サトシのイッシュ冒険記 ~真実の救世主~   作:純白の翼

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今回、フルボッコ対象のモブが、自業自得とは言え、散々な目に遭います。賛否両論になるかも知れませんので、注意してください。


EP22 蹂躙せよ!

観光から3日後の事だった。サトシ一行は、ライモンジムの入り口に来ていた。

 

「いよいよだな」と、トウヤ。

 

「当初の予定より、ハプニングの連続で挑戦が遅れたけど、調整は良い方だからな」

 

「これも、誰かさんお陰とも言うべきかな?」トウヤは、デューンをチラ見した。

 

「オレのポケモンでイヤってほど調整は行って来たんだ。然るべき結果見してくれよ?まあ、こっちはサトシのゲンガーと手合わせ出来たからめっけもんだけどな」

 

そう。昨日までのこの2日間は、デューンによる調整をやっていた。ライモンジムでは4体のポケモンを使用するという。特に、イッシュでは見かけないポケモンが1体混じっているとの事だ。

 

*

 

特訓を終え、ポケモンセンターに向かおうとするサトシとデューン。そこに、情報収集をやっていたトウヤが戻って来た。

 

「サトシ。カミツレさんは、イッシュにいないポケモンを1体使って来るら話。しかもそいつ、ドラゴンタイプが全く効かないらしいぞ。見た目に油断されて、沢山のチャレンジャーを血祭りにあげて来たってさ」

 

トウヤは何時もの様に、カミツレが使用するポケモンの情報を手に入れた。

 

「そんなポケモンいるんですか?電気タイプなのに、ドラゴンタイプの技が効かないポケモンって」

 

「少ないがいるぞ。例えば……」

 

デューンは、アローラ地方で使われている図鑑を開き、3人に見せた。

 

「これを見てみろ」

 

「わあ!可愛い!!」

 

「このポケモンの名前はデデンネ。電気タイプの他に、フェアリータイプを持っている。生息地は主にカロス地方だが、アローラ地方にもいる。それに同じ組み合わせなら、このポケモンもだな」

 

デューンは、次に鶏冠を持ったポケモンのページを見せた。

 

「カプ・コケコ。アローラ地方の島の1つ『メレメレ島』の守り神さ。流石に、伝説のポケモンを使って来る事は無いだろうが。ジムリーダーは、高い確率でデデンネを出してくる可能性がある。だが、万が一カプ・コケコって時もある。注意してくれ」

 

「分かったぜ、デューン。オレの知らないポケモンとのバトルか。楽しみだぜ!」

 

「ジョーイさーん。ポケモンの回復お願いしまーす」

 

「はーい!あら?あなたがサトシ君かしら?」

 

「そうですけど、何か?」

 

「実はアララギ博士から連絡が入っているのよ。何でも、サトシ君宛に届いたジョウト地方からのお届け物を渡したいって」

 

「?分かりました。早速行ってみます」

 

サトシは早速、アララギ博士に連絡を入れた。

 

「あら!サトシ君!」

 

「お久しぶりです、博士」

 

「体調の方はどうかしら?」

 

「すっかり良くなりました!ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

 

「良いのよ、気にしないで。それよりも、オーキド博士からあなた宛てに来たのよ。お届け物が」

 

「アルトマーレからそうだよ。今からそっちに転送するよ、サトシ」

 

途中からシゲルが話に参加して来た。彼は、転送装置に、手紙とプレミアボールを置き、ボタンを押した。手紙とプレミアボールは、サトシの元に届いた。

 

「まさか……」

 

「今度、直接会ったら見せて貰ってもいいかしら?」

 

「分かりました!」

 

連絡を終え、早速手紙を読むサトシ。

 

『サトシ君へ

元気にしていますか?私は元気に毎日を過ごしています。この手紙の事を、手短に説明しますね。

あの事件の後、アルトマーレには何体かのラティアス、ラティオスが住むようになりました。そして、この子はずっとサトシ君の所にいたいようです。なので是非、この子を連れてってあげて下さい。

カノン』

 

「カノン……ラティアス……」

 

【サトシ!手紙がもう1枚あるよ!!】

 

「あ!もう1枚あるぞ!」

 

『追伸

また今度、アルトマーレにも顔を出してくれると嬉しいです』

 

「ピカチュウ、またいつか行こうぜ。アルトマーレへ」

 

【うん!!】

 

人目が付かない場所に移動したサトシ。ラティアスは他地方でも伝説のポケモンとされている。下手に出すと、イッシュのトレーナーによこせと言われる可能性が極めて高いし、プラズマ団もその珍しさから解放ではなく強奪して来るからだ。

 

「よーし!出てこい!ラティアス!」

 

プレミアボールから出て来たのは、白と赤のツートンカラーのポケモンだ。

 

「クーッ!」出て来て早々、サトシに抱き着くラティアス。

 

「久しぶりだな!」

 

「クゥーン!クゥン!」

 

「これから宜しくな!」

 

サトシは後で、トウヤ、メイ、デューンに事情を話した。デューンがバトルさせて欲しいと頼んで来たので、それに応じた。デューンはエンペルトで対抗したものの、勝利はラティアスのものとなった。だが、デューンは満足した様だった。今度は、リザードンやジュカインともやってみたいと言ったのだった。

 

余談だが、ラティアスもメガストーンを持っていた。アルトマーレのどこかで拾ったのだろうかと思ったサトシであった。

 

*

 

ジムの中へ入るサトシ。中は、黄色い声で溢れていた。

 

「ようこそ。このステージへ。さぁ!私の可憐な姿にクラクラしていってね!」

 

ステージの真ん中には、カミツレがいた。

 

「それで、今回はどちらかしら?」

 

「オレから行きます!」先に行くのはサトシだった。

 

「ピカチュウを連れた君ね!良いわ!早速始めましょう!」

 

サトシとカミツレのジム戦が始まった。観客の殆どは、サトシを田舎者だとか雑魚電気ネズミを連れた弱っちい野郎だとか抜かしていた。カミツレは少しだけだが、眉を顰めた。他地方からのチャレンジャーが来るだけでこれである。自分も休暇でカロスやアローラに行き、そこで出会ったポケモンを仲間にしているのだ。この現状にうんざりするのも無理はない。

 

「さぁ!私のポケモン!スポットライトの中へ!」

 

カミツレはゼブライカを繰り出した。

 

「ガマガル、頼むぞ!!」

 

「ゼブライカ、自分に雷よ!」

 

「カミツレさん、どうしたんでしょうか?」

 

「ゼブライカの特性は避雷針か電気エンジン……自分自身に電気技を使う事で、特攻か素早さを上げたんだろうな。デューンはどう思う?」

 

「恐らくあのゼブライカ、電気エンジンだろうな、特性」

 

「電光石火よ!」

 

ゼブライカでも出すことは出来ないであろうスピードで、ガマガルに攻撃を仕掛ける。

 

「ガマガル、泥爆弾。フィールド全体にだ」

 

サトシは焦らず、ガマガルに泥をばら撒くよう指示した。これで、電気技の威力を落とす事が出来るし、ゼブライカの動きを制限出来るのだ。

 

「こんな方法でゼブライカの動きを抑えるとは。やはり、他3つのジムを圧勝するだけの事はあるわね。でも負けないわよ。ニトロチャージ!」

 

「ハイドロポンプで炎を掻き消すんだ!」

 

炎を纏ったゼブライカを、ガマガルはすかさず消化した。ついでにゼブライカにダメージを与えた。

 

「今だ!ヘドロウェーブ!」ゼブライカは倒れた。

 

「戻ってゼブライカ。エモンガ!」

 

カミツレはエモンガを繰り出した。

 

「ジャノビー!君に決めた!」

 

「アクロバットよ!!」

 

「リーフストームで近付けるな!」

 

エモンガは、リーフストームによって動きを牽制された。

 

「エモンガ、ジャノビーをクラクラさせなさい!フラッシュ!!」

 

エモンガのフラッシュは、ジャノビーの視界を奪った。ガヤは、素早くサングラスを付けた。

 

「エレキボール!!」

 

「ジャノビー、耳を研ぎ澄ますんだ!!それでエレキボールが来る場所を見つけ出せ!」

 

視界を閉ざされたジャノビーは、聴覚を用いてエレキボールが来る方向を探った。そして見つけた。

 

「今だ!リーフブレードで弾き返せ!」

 

わずかに聞こえる放電の破裂する音。そこへ目掛けて、リーフブレードを打ち込み、エモンガに返したのだった。

 

「今だ!アクアテール!!」

 

エモンガが技を当てられて怯んだ隙に、視力がある程度回復したジャノビーは留めの一撃を叩き込む。エモンガはそれで戦闘不能となった。

 

「お疲れさま、エモンガ。次はデデンネ、行って頂戴!」

 

カミツレは、デデンネを繰り出した。

 

「来たか、デデンネ!!」

 

「この子は、休暇でカロス地方に行った時に出会った子なの」

 

「ジャノビー、戻ってくれ!行くぞ、ダブラン!!」

 

サトシはジャノビーを戻し、ダブランを出した。色違いの為、ガヤからは驚きの声が上がった。

 

「放電よ!」

 

「守る!!」ダブランは、デデンネの攻撃から身を守った。

 

「未来予知だ!!」

 

「マズいわね。デデンネ、じゃれつくよ!」

 

「そうはさせませんよ!ダブラン、サイコキネシスで動きを封じるんだ!」

 

デデンネをサイコキネシスで捕まえる。

 

「シグナルビーム!」

 

シグナルビームがデデンネに当たった。デデンネは、続け様に未来予知によるダメージを受けて戦闘不能に。

 

「やるわね、サトシ君」

 

「カミツレさんこそ!カロス地方のポケモンを使って来るとは思いませんでしたよ!」

 

「それじゃあ、この子を見ても驚くかしらね?行くのよ、ライチュウ!!」

 

カミツレはライチュウを繰り出した。

 

「ライチュウ?でも、オレが知ってるのとは違う」

 

「サトシ!そのライチュウは、リージョンフォーム!!アローラの姿だ!エスパータイプも持っているぞ!!」

 

デューンは、大きな声でサトシに情報を伝えた。

 

「そうか、だからサーフィンするかのように空を飛んでいるのか」

 

ライチュウを見て、ピカチュウが出て来た。自分がバトルすると言わんばかりの顔をして。

 

「ピカチュウ、頼むぞ」

 

「ライチュウ、エレキフィールド」

 

フィールド全体が電気を帯びたものと化した。

 

「ピカチュウ、電光石火!」

 

「ライチュウ、10万ボルト!!」

 

ライチュウの方が素早かった。ピカチュウはダメージを受けるものの、大して大きくなかった。

 

「早い……そして、電気技もパワーアップしている!」

 

「そう、エレキフィールドの中では、地面にいるポケモンだけ眠りと欠伸状態にならないの。それに、電気タイプの技の威力が50%上がるのよ」

 

「だとしても、あの素早さは幾ら何でも異常過ぎる……アローラのライチュウの特性に何か秘密があるのか?エレキフィールドの中では、素早さが上がるとか」

 

「正解よ、サトシ君。やっぱり凄いわね。ライチュウの特性を推測するなんて。そうよ、アローラのライチュウはサーフテールを持っているわ。その効果は、サトシ君が言ったのであってるわよ。さあ、ライチュウ、ダブルリフレクションよ」

 

ライチュウは、何やら透明な光の壁を作った。

 

『あれって、リフレクターとか光の壁か?ダブルリフレクション……もしかして、光の壁とリフレクターを同時に発生させて融合し、より強力な技半減効果を生み出しているのか?』

 

「さあ、ライチュウ。10万ボルトよ!」

 

ライチュウが電撃のチャージを始めた。

 

「どうすれば良い?」

 

「発射!」

 

「ピカチュウ、尻尾をアースにして受け流せ!!」

 

何とかライチュウの攻撃をやり過ごす。

 

「甘いわ、サイコショック!」

 

「ボルテッカーで回避!!」

 

時を止めたかのような超スピードでサイコショックを躱すピカチュウ。

 

「しぶといわね。ライチュウ、次で終わらせるわよ。10万ボルト」

 

またもチャージが始まった。

 

『どうする?考えろ!絶対に倒し方がある筈!……ん?』

 

そう言えば、とサトシは思い出す。カミツレのライチュウは、10万ボルトを放つたびにしばらくの間チャージをしている事を。

 

『それに、エレキフィールドの効果。もしかすれば……やってみる価値はありそうだな』

 

「ピカチュウ、電光石火でライチュウの前まで接近!」

 

【オーケー!】

 

すぐに、ピカチュウはライチュウの前まで来た。

 

「そんな!まだチャージは終わってないのに!」

 

「瓦割り!!」ピカチュウは瓦割りを使った。その狙いは、ライチュウではない。

 

「ダブルリフレクション……元はリフレクターと光の壁です。それは、瓦割りで破壊することが出来ます。ピカチュウ、ライチュウに10万ボルト!」

 

【食らえええええええええ!!!!】

 

ピカチュウは、10万ボルトをライチュウに浴びせる。

 

「サトシ君、あなたは何を?」

 

「普通にライチュウに当てるだけなら威力は半減します!10万ボルトの威力が足りないのなら、足してやれば良いんです!!それが例え……相手のエネルギーでも!!それに、今はエレキフィールド。電気技の上昇の恩恵は、オレのピカチュウも受けられます!!」

 

ライチュウの周囲で小さな爆発が起きた。その余波で煙が発生。煙が止むと、ライチュウが目を回していた。勝者、サトシ。

 

「完敗だわ。あんな方法でライチュウを破るなんて」

 

カミツレはそう言って、ボルトバッジに手渡す。だが観客からブーイングが飛んだ。

 

「何よあれ!反則よ!」

 

「あんな弱そうなポケモンがカミツレ様のポケモンに勝利!?」

 

「こんなバトル認めない!こんなふざけたバトル無効よ!」

 

「む・!こ・!う!!」

 

「「「「「「「「む・こ・う!!む・こ・う!!!!」」」」」」」

 

ガヤは口を揃えてサトシの勝利と実力を必死に否定して来る。カミツレは嫌そうな顔になるし、トウヤとメイもこれが自分達と同じイッシュの人間かよと心底嫌悪した。デューンは、ああやっぱりなといった表情だ。

 

だが、そんなブーイングもすぐに沈黙と化した。ピカチュウが、本気で7色の電撃を放って威嚇したのだ。ガヤ達は思った。ピカチュウにあんな力があるなんてと。そして、サトシへの暴言を後悔する事になり、生涯恐怖する事になった。ある者は、悪夢として出て来て立ち直る事すら出来なくなる程だという。

 

「いい加減にしろ、クズ共が……」

 

今までにない位の低いトーンでサトシが言った。普段温厚な人を怒らせることの愚かさを、ガヤは知らなかったのだろう。正確には、知っていただろうが、それを軽視していたといった方が正しい。

 

「黙って聞いていれば、ピーピーギャーギャーほざきやがって!!発情期かテメーらは!!!戦う事すらせずに、しゃしゃり出る雑魚の分際で!!文句があるなら、オレに勝ってから好きなだけ言えよ!!!この腰抜け共!!!」

 

出ているピカチュウだけでなく、ガブリアスとラティアスも出て来た。2体とも、途轍もなく激怒している。それもそうだろう。自分のトレーナーを貶められて怒らない者など、余程信頼関係が無い者だからだ。

 

「この数で、大口叩いた事を後悔させてやるわよ!」

 

「この田舎者!!」

 

殆ど全員がポケモンをサトシにけしかけて来た。

 

「ハア、ここまで来ると、怒りを通して呆れるわ」カミツレは既にうんざりしていた。

 

「トウヤ。お前はジム戦に備えておけ。オレが加勢しに行くから」

 

「分かった」

 

「私もやりましょうか?」

 

「いいや。メイちゃんも見ていてくれ」

 

デューンはバシャーモを出す。そして、キーストンを埋め込んだサバイバルナイフを取り出す。

 

「コイツの出番かな?」

 

「行くぞ、デューン」

 

「あいよ」

 

「ラティアス!」

 

「バシャーモ!!」

 

「「メガシンカ!!!」」

 

*

 

ガヤのポケモンはあっけなく全滅した。所詮烏合の衆である。それを差し引いても、相手が悪過ぎたとしか言いようがない。サトシもデューンも、数年間トレーナーとして数え切れない位の修羅場を潜り抜けて来たのだから。

 

「り、理不尽過ぎる!!」

 

「あのピカチュウ、黄色い悪魔よ!!」

 

「身から出た錆だな」

 

「弱い奴が、生意気な口を叩くからだよ」

 

「ううっ。赤い服の男、ユウコの頭を足で踏み付けてるわ」

 

「女を何だと思ってるのよ!」

 

「そうよ、恥ずかしくないの!」

 

サトシに歯向かった事を後悔しているガヤの女性達だが、流石にデューンが女性の頭を足で抑え付けて冷酷な笑みを浮かべながらグリグリやっている光景には怒りを露わにする。

 

「フン。上っ面だけ綺麗にしている女に誰が手加減するかよ。しかも性格まで最悪。不良物件だな」

 

そう言ってデューンは、足で抑え付けている女性にオーバーキルとも言える程の蹴りを浴びせ続けた。10分後、その女性は顔の原型を留めない位までボコボコにされた。

 

ガヤ達は本能で、とんでもない化け物を敵に回したと悟った。

 

デューンは、ガヤの1人を養豚場のポカブでも見るかのような冷たい目になっていて、蹴りつけている。

 

「どうだサトシ。たまには、こういうストレス発散もアリだろ?」

 

「まあ、本当にどうしようもない時にしたいけどな」

 

その後、仕切り直しでトウヤのジム戦も行われた。ウォーグル、フタチマルで挑み、ギリギリな死闘を演じながらも、見事にバッジをゲットしたのだ。

 

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