トウヤはサンダースをボールに戻した。残り4体だ。
「次は……誰に……」
【ねえ、トウヤ。僕が戦いたい】
独りでにキバゴが出て来た。
「分かった。だけどな、無茶だけはすんなよ」
【ありがとう!】
トウヤはキバゴを繰り出した。
「辻斬りだ!」
「キバゴ、アイアンテール!!」
ハトーボーとキバゴがぶつかり合う。キバゴの方が吹っ飛んだ。
「竜の怒り!」
トウヤは負けじと、遠距離技の指示をする。
「影分身!」
ハトーボーは即座に分身を出す。竜の怒りは、分身の内の1体を消しただけに過ぎなかった。
「燕返し!」
「キバゴ、ドラゴンクローで迎え撃て!!」
再び激突するものの、やはり地力や経験値の差はハトーボーの方に軍配が上がり、キバゴが吹っ飛ばされる。
「鎌鼬!」
最後は鎌鼬でフィニッシュ。キバゴは倒れた。だが、ハトーボーの方も連戦の影響で既にフラフラだった。
「ハトーボー、戻ってくれ」
【いいえ。サトシ、限界までやらせてください】
何とハトーボーは、ボールに戻る事を拒絶。最後までバトルをするという意思表示を示した。
「分かった。ここまできたんだ。後悔の無い様に思いっ切りやってこい!」
【分かっています】
「フタチマル、頼む。ここまでやってくれたあいつらの為にも」
【……】フタチマルは頷いた。ホタチを両手に持ち、残った1枚は口に咥えた。
「ハトーボー、鎌鼬だ!」
「鎌鼬の弱所にシェルブレードを叩き込め!!」
何度も鎌鼬を見て来たトウヤは、どこを攻撃すれば破壊出来るかを見切った。その部分に技を打ち込むように指示し、鎌鼬を打ち破る事に成功。
「アクアジェットで近付け!」
「エアカッターで近付けるな!」
エアカッターを乱射し、フタチマルが近付く事を阻止しようとするサトシ。だが、フタチマルは最小限の動きで軌道をずらしながらハトーボーに接近した。
「敵討ち!!」
ハトーボーに大ダメージを与えた。それでも戦闘不能にならない。
「これで決めるぞ!シェルブレード三刀流!『乱舞』だ!!!」
「ゴッドバード!!!」
フタチマルとハトーボーが激突する。お互いが技発動前にいた場所に入れ替わるようにいた。それでも、両者立っている。この戦いを制したのは……
「ハトーボー!!」
ハトーボーがとうとう倒れた。フタチマルが勝ったのだ。
「まずは1勝……」
【ようやくサトシのポケモンを戦闘不能に……きついけど、挽回しないといけないわね】
「良くやったハトーボー、お疲れ様。次はミジュマル、君に決めた!!」
【任せろサトシ!】
サトシはミジュマルを繰り出した。
「進化系と進化前の対決か。こりゃ、面白い事になりそうじゃの」
「「シェルブレード!!」」
三刀流と一刀流のホタチがぶつかり合う。ギャラリーは皆、進化しているというアドバンテージとホタチを3枚を持つフタチマル、即ちトウヤの方が有利だと思っているだろう。
「互角……」
「イヤ、僅かだがミジュマルの方が押している」
「受け流してリベンジ!」
先に動いたのはミジュマルの方だった。3枚のホタチを上手く捌いて、フタチマルにダメージを与える。
「なっ!」
「シェルブレードに冷凍ビーム!アイシクルブレードを叩き込め!」
続け様にアイシクルブレードを食らわせる。
「塩水!!」
止めと言わんばかりに、塩水を掛けるミジュマル。フタチマルの体力は半分を切っていたようで、ダメージが倍増した。フタチマルは倒れる。
「フタチマル、よくやったよ。モンメン!」
トウヤはモンメンを出した。
「エナジーボール!!」
「冷凍ビームで凍らせろ!」エナジーボールは冷凍ビームで凍ってしまった。
「そのままホタチで返せ!!」
「モンメン、マジカルシャイン!!」
つい最近習得したフェアリータイプの技で凍ったエナジーボールを相殺したモンメン。
「アクアジェットで近付け!」
すかさずアクアジェットでモンメンの背後に回るミジュマル。
「シェルブレード!!」
ホタチによる一閃を叩き込んだ。
「ギガドレインで体力回復!」
「遅いぜトウヤ!!冷凍ビーム!!」
同時に決まった。お互いがダメージを受ける。モンメンは体力を回復したものの、冷凍ビームの威力が高過ぎてそれが追い付かず、モンメンは戦闘不能となった。
「モンメン!」
「メン……」
「ゆっくり休んでくれ」モンスターボールにモンメンを戻すトウヤ。
「頼むぞ、チャオブー」
【最後はお前かよ、チャオブー】
【ミジュマルか……皆の分までオレは戦い抜く!】
【悪いが、チャオブー。シューティーに選ばれたジャノビー同様に返り討ちにしてやるよ!!】
「炎の誓い!」
「熱湯!」
炎と水がぶつかり合い、温度の高い水蒸気が発生した。
「アクアジェットで近付け!!」
隙ありと言わんばかりに、サトシは指示を出す。ミジュマルは最初、水の中でさえ目を閉じていた。だが、数週間掛けた特訓でそれを克服した。それどころか、ほぼ無視覚の環境でも問題無く行動出来る様になったのだ。
「チャオ!?」
「慌てるな、チャオブー。お前はパワーファイターだ。つまり、来た所をそのまま返り討ちにすりゃあ問題無い。重量級のバトルは、隙を見つけるだけじゃなくて隙を作らせる事も大事なんだからな」
チャオブーはトウヤの言葉を聞き、目を閉じる。他の感覚でミジュマルの気配を感じ取る為にだ。
『そこか?』
【あそこから来る……】
「雷パンチ!!」
「アイシクルブレード!」
チャオブーが技を発動させた所には、確かにミジュマルがいた。
【悪運だけは無駄にあるみたいだな、ミジュマル】
【うっせえ!オレのいた場所を見破られた時は正直ヒヤリとしたけどよ、サトシの咄嗟の機転で何とか直撃は防げた。アララギ研究所で、付いて行くって決めて正解だよ!進化しなくても強くなれる実感はあるしな!強制もされねえし!!】
【そうか。進化出来ないんじゃなくて、したくないのか。変わってるな】
【悪いがオレは負けねえぞ!】
【それはこっちも同じだ!オレはトウヤを最強にする!】
チャオブーの身体が突然光り輝いた。
「これは!」サトシは突然の事で驚く。尤も、すぐに冷静になったが。
「ほう。ここに来て進化……面白い事になって来たのお」アデクは微笑みながら呟いた。
チャオブーはエンブオーに進化したのだ。
「エンブオー……」
【トウヤ。勝つ為の指示を!新しい技も覚えたんだ!】
エンブオーは技を出す。
「ヒートスタンプか……」デューンがトウヤに教えた。
【オレも負けられねえな】
もっと強い力が欲しい。ミジュマルは強く望み、技を放った。ヒートスタンプで生じた炎を掻き消す形で。
「ミジュマル、もしかしてハイドロポンプを……」
サトシの問いにミジュマルは振り向き、ニッと笑いながら頷いた。
「行くぞ、このバトルを楽しんだ上で勝つんだ!」
【当たり前だ!】
「エンブオー、雷パンチ!」
「エアスラッシュ!」
技と技がぶつかり合う。相性の関係上、雷パンチの方が有利に見えるが実際はそうじゃない。エンブオーは格闘タイプを持つ故に若干押され気味になっている。
「シェルブレード!!」
いつの間にかエンブオーの目の前まで来ていたミジュマルは、水の刃の一閃を叩き込む。エンブオーはフラフラになっているが……
「ヒートスタンプ!」
猛火が発動したなと踏んだトウヤ。早速新技を使う事に。
「こんな至近距離から来るのか!ミジュマル、ハイドロポンプで対抗だ!」
水鉄砲からパワーアップした最大技の指示をミジュマルにするサトシ。またも水蒸気爆発が起こり、煙が生じた。
「どっちが勝ったの!?」メイが叫ぶ様に言った。
「今は何とも言えねえな」
やがて、煙が晴れた。そこには……
「エンブオー!」
「ミジュマル!」
エンブオーとミジュマルは倒れていたのだ。引き分けではあるが、トウヤはバトルで戦えるポケモンが全滅したのでサトシの勝ちだ。
「トウヤお兄ちゃん……」
「あいつは頑張ったさ。リーグ出場経験があるサトシに対して、ここまで奮闘したんだからな」
「サトシ。今回はオレの負けだけど、次こそは勝ってやる!」
「ああ!いつでも挑戦しに来い!」
その直後、アデクがやって来た。
「うむ、2人共。実に良いバトルじゃった。こりゃ、ワシもうかうかしてられんのお」
「ありがとうございます、アデクさん」トウヤが言った。
「とても素晴らしいバトルをした彼等に拍手を!」
このバトルを見たギャラリーは大きな拍手を送った。
*
アデクの演説が終わり、ギャラリーが散り散りになっている頃の事。
「で、2人のバトルを見た感想は?」
アデクは誰かと話している様だ。顔こそ見えないものの、隣にはジャローダがいた。その近くには、ナックラーとメリープ、ガルーラだ。
「はい。見えなかったものが見える様になった今だからこそ言えます。純粋に凄かった……特にサトシが」
声からして少年の様だ。
「今のお前さんなら、良いバトルを出来ると思うがのお」
少年は、バツが悪そうな表情になった。
「いえ。まだその時ではありません」
「……そうか。次にどこに行くつもりかな?」
「ホモドエジムに挑戦……と、言いたい所ですがミロス島で修行をします。今まで、野外での戦闘が不十分ですので」
「そうか、分かった。健闘を祈るぞ」
少年は礼をし、アデクに背を向けてホモドエシティに向かって行った。
これで、第1部は終了です。
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