サトシのイッシュ冒険記 ~真実の救世主~   作:純白の翼

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EP12 強奪と再会

「とにかく、今はプラズマ団の方を優先的に対処しましょう!」

 

そう進言したのはサトシだった。

 

「そうだね」アロエは同意した。

 

サトシ、トウヤ、メイ、アロエ、キダチは博物館の外へ出た。

 

「プラズマ団!」

 

サトシ達がやって来た時には、かなりの数のプラズマ団がいた。

 

「ドラゴンの骨を、一体どうする気だ!」

 

「何だ?ガキか?」

 

「おい見ろよ!裏切り者がいるぞ!」

 

内1人の団員が、メイを指差してそう言った。

 

「ふざけるな!8年前にメイのパパとママを殺した上にメイを拉致って、奴隷同然に扱き使った癖に!この殺人鬼共!テメエらだけは、何があっても許さねえよ!ドラゴンの骨を事を差し引いてもな!!」

 

メイを守る様に、トウヤが負けじと反論した。

 

「黙れ!イッシュのガキが!我々こそ正義だ!」

 

遅れてアロエが来た。

 

「アンタ達!おふざけはよしなさい!」

 

アロエがそう言う。

 

だがプラズマ団は平気な顔をしている。それが正しい、そして当然だと言わんばかりの表情になっている。

 

「我々の目的。ポケモン解放の為に!このドラゴンの骨をいただく!」

 

「我々プラズマ団が本気である事を教える為に、敢えて貴様らの前で奪ってみせよう!!」

 

プラズマ団は、煙幕で逃亡した。

 

「ハトーボー、風起こし!」ハトーボーは、煙幕を掃った。

 

「向かったのはヤグルマの森か!」

 

「行きましょう!」

 

メイが2人に言った。だが、目の前には足止め役の2人がいた。

 

「通さんぞ!」

 

「ついでに裏切り者のガキを始末してくれる!」

 

ミネズミ、チョロネコが出て来た。

 

「ズルッグ!君に決めた!」サトシは、生まれたばかりのズルッグを出した。

 

【行くぜ!】

 

「オレも加勢しようか?」

 

「イヤ、ズルッグなら出来るって信じてるからな。任せてくれ」

 

「ミネズミ、体当たり!」

 

「チョロネコ、辻斬り!」

 

「ズルッグ、睨み付けろ!」

 

ズルッグの技で、2匹は防御力が下がっただけでなく、余りの迫力に怯んでしまった。

 

「そのまま頭突き!」

 

【食らえ!】ズルッグは、一気にミネズミとチョロネコを瞬殺した。

 

「何ィッ?!」

 

「う、嘘だろ!?たった一撃で……」

 

「ミルホッグ、催眠術!」

 

プラズマ団2人は、眠ってしまった。サトシ、トウヤ、メイの3人はそのまま真っ直ぐヤグルマの森へと向かって行った。

 

*

 

「ここがヤグルマの森……知ってはいたけど、来るのは初めてだぜ」

 

「確かに隠れるのはうってつけだな。まるで、トキワの森みたいだ」

 

【そうだね、サトシ】

 

「ようこそ、ヤグルマの森へ」

 

不思議な青年が3人に声を掛けた。

 

「あなたは?」メイが質問する。

 

「僕はアーティ。芸術家さ。そして、この先のヒウンシティでジムリーダーもしているんだよ。それで、君達はプラズマ団を追ってるんだよね?ヤグルマの森には2つの抜け道があるんだ。このまま真っ直ぐと、そこの脇道」

 

アーティが、2つのルートを指差した。

 

「僕はこの先の出口を塞ぐ。だから、君達にはこっちのルートへ行って貰い、プラズマ団を炙り出して欲しいんだ。一本道だから迷うことはない。頼んでいいかい?」

 

「わかりました」

 

「そちらも頑張ってください」

 

「アーティさんの方も宜しくお願いします」

 

サトシ、トウヤ、メイの順番でそう言い、森に入る。

 

*

 

待ち伏せをしていたプラズマ団を倒しつつ、確実に距離を詰めて行っている3人。

 

「どこまで来たかな?」サトシが言った。

 

「もう折り返し地点まで来たはずだ」

 

「念の為、回復とかをさせた方が良いですよ、サトシさん、トウヤお兄ちゃん」

 

メイは、サトシから受け取った木の実プランターとゼニガメじょうろで木の実を育てていた。収穫で手に入れたオボンの実と、ヒメリの実を2人に手渡す。サトシ一行のポケモン達が全快になった。

 

「ありがとな、メイ」

 

【サトシの言う通りさ】ピカチュウは、サトシの言葉にコクりと頷き、メイに笑顔を見せた。

 

「私に役に立てることってこれ位しかありませんから……」

 

「見つけたわよ!田舎のトレーナー!」

 

木の上から、アイリスがサトシたちの前に飛び降りて来た。

 

「お前は……アイリス!」

 

【爆発頭の、キチガイのアバズレ!】ピカチュウも可愛い顔を歪ませた。

 

「確か、ガバイトを寄越せって言っていた女だったっけ?」

 

「ああ、そうさ」

 

「それって、ポケモン泥棒じゃ……」

 

「ここで会ったが100年目!今日こそガバイトをいただくわよ!」

 

「クソ!今、プラズマ団を追っているっていうのに!このタイミングで!」

 

「サトシ、コイツはオレがやるよ」

 

「トウヤ!?」

 

「お兄ちゃん!?」

 

「今ここで、骨を奪い返せる可能性が1番高いのはサトシだ。だからオレは、そのサトシを信じて先に行かせるよ」

 

「分かった。後で来いよ」

 

サトシはメイを連れて先に向かう。

 

「ちょっと待ちなさいよ!ガバイトを……」

 

アイリスが止めようとするが、ワシボンとミジュマルが妨害した。

 

「言った筈だぜ、ドラゴン厨。お前の相手はオレだってな」

 

「どきなさいよ!三流の新人トレーナー!!」

 

「そんなのはオレに勝ってから、幾らでもほざきやがれ!」

 

「生意気なお子様の分際で!!瞬殺してやるわ!キバゴ!」

 

アイリスはキバゴを出した。だが、心なしかサトシ戦時に比べて元気がなく、アイリスに対して怯えているようにも見えた。

 

「ワシボン、頼む!」

 

【ジム戦に出られなかった鬱憤を晴らしてやる!】

 

何とも血の気が多いワシボンである。

 

「キバゴ、竜の怒り!」

 

だが、それは未完成のものだった。

 

「竜の怒り?竜のくしゃみの間違いじゃないのか?ワシボン、燕返し!」

 

ワシボンの技が命中し、キバゴは吹っ飛ばされる。

 

「キバゴ!まだ竜の怒りを使えないの!相変わらず役立たずのままね!」

 

【アイリス、ゴメンなさい】

 

「何時まで経っても進化しないのは、アンタが弱いままだからじゃないのよ!」

 

「おいおい、せめて技を完全にモノにしてからバトルに出させてやれよ。それに、トレーナーである以上、命とかの、ポケモンの全ての責任はお前が背負うんだぞ!」

 

「うるさい!アタシの所為じゃないわ!進化さえすればね、アンタなんてボロクソ雑巾みたいに倒せるんだから!」

 

【何て野郎だ!自分の落ち度をキバゴの所為にするなんてよ!救いようがねえな!これなら、シュー太郎って金髪野郎の方が何倍もマシだぜ!】

 

「岩石封じ、キバゴじゃなくて周りにやるんだ」

 

ワシボンは岩石封じを、キバゴの周りに使った。これで、キバゴに逃げ場はない。

 

「燕返し!」

 

ワシボンの燕返しが決まり、キバゴは戦闘不能になる。

 

「このクズ!また負けたじゃない!行くのよ、ドリュウズ!」

 

アイリスはそう言いドリュウズを出すが……出されたドリュウズは、穴を掘る態勢のまま動かなかった。トウヤは、見知らぬポケモンに早速ポケモン図鑑で調べる。

 

「図鑑と違うな。ワシボン、戻ってくれ。ミジュマル、頼む」

 

ワシボンとミジュマルを交代した。

 

「ちょっとドリュウズ!このバトル、負けられないんだから言う事を聞きなさいよ!」

 

【あのドリュウズの気持ち分かるわ。私が彼の立場でも、絶対に言う事聞かないわよ】

 

「言う事聞かないのかよ、そのドリュウズ。呆れた」

 

「違うわよ!ちょっと反抗期なだけ!」

 

「うわっ!これで完結させるんなんて……もういいや。ミジュマル、シェルブレード」

 

【分かったわ】

 

ミジュマルの技でドリュウズは倒れた。

 

「お、覚えてなさい!」

 

アイリスは逃亡した。

 

「何か疲れた。でも、サトシとメイを追わなきゃな」

 

*

 

サトシ、メイは先に進んでいた。途中、野生のクルミル、次にペンドラーをリーダーとしたフシデ系統の群れが襲い掛かって来た。だが、サトシは即座にクルミルとペンドラーをゲットした。フシデ達の群れは、リーダーがいなくなったので逃げて行った。前者は、ズルッグ共々メイに預かって貰っていて、後者はアララギ研究所行きとなった。この時、オーキド研究所にいる自分のポケモン達を何体か送って貰い、控えになっているポケモンに実戦経験を積ませるべきかと検討したサトシであった。

 

そして程無くして、プラズマ団を見つけて追いつめた。

 

「チャオブー、炎の誓い!ミジュマル、シェルブレード!ツタージャ、リーフブレード!ハトーボー、エアカッター!」

 

プラズマ団のポケモンを瞬く間に全滅させるサトシとポケモン達。ズルッグとクルミルは観戦、ピカチュウとガバイトに至ってはポーカーをやっていた。

 

「今までのトレーナーとは明らかに別物レベルの強さだ!」

 

「さあ、骨を返して貰うぜ!」

 

「チクショウ!」

 

プラズマ団からホネを回収する。そしてプラズマ団は逃げ出す。だがこの先にはアーティがいる。逃げられる筈が無い。

 

「おーい!」

 

トウヤが駆け付けて来た。

 

「トウヤ!」

 

「お兄ちゃん!」

 

「待たせたかな?」

 

「そんな事ないさ。丁度骨を取り返したからさ!」

 

「アーティさんの所へ行きましょう!」

 

*

 

3人はアーティと合流した。

 

「まさか、あんな形で逃げられるなんて」アーティが言った。

 

そう……プラズマ団はいなかった。謎の3人組によって解放させられ逃げられたのだ。

 

「そ、そんな」トウヤが狼狽える。

 

「でも、ドラゴンの骨は取り返すことが出来たんです。今はそれで良しとしましょう」

 

サトシがそう言う。

 

「そうだね。それは本当に良かった。それと、連中はプラズマ団の中ではダークトリニティと呼ばれている。恐らくだが、かなりの手練れだろう。少なくとも、下っ端とは別物と見ても良い」

 

「ダークトリニティ……」

 

サトシとトウヤは、新たな敵に少し武者震いをしていた。その後、アロエにドラゴンの骨を渡して先に進んだ。目指すはヒウンシティだ。

 

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