ライモンシティを出て、5番道路にいるサトシ一行。実はライモンシティを出る前、アララギ研究所にいたサトシのバシャーモと、同じく研究所預かりになっているデューンのバシャーモの間にタマゴが発見されたのだ。一時的にメイが預かる事となったのだが、その直後ラングレーがやって来た。サトシとデューンは、ラングレーにアチャモのタマゴを託す事にしたのだった。
そして今、サトシとデューンの練習試合が行われている。
「ゲンガー、シャドーボール!!」
「オンバーン、爆音波で掻き消せ!!」
休憩がてら、サトシとデューンはバトルをしていた。サトシはポケギアに装着した通信ケーブルを使って、アララギ研究所にいるゲンガーを一時的に呼び出した。デューンのオンバーンとバトルしていたのだ。
「マジカルシャイン!」
「アクロバットで回避!」
「今だ!ヘドロ爆弾!」
マジカルシャインをやり過ごしたまでは良かったが、ヘドロ爆弾だけは直撃してしまった。運の悪い事に毒状態にもなり、苦しそうにしている。
「シャドーボール!!」
ゲンガーの技が決まり、オンバーンは戦闘不能に。
「サトシさん、イッシュのポケモンではデューンさんには全く敵わないのに、シンオウまでにゲットしたポケモンなら善戦出来る上に勝利までするんですね」
「それ、デューン的にはある意味願いが叶ったって事だよな?」
「良いバトルだったぜ、サトシ」
「出来れば、イッシュでゲットしたポケモンでデューンに勝ちたいけどな」
「お2人共。ポケモンの回復しますから、私の所へ!」
「分かったよ、メイちゃん!」
昼食を兼ねた休憩を終え、ホモドエシティを目指す。その為にまずは、ホモドエの跳ね橋が目的地だ。
するとそこには、赤髪の壮年の男性が真ん中で色々と話をしていた。それはイッシュ地方のチャンピオン、アデクだった。
「というわけで、ワシはポケモンと人間は分かり会えると言う訳じゃよ。ポケモンの気持ちを確かめ、お互いに高め合う事、それこそが最も重要な事なのじゃ」
アデクはそう言うと、周りの人間が拍手喝采をする。流石はチャンピオン。人望がある人だとサトシ一行は思った。
「チャンピオンの言葉は響くよな、サトシ」
「ああ。あの人が、トウヤの目標なんだろ?」
「まあな。でも、倒してやるさ」
「それじゃあ最後にワシが選ぶ2人にバトルをしてもらう。そうじゃな。よし。そこの2人」
アデクはそう言って、サトシとトウヤを指名する。
「良いんじゃないですか?本格的なフルバトル、何気に初めてですし」
「折角だからフルバトルでやってみろよ。互いの実力を把握する意味でもさ」
「デューンはああ言ってるけど、どうする?」
「……やるさ。カノコタウンでのリベンジも兼ねてな」
「決まりだな」サトシとトウヤは互いにモンスターボールを構える。
「それではこれより、バトルを始める!」アデクが審判をやるようだ。
「ハトーボー、君に決めた!」
「目には目を、鳥ポケモンには鳥ポケモン!頼むぜ!ウォーグル!!」
サトシはハトーボーを、トウヤはウォーグルを繰り出した。
【まさか、アンタと戦う事になるとはな。ハトーボー】
【お手柔らかにお願いします】
「ウォーグル、岩石封じ!」
「フェザーダンスで攪乱だ!!」
苦手な筈の岩タイプの技を難無くやり過ごすハトーボー。ついでに、ウォーグルの攻撃力を大幅に低下させた。
「やるな。ウォーグル、爪を砥げ!」
「積んで来たか、トウヤ。ならこっちも、影分身!!」
「分身には興味無いぜ!霧払い!!」
ウォーグルは、ハトーボーの分身を掻き消した。
「ブレイブバード!」
「鎌鼬で返り討ちにしろ!」
鎌鼬は確かにウォーグルに当たったが、それは残像だった。
「……」歯をギリッとさせるサトシ。
「フェイントって知ってるか?言っとくが、技の方じゃねえぞ。気迫とアクションだけで、本当にウォーグルがやって来るって錯覚させることが出来るのさ。それに、オレの狙いは攻撃する事じゃないし」
トウヤの狙いは、ハトーボーを攻撃する事では無かったのだ。現にウォーグルは、ハトーボーの目の前に来たのだ。
「ハトーボーを引っ掴んで、フリーウォール!!!」
ハトーボーはウォーグルに捕まってしまい、上空に連れ去られる。ある程度の高さから、勢いよくウォーグルが滑空して来た。
「ハトーボー、燕返し!!」
間一髪でウォーグルの攻撃から脱出出来たハトーボー。
「エアカッター!」
続け様にエアカッターを当てるハトーボー。ウォーグルは地に付いてしまう。
「行くぞ、新技!ゴッドバード!!」
隙が出来たと言わんばかりに、新しい技を叩き込もうとするハトーボー。ウォーグルは何とか体勢を立て直したものの、直後に攻撃が当たってしまい、戦闘不能になる。
「戻れ!行くぞ、サンダーズ!!」
トウヤはウォーグルを戻し、次はサンダースを繰り出した。
「電撃波!」
「ハトーボー、見切り!」
いきなり電気技が来ることは想定していたので、防御技でやり過ごす。
「必中技対策も万全って所か!電光石火!」
「辻斬り!!」
ダメージが通りにくい電気タイプ、岩タイプとのバトルを想定して覚えさせたのだ。また、サトシのハトーボーの特性は強運。急所に当たる確率も他のポケモンが使うよりも高くなっている。
互いにダメージを負うが、サンダースの方がダメージが大きかった。
「なら、ミサイル針!」
ハトーボーが離れようとする瞬間を狙い、技を放つサンダース。殆どは避けられてしまったものの、最後の1発だけは当てる事に成功した。
「やるな、トウヤ。転んでもタダでは起きないなんて」
「サトシ。相変わらず、お前にはタイプ相性なんて関係ないな。セオリーの逆を突くトレーナーがどれだけ恐ろしいかを、ここで改めて思い知らせられるなんてさ」
「誉め言葉とし受け取っておくよ」
「「電光石火!!」」
ハトーボーとサンダースの電光石火がぶつかり合う。お互いに吹っ飛ばされる。
「二度蹴り!」
「鎌鼬!」
1発目の蹴りは当たったが、2発目は鎌鼬によって不発に終わった。
「ゴッドバード!!」
またもゴッドバードが決まった。サンダースは戦闘不能になった。それでも、ある程度ハトーボーにダメージを負わせる事には成功した。