依頼がきた友奈ちゃんと東郷さんはそれぞれの目的地へと向かっていき、残った先輩と僕は学校の周りからゴミ拾いを始めた。

「さあ、じゃんじゃん拾っていくわよー!」

「は、ははははい」

友奈ちゃんが一緒に居ないといつもの口下手に拍車がかかってしまい、変な返事になってしまう。

先輩は話しながらゴミを拾っていく。

「そんなに緊張しなくていいわよ。私の妹も人見知りで話すのが苦手でねー。だから無理して話そうとしなくていいわよ。ゆっくり私に慣れてくれればいいから」

「は、ひゃい!・・・す、すみません」

「いいのよ、高嶋が頑張って話そうとしてるの分かるから。高嶋話そうとするときに覚悟を決めた表情になるしね」

「僕そんな顔してたんですか・・・」

自分の新たな真実に驚きつつ返事をする。

「友奈や東郷とは仲が良いからそんな顔してなかったわよ。多分馴染みがない人と話すときに出てるんだと思うわ」

てことはクラスメイトに話しかけられたときにもそんな表情をしていたのかな?

おおう、なんてことを・・・

髪の色のせいもあるけど、クラスメイトが近寄ってこないのは多分表情や口下手なせいもあるのだろう。

毎回覚悟を決めた表情で話してくるやつなんて嫌だろう。

これじゃあクラスメイトで友達なんて出来ないよ・・・

1人で頭を抱えていると先輩が話しかけてきた。

「口下手な所とかはこれから直せるわよ。勇者部だと嫌でも人と沢山関わっていくからね。ちょうどいい会話の練習場所になるわよ」

「僕なんかに直せますかね?」

「直せるわよ。まあ、あまり気負いせず気楽にやっていきましょ。何事も楽しく、よ」

「はい。が、頑張ってみます」

「それじゃ、まずは近隣の皆さんや歩行者の方に挨拶から!こんにちはー!ほら高嶋もやる!」

「はは、はい!こここ、ここんにににちは!」

「そう!それでいいのよ。気持ちが込めてあれば十分よ!その調子!」

「はい!」

そんな感じで先輩とも少し距離を縮められた日だった。

 

 

「悩んだら相談っと」

「こうゆう五つの誓い、みたいなのいいですね」

「なんか引き締まる感じするっしょ!」

「残り一つはどうしますか?」

「最後だからビシッとしたいよね」

「為せば成る、為さねば成らぬ何事も。とかどう?上杉鷹山さんのお言葉」

「よ、よーざん?ちょっと難しい言葉のような・・・」

「なせば大抵なんとかなる。とか?」

「それならバッチリ分かるー!」

「よーし、じゃあ決まりね!」

「皆で何を書いてるんですか?」

先生に呼び出されてしまって遅れてきた僕は、部室に入ると3人で何か書いていたので書き終わるのを待っていた。

「いい質問ね。これは、勇者部五箇条!あるといいかなーと思って作ったのよ」

「は、はぁ・・・」

不思議なことをしているような気がするけど、友奈ちゃん達が楽しそうだし、いっか。

「風先輩!読み上げてみていいですか?」

「いいわね!途中から来た高嶋に聞かせるわよ」

「はい!」

「了解です」

僕のために読んでくれるらしい。

「「「勇者部五箇条ひとーつ!」」」

「「「挨拶はきちんと」」」

「「「勇者部五箇条ひとーつ!」」」

「「「なるべく諦めない」」」

「「「勇者部五箇条ひとーつ!」」」

「「「よく寝て、よく食べる」」」

「「「勇者部五箇条ひとーつ!」」」

「「「悩んだら相談!」」」

「「「勇者部五箇条ひとーつ!」」」

「「「なせば大抵なんとかなる」」」

「この部は出来たてだから、何か規則とかあったらやりやすいかなーって思って作ったのよ」

「勇者部五箇条、いいですねー!」

友奈ちゃんがとても喜んでいる。

カッコいい物やヒーローに憧れているから喜ぶのは当然だろう。

「勇者部部員はこの五箇条に沿った志で活動すること!いいわね?」

「はい!」

「了解です」

「わ、分かりました」

この部活に入ったことが正解なのかは今は分からない。

けれど、友奈ちゃんが笑顔でいてくれるならそれだけでいいかなって思う僕だった。

 




毎度感想や評価ありがとうございます!
作者の干からびた心が潤います!
なので是非、感想などありましたら送って頂けたら嬉しいです!
次回は中学一年の主人公君のプロフィールを書きます。
なので多分早いと思います。
ゆっくりとお待ち下さい。
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